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トップページ > 政策・施策 > 刑事政策 > 「組織的な犯罪の共謀罪」を巡る条約の交渉過程での政府の発言・提案について

「組織的な犯罪の共謀罪」を巡る条約の交渉過程での政府の発言・提案について

 「組織的な犯罪の共謀罪」を設ける法案に関連して、最近、一部で「国際組織犯罪防止条約の交渉過程で、我が国政府が『すべての重大な犯罪の共謀を犯罪とすることは、我が国の法的原則と相容れない』と発言していた。」との指摘があります。

 この点については、これまでの条約及び法案についての国会審議においても、与野党の議員の質問に対して詳しく答弁されていますが(議事録抜粋【PDF】を参照)、その経緯は以下のとおりです。

1  現在の条約第5条についての条約交渉当初の案文では、共謀罪については「重大な犯罪を行うことを合意すること」、参加罪については「組織的な犯罪集団の犯罪活動又はその他の活動に参加する行為」とされていました。この段階では、未だ共謀罪の対象となる「重大な犯罪」の範囲が定まっていませんでしたし、また、共謀罪について、現在のように「組織的な犯罪集団の関与するもの」という要件を付することも認められていませんでした。
 他方、我が国の現行法においては、一定の犯罪については実行の着手前の共謀・陰謀や予備行為を処罰する罰則があるものの(内乱陰謀や爆発物使用の共謀など)、すべての犯罪の共謀を一般的に処罰の対象としてはいませんし、また、特定の犯罪行為との結び付きがない「犯罪集団の活動への参加」を犯罪とする罰則もありません。

2  そこで、我が国政府は、平成11年3月に開催された第2回アドホック委員会(国際組織犯罪防止条約起草のための政府間特別委員会)において、その当時の案文に基づく犯罪化を行うことは我が国の法的原則と相容れない旨の意見を述べるとともに、共謀罪については、「組織的な犯罪集団が関与するもの」という要件を加えるべきこと、参加罪については、特定の犯罪行為と参加する行為の結び付きを要件とした、それまでの参加罪とは別の類型の参加罪の規定を設けることなどを提案しました。

3  我が国の提案のうち、別の類型の参加罪の規定を設ける点については、処罰の範囲が不当に狭くなるとして各国に受け入れられませんでした。
 他方、共謀罪の要件に「組織的な犯罪集団が関与するもの」という要件を加える点については、平成12年1月に開催された第7回アドホック委員会において、「国内法上求められるときは、組織的な犯罪集団が関与するという要件を付することができる」旨の規定として条約に盛り込むことが各国に受け入れられました。
 また、共謀罪の対象となるべき「重大な犯罪」の範囲については、種々の議論の末、平成12年1月に開催された第7回アドホック委員会において、長期4年以上の法定刑が定められた犯罪とすることとされました。

4  このように、条約交渉の初期の段階において、我が国政府が「すべての重大犯罪の共謀等を犯罪とすることは、我が国の法的原則と相容れない。」との見解を示したことは事実ですが、これは、当時の案文を前提としたものであり、その後の交渉を経て採択された現在の条約の規定について述べたものではありません。

5  法案の「組織的な犯罪の共謀罪」は、こうして採択された本条約第5条に基づいて、共謀の対象犯罪を、長期4年以上の刑が定められている重大な犯罪に限定している上、組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀に限って処罰の対象とすることとしておりますので、我が国の法的原則に反するものではないと考えています。
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