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行刑改革会議第2分科会 第7回会議議事概要

1 日時

平成15年11月10日(月)14時から16時20分まで

2 場所

最高検小会議室(20階)

3 出席者

(委員,敬称略)
(会長)南博方(一橋大学名誉教授)
(委員)大平光代(弁護士),久保井一匡(弁護士・前日本弁護士連合会会長),曾野綾子(作家・日本財団会長)(50音順)

4 議題

(1)  透明性の確保(視察委員会,情報公開等及び内部監査)について(議論)
(2)  行刑施設における外部交通について(矯正局の説明)
(3)  外部交通の在り方について(議論)
(4)  その他

5 会議経過

(1)  南会長より,刑事施設視察委員会(仮称)及び情報公開等に関する私案について,別紙1【PDF】に基づいて説明がなされた。これに対する主な意見は以下のとおり。
・  メールボックスという言葉は,箱ではなく,パーソナルコンピュータを用いた電気的な通信を想定させるおそれはないか。
・  刑事施設視察委員会(仮称)の委員に守秘義務が課せられる点について,委員が,視察した後に,マスコミから質問されても何も答えることができないとすれば問題ではないか。
・  刑事施設視察委員会(仮称)の委員が被収容者と面接する際に,原則として立会を付けないなどの配慮をすべきとの点については,私案骨子修正案の「忌憚なく意見等を述べられる環境を整える。」という部分に含まれているということでよいと思う。ただし,この点については,行刑改革会議提言の説明部分で触れるべきである。
 上記の意見交換の後,透明性の確保(刑事施設視察委員会(仮称)及び情報公開等)に関する当分科会の意見については,南会長に一任することとされた。

(2)  南会長より,内部監査に関する私案について,別紙2【PDF】に基づいて説明がなされた。これに対する主な意見は以下のとおり。
・  この私案の内容を専門家以外に理解させるためには,巡閲等の専門用語の意味を注記しておく必要があるのではないか。
 上記の意見交換の後,透明性の確保(内部監査)に関する当分科会の意見については,南会長に一任することとされた。

(3)  外部交通について,矯正局から別紙3【PDF】に基づいて説明がなされた。主な質疑・意見は以下のとおり。
・  外部交通という用語自体になじみがないが,どのような定義で用いられているのか。
(回答: 法令上用いられている用語ではなく,使い方も様々である。広く捉えると,被収容者と外部の人との交通という意味であり,面会,信書の発受,差入れ等が含まれる。)
・  受刑者が弁護士会に信書を発信するのは,特別発信に当たるとのことであるが,実際にどの程度時間がかかるのか。
(回答: 一概には申し上げられないが,1~2日程度の場合もあれば,数日かかることもあると承知している。)
・  どうして,弁護士会への発信が数日かかることがあるのか。
(回答: 発信される文書の量が多い場合があり,また,特別発信の許可は所長の権限であるので内部的な決裁を取るのに時間がかかるということもあるためである。)
・  弁護士会に対する信書の発信が不許可にされたことはあるのか。
(回答: かつてはあったようだが,今は余りないと承知している。)
・  内妻も,外部交通の対象である親族に含まれるのか。
(回答: 外部交通を確保するため内妻であると虚偽の主張をする例もあり,実際の判断は難しいが,夫婦としての生活の実態が認められれば,内妻も外部交通の対象に含まれる。)
・  受刑者について,保護司等,親族以外の者との外部交通を認めているようであるが,友人や知人についてはどうか。
(回答: 社会復帰に必要であると判断されれば認められることもあると思われる。)
・  面会等の相手方を親族に限定しない場合,どのような問題があるか。
(回答: 限定しないこととした場合,受刑者の中には,社会で交友のあった者が暴力団関係者であるという者が少くなく,これらの者が自由に面会等できることになるという問題がある。暴力団関係者を除くとしても,どこまでが暴力団関係者かという問題が残り,また,良き友人をどのように区別すべきかも難しい。)
・  所長の裁量で親族以外の者と面会を認める場合は,例外的なのか。
(回答: 例外的であることは事実であるが,保護観察所が環境調整を行っており,その結果,身元引受人と認められた場合には,むしろ面会を奨励している。)
・  受刑者等の手記の発表は,どのように扱われているのか。
(回答: 手記は,特定の相手方がいないので信書の発信ではなく,著作物の発表ということになり,所長の裁量により許否を決することとされている。)
・  海外では,大きな部屋で集団で面会を実施しているが,日本ではそのようなことをしているか。
(回答: 交通刑務所では屋外で面会をすることを認めており,累進級が1級や2級の受刑者についても遮蔽のない部屋での面会を認めている例があるが,大きな部屋で集団的に面会させることは行っていない。
・  未成年が受刑者に面会できるのか。
(回答: 未成年も,年齢制限なく,受刑者に面会することができる。)

(4)  外部交通の在り方について議論がなされた。主な意見は以下のとおり。
・  一般の人は,例えば信書が受刑者に届かない場合があるとは考えていないと思う。刑務所内にいる者とのつきあい方について広報する必要があるのではないか。
・  弁護士会あての信書については,刑事施設法案でも中を見ることになっているが,これでは被収容者が萎縮し,真実発見が遅れるおそれがある。受信の場合に内容の確認が必要であることは分かるが,弁護士会宛の発信については,検閲を止めるべきである。
・  刑務所に入ったことによって社会との接点が切れた状態にするのではなく,友人との外部交通を認めるなど,維持する方向に変えるべきである。
・  暴力団関係者との面会を認めるべきではないという必要性は確かにあり,誰でも面会できた方がいいとは思わないが,親族以外に,面会の対象を拡大していくべきである。
・  面会時の職員の立会についても,すべてについて立ち会わない方がいいとは思わないが,少し緩和していく必要があるのではないか。
・  電話について,法制審議会の審議では成績優秀者のみを対象としようとしたようであるが,現在も,法制審議会の際の議論でいいのかという疑問が残る。もっとも,暴力団関係者との通話を認めるべきではないという必要性があることは事実であろう。
・  治安悪化の背景に再犯率の高さがあるところ,刑務所への入所により社会との関係が切れることが,再犯率の高さの一因だと思われるので,改善する必要がある。
・  電話については,相手方を確認する方法がないというのは事実であり,その点は問題である。
・  親族との面会についても,面会時間や回数等を増やすべきである。
・  面会室の構造を改善すべきである。
・  犯罪を犯し,更生のために隔離されている以上,外部交通が制限されることは当然であろうが,監獄法ができた当時とは状況が異なり.時代にあった制限にしていくべきであり,試行錯誤で検討していく必要があるのではないか。

6 今後の日程等

・  次回は,12月2日(火曜日)午後2時開催。
・  次回は,透明性の確保(不服申立制度)及び外部交通の在り方について議論する予定。

(文責行刑改革会議事務局)
-速報のため,事後修正の可能性あり-

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