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国旗の損壊等の処罰に関する法律 Q&A

令和8年8月

○ 令和8年7月17日、議員立法により「国旗の損壊等の処罰に関する法律(令和8年法律第69号)が成立し、同年8月13日から施行されます。

○ 法律の内容等については、以下を御覧ください。
 ■ 法律(国旗の損壊等の処罰に関する法律)【PDF】

○ 衆議院内閣委員会理事懇談会提出資料
  国会における審議の過程では、本法律案の提出者より、衆議院内閣委員会理事懇談会に対し、「国旗の損壊等の処罰に関する法律案」で定める構成要件に基本的に該当すると考えられる事例や基本的に該当しないと考えられる事例等について記載された資料が提出されているところ、その内容は以下を御覧ください。
 ■衆議院内閣委員会理事懇談会提出資料(令和8年7月8日 衆法第18号提出者)【PDF】

国旗の損壊等の処罰に関する法律 Q&A

【目次】
〔概要について
Q1:国旗損壊等罪とは、どのような罪ですか。
Q2:国旗損壊等罪は何を守るためのものですか。

〔制定の趣旨について〕
Q3:なぜ国旗損壊等罪が必要なのですか。

〔「国旗」について〕
Q4:「国旗」とは、どのようなものを指しますか。
Q5:「国旗」に該当するものとして、どのようなものがありますか。
Q6:お子様ランチの旗や日章旗が描かれたTシャツは、「国旗」に該当するのですか。
Q7:アニメ・漫画・ゲームにおいて描かれた日章旗や生成AIにより作成された日章旗は、「国旗」に該当するのですか。

〔「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」について〕
Q8:「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」とは、どのような方法を指しますか。
Q9:「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」に該当するかどうかは、どのように判断されるのですか。

〔「公然と」について〕
Q10:「公然と」とは、どのような意味ですか。
Q11:自室など不特定又は多数の者が認識できるとは認められない状況で、国旗を損壊等する様子を撮影し、その動画を事後的にインターネットで配信する行為は、処罰対象となるのですか。

〔「損壊」、「除去」、「汚損」について〕
Q12:「損壊」、「除去」、「汚損」とは、それぞれどのような意味ですか。

〔過失による場合について
Q13:誤って国旗を損壊等してしまった場合も処罰対象となるのですか。

〔違法性阻却事由について〕
Q14:政治的表現・芸術的表現として国旗を損壊等した場合も処罰対象となるのですか。

〔処罰対象となる行為とならない行為について
Q15:国旗損壊等罪の処罰対象となる行為とならない行為を具体的に教えてください。

〔施行日について
Q16:国旗損壊等罪は、いつから適用されますか。


〔概要について
Q1  国旗損壊等罪とは、どのような罪ですか。

A1 国旗損壊等罪は、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損する行為を処罰対象とする罪であり、法定刑は、2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金とされています【国旗の損壊等の処罰に関する法律(以下「法」という。)第2条第1項】。

Q2  国旗損壊等罪は何を守るためのものですか。

A2 国旗損壊等罪は、国旗を大切に思う国民感情を保護する罪であるとされています。

〔制定の趣旨について 
Q3  なぜ国旗損壊等罪が必要なのですか。

A3 法案の提案理由として、「国旗を大切に思う気持ちは万国共通であると考えられますが、我が国では、G7で唯一、外国国旗の損壊等に関する罪の規定はあるものの、自国国旗の損壊等に関しては同様の規定がないという状況にあります。国内でも日本国旗を損壊する事例が確認され、また、近時のSNSの加速度的な普及やグローバル化の進展が見られる中で、そのような事案の発生を将来に向かって抑止する必要があることから、国旗を大切に思う国民感情を保護するため、日本国旗を損壊等する行為についての処罰規定を設ける本法案をとりまとめました。」との説明がなされています。

 〔「国旗」について
Q4  「国旗」とは、どのようなものを指しますか。

A4 「国旗」とは、「国旗及び国歌に関する法律」に定める国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物を指します【法第1条】。
 そのため、同法に定める日章旗の制式(寸法の割合及び日章の位置並びに彩色)に完全に合致していなくても、社会通念上、同法に定める日章旗として用いられているものであれば、「国旗」に該当すると考えられます。
 
Q5  「国旗」に該当するものとして、どのようなものがありますか。
    
A5 学校行事等の公的な場に掲揚されている日章旗や、スポーツの応援の際などに用いられる日章旗の小旗のほか、自作のものであっても一見して日章旗と認識されるものは、「国旗」に該当すると考えられます。
 
Q6  お子様ランチの旗や日章旗が描かれたTシャツは、「国旗」に該当するのですか。
    
A6 お子様ランチの旗や日章旗が描かれたTシャツのように装飾として使われているに過ぎないものは、国旗として用いられていると社会通念上認められないため、「国旗」には該当しません。

Q7  アニメ・漫画・ゲームにおいて描かれた日章旗や生成AIにより作成された日章旗は、「国旗」に該当するのですか。
    
A7 「国旗」は、有体物に限られるため、アニメ・漫画・ゲームにおいて描かれた日章旗や生成AIにより作成された日章旗は、「国旗」に該当しません。

 〔「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」について〕
Q8  「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」とは、どのような方法を指しますか。
    
A8 一般通常人から見て、ひどく快くないと感じさせ、又は不愉快に感じさせるような方法を指すと考えられます。
 
Q9  「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」に該当するかどうかは、どのように判断されるのですか。
    
A9 「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」に該当するかどうかは、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して判断するとされます【法第2条第2項】。
 あくまでも、行為それ自体の客観的な態様やこれを取り巻く状況などを考慮して行うものであって、行為者が伝達しようとした表現やメッセージの内容を考慮して判断するものではないと考えられます。

 〔「公然と」について〕
Q10  「公然と」とは、どのような意味ですか。
    
A10 「公然と」とは、物理的空間であるかネット空間であるかを問わず、不特定又は多数の者が認識できる状況で、という意味であり、駅前・公道・公園といった場所だけでなく、不特定又は多数の者が認識できる状況である限り、ライブ配信で国旗を損壊したような場合もこれに該当すると考えられます。

Q11  自室など不特定又は多数の者が認識できるとは認められない状況で、国旗を損壊等する様子を撮影し、その動画を事後的にインターネットで配信する行為は、処罰対象となるのですか。
    
A11 不特定又は多数の者が認識できるとは認められない状況で、国旗を損壊等しても、「公然と」国旗を損壊等したとはいえないため、その損壊等の行為は、国旗損壊等罪の処罰対象とはならず、また、国旗を損壊等する様子を撮影した動画を事後的にインターネットで配信しても、その配信行為は、同罪の「損壊」等に該当しないため、同罪の処罰対象とはなりません(「損壊」等の意味については、Q12を御覧ください)。

〔「損壊」、「除去」、「汚損」について〕
Q12  「損壊」、「除去」、「汚損」とは、それぞれどのような意味ですか。
    
A12 「損壊」とは、引き裂く、切り刻む、焼損するなど、国旗を物理的に破壊する行為をいうと考えられます。
 「除去」とは、掲揚されている竿から引き降ろすなど、国旗を場所的に移転する行為や遮蔽する行為をいうと考えられます。
 「汚損」とは、墨汁を塗る、泥のついた靴で踏み付ける、方法を問わず不潔にするなど、国旗に人に嫌悪の感を抱かせるものを付着するなどする行為をいうと考えられます。

〔過失による場合について
Q13  誤って国旗を損壊等してしまった場合も処罰対象となるのですか。
    
A13 国旗損壊等罪は故意犯とされているため、誤って国旗を損壊等した場合には、同罪の処罰対象とはなりません。

〔違法性阻却事由について〕 
Q14  政治的表現・芸術的表現として国旗を損壊等した場合も処罰対象となるのですか。
    
A14 政治的表現・芸術的表現として行われた国旗の損壊等が、国旗損壊等罪の構成要件に該当するとしても、刑法第35条の正当行為に該当して違法性が阻却される場合には、処罰対象とはなりません。
 なお、国旗損壊等罪については、表現の自由等を不当に侵害することのないよう留意しなければならない旨の適用上の注意規定が設けられています【法第3条】。

〔処罰対象となる行為とならない行為について 
Q15  国旗損壊等罪の処罰対象となる行為とならない行為を具体的に教えてください。
    
A15 国会審議の過程で、法案提出者から国旗損壊等罪の処罰対象となる行為とならない行為などが整理された資料が国会に提出されていますので、こちら(リンク)を御覧ください。

〔施行日について 
Q16  国旗損壊等罪は、いつから適用されますか。
    
A16 公布の日から起算して20日を経過した日(令和8年8月13日)から施行され、施行日以後にした行為について適用されます。