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債権回収会社(サービサー)の業務状況について(概要)

平成29年3月22日

平成28年12月31日現在において営業を行っているサービサーに対し,その業務状況について調査した結果は,次のとおりです。

第1 サービサーの状況(H28.12.31現在)

1 営業会社数 86社 【表1-1】[PDF]
前回調査時(H27.12.31現在)の86社から変更ありません。

2 累積取扱債権数 1億5,899万件 【表1-2】[PDF]
当期取扱債権数は1,138万件(譲受53万件,受託1,085万件)
取扱債権数は,前期の1,002万件から13.6%増加し,平成25年から3年連続の増加となりました。

3 累積取扱債権額 410.9兆円 【表1-3】[PDF]
当期取扱債権額は14.1兆円(譲受9,161億円,受託13兆1,865億円)
取扱債権額は,前期の15.2兆円から7.2%減少し,平成26年から2年連続の減少となりました。

4 累積回収額 48兆1,979億円 【表1-4】[PDF]
当期回収額は2兆6,305億円(譲受1,068億円,受託2兆5,237億円)
回収額は,前期の2兆607億円から27.7%増加し,平成26年から2年連続の増加となりました。

(注)
1 取扱債権数等の推移は【表2-1】[PDF] のとおりです。また,当期取扱分及びその譲受と受託の内訳は【表2-2】[PDF] のとおりです。
2 これらの各データを出資母体等別に見ると【表3】[PDF] のとおりです。
3 累積取扱債権数,累積取扱債権額及び累積回収額は,サービサーが,営業開始から(H11.2.1サービサー法施行日以降)債権の管理回収の委託を受けたもの及び譲り受けたものの累計です。
4 当期とは,平成28年1月1日から平成28年12月31日までを指し,以下の項番でも同様とします。

第2 当期における特定金銭債権の取扱実績(H28.1.1~H28.12.31)

1 全体
当期における特定金銭債権の取扱債権数及び取扱債権額を,種類別(該当条項別)に見た主な占有率は,次のとおりです。
(1) 取扱債権数に占める種類別割合 【表4-1】[PDF]
当期における取扱債権のうち,金融機関等が有する又は有していた貸付債権(1,2号)が全体の57.4%を占めており,次いでリース・クレジット債権(4~7号の2)が33.7%を,求償権その他(3,15,20~22号)が8.7%を占めています。
(2) 取扱債権額に占める種類別割合 【表4-2】[PDF]
当期における取扱債権額のうち,金融機関等が有する又は有していた貸付債権(1,2号)が全体の91.6%を占めており,次いで求償権その他(3,15,20~22号)が5.9%を,リース・クレジット債権(4~7号の2)が2.0%を占めています。

2 出資母体等別占有率
当期における特定金銭債権(種類別 〈該当条項別〉)の取扱債権数及び取扱債権額を,出資母体別に見た主な占有率は,次のとおりです。
(1) 取扱債権数に占める種類別割合 【表4-3】[PDF]
ア 金融機関等が有する又は有していた貸付債権(1,2号)
信販・貸金・リース系61.2%,金融機関系32.4%,不動産・独立系・その他6.0%
イ リース・クレジット債権(4~7号の2)
不動産・独立系・その他75.3%,金融機関系13.7%,信販・貸金・リース系10.9%
ウ 流動化関連債権(8~14号)
不動産・独立系・その他62.1%,信販・貸金・リース系36.1%,金融機関系1.8%
エ 倒産関連債権(16~19号)
不動産・独立系・その他87.1%,信販・貸金・リース系10.6%,金融機関系2.1%
オ 求償権その他(3,15,20~22号)
不動産・独立系・その他47.0%,金融機関系33.0%,信販・貸金・リース系17.6%
(2) 取扱債権額に占める種類別割合 【表4-4】[PDF]
ア 金融機関等が有する又は有していた貸付債権(1,2号)
金融機関系64.5%,不動産・独立系・その他20.4%,信販・貸金・リース系14.5%
イ リース・クレジット債権(4~7号の2)
不動産・独立系・その他58.6%,金融機関系28.5%,信販・貸金・リース系12.6%
ウ 流動化関連債権(8~14号)
不動産・独立系・その他73.5%,金融機関系13.5%,信販・貸金・リース系12.9%
エ 倒産関連債権(16~19号)
信販・貸金・リース系58.6%,不動産・独立系・その他39.0%,金融機関系1.3%
オ 求償権その他(3,15,20~22号)
不動産・独立系・その他62.7%,信販・貸金・リース系23.8%,金融機関系13.4%

(注) 種類別(該当条項別)とは,サービサー法第2条第1項各号の特定金銭債権を種類別に区分したものです。

第3 当期における特定金銭債権の回収実績(H28.1.1~H28.12.31)

1 物的担保付き債権の手法別回収状況 【表5-1】[PDF]
債務者弁済によるものが83.5%,任意売却によるものが8.1%,競売によるものが4.4%を占めており,その余の回収手法によるものが4.1%(保証人弁済1.8%,債権譲渡1.0%,第三者弁済0.2%,破産等配当0.1%,代物弁済0.1%,その他0.9%)となっています。
2 物的担保なし債権の手法別回収状況 【表5-2】[PDF]
債務者弁済によるものが89.0%,保証人弁済によるものが7.1%を占めており,その余の回収手法によるものが3.9%(破産等配当0.9%,強制執行0.6%,第三者弁済0.5%,債権譲渡0.4%,その他1.5%)となっています。

第4 各サービサーからの業況等に関する主なコメント

1 取扱債権額の増減の原因に関するコメント
(1) 平成28年の国内景気動向は,海外情勢に鑑みた不透明感があったものの,全体としては緩やかな回復基調を維持しました。また,各金融機関が保有する暫定的な計画策定によって貸付条件変更等を受けた債権の市場流通も進まなかったことから,不良債権市場においては,債権回収会社間の激しい競争が続いており,受託手数料水準の低下や,落札価格高騰などの現象が更に顕著なものとなりました。
(2) 相当量の不良債権があると言われていますが,政府による金融政策がおおむね好調で,景気も緩やかな回復基調にあることから,金融円滑化法終了前から続く各金融機関の消極的な不良債権の放出姿勢に大きな変化は感じませんでした。また,中古不動産価格の高騰を受け,金融機関による担保物件の処分が進んだ結果,バルク市場に出回る債権が減少し,少量の無担保・小口案件に債権回収会社の入札が殺到し競争が激化したため,落札価格の高騰に天井が見えない状況です。
2 短期的な展望に関するコメント
(1) 不良債権市況につきましては,近年の傾向として景気の回復を背景とした倒産企業件数の減少,金融機関の貸倒引当余力の増加により売却対象債権の選別が進行しております。特にメガバンクに至っては,近年の傾向として破産,民事再生,会社更生法等既に回収額の予測がつくものの一定の時間を要する債権や金融円滑化法下で売却が留保され,かつ事業再生を伴う回収が不透明な債権の売却が増加傾向となっています。
 正常債権市況に関しましては,リーマンショック以降,新規の証券化,ノンリコースローン共に組成は低調であり,その傾向は平成29年度も継続するものと見込んでおります。
(2) 金融機関等が実施するバルクセールの招致数は前年度並みに推移するものの,債権数や債権額の減少傾向に反して,買取価格は引き続き高騰していくものと想定しております。
 また,当社が積極的に買取を行っている事業者向け無担保債権,住宅ローン債権,及び居住用不動産担保付債権のバルクセールにおいて,弁済継続型の債権が占める割合が増えたことにより投資回収の長期化が懸念されます。
 一方で,金融機関の個人ローンが活況であることから,小口リテール債権の市場への放出は拡大すると予想しております。
3 中・長期的な展望に関するコメント
(1) 不良債権市場では,中小企業金融円滑化法は終了したものの,実質的には同法の精神が継続されている影響を受け,金融機関の不良債権比率の更なる改善,担保処分による債権回収の進展などを要因として,バルク市場は減少し,債権回収会社間の激しい競争が続いております。
 しかしながら,地方金融機関の有する債務者の中には,業績を改善できないまま放置されていることが現状散見されます。これらが短期的に市場に放出されることはないかもしれませんが,抜本的な経営改善,業種転換,M&A,事業承継,廃業等の支援を必要とする債務者が潜在的に存在することになります。
 中長期的には,時代の変化に伴い,単なる回収管理から,個々の事情を考慮した債務者の再生に寄与するコンサルティング型回収へと質の転換が求められてきております。
(2) 中小企業金融円滑化法の終了から既に3年を経過していることから,徐々に暫定リスケ期間が終了し,この対象となった債務者は,抜本的な再生計画の策定,債権者金融機関による再生計画への同意取付け等を実行していく必要があります。したがって,中長期的には抜本的な再生計画が策定できない債務者や,再生計画への債権者の同意が得られない債務者に対する債権は,バルクセールを含む最終処理に至ることとなり,スペシャル・サービシングの対象債権のトレーディング・マーケットの拡大が期待されますが,短期的には現状維持又は更なるマーケットの縮小も考えられる状況であると見ております。
4 コンプライアンス態勢の構築等に関するコメント
(1) 当社では,経営陣が掲げるコンプライアンス方針及び規則にのっとり,法令・企業倫理にとどまらず,債務者等への配慮を含む社会の良識や常識といった社会規範まで,広く社会「ルール」を遵守することを理念として,取締役弁護士の関与の下,各部門が自らの役割を実行すること,全社が一体となってPDCAサイクルを機能させることで,実効性ある態勢整備に取り組んでおります。なお,昨今の同業他社での事象を鑑みて,当社ではサービサー法遵守は当然として,社内不正防止や反社会的勢力の排除をハイリスク領域と位置づけた取組を行っております。
(2) 反社会的勢力排除及び関係遮断に向け,反社会的勢力に関する情報を蓄積したデータベース管理及びその情報整備・拡充と,反社会的勢力の迅速な特定及び属性を踏まえた適切な対応を行うことができる態勢の構築に努めております。反社会的勢力に関する情報の蓄積に当たっては,暴力団追放運動推進都民センターの賛助会員となり,同センターより反社会的勢力に関する情報の提供を受けています。反社会的勢力の排除としては,例えば当社が新たに取引を行う場合は,取引先の反社チェックを実施し,取引未然防止を行っているほか,契約書等に暴力団等排除条項を定め,反社会的勢力との取引解消に向けた態勢を構築しております。当社が保有する債権については,反社会的勢力に対する利益供与を回避するために,債務者等と債務免除を伴う和解契約を締結する前には,反社チェックを実施しています。反社チェックに該当した債権については,暴力団追放運動推進都民センターに現在も反社会的勢力として活動中か照会し,活動中であれば反社会的勢力債権として社内弁護士が専任となって対応をしているほか,株式会社整理回収機構による債権買取制度を活用しております。その他,各拠点に不当要求防止責任者を選任しているほか,年1回の全社教育を実施することで社員の意識向上を図っております。
5 その他業務運営に関するコメント
(1) バルクセールで購入した債権の中には,個人の無担保債権,権利関係の複雑な有担保債権や事業再生が難しい案件などが含まれている場合もありますが,単に担保資産の売却等による即時回収だけではなく,事業者向け債権に特化した部署において,事業を継続・維持できるよう可能な限りの支援に取り組んでおります。企業の損益構造を改善するような事業再生をする場合には,事業に対する深い理解と経営に関する専門性が要求されるため,より高い提案能力やコンサルティング能力を備えた人材の確保・教育が必要となっております。
(2) 当社は事業再生による債務者企業キャッシュフローの改善こそが回収極大化に最も寄与するものと考えております。そのため,債務者企業との交渉に当たっては,当該企業の経営課題にも目を向け,事業の選択と集中や総合的な金融戦略など大局的なコンサルティングを行うよう努めております。特に,被災地債務者に関しては個々の事情を最大限考慮し,足元の返済条件緩和や場合によって債務免除を行いつつ,長期目線での再生支援を行ってきております。
(3) 自然災害の被災者については,引き続き通常以上に特に丁寧な対応を心掛け,任意での交渉を優先しており,債務者の現在の状況を踏まえ総合判断の上対応しております。
 なお,役職員に対しては「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」,「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を周知徹底するとともに,災害救助法の適用を受けた自然災害があった場合には,速やかに当該自然災害の影響を受けた地域の顧客や担保不動産の把握に努め,上記ガイドラインの適用を申し出た債務者等については,同ガイドラインに従い,適宜適切に対応していく態勢を構築しております。

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