本文へ
文字の大きさを変更する
標準に戻す
拡大する
色変更・音声読み上げ・ルビ振りを行うアクセシビリティツールを利用するかたはこちら
トップページ
サイトマップ
業務支障情報
ENGLISH
トップページ > 法務省の概要 > 各組織の説明 > 内部部局 > 刑事局 > 過去の国会提出法律案(平成10年3月から平成20年3月までに提出されたもの) > 通信履歴の電磁的記録の保全要請に関するQ&A

通信履歴の電磁的記録の保全要請に関するQ&A

これは,犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案により新設されることとなる通信履歴の電磁的記録の保全要請の制度に関するものです。

Q1 通信履歴の保全要請の制度は,なぜ必要なのですか。

    コンピュータ・ネットワークを利用した犯罪においては,その匿名性ゆえに,犯人の特定等のため,通信履歴の電磁的記録を確保することが極めて重要です。しかし,通信履歴の電磁的記録は一般的に短期間で消去される場合が多いことから,令状を得てこれを差し押さえるまでの間に消去されてしまう場合も少なくありません。そのため,捜査に必要な通信履歴の電磁的記録については,通信プロバイダ等の保管者に対し,令状による差押えの前の段階で,これを消去しないよう求める必要性が大きいと考えられます。そのため,今般,そのような保全要請の規定を設けることとしたものです。 

Q2 通信履歴とは何ですか。電子メールの本文もこれに当たるのですか。

  「通信履歴」とは,通信に関わる事項の記録のうち,通信内容を除くものをいいます。具体的には,電気通信の送信先,送信元,通信日時等の通常ログと呼ばれているものがこれに当たることとなります。したがって,電子メールの本文等,通信の内容に関するものは,これに当たりません。

Q3 保全要請の対象となる通信履歴の範囲を教えてください。

 通信履歴の電磁的記録のうち,保全要請の対象となるのは,要請があった時点において通信プロバイダ等が業務上記録しているものに限られます。通信プロバイダ等がそもそも記録していないものや,要請があった時点で未だ記録されていない将来の通信履歴は対象になりません。

Q4 令状なくして保全要請をするのは,通信の秘密との関係で問題になりませんか。

 保全要請の対象となる通信履歴には,通信の秘密の保護が及びますが,保全要請は,通信プロバイダ等がその業務上記録している通信履歴を消去しないように求めるにすぎず,その内容を捜査機関に開示させるものではないことから,令状を要することとする必要はなく,通信の秘密を不当に制約するものではないと考えられます。

Q5 保全要請の制度を設けると,通信業者などに過度な負担を負わせることになりませんか。

 保全要請の制度は,通信プロバイダ等に対し,新たに通信履歴の記録を義務づけるものでも,一律に全ての通信履歴を保存することを義務づけるものでもありません。通信プロバイダ等が既に業務上記録している通信履歴のうち,捜査に必要なものを特定した上,一定の期間これを消さないようにすることを要請するという制度です。また,保全の必要がなくなったときには,捜査機関は,保全要請を取り消すことが義務づけられているなど,通信プロバイダ等に過度な負担を負わせないような制度となっています。

Q6 保全要請の期間として,90日も必要なのですか。

 保全の期間の上限を90日間としたのは,サイバー犯罪に関する条約の規定に従ったものですが,実務的にもその程度の期間とする必要があります。現在においても,捜査機関は,通信履歴の電磁的記録に係る差押えを行うに際し,事前に通信プロバイダ等に連絡し,必要な通信履歴の電磁的記録について,差押え実施のための日程調整等を行うことがありますが,中には差押えの実施まで2か月程度かかることもあると承知しています。したがって,保全要請の期間の上限は90日間程度とする必要があるのです。
 もっとも,この90日間というのは,あくまでも保全期間の上限であり,個々の保全要請の実施に当たっては,具体的事案に応じて,犯罪捜査に必要な適切な期間が定められるものと考えています。また,捜査機関は,保全期間内であっても,保全対象の電磁的記録に係る差押えが可能となれば,速やかに差押えを実施することになります。
ページトップへ