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内外情勢の回顧と展望(平成20年1月)

第5 平成19年における公安調査庁の取組と今後の課題

1 国際関連
 北朝鮮の核問題やイスラム過激派などによる国際テロの脅威の増大など,国際情勢は,極めて複雑なものとなっており,不透明化・混迷化の様相を深めている。公安調査庁では,我が国及び国民の安全を確保するため,関連情報の収集・分析と政府・関係機関への提供に取り組んだ。
 特に,北海道洞爺湖サミットの開催を控え,我が国におけるテロの発生を未然に防止するため,国内外の関係機関との協力態勢を一層強化し,国際テロ組織などの動向に関する情報の把握に努めると同時に,国際テロ組織などと関係する者の発見や,その活動実態の解明などにつながる関連情報の収集を更に強化すべく,国際テロ専従調査体制を地方レベルでも拡充・整備するなどして,広範な情報収集に取り組んだ。さらに,本庁に,国際破壊活動対策室を新たに設置し,改正入管法に基づき法務大臣が外国人テロリストの認定を行うに当たって必要となる情報の提供に努めた。
 一方,北朝鮮・朝鮮総聯関係については,北朝鮮の核問題をめぐる動きや強硬姿勢を維持する日本人拉致問題などを重点に,調査力の一層の増強など現場における情報収集体制の更なる強化を図り,北朝鮮の国内情勢,対外・対日動向及び朝鮮総聯の動向や活動実態などに関する情報の収集・分析に努めた。
 さらに,中国関係では,国内情報,対北朝鮮政策や対日政策などに関し,党・政府の対処方針や対応状況などについて,また,ロシア関係では,プーチン後継問題,北方領土問題を中心とした対日姿勢などについて,それぞれ関連情報の収集に努めた。

2 国内関連
 北海道洞爺湖サミットに向けては,4月に「G8サミット関連特別調査本部」を設置し,我が国内におけるテロを未然に防止するための調査を推進した。
 また,オウム真理教については,上祐派による“新団体”「ひかりの輪」に対し,その目的や組織・活動の実態,麻原の影響力などについて,観察処分に基づく立入検査を実施するなどして,鋭意調査を進めた。また,主流派に関しても,麻原への絶対的帰依の徹底を図る組織運営を鮮明化させている現状を踏まえ,観察処分の厳正な実施を通じ,引き続き活動の実態解明などに取り組んだ。
 公安調査庁では,1月以降11月末までに,16都道府県において延べ40か所の教団施設に対し,立入検査を実施するとともに,関係する地方公共団体に調査結果を迅速に提供するなどして,地域住民の不安解消に努めた。
 さらに,在日米軍再編問題,自衛隊のインド洋での給油活動問題などをめぐる共産党や過激派の動向,また,北朝鮮による日本人拉致を始め,中国,韓国との領土,歴史認識などをめぐる右翼団体の活動などについても調査を推進した。

3 今後の課題
 国際テロや北朝鮮,大量破壊兵器拡散などの問題は,我が国及び国民の安全に直接かかわる問題であり,これに対する情報収集能力の強化は,政府全体として取り組むべき喫緊の課題となっている。
 公安調査庁の情報収集の特質は,国内外の情報について,任意調査の手段・方法により,人的情報収集を主体に調査を行っているところにある。公安調査庁では,こうした特質を最大限いかし,更に情報アンテナ網を拡充・強化していく必要があると考えている。
 とりわけ,平成20年7月に開催される北海道洞爺湖サミットを控え,我が国においても,国際テロを現実の脅威と認識して警戒を更に強め,不審者や不穏動向の早期把握に万全を期す必要がある。
 また,北朝鮮・朝鮮総聯関係については,核・ミサイル問題や拉致問題に適切に対処するためには,関連情報の収集に努めることが不可欠であり,これらを可能とする情報の更なる入手に全力を挙げて取り組む必要がある。
 中国関係では,第二期胡錦濤政権の発足により,政権基盤の強化が図られたものの,所得格差や環境・食の安全問題など,社会の不安定化要因は拡大していることから,引き続き国内情勢を注視するとともに,対外・対日政策に関する情報の収集に努める必要がある。
 一方,オウム真理教に関しては,“脱麻原”をアピールする上祐派と“麻原回帰”を強調する主流派双方について,引き続き厳正な観察処分を実施し,教団の組織と活動の実態を明らかにするとともに,地域住民の不安解消に向け,速やかな情報提供に努めていきたい。
 また,過激派については,北海道洞爺湖サミットを控えていることに加え,在日米軍再編問題などに関して強硬姿勢を堅持していることから,テロ・ゲリラ活動などに関する事前情報の早期把握に努める必要がある。
 右翼団体についても,近隣諸国の対日動向などに起因して,直接行動を起こす事態も想定されることから,今後とも危険動向の早期把握に努める必要がある。
 公安調査庁としては,我が国及び国民の安全を確保するため,テロ関連情報を含めた関連情報の収集を強力に推進するとともに,国内外の諸問題に関する政府の施策に寄与する高度情報の収集・分析に努め,もって国民の期待に応えていきたいと考えている。

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