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平成29年 記者会見要旨  >  法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成29年12月26日(火)

 本日の閣議では,法務省案件はありませんでした。
 先ほど官邸で開催された第4回SDGs推進本部会合において,「SDGsアクションプラン2018」が決定しました。法務省の施策は,「誰一人取り残さない」というSDGs(持続可能な開発目標)の理念と深く結びついていると考えています。本アクションプランにも,法務省の施策の1点目として再犯防止対策の推進,2点目としてコングレスの開催など「法の支配」の促進に関する国際協力,3点目として「心のバリアフリー」を推進するための人権啓発活動が盛り込まれています。
 来年度から新設される官房国際課が法務省の国際的取組の司令塔機能を担うことにより,SDGsの達成に向けて,法務省としても,より一層貢献できるものと考えています。
 法務省としては,関係省庁と連携し,本アクションプランにある施策等を着実に進め,SDGsの達成に向け,積極的に取り組んでまいりたいと考えています。

留学生や技能実習生の不法就労に関する質疑について

【記者】
 留学生や技能実習生の不法就労が増加しているとの報道がなされていますが,事実関係及び今後どのような抜本的な対策をお考えなのかお聞かせください。

【大臣】
 御指摘の報道は承知しています。まず,事実関係について,最近5年間において,退去強制処分を執った外国人のうち,不法就労事実が認められた者であって,最終在留資格が「留学」又は「技能実習」であった者が増加をしているのは事実です。ただし,これらは必ずしも「留学」又は「技能実習」の在留資格をもって在留中に資格外活動容疑により摘発等された者だけではなく,在留期間を経過し,不法残留容疑等により退去強制手続を執った者も含まれています。また,留学生については,学校ぐるみで資格外活動許可の制限時間を大幅に超えるような就労活動をさせている事案も発生しています。そのため個々の外国人の入国・在留申請について厳格に対応するとともに,必要に応じて日本語教育機関に対する実態調査を行う等により,引き続き,日本語教育機関が外国人の偽装滞在に利用されないよう努めてまいりたいと考えています。技能実習生については,一部で外国人技能実習制度の趣旨が労働力の確保策と誤解され,法令違反等の問題事案が生じているのも事実です。しかし,本年11月1日に施行された技能実習法に基づき,主務大臣として的確に対応し,制度の一層の適正化を実現し,開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力するという本来の意義どおりの役割を果たせるようにすべきと考えています。具体的に申し上げると,主務大臣として監理団体の許可を厳格に行っていくとともに,外国人技能実習機構においても,技能実習計画の認定や実習実施者等に対する実地検査等の管理監督業務を的確に行い,併せて技能実習生からの相談・申告への対応や援助等の技能実習生保護業務をきめ細かく行っていくこととし,制度の一層の適正化に努めてまいりたいと考えています。

北朝鮮籍8名の帰国に関する質疑について

【記者】
 秋田県に漂着し,長崎県大村市の入管施設に移送された北朝鮮籍の8名が,今日日本を出国し北朝鮮へ向かうとの報道があります。大臣が把握されている情報を教えてください。

【大臣】
 御質問の報道は承知していますが,事案の性質上,本件に関してはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

安倍政権復帰から5年を経過したことに関する質疑について

【記者】
 今日で安倍政権が2012年の政権復帰から5年を迎えましたが,内閣の一員として,今後どのように取り組んでいかれるか,お考えをお聞かせください。

【大臣】
 私は,本年8月3日に法務大臣に再任されました。今回の組閣に当たっては,安倍総理自ら命名された仕事人内閣の一員として加わることができましたので,成果をしっかりと上げ,その期待に応えるように頑張ろうという思いで取り組んでまいりました。先日,再犯防止推進計画が閣議決定され,来年は再犯防止元年という位置付けであり,そのほかの項目もそれぞれ国民の皆様の権利利益に関わること,また,国際的な司法という分野においては,官房国際課の設置が認められ,更にその手続をしっかりとした上で,来年度に臨むという意味で,大変大きな節目の時期にあると思っています。安倍政権の一員として,法務大臣としての責任をしっかりと果たすべく,省をあげて取り組んでまいりたいと思っています。
 こうしたことを成果として上げることにより,政権が掲げる様々な施策に対する国民の信頼にも貢献するものと考えていますので,引き締めて,しっかりと国民の皆様の期待に応えられるよう,真摯に,そして誠実に対応することを貫いてまいりたいと思っています。

あおり運転の厳罰化に関する質疑について

【記者】
 あおり運転などを執拗に行う悪質なドライバーについて警察庁が暴行罪の適用を念頭にした捜査の徹底を指示しましたが,一方で危険運転致傷罪などの改正を行うなどして,正面からこうした悪質なドライバーを重く処罰する法律を作ることが必要ではないかという意見がございますが,大臣のお考えはいかがでしょうか。

【大臣】
 いわゆる「あおり運転」等の悪質・危険な自動車運転により,死傷事故が発生することについては,大変大きな問題だと考えています。この対策としては,指導取締りの強化,交通安全教育の充実その他の施策について,政府全体として総合的に取り組む必要があると考えています。また,現行の自動車運転死傷処罰法第2条においては,危険運転致死傷罪の一類型として,人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に進入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為が規定されています。これに加えて,危険運転致死傷罪に新たな行為類型を設けるなどの改正をすることについては,当該行為類型に対する道路交通法上の規律等を参酌しつつ,暴行による傷害・傷害致死に準じた故意の犯罪として,重い法定刑により処罰すべきものと認められるかどうか,また,死傷事犯の実態等に照らして,人の死傷を生じさせる具体的・現実的な危険性を有し,かつ,死傷の結果の直接の原因となると認められるかどうかなどの観点から,慎重な検討が必要であると考えています。

死刑未執行者の人数に関する質疑について

【記者】
 現在,収容されている未執行の確定死刑囚の人数は122人だと思います。昨年末は128人でした。この122という数字を,大臣はどのように受け止められているのか。多いのか,少ないのか,また,どのくらいの人数が良いと考えられているのか,大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 死刑未執行者の人数に関して法務大臣として所感を述べることについては,お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
(以上)