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トップページ > 政策・施策 > 刑事政策 > 現行法のままでも条約を締結できるのではないかとの指摘について

現行法のままでも条約を締結できるのではないかとの指摘について

○  条約第5条は、多種多様な組織犯罪を一層効果的に防止するために、すべての重大な犯罪の共謀又は重大な犯罪を行うことを目的とする組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を犯罪化することを義務付けています。また、この義務を履行するための犯罪を設けるに当たっては、「犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。」ものとし、未遂罪や既遂罪とは独立に、犯罪の実行の着手以前の段階で処罰することが可能な犯罪を設けることを義務付けています。

○  この点、我が国の現行法には、実行の着手以前の段階の行為を処罰する規定として、例えば、殺人予備罪、強盗予備罪などの予備罪や、内乱陰謀罪、爆発物使用の共謀罪などの共謀罪等が設けられており、また、一定の場合に殺人等の犯罪の実行の着手以前の段階の行為に適用されることがある特別法の規定として、公衆等脅迫目的の犯罪行為(テロ行為)の実行を容易にする目的で資金を提供する行為を処罰する規定や、けん銃等の所持を処罰する規定なども設けられています。
 しかし、組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪には多種多様な犯罪があり、現行法上、予備罪、共謀罪等が設けられているのはその中の一部のみに過ぎません。
※  例えば、犯罪組織が行うことが容易に想定できる詐欺罪や人身売買に関する犯罪等については、現行法上、予備罪も共謀罪も設けられておらず、犯罪組織が振り込め詐欺を行うことを計画したり、売春組織が人身売買を計画している場合にも、予備罪や共謀罪で処罰することはできませんし、上記のような特別法により処罰できるわけでもありません。
 さらに、いわゆる共謀共同正犯は、犯罪行為の実行の着手を前提とするものであり、実行の着手以前の行為を処罰するものではありません。

○  このように、我が国の現行法は、条約第5条の義務を充たしていませんので、この義務を充たすためには、「組織的な犯罪の共謀罪」を新たに設けることが必要であり、これがなければ、国際組織犯罪防止条約を締結することはできないと考えています。
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