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トップページ > 法務省の概要 > 各組織の説明 > 内部部局 > 刑事局 > 過去の国会提出法律案(平成10年3月から平成20年3月までに提出されたもの) > 組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A

組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A

これは,犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案により新設されることとなる組織的な犯罪の共謀罪に関するものです。

Q1 なぜ,今,組織的な犯罪の共謀罪を新設するのですか。

 平成12年11月,国連総会で,一層効果的に国際的な組織犯罪を防止し,及びこれと戦うための協力を促進することを目的とする「国際組織犯罪防止条約」が採択されました。この条約は,昨年9月に発効しており,我が国としても,早期に加入することが重要です。
 この条約は,国際組織犯罪対策上,共謀罪などの犯罪化(注)を条約加入の条件としています。しかし,我が国の現行法上の罰則には組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為を処罰する罪がないので,「組織的な犯罪の共謀罪」を新設する必要があるのです。
(注)その他,マネーローンダリング罪,司法妨害罪等の犯罪化等が義務付けられており,今回,現行法では足りない罪の新設等の法整備も行います。

Q2 組織的な犯罪の共謀罪の新設によって,何か良いことがあるのですか。

 「組織的な犯罪の共謀罪」の新設によって,国際組織犯罪防止条約に加入することが可能となり,一層強化された国際協力の下で我が国を国際組織犯罪から守ることができるようになります
 また,国内で現実に発生している組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪について,これまでは,例えば共謀に参加した者が自首した場合など確実な証拠が入手された場合であっても,実際に犯罪が実行されなければ検挙・処罰することができませんでしたが,共謀段階での検挙・処罰が可能となり,組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪から国民をより良く守ることができるようになります

Q3 どのような行為が,組織的な犯罪の共謀罪に当たるのですか。一般国民にとって危険なものではないですか。

 「組織的な犯罪の共謀罪」には,以下のような厳格な要件が付され,例えば,暴力団による組織的な殺傷事犯,悪徳商法のような組織的詐欺事犯,暴力団の縄張り獲得のための暴力事犯の共謀等,組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為に限り処罰することとされていますので,国民の一般的な社会生活上の行為が本罪に当たることはあり得ません。
 すなわち,新設する「組織的な犯罪の共謀罪」では,第一に,対象犯罪が,死刑,無期又は長期4年以上の懲役又は禁錮に当たる重大な犯罪に限定されています(したがって,例えば,殺人罪,強盗罪,監禁罪等の共謀は対象になりますが,暴行罪,脅迫罪等の共謀では,本罪は成立しません)
 第二に,(1)団体の活動として犯罪実行のための組織により行うことを共謀した場合,又は(2)団体の不正権益の獲得・維持・拡大の目的で行うことを共謀した場合に限り処罰するという厳格な組織犯罪の要件(注)が課されています(したがって,例えば,団体の活動や縄張りとは無関係に,個人的に同僚や友人と犯罪実行を合意しても,本罪は成立しません)
 第三に,処罰される「共謀」は,特定の犯罪が実行される危険性のある合意が成立した場合を意味しています(したがって,単に漠然とした相談や居酒屋で意気投合した程度では,本罪は成立しません)
(注)組織的犯罪処罰法における組織的な殺人等の加重処罰の場合と同じ要件であり,実際の組織的犯罪処罰法の組織的な殺人等の適用事例も,(1)暴力団構成員等による組織的な殺傷事犯,賭博事犯,(2)悪徳商法のような組織的詐欺事犯及び(3)暴力団の縄張り獲得,維持のための業務妨害,恐喝事犯等に限られています。

Q4 共謀罪が設けられると,通信や室内会話の盗聴,スパイによる情報取得などの捜査権限が拡大され,国民生活が広く監視される社会になってしまうのではないですか。

 「組織的な犯罪の共謀罪」には,厳格な要件が付され,例えば,暴力団による組織的な殺傷事犯,悪徳商法のような組織的詐欺事犯,暴力団の縄張り獲得のための暴力事犯の共謀等,組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為に限り処罰することとされていますので,国民の一般的な社会生活上の行為が本罪に当たることはあり得ません。
 また,組織的な犯罪の共謀罪の新設に際して,新たな捜査手段を導入するものではありません。したがって,他の犯罪と同様に,法令により許容された範囲内で捜査を尽くして適正な処罰を実現することで,国民の生命,身体,財産を組織犯罪から保護することとなります。

Q5 国際組織犯罪防止条約に基づく法整備なのですから,組織的な犯罪の共謀罪の対象を国際的な犯罪に限定すべきではないのですか。

 国際組織犯罪防止条約は,国際的な組織犯罪に対処するための国際協力の促進を目的としていますが,組織犯罪に効果的に対処するため,各締約国が共謀罪を犯罪とするに当たっては,国際的な性質とは関係なく定めなければならないと規定しており,このような国際性を要件とすることはできません
 実際問題としても,例えば,暴力団による国内での組織的な殺傷事犯の共謀が行われた場合など,組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪から国民を守る必要が高いものについては,国際的な性質を有しないからとの理由で処罰できないというのは,おかしな話です
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