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公安調査局長・公安調査事務所長会議における公安調査庁長官訓示

2007年5月30日 更新
公 安 調 査 局 長 ・
公安調査事務所長会議

公安調査庁長官訓示

本日,ここに公安調査局長・公安調査事務所長会議を開催するに当たり,所懐の一端を申し述べます。
国際テロ情勢に関しては,依然として厳しい情勢にあります。特に,「アルカイダ」や「ジェマー・イスラミア」に組織再構築の動きがあるとされるほか,いわゆるホームグロウン・テロリストの脅威増大が懸念されるなど,引き続き国際テロの脅威は拡散する傾向が認められるところであります。こうした中,我が国では,来年,主要国首脳会議,いわゆるG8サミットの開催が予定されており,2005年の英国・ロンドンでの無差別・大量殺りくテロ事件などにかんがみますと,我が国でのサミットもテロの標的となる可能性は否定できない状況にあります。
北朝鮮情勢に関しては,6者協議における寧辺核施設の閉鎖等の合意後も,BDA資金の未返還を理由に協議を拒否するなど強硬姿勢を織り交ぜながら,今後の対米関係の改善や海外からの支援獲得に向け,交渉の主導権を確保しようとの構えを見せております。また,我が国に対しては,「拉致問題は解決済み」と主張しつつ,「米朝接近」を誇示して「日本は孤立する」とけん制する一方,我が国各界に活発な働き掛けを行うなど複雑な動きを示しております。他方,朝鮮総聯は,総聯関係者への強制捜査等を非難・糾弾する宣伝活動に力を入れるとともに,思想教育を強化して組織の結束を図ってきたところ,先日開催した第21回全体大会では新指導部を選出し,北朝鮮の指導の下,対日非難・抗議活動を始めとする諸般の活動を強化させる体制を整えました。
オウム真理教に関しましては,いわゆる上祐派の最高幹部・上祐史浩が,今月上旬,同派の信徒らと共に“新団体”を設立したと表明するなど,新たな動きも見られました。
こうした現下の情勢にかんがみ,当面,留意をわずらわしたい事項を申し上げます。
第一は,国際テロ関連動向調査の推進についてであります。
テロを未然に防ぐためには,国際テロ組織関係者の発見や不穏動向の早期把握が何よりも大切であります。したがいまして,来年の我が国でのG8サミット開催に向けて,不審者や不穏動向をいち早く察知できるよう,情報網の拡充・強化を図った上で,関係機関とも緊密に連携しつつ,関連情報の収集に尽力していただきたいのであります。
第二は,北朝鮮関連情報の収集強化についてであります。
北朝鮮・朝鮮総聯の動向は,我が国の治安のみならず,我が国を含めた東アジアの平和と安全保障に重大な影響を及ぼすものであることから,今後とも喫緊かつ最重要課題として取り組む必要があります。とりわけ,日本人拉致問題や核・ミサイル問題などをめぐる北朝鮮の対応や実情について,政府の施策に貢献し得る高度情報が求められておりますので,各局・事務所におかれては,金正日政権のこれらの問題に関する今後の対応方針や,朝鮮総聯に対する指示・指導等について,高度情報の収集に特段の努力を傾注していただきたいのであります。
第三は,オウム真理教に対する観察処分の厳正な実施についてであります。
オウム真理教につきましては,上祐派が立ち上げた“新団体”の実態解明に全力を傾注する必要があります。この“新団体”は,表面上“脱麻原”を標ぼうしておりますが,その目的や組織構成からして,観察処分の対象団体に該当すると判断されることから,引き続き,観察処分を厳正に実施して,組織や活動の実態解明に全力を挙げていただきたいのであります。また,麻原を今なお絶対視する信徒らによる不法事案の発生も懸念されますので,危険な兆候や不穏動向の把握に鋭意努めていただきたいのであります。
以上,当面の諸課題について申し述べましたが,こうした重要課題の解明については,情報収集・分析能力の向上が不可欠であります。本年2月に政府の情報機能強化検討会議がまとめた中間報告では,国際テロ,大量破壊兵器拡散,北朝鮮等の問題に関する情報の収集が喫緊の課題であるなどとして,情報収集機能の強化の必要性が強調されるとともに,政府全体の情報集約・分析・共有機能の強化等が提言されており,当庁も,情報コミュニティの一員として,こうした提言の実現に資するべく,情報収集・分析力の更なる強化に取り組む必要があります。
情報収集の最前線で指揮を執る皆様方には,こうした点に留意し,国家・社会の安全確保に貢献するという当庁に課せられた重大な責務を果たすべく,部下職員と一丸となり,国民の期待と信頼に応えていただきたいと思います。
終わりに当たり,皆様方の平素のご労苦に対し,心から敬意と謝意を表し,私の訓示といたします。

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