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トップページ > 省議・審議会等 > その他会議 > 行刑改革会議 第3分科会 第5回会議

行刑改革会議 第3分科会 第5回会議

日時: 平成15年10月27日(月)
14時00分~16時55分
場所: 法務省第1会議室(20階)


午後2時00分 開会

〇高久会長 行刑改革会議第3分科会の第5回会議を開催いたします。
 本日は,前回に引き続きまして,「人的・物的体制」「職員の執務環境の改善」「職員の人権意識の改革」のテーマについて議論をお願いしたいと思います。
 先週の全体会議では,アンケート調査結果の報告のほかに,各分科会の報告が行われましたが,第1分科会の報告の後はディスカッションがあったのですが,第3分科会につきましては意見の交換が行われませんでした。宮澤(弘)座長から,他の第2,第3分科会の報告に対して意見のある方は,先週中に書面で提出するようにという御発言がありまして,この御発言に対応して幾つかの意見書,具体的には菊田委員と久保井委員のお二人から書面による御意見が出ています。その中で,第3分科会の議論に関連するものについても述べておられますので,その内容の概要を事務局から報告させ,これに合わせて今後の日程等について提案させていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。
○杉山次長 先週の全体会議以後に,事務局に久保井委員と菊田委員のお二方から意見書が届けられており,本日お配りしております。久保井委員の「各分科会の検討経過報告に対する意見」と,菊田委員の「行刑改革会議分科会報告に対する意見書」という2通でございます。
 このうち,まず久保井委員の意見書でございますけれども,第3分科会の関係で,2枚目の下の方,(3)からでございますけれども,二つの点が指摘されております。
 一つは,刑務所医療を法務省から厚生労働省へ移管することについて再検討すべきであるということでございます。これは久保井委員がフランスを先日視察してこられて,フランスで,移管によって大きな前進をみたということで,これをよく検討してほしいということです。それから,当面,もし移管をしないということであるにしても,厚生労働省との連携,協力関係を構築する,そういう方法をとるべきだということが述べられております。
 二つ目は,受刑者が死亡した際の死因の確定手続について,法医学者や家族の立会いなどを条件とすべきだということで,これが可能だという日本法医学会の学者の方の新聞投稿などもございますので,例えばヒアリングなどをして再検討すべきだということです。
 菊田委員からは,これは本日受け取ったものでございますけれども,やはり厚生労働省への移管について,これは保安体制からの独立性という観点からも再検討してほしいということと,これに加えまして健康保険制度の導入について再検討を求められております。6ページ以下でございます。
 それから,第3分科会のその他のテーマについてということで医療以外のものについて,7ページに8点ほど列挙してございますけれども,このうち(1)と(2)と(8),失業保険,満期釈放者の資格制限,受刑者と職員の私語,これらは第1分科会で取り扱うテーマになっておりまして,第3分科会では,その他の部分で言いますと(3)から(7)がテーマかなと考えております。これらにつきましては,おおむね,本日と次回で予定している議論の中に入っているもので,そこの中で議論することになろうかと思います。
 これらの意見についてどうするかということで,高久会長とも御相談したのですけれども,まずフランスの状況につきましては,野﨑委員が直接視察してこられたことでもございますけれども,11月17日の次回の全体会議でここについての報告がなされる予定になっておりますので,その後,これを踏まえて再検討するのがよいのではないかということになりました。11月17日の全体会議を踏まえて,12月1日の分科会でフランスの状況を踏まえた議論を若干行うのがよいのかなということで,会長とも御相談したところでございます。
 それから,厚生労働省との連携と協力ということについては,既に今まででも各施設レベルとか管区レベル,それから本省レベルでの協議会の設置というような提案がなされており,議論の整理にも盛り込まれておりますけれども,これ以上にアイデアがあるのであれば,また,検討すると。それから菊田委員の御意見についても,特にまた今まで以上に何かあれば,12月1日の会議で検討したいと思います。
 死因確定手続について,全死亡例に法医学者が立ち会うという提案のようでございますけれども,これも既に一度話はしたところでございますけれども,法医学会の立場からも,それは可能であるというような新聞投稿もございますので,本当に可能なのか,またその意味があるのかどうかというような点について,しかるべき人からヒアリングをすることがよいのではないかということになりまして,現在,適当な人がいればということで人選しておりますので,適当な方がいらっしゃるようであれば12月1日に簡単なヒアリングをして,その点についても議論したいと考えております。
 それを前提に「第3分科会の今後の日程(案)」という一枚紙でございますが,本日,施設の新設,増改築ということと,職員の超過負担の解消のための検討,心理技官等の職種の増強ということで,主に人と物をどうやって増やしていくか,あるいは合理化して,減らせるべきところは減らしていくかというような意見交換を行いまして,次回はそれ以外の,医療以外の部分について,人権の話,その他の話題について11月10日に行う。それから,11月17日に全体会がございまして,12月1日に医療の関係などについて,これまでのほかの分科会からの意見を踏まえた議論を行いたい。そして,12月8日と15日に全体会議が予定されておりますけれども,8日の全体会議の後に,これは各分科会でまた議論を行おうと思っておりまして,そこで最終的に分科会としての意見を出して,12月15日に最終提言についての議論をしていく。場合によっては,そこでまとまらなければ,もう一度,翌週ぐらいに予備日をということを考えております。このような日程で今後進めていきたいと考えております。
○高久会長 よろしいでしょうか。確かに,前回の全体会議で報告したときに,厚生労働省への移管ということも今後の課題として検討すべきであるということは書いたのですけれども,そのときの観点が医師の確保ということだけを書いていたものですから,もう一つ,保安と医療との独立という意味からもということを付け加えると,菊田委員,久保井委員からもある程度御了承いただけるのではないかな。実は先週,全体会議の後に,名前をちょっと思い出さないのですけれども,デンマークの人が拷問のことをお話しされました。それを聞きに行きましたときに,医療のこともちょっと話をされて,やはり独立ということを言っておられまして,保安と医療の独立ということも言っておられましたから,その観点も少しメンションしておいた方がいいのではないかなと思いました。
 そういうことで,今事務局から話がありましたように,一回,法医学の方から,本当に全部する必要があるのか,できるのかということ。例えば医療刑務所で亡くなった人まで検視をする必要があるのかどうかというのはどうもよく分からないものですから,一回御意見を聞いてみようかなと思っています。
 それでは,第3分科会の今後の日程(案)ということで御了承をいただいたということにします。

1.論点細目について

○高久会長 次に,「人的・物的体制の整備等」と「職員の人権意識の改革」について,前回矯正局から関連する問題について説明を受けました。しかし,少しまだはっきりしない点がありまして,どの段階で,どういう議論をするかということについて,もう一回確認をしたいと思っています。
 それで,本日の議論の始めとして,まず論点の整理の説明を事務局からさせます。
○杉山次長 「人的・物的体制の整備等」と「職員の人権意識の改革」についての論点細目,一枚物でございます。医療のときにもこのようなものをお配りしましたけれども,今,高久会長からもお話がございましたが,前回,矯正局からこのうちの一部分についてプレゼンテーションを既に開始しておりますけれども,どの段階で何を議論するのだということで,必ずしも整理ができておらず,お叱りを受けたところでございます。
 そこで,この段階で論点を,細目について整理してみたものでございます。お手元のペーパーは1「人的・物的体制をめぐる現状と問題点」という項目と,2「取り組むべき方策」という二つに分けておりますけれども,1の方は,これから行う議論の前提となるべき現状はどうなのか,問題点はどうなのかということでございまして,こちらは矯正局から前回のものも含めてプレゼンテーションさせていただこうと思っておる項目でございます。2の方は,それを前提にいたしまして,この分科会で,それではどうしていくのか,方策を検討すべきではないかと思われる,そういう諸点を挙げてございます。ですから,1の各点につきまして,矯正局から前回に引き続いて,その説明と現状認識をお話しさせていただきまして,それを受けて,2に掲げております各点について順に御議論いただくのがよいのではないかと考えているところでございます。
 1の方につきましては,これから矯正局から詳しく説明いたしますので,簡単に項目だけ申し上げますと,1番目は「過剰収容と収容能力増強策」ということで,まず収容能力が被収容者の増に追いついていないという現状,これによる収容環境の悪化という問題意識があるということでございます。
 次に,「過剰収容に伴う職員の超過負担」ということでございまして,前回のアンケートにもありましたけれども,職員が確保されていないために休暇が取れないとか,職員のメンタルヘルスの上でもいろいろ問題が生じているというようなことについて御紹介したい。これに合わせて,例えば定員等がどれだけ必要かという,この間そういうことを示してほしいというお話もございましたので,これについての考え方の一端も御説明しようと思います。
 3番目が,「階級制と専門官制」ということで,御存じのとおり,刑務官の人事につきましてはいわゆる階級制度というものがありまして,それと同時に矯正処遇官という専門官という制度が並存しております。それによる問題点というものがいろいろ指摘されているわけでございますけれども,人事制度は分かりにくい面がございますので,本日は,なぜ刑務官が階級制でなければならないのかという,階級制の必要性とか,それから専門官制とはそもそも何だ,どういった目的で導入されたのか,そういう基本的なところを御説明させていただいた上で,問題点として指摘されているのはどういうことなのかということも合わせて御説明した上で,どうしたらいいのかという議論をするのがよいのかということで御説明させていただこうかと思っております。
 「研修の実施状況等」というのは,今回,人権意識の改革というのが大きなテーマの一つとなっておりますけれども,その関係で,第一に,あるいはほとんど唯一考えつくのが職員の研修ということでございますけれども,その実施状況,現状はどうなのかということについてまず御説明をしておきたいということでございます。
 最後の「人事管理」は,人事異動等の制度のことでございまして,これについても基本的なところを御説明しておいた方が議論がしやすいということで,本日これから御説明をしようというところでございます。
 そして,これらについて御説明した後で,2の方で論点を御議論いただくのがいいのかなと考えております。もちろん,ここに書いてある以外の切り口もあろうかと思われますけれども,それは,最後のその他のところでやる,あるいは必要に応じて関連する項目のところで取り上げていただければと思います。
 最初の,「施設の新設・増改築等」というところでございますけれども,これは言うまでもなく過剰収容対策,あるいは例えば覚せい剤中毒センターといった,収容対象を特化した施設をつくるとすれば,そうした新設・増設・改築というものが必要となってくるので,現在の財政状況の下でこうしたものを行うためにどのようなことが必要かということでございます。前回,その方策の一つとしてPFIという考え方を御紹介いたしまして,ある程度意見交換を行っておりますけれども,本日,前回宿題とされた事項について更に資料を用意いたしましたので,それを踏まえて,どういった施設整備が必要か,そのためにどういった手法が考えられるのかというところを御議論いただければと思います。
 第2の「勤務職員の超過負担の解消のための検討」ということで,増員と民間委託の推進ということが一般的に挙げられると考えられておりますけれども,どの程度の規模の増員が必要なのか。また前回,焼け太りは許さないというふうな御意見もございましたけれども,そのためには逆にどういったことを民間委託して,スリムになっていけばいいのかといったアイデアについて御議論をお願いしたいということでございます。
 次の「心理技官等収容状況に応じた職種の増強」というところでは,これまでも医師や心理技官,ソーシャルワーカーなどの増配置が必要だという意見が出ておりますけれども,どういった趣旨で,どの程度の増配置をすべきなのかというアイデアについて御議論をいただければということでございます。
 4番目の○で「人権教育の積極化等」というところで,職員の人権意識の改革の関係の論点と思われるところを列挙しております。一つは人事異動の適正化ということでございまして,人権意識の改革のために必要だというふうによく言われていることの中の一つとして,職員が井の中の蛙であってはならないということで,第一線の刑務官のほとんどが一生をずっと同じ施設で過ごしているという現状がございまして,それを改めて,ほかの施設に勤務させることによって,いろいろな実務的な取り扱いについてもいろいろな経験を積んで,独善に陥ることなく意識改革ができるのではないか。他方,幹部職員は2年程度で異動してしまうわけで,その指導が効果的になされていないのではないかというような指摘もあるところでございますので,こうした人事異動の体制の在り方というものを,特に人権意識の改革の面から御議論いただくのがよいのではないかということで掲げてございます。
 次の「職員研修の見直し」というのが,人権意識の改革の方策の中心となるところと思われますけれども,研修の中で適正な人権意識というものを身につけるために,どのような研修がいいのかということについて議論すべきと思われるということでございます。例えば,ロールプレーイングのようなことをして,被収容者の立場をよく考えるようにするとか,あるいは具体的な状況に応じてどんなふうに対処するのが実際的かといような,そういう実際的な研修を行うということも今まで出ておりますけれども,具体的な研修の在り方について提言に盛り込むことが好ましいと思われますので,こうした具体的な議論をいただければと考えております。
 その後は,今まで「その他」という形で論じられてきたその他の問題でございますが,「女子職員の増」ということで,男子刑務所においても女性刑務官を増やすべきだという御意見がございまして,これについての是非,また職員を増加させるとすれば,そのためにはどういうことが必要なのか,どういう考慮が必要なのか。例えば第一線の人と幹部と,いずれに重点を置くのか,そのようなことについて議論をしていくのかなということでございます。
 6番目は,「職員に対するメンタルヘルス」という観点でございますが,現在,職員がかなりの過重負担を強いられているということは恐らく共通の認識になりつつあるわけですけれども,この状態で職員のメンタルヘルスのために,どのようなことをすべきなのか。職員に対するカウンセリングだとか,職員の不満をうまく吸い上げるようなシステムというものとしてどのようなものが考えられるのか,そのようなことを議論するのが良いのではないかということでございます。
 7番目に「団結権」というものを挙げておりますが,これは現在,刑務官には国家公務員法でスト権はもとより,団結権についても制限されております。これを制限すべきでないという意見も強いわけでございますが,他方,警察や消防など,他の職種,職域との関係もあって,法務省だけで決められる問題ではないわけですけれども,職員の執務環境の改善という観点からは避けて通れない論点だと思われますので,これについても議論すべきではないかと考えております。
 以上,2に掲げた論点について順次御議論をいただければいいのかなというふうに考えております。
○高久会長 どうもありがとうございました。今事務局から説明がありましたように,前回のPFIについての説明にいろいろ補足する点があるということでして,その点について西田国際企画官に説明をお願いしたいと思います。
○西田企画官 お手元に配付してございます「刑務所PFI事業について」という資料をお願いいたします。
 まず,1ページをお開きください。これはPFIの一般的な説明としての資料でございます。中ほどに業務委託とPFI,そして民営化の考え方を整理させていただいております。前回,若干御意見もいただきましたけれども,今回やらせていただきたいと考えております事業は,PPP(Public Private Partnership)と言われるのですけれども,この範疇にあるPFIというものでございまして,その左側に民営化との違いということで若干説明をさせていただいております。つまり,サービスの主体はあくまで国ということをここで御説明したかったわけでございます。どんな業務を委託しようとも,その主体は国でございまして,最終的な責任は国が負うということでございます。
 それから,その同じページの中ほど下,「効果」というところでございますが,前回の説明が不十分であったと思っておりますので,詳しく御説明をさせていただきたいと思います。三つ,効果を書いてございますけれども,これは一般的なものでございまして,内閣府でこういった効果があるというふうにされておるものでございます。これを刑務所に置きかえまして説明をさせていただきます。
 まず,効果の一つ目の,低廉かつ良質な公共サービスの提供というものは,刑務所に置きかえましたら,低コストで質の高い施設整備や矯正処遇を可能としたいという願いでございます。
 二つ目の,公共サービスの提供における行政の関わり方の改革というところでございますけれども,民間のノウハウを活用することによりまして,いろいろあると言われております矯正行政の問題点の解決ができるのではないかという期待をここで持ちたいということでございます。
 三つ目,民間の事業機会を創出することを通じた経済の活性化でございますけれども,これは雇用の創出や資材の購入等に伴いまして生じます地域経済への貢献と言えるのではないかというふうに考えております。
 以上が,PFIの一般的な補足の説明でございます。
 次に,2ページをお開きください。「過剰収容対策(施設整備)の現状」という表題になっていますけれども,国の予算事情や過剰収容からPFI事業を検討するに至った経緯をこれで説明させていただきたいと思います。一番左に書いてございますように,今の収容増は,このペースで進みますと,3年後には1万6,000人以上の定員超過になると思われております。これに対応するために必要な施設整備経費は,概算で毎年700億円前後になろうかと思われます。その下に破線で囲ったところで書いておりますけれども,これに対して法務省の施設費というのは190億円,200億円足らずでございまして,そのうちほかにも種々整備が必要なものもございますので,矯正施設の整備経費としては160億円をちょっと超えたぐらいしか措置されておりません。これを増額したくとも,政府には実は概算要求基準と言われるものがございまして,青天井で幾らでもの増額は認めないというようなことだろうと思いますけれども,大幅な増額は困難な状況がございます。そういった事情も御理解いただければと思います。
 あくまでも,従来方式による施設整備が本来の手段でございまして,そういう意味で,この矢印は下の方に行きまして,収容能力増強というのは従来方式による増改築新設であるべきだというふうに考えておりますけれども,収容人員の急増から考えまして,従来方式による新設や増改築に加えまして,補正予算による追加とかPFI方式によるものなど,可能な手段をすべて持って収容能力を高めたいというふうに考えた次第でございます。
 それから,過剰収容と言われる場合に,被収容者のことばかりが言われるのですけれども,実は職員の定員確保も深刻な問題でございます。今回のPFIの事業が軌道に乗りまして,業務の外部委託,業務の合理化など多くのノウハウが得られたならば,必要人員の削減に寄与できるといった間接的な効果も期待できるのではないか。多少なりとも職員の超過負担の解消にも役立つのではないかと考えたところでありまして,それを右上の方に書かせていただきました。
 次に,外国の事情はどうかといった意見もございましたので,まず3ページに諸外国におけるPFI事業の簡単な説明,そして4ページに失敗とされている事例を資料化いたしました。
 まず,3ページの「諸外国の刑務所PFI事業」でございますけれども,民営刑務所,いわゆるPFIというよりも,すっかり民間にやってもらうという民営刑務所について早い時期からそれを実施しておりますアメリカとイギリスの説明でございます。この先発国につきましては,上段に資料化しましたように,まずアメリカにおきましては,被収容者の爆発的な増加が大きな要因であったようでございます。また,イギリスでは,そういった過剰収容に加えまして,古い施設の改築が早急に求められていたこと。そして何よりも大きな要因としては,組合のストライキ対策があったようでございます。
 そういった背景がありまして始まったわけでございますが,下の左側の枠で囲んであるとおり,アメリカとイギリスというのは包括的な委託でございまして,いわゆる民営刑務所であるところに大きな特徴があると言えるのではないでしょうか。これに対しまして,右側に書いてございますが,大陸法系と言われるドイツ,フランスでは,その背景には,我が国と同じような過剰収容はあったのですけれども,あくまでも保安業務というコアな業務については国が実施する。そしてその他を民間委託する混合運営刑務所であることに,その特徴がございます。このドイツ,フランス型をベースにいたしまして,日本型と言われるものをつくっていきたいと考えている次第でございます。
 4ページですが,これは失敗事例ということで資料化したものでございます。いずれもイギリスであったものでございますけれども,まず上段,これはAshfield刑務所,いわゆる少年刑務所での事例でございます。民営刑務所になりまして,衆情不安となった結果として,所長を更迭して公務員の所長が管理して収拾したという事例でございますが,原因は,この資料に記載していますように,やはり刑務所ということもあったのかもしれませんが,職員の出入りが非常に激しくて,更に,確保できた職員が若年職員であったということで,なれあいになったり,種々問題があって,衆情が悪くなったと申しますか,幾つか暴動に近いようなことがあったようでございます。
 そして下段でございますけれども,これは失敗事例と言えるかどうか分かりませんが,運営のみを委託した民営刑務所において,入札で国の機関に民営の会社が負けたというものでございます。国が運用した方が安価であると。つまり,所要経費の問題であったようでございます。
 私どもが収集した資料では,民営刑務所や民間委託の刑務所での失敗例はこの程度でございます。アメリカ,カナダ,オーストラリア等の民営刑務所で暴動,逃走といった事故が発生しているようですけれども,民間によって運営されているということが原因,特徴で発生したと思われるような事例は,取り急ぎ調査した結果,現段階では確認されておりません。
 次に,5ページをお開きください。これは今後考えられる民間委託の業務を検討する場合に,業務の権力性の強弱を横に,専門性の高低を縦に,それぞれ座標軸にとりまして,各業務の位置づけを整理したものでございます。例えば右下の方にありますけれども,食事・洗濯・清掃あるいは文書・経理については,権力性も弱く,専門性も低いことから,民間委託も問題はないであろう。そして逆に左上の受刑者処遇につきましては,権力性が強く,専門性も高いということから,矯正職員が本業としてやるべきものというようなことになろうかと思います。
 あと,医療とか教育をその真ん中より上の方に書いてございますけれども,これについては権力性はともかく,専門性は相当高いと考えられますので,もし民間委託をやるとすれば,医療機関と専門機関との連携なしでは実施困難となるのではないかというふうに考えております。
 こういった整理をしながら細かい業務分析を行って,民間に委託できる業務を一つずつ検討していきたいと考えておりますけれども,その結果,業務が左上,つまり受刑者処遇にあるように,左上に寄れば寄るほど,国がやるべきとの整理になるのではないかというふうに考えております。
 資料の説明は以上なのですけれども,前回,改善更生の容易な受刑者を集めて集中的な処遇をするのは,行かれました交通関係受刑者を集めている市原刑務所でも行われていて,これとはどう違うのかというような質問がございましだが,説明が足りなかったと思いますので,少し補足をさせていただきます。
 実は,今回と同じような考え方で処遇をやっている施設というのは,交通関係受刑者を集禁している市原刑務所と,構外作業所つまり刑務所の塀の外に作業所を置いて,民間の造船所に通勤させている大井作業所といったものがございます。この作業場は松山刑務所の支所という位置づけです。こういった刑務所では,例えば市原刑務所で交通関係という問題性が同種,同一の受刑者を集めまして,同一系統の種類のプログラムを実施するとか,あるいは大井作業所にありますように,ごく少数の受刑者に密度の濃い処遇を行うといったところに特徴があろうかと思います。
 これに対しまして,今回検討している施設は,罪名とか問題性等での限定を一概にするのではなくて,むしろ改善更生の可能性というものに着目しまして,それを共通のテーマとして種々の問題性を持つ受刑者にメニュー化した多様なプログラムを用意してやってみたいというふうに考えております。そのためには,こういった会議での議論を大いに参考にさせていただきながら,来年になりまして一つずつ具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。
 説明は以上でございます。
○高久会長 どうもありがとうございました。今の説明に対してどなたか御質問ありますか。
○野﨑委員 現状では非常に被収容者が増えて非常に困っておる。これは間違いのないところなのですが,戦後も同じような状況が続きまして,ある段階で減少していくという状況が続いて,割合平穏だったんですよね。ここ近年,増勢に移った。つまり,被収容者の数というのは増えるときもあるし,減っていくこともあるということを考えておかないといけない。そのときに,PFIを使うと,その調節はうまくいくのかどうかということです。民間に相当の資金を出させて,こういうものをつくらせるわけですから,減るときには,そのPFIから減らしていくということはなかなかやりにくいとなると,国営の刑務所を閉じていくというところからスタートしていかないといけなくなり,異様なことになっていく。だから,右肩上がりで増えることばかり考えていると,非常に問題が出てくるということを考えておかないといけないと思うのです。というのは,刑務所というのは特別の施設ですからね。これが要らなくなったから老人ホームに転用するとか,そういうことはできないのですよね。だから,つまり民間資本を使ってやるということは非常に思いつきやすいのだけれども,被収容者数が減に転じたときに,こういうものをどうしていくかというのは大変面倒な問題になると思うのですね。だから,そういう点はどういうふうに考えておられるのか,お聞きしたい。
○西田企画官 まず1点目の,右肩上がりの傾向がもしも鈍化した場合の話なのですけれども,今回,PFI事業で考えております刑務所というのは,基本的に契約期間が最長で30年なんですけれども,契約期間を一定限度短くすると。例えば15年とか20年とか,そういったことでまず対応していきたいと考えております。
 施設も,従来のように,今日本の刑務所というのは,つくった場合,50年,60年あるいは100年ぐらい持つような刑務所を考えているのですけれども,そういった刑務所の施設の建築の在り方も,極端なことを言いますと,そんなにもつ必要はないのではないかとか,そういったことから実は検討を始めなければいけないのではないかと考えております。
 あと,もし過剰収容が鈍化して,収容人員がどんどん減ってきた場合の対応なのですけれども,当然,国の方からなくしていくことを考えなければいけないと思うのです。その場合に,イギリスで実際に民営刑務所を始めたのが,実は施設は国のもので,運営だけを民間にやらせるという方法であり,こういったやり方もありますので,今の収容状況あるいは増え方を見ておりますと,10年やそこらで減るとは思われないのですけれども,そこから先のことになった場合には,民間の方に運営だけを任せることもミックスをして,実際に収容人員が落ちてきたときに,どういった方法もとれるかということも全部視野に入れて,PFIの在り方ということを考えなければいけないのではないかと思っております。
 ですから,うまく幸いにも,10年たったら収容人員が減り始めたということになれば,民間に委託したPFIの刑務所はそのまま続けるとしても,廃止をするのは,国でもう古くなった施設がございますので,そちらの方を廃止していく。
○野﨑委員 そういうことを考えると,もともと刑務所というのは国が持っていた方がいいのか,あるいはPFIというのは国で持ちたいのだけれども,それがなかなかできないからPFIというのを使うのだという思想なのかというところへいくと思うんですね。つまり,減らすときに,国のものを減らしていくと,もともとPFIの刑務所がいいんだということを言わないといけなくなってしまう。
 もう一つ,耐用期間を短くするというのは,コストがかかるということにもなるわけですよね。つまりPFI事業としてね。だから,安いサービスになるのかということを考えないといけない。だから,余り机上で議論をしていてもいかんと思うのですけれども,私は刑事の裁判官ではなかったのだけれども,一般的に犯罪というのは経済環境に非常に左右されるわけで,私は31年に任官したのですけれども,そのころは少年事件が非常に多かった。その前はもっと多かったですね。だけど,高度成長を遂げるに従って,犯罪というのは減ってくるわけですよね。特に財産犯罪というのは非常に減ってくる。そういうものが被収容者の減につながっていく。だから,経済環境が良くなっていくと,外国人労働者の流入とかいろいろな要素があるんですけれども,その人たちも仕事があれば,悪いことをする必要はないわけだから,減ってくることがないわけではないと思うのです。減りだすと,またその傾向というのは続くわけで,だからPFIの使い方というのはそういうこと等の関係では,よく考えておく必要があるのではないかと思いますよ。
○西田企画官 先生おっしゃるように,過去ずっと収容状況を見てみますと,景気が悪くなったら,どういった関係があるのか全然分からないのですけ+れども,悪くなったら増えていくことが多くて,景気が良くなると収容人員は減っていくということは過去確かにそういうことはございました。今の未決の拘置所の収容状況を見ると,昭和40年ころ以来の未決の収容状況でございますので,今のままでいくと,また刑期の長期化を考えると,当面の対策は講じざるを得ないのかなというふうに考えております。
○野﨑委員 それはもちろんです。もちろんなんですが,だからPFIを使うときにどういう意識をもって使うのかということを確定しておかないと,後で難しい問題になりますよということを言いたいわけです。
○高久会長 先ほどの御説明を聞きますと,国から700億も出すのは大変だからということで,PFIで建物もつくってもらうわけですね。
○西田企画官 そうです。
○高久会長 それから事業も一部任せる。そうすると,民間の人と公務員とが一緒に働くということになるわけですか。
○西田企画官 はい,そうなります。
○高久会長 経営は民間の方が責任を持つわけですか。
○西田企画官 いえ,あくまで国が責任を持ちます。
○高久会長 経営的な問題も含めて。
○西田企画官 はい。
○江川委員 建物というのは民間につくってもらったら家賃を払うという形になるわけですか。
○西田企画官 そこのところはBTO,BOTとよく,ビルトの後が,トランスファー,オペレーションをどういう順序でやるかと。建てて所有権を国がもらうのか,建てて業者がそのまま所有権をもって運営していくのか,大きく分けて2種類ございます。その中で,今の日本の税制を申し上げますと,いわゆる固定資産税が,前例を見ますと,PFIをやったからといって軽減をされないのですね。そうすると,今回のPFIの事業の場合に,その建物を民間に持たせましたら,当然そういった税金がかかってきますので,高価になるのではないか。むしろ,つくった後で国の方に所有権を移しておけば,国は固定資産税を払わなくていいですから,安く済むのではないかということがあるのです。そこのところは税制をこちらが,法務省なら法務省が,財務省の方に,国税の方にお願いして,もし軽減されるのであれば,民間がそのまま建物をもって運営するということもあろうかと思いますけれども,今,日本であるPFIでは,税金を軽減するようなことが措置されておりませんので,建てた後で所有権を国に移しておいて運営していった方が安く上がるのではないかと考えております。
○江川委員 所有権を移すということは,つまりその業者に借金をして,ちょっとずつ返しながらということになるわけですね。
○西田企画官 はい。ですから,通常,国であれば120億円ぐらいかかるのですけれども,そういう方法をとれば,これを20年とかで償還するという形になろうかと思います。
○江川委員 借金になると,今度は利子がかかってきますね。それでも安いんですか。
○西田企画官 はい。
○野﨑委員 先ほど会長が言われたこととの関係から言えば,PFIで一部,かなりの部分を民営化していくとすると,同じような業務は普通の刑務所でもそういう状況になっていくことも考えられるでしょう。
○西田企画官 はい。今回,収容対象を選んでおりますので,リスクが少ないものを選んでおりますので,二つ目,三つ目が,1号と同じようなことができるかどうかというのは,1号をやってみないとなかなか分からないと思います。今でも,民間にやってもらえる仕事,先ほどの最後の表でいいますと右下の方になっていることは,PFI事業者に包括的に任せるのか,あるいは業務の一部をアウトソーシングという方法でやるのかということもあるのですけれども,それは当然これから考えていかなければいけない課題であると思っております。
○江川委員 先ほど説明の中で,失敗例をいろいろほかに探してみたんだけれどもということで,脱走だとかそういうものがあったけれども,PFIとは関係ないとおっしゃいましたね。それはどういう意味なんですか。
○西田企画官 つまり,言葉は悪いのですけれども,例えばアメリカで言うと連邦の刑務所であっても,州立の刑務所であっても,PFIの刑務所であっても,PFIだから余計にそういう事故が起こったというわけではなくて,すべての刑務所でそういった事故が起こっているということです。
○江川委員 どこでも同じように起きているということですか。
○西田企画官 イギリスの大学のホームページがありまして,そこで民営の刑務所についてのレポートを年に数回出しているのですけれども,それを見ても,挙がっているのはイギリスの二つの事例だけで,あとは何も挙がっておりません。
○江川委員 食事,洗濯,清掃などもアウトソーシングとありますよね。今は,被収容者を監督しながら自分たちで御飯つくったりしているわけですよね。そうすると,こういう食事というのは被収容者の処遇というか,作業と直接かかわってくるような気がするのですけれども,そういうものを被収容者にやらせるのを全部やめて外に発注するということですか。
○西田企画官 そこのところは,どちらの方がバリューフォーマネーといって,予算の削減効果があるかということを検証しなければできませんけれども,もし民間にやらせた方が安いのであれば,もう刑務所で食事をつくるのはやめて,民間につくってもらって,ケータリングで食事を運んでもらうということを検討したいと思います。そのときに,今考えているのは1,000人ですから,1,000人で三食,365日,日曜も何もなくて作るわけですから,一体どちらの方がメリットがあるのかというのを計算してみないと分からないと思います。
○江川委員 アウトソーシングとなっているのは,それを全部外に頼んでというか,今のように中でつくるのではないということを前提に書かれているものですね。
○西田企画官 そうです。業務を分析していくと,こういった部類は別に外に出しても差し支えないだろうという整理をここで整理しているだけでございまして,実際にやってみて,やはり中で受刑者でつくった方が安いということであれば,もうそれは従来どおりの方法をとるべきだと思います。
○広瀬委員 一番大きな問題は,今の施設の足りなさに対して,我々としては拡充を主張するかどうか。その場合には,土地は大体あるのではないかという気がしますけれども,つまり全体としてそういうことを主張するかどうかであって,PFIというのは,その一部をそういうものでやるかやらないかであって,この是非ばかり論じていたのでは前に進まないと思うのですね。だから,まず施設拡充の緊急性というか,これをやるとどういうことになるのかとか,その辺を少し議論した方がいいのではないですか。
○高久会長 この後に「論点細目の現状と問題点」について,矯正局の柴田官房参事官からお話をお伺いし,休憩をとって,その後に「取り組むべき方策」について1時間以上かけて御議論していただきたいと思います。その議論の最初のテーマが施設の新設・増改築ということになっていまして,その中で,増改築が必要であるかどうかということ,PFI導入の可否についても議論していただきたいと思います。時間の関係もありますので,論点細目の1の「人的・物的体制をめぐる現状と問題点」ということで柴田官房参事官にお話を願って,その後,論点2の項目でまたいろいろと御意見をお伺いしたいと思います。
 それではよろしくお願いします。
○柴田官房参事官 私からは,お配りしております分厚い資料,全部で21ページあるのですが,時間の関係もございますので,各ページ,ポイント,エッセンスを申し上げる形で説明するということをお許しいただきたいと思います。
 まず,1ページをお開きいただきたいと思います。これは,この行刑改革会議が立ち上がったときからお話が断続的に出てきております行刑施設の過剰収容の状況をビジュアルの形でお示ししたものでございます。この上段にありますグラフの赤い四角でなぞった線が収容状況の伸びをあらわしたものでございます。これに対しまして,ブルーの三角の実線を結んだものがキャパシティでございます。収容定員でございます。さかのぼること平成12年の中途から,この収容定員と実人員とが逆転現象を起こしてきたということでございます。先ほど野﨑委員から,昔はもっと過剰収容であったということがありまして,それから昭和40年代にも過剰収容がございました。その後,経済の関係等もありまして,収容定員を大きく下回った時代がありました。平成10年あたりぐらいまでは大体収容率は8割ちょっとぐらいで運営されていた。これが平成12年を期に逆転しまして,収容定員がなかなか追いつかないという形になっております。
 これに対しまして,当局といたしましては,予算要求,それから毎年,幸いにも補正予算というのがこれまで組まれてまいりましたので,予算要求で年度当初の予算でいただきたいということを予算要求する手法と,本予算が成立いたしまして,補正の必要があるということで,このお話があった際,過剰収容対策でお願いしたいということで,これまで対応してきているところです。しかしながら,何とか少し間隔を置きながらも,そのブルーの線と赤い線とが離されないような状況で今一生懸命頑張っているのですが,仮に定員が伸びないといった場合には,赤い斜線で引いてあるような差が開いてくるだろう,こういうことを御説明したものでございます。
 次のページをお開きください。これは職員の勤務の状況というものをグラフ化したものでございます。この中で特に見ていただきたいのは,この四角の棒グラフの左の下の精神疾患による病気休職者等の推移。その他のグラフについてはこれまでいろいろ御説明してきております事柄ですので省略をさせていただきます。過剰収容と業務が増えてきたということが原因なのか,あるいはもともと,職員にそういう資質があったのかどうかというのは定かではないのでありますけれども,結果としまして,平成10年以降,右肩上がりで職員が病んできているということは状況として御説明しておきたいと思います。
 それから下の方に棒グラフが二つ,横の表を置いております。これは広島刑務所の,ある時点を切り取った状況でございます。上の横の棒グラフが収容率が93%弱のときです。100%を超えていないときの,これは夜間勤務をする,交替制勤務というふうに我々は申しておりますが,勤務開始後,翌日まで連続して勤務いたします交替制勤務職員というものがおりまして,この人たちが勤務しますと,朝8時20分から勤務を開始しまして,翌日の8時40分まで勤務するというような姿であるのですが,収容率116.4%という下のグラフでは,居残りの勤務が増えてしまう。これは,被収容者が増えますと,どうしても身柄の確保ということだけではなくて,面会,手紙などの付随的な仕事も当然比例的に伸びてまいりますので,そういったことを応援して帰ってもらうというようなことになるためであります。
 3ページは,被収容者が増えてまいりますと,その入れ物の問題もさることながら,中で被収容者が反則をしたり,罰を科されたり,不服申立てなどの件数が当然のことながら右肩上がりになっておりますので,これを参考までにグラフとして報告をさせていただきます。時間の関係がございますので説明は省略させていただきます。
 では,こういったような状況で,前回の行刑改革会議のときに一般公務員の平均の年休は10日ぐらいではないかというふうに江川委員の御質問に,私から答えたかと思いますけれども,その関係で矯正職員,刑務官が一体どれぐらい休みが取れていなくて,一般の公務員並みにするにはどれぐらい必要なのかというものをこれから御説明したいと思います。
 4ページは,平成16年度の概算要求で説明している内容を示してございます。刑務所関係で全部で400人の増員要求をしております。この中身は二つございまして,一つは,先ほど申し上げました収容人員が増えておりますので,工場,舎房などを必然的に増やしていかなければいけない。そこに勤務する職員が必要であるということで,都合,積み上げました数字が約150人になりますので,この要員と,もう一つは,当然業務量が増えてまいりますので,これを処理するため約250人必要であるということで,都合400人の増員要求をしているという状況でございます。
 それから,増員だけではなくて民間委託もやらなければいけないということで,これについては別の資料で触れておりますので,そちらの方で説明させていただきます。
 5ページは,過去10年間,平成6年から15年までの,矯正局で増員要求をいたしまして査定をされましたものを時系列的に並べたものでございます。ちょっと見づらい表なのですが,各年度の一番下の枠から二つ目,増減という欄がございます。これが,その年,幾ら増えたかという結論だけの数字だけを申し上げると,この数字になります。例えば平成6年ですと9名,その次が10名と,ずっとなりまして,一番直近の平成15年度は102名の増員でございました。これは総定員法が施行されまして初めての3けた増でございました。それまでは大体1けた,2けたが精いっぱいでございます。私ども一番きつかったのは,平成12,13で,マイナス22,マイナス44と,実質減がありました。これが非常にこたえております。
 それから,ちょっと余談でございますが,欄外に作業技官というふうに書いてございます。これは林野庁の方から技官の受け入れをやっておりまして,受け入れした人員の9割が定員化されるというようなルールがございますので,これの定員措置をそれぞれあらわしているものでございます。このページはこれぐらいにさせていただきます。
 次は6ページでございます。先ほど400名の増員が必要であるということで16年度要求しておりますというふうに御説明申し上げましたが,ここは,試算の人員でございます。一般の公務員が約11日,有給休暇をとるのに対しまして,私どもの刑務官は,平成14年度で大体5日ぐらいであるというようなことを申し上げたかと思いますが,そういったような実情がある。
 もう一つは,今週休二日制でございますので,この週休二日が満足に取れているか,いないかということで,取れていないと。これを解消したら何になるかというのをあらわした表でございます。
 三つ目の○のところに改善方策ということが書かれてございますが,ここの1で,一般の公務員と同程度の休みを取らせるためにと仮定した場合には,440人ほどの職員が必要になる。
 週休二日を完全週休にもっていくためには,あと150人が体制としては必要であると。
 それから現在,約7万2,000~3,000人の収容人員ですが,近い将来は8万人になるかもしれないというような一つの仮定を立てておりますけれども,このように仮定した場合には,さらに業務増加のために410人必要であるということで,最低限度,一般の公務員並みに仕事をすると仮定した場合は1,000人は必要であるというような試算結果が出ました。
 広瀬委員の方から,前回たしか民間委託もしているだろうから,国の職員プラス外部委託の事務を入れると,実戦部隊としてもっといるはずだから,アメリカのそれに比べると,限りなく3に近づくのではないかというようなことをおっしゃった関係がございますので,これはまた後の方で御説明をさせていただきたいと思います。
 7ページ。これは収容人員と職員の定員。収容人員は赤い折れ線グラフでございます。職員の定員がブルーの,下を真っすぐ走っている線でございます。真ん中に走っているグリーンの線が負担率をあらわしたものでございますが,従来御説明申し上げている負担率とはちょっと違っていまして,実は,このグラフの下に勤務時間数の変遷を書いてございました。現在は週40時間でございますが,48時間,44時間,42時間というふうにずっと逐次,勤務時間が変わってきております。これの関係を加味いたしますと,負担率が昭和56年を1といたします,1.66になっているというものを視覚的に説明してあります。
 ちなみに,平成10年,職員が1万7,075人でございました。それに対して収容実績が5万1,986人でございました。これを割り戻しますと3.0という数字になります。現在の,平成15年度のそれにおきますと,4.2でございますので,ここ5年で,約1ポイントちょっと上がっているということ。これが多分,職員の疲労感がましてきているといいますか,5年間でじわじわと負担が増してきているということになるのではないかと思っております。特に先ほど申し上げた交替制勤務職員というのは,私どもはいわゆる官庁執務時間どおりの勤務といいますか,いわゆる官執勤務者というふうに呼びますけれども,土日は普通休みになりますが,交替制勤務者といいますのは,年間を夜勤,非番,休み,休みとか日勤とか,そういうふうに機械的に割り振っていく業務,勤務になりますので,土曜日,日曜日は全く関係なく,暦とは関係なく勤務を割り振っていきます。看護婦さんの勤務と全く同じだろうと思います。そのかわり,土曜日,日曜日に当たることもございますが,それ以外のいわゆるウイークデーに,あなたは休みなさいというふうに割り振るのが交替制勤務の割り振りなのですが,先ほど申し上げた勤務時間がずっと減ってきている,これに対応する職員の手当てというものも当然,刑務官に限らずどこの省庁でもございませんので,こういう交替制勤務者の多い職場にとっては非常にボディーブローのようにきいてきていることが,今後の大きな課題であると思っております。
 8ページを御覧いただきたいと思います。これは,ではどうするのだということで,職員の負担軽減の方策ということであらわした表なのですが,入り組んでおりますので,この黄色いところだけ御覧いただきたいと思います。一つは増員。これは不可避であると。もう一つは,「種々の施策」というふうに書いてございます。民間委託の推進。先ほど御説明したPFI方式で,100パーセント職員がいるうち何10パーセントかは民間の力を借りて,公務員の手当てを少なくする。それから社会内処遇との連携というふうに書いています。これは保護を含めました他の機関との連携をとりまして,収容の在り方を検討するなどということを書いてございます。この「など」は,いわゆる業務の合理化もありますし,そのほかに,ボランティアの方に矯正はかなり助けていただいている部分がございます。篤志面接委員という方,それから宗教教誨師という方が,それぞれ約2,000人近くいらっしゃるのですが,この方々が受刑者に対しまして,悩みごとあるいは宗教上のお話をしたりするケースがたくさんございまして,これらの方々に,本来であれば宗教を除きまして,いろいろ悩みごと相談というのは職員がやってもいいのでしょうけれども,社会的な地位のある方,人生経験のおありの有識者の方々に,外からいわゆる手弁当で来てやっていただいているボランティアの方の力も非常に大きなものがございますので,これらの点もこれからは大いに,より活用させていただきたいと考えているところでございます。
 そうした結果,右の棒グラフにありますけれども,矢印をより下の方に持っていって,職員の負担を軽減しようと考えているところでございます。
 9ページ,これは文字ばかり並んでいて恐縮ですが,いわゆる心理技官・ソーシャルワーカーの力も大いに活用したいというものでございます。第3回全体会議の中で局としてすぐできる項目で6項目を御説明したかと思いますけれども,その中にいわゆる刑務官以外の心理技官等の力を借りるということも,身近な手立てとしてあることを御説明申し上げました。あの施策は例えば刑務所のすぐそばにあります少年院,少年鑑別所の法務教官あるいは法務技官,鑑別技官の力を借りるというものでございますが,これはそうではなくて,全く外の人の力をかりようと考えていることでございます。1の(2)に書いてございますが,心理技官の場合は医療の重点,専門施設,女子施設,刑の長いロングの施設,犯罪傾向が進んでいるB級の大規模施設,全体で26庁ほどになるのですが,ここの施設に心理技官,少年の資質鑑別とか受刑者の分類鑑別をするための心理技官ではなくて,精神科医師のサポート,心理療法の実施,担当職員の側面的なサポートを専らできる心理技官を配置したいと考えています。
 それからソーシャルワーカーでございます。ソーシャルワーカーというのは,社会福祉事業者の総称として用いられている言葉のようでございますが,私どもが考えておりますのは,社会福祉士と精神保健福祉士の職種の方を同じように2の(2)に書いてありますような施設に配置してみたいと考えているものでございます。これはいずれ社会に出て行く人たちに対しまして,側面から環境調整といいますか,保護の仕事も非常にオーバーラップするところがあるのでございますけれども,その施設の中にいるときから社会復帰に向けての適切な助言といいますか,関係機関との調整,特に満期の受刑者に対しましては,どこの病院,どこの福祉事務所というのは非常に大きな問題になりますので,そういったところを側面から手当てできるような体制を整えたいと考えております。
 10ページをお開きいただきたいと思います。これは先ほど対策の中で申し上げた民間委託の推進の状況をお示ししたものでございます。主立ったものとしては平成7年度から,増減内訳のところに書いてございますような業務について逐次拡大いたしておりまして,平成16年度は都合563人分の民間委託のための予算を要求しております。平成15年度は400人ちょっとの数字が予算化されておるのですが,この1万7,000人の職員定員に,この400名をプラスしますと,負担率は4.1ぐらいになります。現在4.2でございますので,0.1ポイントぐらい下がるということになりますので,今後は,積極的にこの裾野を広げていくことが一つの大きな課題ではないかというふうに考えております。
 11ページをお開きください。これは刑務官の職務と専門官制の導入についてというものでございます。恐縮でございますが13ページをお開きいただきたいと思います。前回の資料でも多分この資料は入っていたのだろうと思うのですが,今回はそれを更に簡略化しております。この表の見方というのは,一番左のところに書いてある数字が俸給表でございます。次の欄の看守から矯正監までずっと縦に入っています。これが階級でございます。私どもの刑務官はこの階級制の中で勤務しております。職名は,所長,部長,課長,課長補佐,係長というふうにあるのですが,この13ページの表の横に,首席矯正処遇官から始まりまして,統括矯正処遇官,主任矯正処遇官,矯正処遇官,一般職員とありますけれども,これが専門官制でございます。専門官制が導入されるまでは,この職種はございませんでした。すべてラインの形で組織ができ上がっていたのですが,平成5年から専門官制というのが導入されました。その理由は,11ページにお戻りいただきたいのですが,刑務官の仕事というのは,一つは保安の仕事,もう一つは処遇の仕事というふうに整理されております。保安の仕事というのは,規律,秩序の維持の仕事です。もう一つは,受刑者の改善更生,社会復帰の仕事でございます。もともと,このラインの組織下にあったときには,例えば処遇首席というのは保安課長という名前で,名前からしていわゆる保安という,そういうイメージがあったのですが,そういう縦割りの仕事。それから,課制からスタッフ的な仕事をすることによって,チェックアンドバランスの機能を導入した方がよかろうということで,平成5年から導入したものでございます。特に保安の仕事以外に,改善更生のための処遇の仕事というふうに申し上げましたが,分類の仕事,受刑者をどういうふうに分類したらいいか,それからどういう教育を施したらいいか,どういう作業をしたらいいか,こういったことはむしろラインの仕事よりは,企画の仕事であろう。実施部門は保安といいますか,その処遇部門でやるという形にした方がよかろうということで編み出した組織でございます。
 こういう専門官制を導入した結果,12ページをお開きいただきたいと思います。施設長以下のそれぞれの階級ないし職種に属する人員がどういうシェアを占めているかというものをグラフ化したものでございます。所長,部長といった上位の幹部というのは,当然のことながら非常に少ないのですが,いわゆる中間幹部と称する首席・課長クラス,それから係長クラスから多くなりまして,矯正処遇官及び一般職員というのがピラミッド構造の第一線の職員として活躍していただいているという関係でございます。
 それから,研修のことを少し触れさせていただきますと,これらの階級にある者がどういった研修を経ているかというものをあらわしたものが,12ページの研修グループ別の割合でございます。初等科,中等科,高等科というこの三つが,私ども矯正研修の基幹研修でございます。大体このような割合を占めているということでございます。
 13ページは御説明申し上げましたので省略させていただきます。
 14ページでございます。赤い線が刑務官,青い線が一般行政職の事務職員といいますか,行政職(一)俸給表に属する職員です。これはいわゆる幹部職員でない人が,採用されまして,一般職員で退職するとした場合に,俸給の比較はどうなるかというのをイメージ的にあらわしたものでございます。上の表が,それぞれの俸給の月額を書いてございます。最初は,公安職の方が上なんですが,40歳ぐらいを境にしまして立場が逆転しておりますけれども,金額的にはそんなに変わりはなくて,大体パラレルといいますか,大体同じかな,そんなに差はないというふうに認識していただけるのではないかと思います。
 15ページをお開きいただきたいと思います。先ほど申し上げました初等科研修,中等科研修,高等科研修,科目別にどうなっているのかを便宜あらわした表でございます。●であらわしたものが人権関係の研修を盛り込んだものとなっております。※を付したものが外部の方に来ていただいてやっている研修でございます。
 16ページをお開きください。こういった研修の中で,大体14年度以降に限らせていただきましたけれども,刑務官等に対する研修で人権に関係する研修はどんなものをやっているかというのをピックアップしてあらわしたものでございます。一番上の四角は後で御説明しますが,真ん中に「初等科・中等科研修」その下に「高等科研修」,先ほど基幹研修と申し上げました。ここでは大体人権に関する研修,矯正心理学,精神医学などをことしからやるようにしております。それから,高等科は将来の幹部を育てるための研修でございますが,10年度からは新規の人権関係の研修を導入しておりまして,特に今年は社会福祉施設,これは特別養護老人ホーム,更生保護法人,養護施設での実務研修も含めた研修を行うようにしています。これは以前はありませんでした。
 もう一つは精神医学の関係。これは2時間と,短い時間でございますが,こういった研修も行うことにしています。
 これらは,基幹研修でございますけれども,その一番上に処遇実務監督者研修というものがあります。これは,基幹研修のほかに必要に応じてそのポスト,例えば保安処遇に勤務する職員でありますと,統括矯正処遇官とありますけれども,こういった人たちを対象に人権教育を,その部下職員に植え付けるにはどうしたらいいかということを監督者に教える研修でございます。それから,社会心理学の立場からそういった研修を行うというような手法も取り入れております。
 16ページの「その他」の欄に,集合研修といいますか,矯正研修所で行っている研修以外に,それぞれの刑務所で行っている研修もあげています。自庁研修というふうに呼称しておりますけれども,この自庁研修の教材も現在つくっている最中でございます。
 もう一つ,前回の会議のときにお話の出ましたNCI法の検討もしているところでございます。この関係について次のページをお開きいただきたいと思います。
 17ページの後段から18ページに書いてございます。これは実は来年度の予算要求の関係で便宜つくった資料をそのまま,この会議の関係で援用させておりますので,ちょっと見づらくなって恐縮でございますが,非暴力的危機介入法,NCI法の関係についてのみ御説明をさせていただきます。これは1970年代にアメリカで編み出された手法と聞いております。現在,アメリカの刑務所職員への導入状況は,12万人が既に修得しているという実績があるようでございます。日本では,精神病院,児童自立支援施設などで,その手法を学んでいるというふうに聞いております。これはどういう手法かと申しますと,職員が医学,心理学など専門的な手法を学んでいなくても,その相手の顔色,動きなどを,そのレベル,レベルで察知いたしまして,相手が怒っている程度,その危機の度合いに応じた対応をするという手法であるということのようでございます。矯正局の職員も,この研修に行ってきて,非常によかったと。つまり,被収容者に対しまして感情的に巻き込まれることが回避できて,冷静にその対応ができるというような,非常にすぐれた研修であるというふうに言っております。18ページの導入実績のところに,各国でもかなりの実績があると書いてございます。これを我が矯正にも研修の手法として学ぶものが多いのではないかということで,来年度予算で要求しているところでございます。認められましたならば,これを早速導入して,職員の研修に役立てたいと考えております。
 19ページをお開きいただきたいと思います。職員の構成はピラミッド構造というふうに申し上げましたが,いわゆる一般職員の異動というものが現在必ずしも活発ではございません。これは予算の事情でありますとか,職員の生活が安定しておりますので,すぐ動かすということは制度上なかなか難しいということがありまして,細々でありますが,毎年40名ほどは実施しておりましたけれども,来年度予算要求で毎年730人ぐらい,一般職員の約1割を動かそうというような計画をしております。幹部職員は極めて短いローテーションで動くのですが,一般職員もほかの施設を学ばせるということの関係から,ぜひともこれは実施したいと考えている施策の一つでございます。
 20ページをお開きいただきたいと思います。最後は職員の団結権,刑務官の団結権でございます。これは本日ではなくて次の会議で議論いただくということでございますので駆け足で御説明させていただきますと,現在は,刑務官には団結権が認められておりません。国家公務員法にその旨が規定されているからでございます。これに対しまして,ILO,国連の方から,認めるべきではないかというようなことで,二度ほど勧告を受けております。20ページのILO87号条約への対応ということを書いてございますが,下から2行目,これが一番直近でございます。2003年6月。その前が2002年の11月でございました。二度ほど勧告を受けておりまして,やるべきではないかということで勧告を受けておりますけれども,政府見解としては,警察ないし消防に類する業務であるから,これはできないということで今のところ否定しているといいますか,団結権を認めるべきではないというような形で整理されております。
 大変駆け足で申し訳ざいませんでした。
○高久会長 どうもありがとうございました。何か御質問があれば。
○広瀬委員 8ページの図で,種々の施策というのがありますよね。そこで,ここには書いていませんけれども,刑務所の施設の構造を変えることで一人当たりの処遇がしやすくなるとか,そういうことはないんですか。
○柴田官房参事官 それはあると思います。つまり,御覧いただいた刑務所は多分,工場でありますとか,被収容者が寝泊りするところというのは,大体平行の建て方をしていたのではないかというふうに思います。外国に行きますと,放射状のもの。これはいろいろ利害得失がありまして,現在,私どもが建てている櫛型の建て方というのは人権に配慮したといいますか,南向きで,受刑者に対して日当たりがよいという観点からそういう建て方をしているところもあるのですが,これに対しまして放射状の建て方というのは,例えば職員が真ん中に勤務しまして,ぐるっと見回せば全体が見渡せる。しかしながら,日当たりの点を考えますと,全く日が当たらない場面もある。そういうような利害得失があるものですから,どちらがいいかということはなかなか結論が出にくいところはございますけれども,今,広瀬委員がおっしゃったように,被収容者の動線,職員の動線ということを考えて,もっと職員を減らした,安いコストで運営できる建て方を考えたいと思います。
 これからそういうことを中心に考えていきたい。その一つとして,先ほど御説明したPFIがございます。これは確かに民間の力を,資金を借りるのですけれども,建て方そのものも外の知恵を借りてやってみたいと思っていることの一つでございます。
○高久会長 あと,ボランティアが1,500人とおっしゃいましたね。
○柴田官房参事官 篤志面接委員と教誨師の方,それぞれ約2,000人ずつというふうに申し上げました。正確に申し上げると,篤志面接員の方が約1,900人で,教誨師の方が約1,800人です。
○高久会長 それは全国で。
○柴田官房参事官 そうです。
○江川委員 1ページ目のグラフなんですけれども,今後の被収容者の伸びが書いてあるのですけれども,これは根拠は相当確かなものがあるのでしょうか。それとも,このままでいくとという感じなんでしょうか。
○柴田官房参事官 説明を省略して申し訳ございませんでした。ブルーのグラフの右肩の方に過去3年平均というふうに書いてございます。これは単純に,今までの実績をそのままスライドさせたものであります。そういった意味では,これが根拠ということなのですが,実際には複雑な要素がありまして,厳罰化の傾向であるとか,いろいろあると思うのですね。もっと経済が悪くなって増えるかもしれないし,刑が長くなるかもしれないし,従来,割と早く仮釈放で出ていた人が,刑が長くなってというようなことで,いろいろな要素がありますから非常に難しいのですけれども,ただ,今までずっとほぼ直線的に被収容者が伸びているのを,昔やはり同じような手法で伸び率を試算したのですが,3か年平均で大体正しい結果が出ているんですね。それがあるものですから,これが唯一無二の根拠ではないと思いますけれども,大体当たらずとも遠からずでこうなってくるであろうと思ったものですから,こういう推計をいたしました。
○江川委員 もう一つ,お願いなのですけれども,今日でなくていいのですが,団結権の問題ですけれども,諸外国のケースなど事例がもしお手元にあれば。
○柴田官房参事官 諸外国は団結権はあるのではないでしょうか。例えばイギリスは,当時,サッチャー首相,あとのメジャー首相のときでも非常に悩んだ,刑務官の職員組合というのがすごくて,ストを繰り返していたと。一たんそれは禁止されたのですね。そんなことがあるのですけれども,団結権そのものは否定していないということがありますから。だから,日本がむしろそういった意味では認めていない,少ない国の一つではないかなと思います。正確ではありませんので,これは調べます。
○高久会長 ほかに。
 よろしいでしょうか。そうしたら,15分ぐらい休憩をとりまして,その後,論点整理の2につきまして,残り時間を使って御意見をお伺いしたいと思います。


(休憩)

2.意見交換

○高久会長 再開いたします。
 今から1時間少しですが,取り組むべき方策として,最初に施設の新設,増改築等ということが挙げられています。その中にPFIのことと,収容対象を特化した施設の検討ということが挙げられていますが,PFIのことについては,先ほどもいろいろ議論がありました。また,本当に被収容者がどんどん増えていくのかという議論もあると思いますが,ここでは一応,既に過剰であるということから,そのことに対してどの様に対応すべきかという議論になると思います。先ほどの御説明では,700億円かかるから,民間のノウハウを導入せざるを得ない。その方法の1つとしてPFIがあるというお話,既に病院でもPFI方式でやっているところがあります。刑務所にその方法を導入しようということですが,増やすとすれば,ほかに方法はないということですか。
○野﨑委員 これは,今の施設をどう活用するかということがまず一つあるんですね。ただ,日本の施設というのは一人当たりのスペースが小さいのですよね。
○高久会長 それは刑務所だけではないですね。
○野﨑委員 それは,私は布団にあるという考えなんですけれども,布団というのはたためるから,そこは居間になってしまう。欧米のようにベッドを使いますと,部屋というのはかなり大きく要るんですね。そのかわり逆に,ベッドを使いますと予備のベッドが入るか入らないかで収容増が図れるか図れないかということになるのだけれども,布団だと押し込みやすいみたいなところがある。ただ,日本はかなり先進国になってきていて,日本の刑務所制度というものもかなり注目されているわけですから,外国の人の目というものもよく考えてみないといけない。そういうときに,日本の今の独居房に二人入れるというのは,スペース的には劣悪だろうと言われる要素を持っているんですね。だから,そのことを考えた上で議論をしていかないといけない。
 私はこの間,ヨーロッパを見てきたのですが,これはいずれ報告がありましょうから,それにお任せするのですけれども,個室は,日本の1DKのマンションよりはるかに大きいですね。それはもう大変大きなものです。ですから,そういう国の人が来ると,日本の3畳の間みたいなところで,びっくりするということになる。そのことをよく頭に置いて考えていかないといけないというところがあると思うのですね。
 あとは,こういう増勢というのは,永遠に続くわけでは決してないわけだから,腰だめ式にやっていかないと,余り長期の計画を立てていくと,長期で壮大な計画を立てていくと間違いが起きますよということを言いたいですね。
○高久会長 恐らく,PFIをどんどんやるということではなくて,どこか1か所でやってみて,もしうまくいけば,施設の増設の必要が出てきた時に,またPFI方式でやりましょうということで,一種のトライアルではないかと思います。
○野﨑委員 ただ,先ほどのPFIの説明ですと,固定資産税などの関係から一たん所有権を移すということを言われたわけですね。そうすると,刑務所を借入金によって建てたのと非常に似てくるわけですね。そのときに,銀行から借りて建てたのと,PFIを使ったものとは,どこに違いが出てくるかとか。例えば特定の事業をやらせるというところで少し違いが出てくるのかということ,そこの差を考えていかないといけないし。
 私は,先ほどいろいろ議論したときには,賃借ということを考えて議論していたから,被収容者がいなくなるとどうしますかということになったわけですけれども,買い取ってしまうのであれば,その時点でどこをつぶそうと,それは国の勝手だということになる部分があるということですから,私の議論の前提が少し違ってきたのかなという気がするのですけれどもね。
○広瀬委員 先ほどの説明で,施設予算は大体年間160億円ぐらいということがありましたよね。実際必要なのは700億円とありますが,国の補助事業というのはめちゃくちゃ高い金を使うんですよね。農水省の補助事業が反当幾らというものは,実際に農家がやるとその10分の1以下でできるとか,だから,大雑把に言って5,000人を収容する施設で本当に700億円もかかるとは思えないのですけれどもね。つまり,3年間で1万6,000人,平均大体5,000人ずつ増えるとして160億円。200億円もあれば十分施設はできるのではないかと思うのだけれども,その辺,だれか……。役所の人は,これは必要だと言うに決まっているんだけれども。
○西田企画官 新設はそれとしまして,実は刑務所の数というのはものすごい数がありまして,現在でも要整備というか,つくりかえなければいけないものが3割以上あるわけです。ですから,新設に合わせて建てかえ,あるいは補修が必要なものも含めますので700億円という話になってまいります。それと,PFIを使いたいということは,自己否定になりますので余り言ってはだめなんですけれども,民間のノウハウを使えば,従来,1,000人規模であれば120億円,150億円かかったものが,もう少し安くできるのではないか。それから,国の予算制度というものがあって,予算単年度の原則がありまして,その年度にはこれしか使えないと。逆に言うと,幾ら120億円の予算措置をしてもらっても,単年度主義ですから,120億円を全部使わないと,あとは不用額として国庫に返すという仕組みになっています。当然,工期が三,四年であれば,少しずつしか予算措置が得られないのですね。そうしますと,年数もかかって,かえってコストがかかると。そういうことであれば,いっそのこと,国の予算制度も無視ができる民間のお金とノウハウを使えば,単年度に一気に短い期間でできるということも可能になるのではないだろうかと。いろいろとむしのいいことを当方としては民間の力を借りてやってみたいというふうに考えているわけでございます。
○広瀬委員 設計だとか手法,つまり年を越してもいいとか,よくないとか,そのあたりは新しいシステムを導入すべきだろうという感じがしますね。昔風の古い建物ではなくて,監視がしやすく,比較的住み心地がいいというとおかしいんだけれども,余り暴れたくならないような感じの施設にしてというのは基本ではないかなという気がしますけれどもね。
○江川委員 それに関連してなんですけれども,数だけではなくて質の問題というのが本当に大事だと思うんですね。前のアンケートでも,夜間独居がいいという声が圧倒的ですよね。これから雑居より独居をどうやって増やしていくかとか,あるいは私も何か所か刑務所を見せていただいたときに,部屋の雰囲気も随分違いますよね。本当に古いところで,もう外も見えないでというところ,雨漏りを上でテープか何か張って防いでいるようなところもあれば,外が一応は見えて,カーテンがあったり,あるいは花が置いてあったりとか,そういうことでも,中に入っている人たちの気持ちの問題というのは随分違うと思いますし,その気持ちの問題というのは,先ほど広瀬委員がおっしゃったように,暴れたくなるとか,精神の安定だとか,体にそういう影響が出てきて,医療の問題にも結びついてくると思うので,住環境については一定のスタンダードを決めておいた方がいいのではないでしょうか。それは人によっても違うとは思うんですよ。本当に処遇困難な人と,そうでもない人では違うところはあるのかもしれません。けれども,外が見えるとか,日照時間だとか,どれぐらいの広さの独居にするとかというのは,一定のものはきちんとしておいた方がいいのではないかと思います。
○高久会長 そうですね。現在,独居と雑居の割合はどれぐらいになっているのですか。
○西田企画官 今つくっている施設ですと半分ずつぐらいです。それで古いところは,独居がその収容人員の3割,あと7割が雑居だった。まあこれが一般的ですけれども。新しいところは,独居と雑居の率は半分ぐらいづつにしようということで,今進んでいるようでございます。
○高久会長 雑居といった場合,一部屋に何人ぐらいは入るのですか。
○西田企画官 一般的には6名です。
○江川委員 半々にするという,もう少し割合を変えるということはできないのですか。
○西田企画官 独居を増やしますと,それだけ施設整備費がぐーんと跳ね上がりますので,それは徐々にやっていく話になろうかと思うのですね。ですから,従来の刑務所のやり方というのは,集団生活ができないのだからとか,あるいはもし収容増になったときに,なるべく柔軟的に,収容人員の増減ができるようにということで雑居を大きくしてあったんです。それを,今,江川委員がおっしゃったように,もうプライバシーを大事にするような時代になってきたし,集団生活は嫌だという者が増えてきて,夜ぐらいは一人でいたいという者が出てきて,だんだん増やしてきて,独居を半分ぐらいにしたのです。
○高久会長 独居が増えますと人手もかかると思います。例えば薬を配って回る場合でも,雑居ですと一部屋分持っていって配れば良いのですが,独居だと一々ドアをたたいて渡す。ですから,恐らく独居が増えれば増えるほど職員の勤務時間が増えるだろうと推定されます。
○広瀬委員 私は独居がある程度増えた方が人手は軽くて済むのではないかなという気がするのだけれども,その辺の実態はどうでしょうか。つまり,確かに一人一人に配らなくてはいけない,本でも何でもやらなくちゃいけないけれども,喧嘩だとか,その種のものが随分減って,勤める方は楽だとか。薬を配ったり,本を配ったりするのは受刑者にやらせると言っていたじゃないですか。本だけか。
○西田企画官 そうです。今おっしゃった点でいいますと,確かに独居が多いとトラブルが減りますので,そういった意味ではいい点も確かにあります。ただ,例えば刑務所の中というのは,精神的に変調を来たして,突発的なことを,例えば自殺などをする場合があるのですけれども,そういった場合に雑居に置いておいたら,受刑者同士お互いに話をしたりということもあって,一概に,雑居より独居の方がいいとは言い切れないところがあります。例えば離婚の話があって,それをすごく気にしているような受刑者がいた場合には,雑居に入れておいたら気も紛れますし,それで同衆が,そういったことをしないように見てやるんですね。ですから,雑居のいい点もありますし,独居のいい点,喧嘩なんていうのは,独居に入れておけばできませんので,両方がいいということで,徐々に増やしてきて,今半々ということなんですね。
○高久会長 雑居に入れるか,独居に入れるかは,だれが判定しているのですか。
○西田企画官 本人の希望を踏まえて,どちらがいいのかというのを官の方が,国の方が判断します。
○高久会長 本人の希望もあるわけですか。
○西田企画官 希望も一応入れます。ただ,今は,とにかく集団生活をしたくないといって,規律違反を犯しても独居に行きたいという者も増えております。
○江川委員 世の中,集団生活というのはほとんどなくなっているんですよね。家だって,子供も,子供部屋ではなくて一人一人の部屋を持っているし,寮だって,今,大体が個室を用意していますよね。だから,集団生活をする習慣がほとんどない中で,そのストレス度というのは相当大きい。もちろん,いいところもあるとは思うのですけれども。だから,その割合を5対5よりも,もう少し独居の方に少し力を入れるとか,そういうことは不可能なんですかね。
○西田企画官 経費の面をある程度クリアできれば可能だと思います。というのは,舎房というのはどうしても,例えば水回りとか各備品とかが結構高うございまして,例えばドアについても,雑居では6人に一つのドアで済むのですけれども,独居を六つにすると,ドアが六つ要ると,そういったところにすごくお金がかかるんですね。大きな建物をつくるよりも,扉,鉄格子,洗面台,トイレの便器,水回りの工事,そういったものにすごくお金がかかるのです。ですから,雑居を減らして独居を増やせば増やすほど,お金がぐーんと上がってくるものですから,ある程度経費の面をクリアできるのであれば,そういったことも考えたいと思います。
○江川委員 思いつきですけれども,6人の大きなスペースがあって,それを細かく,寝るところは分けて,水回りとかそういうところは共用みたいな感じにして,外には丈夫なドアをつけるとか,そういうようなことは不可能ですか。
○広瀬委員 形は雑居で,しかし,個々に区切られていると。
○西田企画官 アイデアとしては,実はPFIのことを言って恐縮なんですけれども,PFIでいろいろな勉強するときに,民間の総合商社の人とかというのは,そういうアイデアを出そうとしていますね。今現在やっていますのは,半開放といって,扉に鍵をかけないでおいて,トイレとか洗面所は共同にして,寝たり,好きな自由時間を過ごすときだけ自分の部屋に行くようなところもつくっていますけれども,それをやるには相当収容対象を限定しませんと,刑務所というのは弊害の方が多い場合がありますので。ただ,そういった工夫はやる余地は大いにあると思って,矯正局としてはそういった工夫をたくさんしてみたいと考えております。
○江川委員 独居も,5対5と固定しないで,最低限そうだという感じにして,もう少し予算の範囲内で例えば半分独居みたいな,そういうものができるのであれば,それはそれでオーケーなわけですよね。
○野﨑委員 ヨーロッパで見た刑務所というのは,独居が原則だったと思いますね。日本との違いとして痛感したのは,向こうは非常に開放が進んでいますので,刑に服するという,刑の目的とか行刑の在り方ということをどう考えているのかなというところへ,結局いってしまうのですね。例えば自分の部屋はもう,欲しければテレビを置いてもいいし,何を置いてもいいし,デコレーションは何をつけてもいい。そうすると,ただ,拘禁されているというところだけでわずかに自由を拘束しているというところがあるだけで,これが進んでいるのかどうかというのは,まあ進み過ぎているのかという議論になっていくのですが,フランスなどの話を聞きますと,死刑が廃止になって,無期刑のほかに30年という刑ができて,収容期間が非常に長くなっていく。それに従ってだんだん所内の開放度を増やしていく。そうしないと,もう絶望感にさいなまれて,刑務所の統率がうまくいかないということを考えたというところがありますね。
 だから,そういうものを見ると,日本の刑務所はえらく規律中心的だと。宮澤先生がよく言われる,号令はどうだというようなところにいってしまうのだけれども,進んでいくと,刑とは何なのかというところ,刑務所で何をしようとしているのかということへの,つまり非常に基本的な問題に突き当たった気がしましたね。その問題をよく考えてみないといけない。
 私は,別に,拘束をうんと強めた方がいいという議論ではなくて,必要で十分なだけをやればいいという考えなのですが,しかし,その必要で十分という考えというのは時代とともに変遷していくわけで,そういう観点から見ると,独居房とか自由度の増加という,そちらの方向に日本でもいかざるを得ない。これはもう否定できないと思うのですね。ああいうものを見てみると,そういう方向へ行くと思います。しかし,一挙にフランスのようにしろとか,ドイツのようにしろというのはできないと思うのですね。だから,そういう方向というものを見定めた上で,これからの刑務所に対する投資というようなことも考えていかないといけない。それが正に今の,個室の増加とかそういう問題も,そういう問題の一つだと思うのですね。
 個室にして,今までと同じように,鍵をかけて拘禁をしておくと,これはまた非常に問題が出てくるので,先ほど言われたように,ある程度あけてしまって,寝るときには個室に帰るけれども,ある範囲内では集団と話し合いをする,できるような状況をつくり出さないと,かえって孤独感にさいなまれることにもなりかねない。だから,その処遇全体を本来の目的との関係でどう考えていくのかということをよく考えていかないといけないというのが,私が欧米を視察した感想なんですけれども。
○高久会長 恐らく,新しい施設をつくるということ,あるいは今のところを改築・増にいかくかどうか,改築ということは避けられないだろうと思うのですね。それから,有給休暇を余り取っていないとか,いろいろな状況を考えると,どういう形でするかは別にしても,勤務職員の増加ということも考えざるを得ないだろう。それは施設の新設ということと当然一緒に絡み合うことでして,施設を新設するなら職員も増やさなければならない。
 そういうことで,次の問題ですが,勤務職員の超過負担について。これは増員をするか,民間委託の推進しかないだろう。もう少し合理的な建て方を,新しいものは合理的に運営しやすくしてという広瀬委員の御意見もありますけれども,それも含めて考えといいますか,それを含めても,新しいものをつくるならば増員をせざるを得ないということですね。
○広瀬委員 大体100人ずつぐらい増やすのが政府の方針ですか。
○柴田官房参事官 職員ですか。
○広瀬委員 はい。
○柴田官房参事官 100人増えたのは去年が初めてでございまして,多分来年度以降も,こういった収容状況にあるということはほぼ公知の事実になっておりますので,それなりの査定をいただけるのではないかなと私ども期待しているのですが,約束されたものではないです。
○広瀬委員 郵政の民営化だとか,あちらの方はどんどん民営化できると思うのですけれども,確かに刑務所というのは国家公務員が必要な最後のところではないかと思うのです。したがって,増員を要求するのは理由があると思うのですけれども,現実的に,よくて100人かなという感じで,その他のことを考えておかないといけないと思うのです。そうすると,職員の目の届きやすい施設に変えていく。施設などの方が予算は取りやすいと思うのです。ただ,精神疾患から休む人が年間で50人近くいるというところは,6万人に対して50人というのはえらく低い数字で,民間の刑務所職員全員で6万人ぐらいだったと思うのですけれども。
○柴田官房参事官 1万7,000人でございます。
○広瀬委員 1万7,000人で50人といういのはどうですかね。相当高いですかね。民間で結構今多いですよ。余り参考にならないような気がする。案外少なくて頑張っているなという気がしますがね。
○高久会長 1万7,000人で50人ですと,意外と少ないですね。
○野﨑委員 増員について言えば,今まではこの表の各年度の下にあります計画削減数というものがありますよね。これが毎年立つわけですから,とにかく増員を認めてもらって,プラスマイナスゼロにしてもともとなんですね。だから,例えば平成5年でも114人,立てているのですけれども,減を立ててプラス9になっていくわけですね。それがやっと,15年になって要求数が245で,243認められた。だけど計画削減が141だった。だから差し引き102であると。だけどこれは,ある意味で画期的というか,今の予算の現状からプラマイの関係で増が立つというのは大変なことなんですね。だから一生懸命要求をしても計画減を消せない。消すために一生懸命やっている。
○高久会長 12・13年度は減って,14年度でちょっと増えて,15年度になっている。
○江川委員 毎年毎年折衝して,やっとこういう数字を今年は勝ち取ったと,そういう感じになるわけですよね。やはりこれから当面は被収容者の増員がこれだけ予想される中なので,そして6ページ目に,ほかの公務員と比較しそれなりにするには大体どれぐらい要るか。1,000人ぐらいの増員が必要だというのがありますよね。だから,こちらとしては,長期的に考えて,いつぐらいまでにはどれぐらいの人を増やすのが望ましいというような具体的な提言で,それをどういうベースで増やしていくのかというのは,財務省との折衝や国会での審議などいろいろあるのだと思うのですけれども,私たちの立場としては,例えばこのグラフである,平成18年度までに1,000人程度の増員が望ましいとか,そういうことは言った方がいいのではないかと思いますが。
○野﨑委員 もちろんそうですよ。だから,予算要求の見地からいえば,こういう会議があって,こういう席で,もうプラスの増員がうんと要りますよということで,増員を別枠の形で認められるようなことにしないと増えていかないわけですよね。だから,矯正当局としては,こういうところでそういう意見を出してみらえれば,予算要求に非常に力強い支援になるというふうに考えておられるのだろうと思います。
○高久会長 1,000人というのは何年度までですか。
○柴田官房参事官 6ページのことをおっしゃっているのだと思いますが,3の四角で囲ったところに(仮想)8万人というふうに書いています。8万人と考えた場合に1,000人だということでございますので,今後例えば9万人とか10万人になったら,この数字では収まらない。またもう一回計算し直さなければいけないと思います。
○江川委員 例えば平成17年でもいいですし,18年度までにこれぐらいはいきそうなわけですから,この年度までにこの人数を増やすことが望ましいという感じですよね。
○高久会長 8万人になるのは平成16年度の途中ですね。ですから,すぐしないと,16年度の予算を組むときでしょうから。
○柴田官房参事官 これは16年度の年度中で,8万人を突破するかもしれないということになっておりますので,遅くとも平成17年の3月までには8万人は超えるだろうと。そうなると,理想としては1,000人という,計算ではそういう試算になると思います。
○高久会長 余り現実とかけ離れた要求をするのは。1,000人と出すと……。
○柴田官房参事官 法務省全体で。
○江川委員 実際問題,まともな刑務所をつくるにはどうすればいいかという,それを示すには,それが必要なんだということは,お金を出す方がどうのこうのというよりも,言うべきではないかと思うのですけれども。
○広瀬委員 平成15年度は民間委託の人員が150人も増えていますよね。つまり,思い切って増やしているのですが,この分野を,例えば今までは固有の職員がやっている会計だとか,そういうことも,もう思い切って外出しにしますよと。この会議で言うならば,外出しにすることも認めるべきだとか,そういう格好で,本当に専門職,刑務官というのは専門職化していって,だれでもできるとは言いませんが,そういうものはどんどん外に出していくという,それで当分はかなり賄えるのではないですか。
○柴田官房参事官 今,広瀬委員がおっしゃったのは10ページのところだと思います。これは,非常に数字が大きくなっているその一番主だったものは,総務系の業務,74人というふうに,これ15,16とありまして,15年度は庶務関係の職員にかわって74人分を民間委託しようと。74というのは施設の数でございます。74庁掛ける一人ということで,1庁一人という単純計算をしています。16年度要求で用度関係の調達業務の中から一人掛ける74庁。
○広瀬委員 格別な問題が起きたということはないですか。
○柴田官房参事官 今のところございません。ですから,広瀬委員おっしゃった総務系のところを思い切って委託してやれば,その分だけ職員が処遇の方の専念できることになりますので。
○江川委員 総務をやっている人が,あしたから処遇の方へということで,できるのですか。
○柴田官房参事官 刑務官がやっておりますので,訓練されておりますから,それはできます。ふだんから応援に行っていますから。
○高久会長 はっきり書くなら,例えば17年度までに1,000人増員せよ。できない場合,例えば100人増員だったら900人分は民間に委託をせよというのが一番はっきりしていると思います。
○野﨑委員 まあ,そうは言えないのでしょうけれども,ただ,予算的な見地からいくと,アウトソーシングの方がいいんですよね。人間を増員するともうずっと固定して経費がかかっていくわけですからね。だから,刑務所の職員の定年退職後の人を使ってとか,そういうことはやっていないんですか。
○柴田官房参事官 いや,もちろん,それも入っております。全くの民間の方ばかりではございません。
○野﨑委員 ちゃんと経験のある,しかも信用のできる人がいるわけですよね。だからそういうものも含めて何とか不足分をカバーしてほしいと。そういうことを考えた上で,実際幾らの増員が要るのかということだろうと思うんですね。
○江川委員 その1,000人というのは,実際,処遇の人が,あと1,000人必要だということですよね。
○柴田官房参事官 ほぼ処遇と考えていただいて結構です。
○江川委員 ですよね。だから,こういうことではどうなんでしょうか。処遇を何年までに1,000人増やす必要があって,そのために例えば民間を活用するとか,そういう形でとにかく1,000人の処遇の担当を増やす必要があると。そのために,処遇以外の部分については民間の数を増やすとか,そういう形で,とにかく処遇担当を1,000人増やす必要があるという形ではどうなんでしょうか。
○高久会長 1,000人増やす必要があるが,それだけ増えない場合例えば100人なら,処遇を更に900人増やすために,ほかの職務を民間に委託せよという意味で私は900と申し上げました。
○野﨑委員 全部処遇ですか。人が増えると総務系の仕事も増えるわけだから。そうではないんでしょう。
○柴田官房参事官 ほぼ処遇と考えていただいて結構だと申し上げましたのは,先ほど交替制勤務の職員と,そうでなくて,官執勤務者というふうに申し上げましたけれども,我々官執勤務者というのは,大体暦どおりに休もうと思えば休めるんです。だけど交替制勤務の人というのは暦どおり休めませんし,意図的にこの日が休みだというふうに割り振ることになっているのですが,どうしても交替制勤務の人にとっては,休みがとれない不可避な仕事というのがついて回る。それが処遇の方にあるものですから。それで,9ページの資料はほぼ処遇の職員か休みが取れない。休みが取れないのは,ほとんど処遇の職員が取れないんです。
○野﨑委員 事務系の職員は取っているんですか。
○柴田官房参事官 満足にとはいきませんが,比較しますと……。
○野﨑委員 1,000人増員すると,1,000人全部現場に回すわけにはいかないと思うんですね。だから実際の話,どうなんですか。
○柴田官房参事官 これは実際の話そうなんです。
○野﨑委員 看守だけ増やして,あとは,ほかの人はその1,000人分をカバーするんですか。
○柴田官房参事官 ここに書いてありますのは,例えば処遇を充実,それから週休,年休というふうに書いていますけれども,処遇部門の第一線で働いている人たちの休みをちゃんと確保するためには,これだけ必要であるということを基本的に計算した試算でございまして,総務系の仕事の人とか,教育とか分類,医務の人を対象にした積算とはなっておりませんので。もともとの1万7,000人の計算には入っていますけれども。
○高久会長 職員でまとめられれば良いと思います。増やさなければならないのですから。
○江川委員 増やさなければならない部分は特に処遇の部分ですよね。それが大体1,000人ぐらい増やす必要があるわけですよね。その人員確保のためにどういうことが必要か。つまり職員として採用する部分も増やさなければいけないし,今別の仕事をやってる人たちを回して,別の仕事には民間の人たちの力を活用するという,そういう理解でいいのではないかと思います。
○高久会長 だと思います。ほかにやりようがないですから。
○野﨑委員 先ほど事務をしている人を回せないのかという話があったから,それは看守の資格を持っている人がやっているから回せるという話があったでしょう。そこと絡んでくると僕は思っているのですけれどもね。だけど,そういう議論であればそれでいいですけれども。
○高久会長 結局,(2)のところは,勤務職員の超過負担の解消のためには増員が必要である,増員ができない部分については民間委託ということしか書きようがないですね。数として1,000人。
○野﨑委員 現場担当だと,それができないところはどこかから持ってくるというわけにはいかないんですよね。
○高久会長 現場担当の人をということではなくて,総務とかそういう人は民間に委託するよりしようがないでしょうね。委託できない部分もあるでしょうが,まだ委託できる余裕があるのでしょう。そうではないのですか。
○柴田官房参事官 余裕と申しますか,委託を検討する仕事はあります。
○高久会長 よく考えて,できることは民間に委託せざるを得ないのでしょう。
○野﨑委員 だから,民間の委託を増やして刑務官の資格を持ちながら事務に今いる人を現場に持っていくと。それによって相当数をカバーできる。その上で幾ら要るかという議論なんだろうと思うんですよね。だから,1,000要るんだけれども,700しかくれないなら300は委託に回しますよという議論ではないと思うんですよ。全部が現場の職員ということであれば。
○高久会長 300を委託に回して,その委託に回した分の人を,刑務官の資格を持っている人に持ってくるということだと思います。
○野﨑委員 だからそっちが先ではないですか。
○高久会長 先というか……。
○広瀬委員 ちょっと警戒した方がいいと思うのは,警察官の汚職が続いて,警察問題を考える会というものができて,結局,警察職員を増やしましょうみたいなところに落ち着いて,今回も世間が,名古屋を利用して法務省は刑務官を増やすことを図っているのではないかとか,そういう気持ちもないではないと思うのですね。だから,余り具体的に1,000人とか何とか挙げない方がいいのではないかな。その辺は会長に研究してもらいたいと思いますね。
○江川委員 具体的な数値を挙げないと,ただ,増やしましょうというよりも,まあそれは努力目標になるかもしれませんけれども,イメージがわかないのではないかと思うんですけれども。
○高久会長 事務的にはどうですか。挙げた方がいい。
○杉山次長 例えば1,000人規模のとかいうように,そういう表現で大幅なということを何かあらわすということはあるかもしれません。
○江川委員 100人だって大幅だと思う人もいるかもしれませんよね。表現は余りこだわりませんけれども,そのスケールがどれぐらいのものかというのは,ある程度分かって,それがどれぐらいの時期までに解決されないと,本来の出発点だった目標も危うくなりますよというのは,私たちは法務省の人ではないわけですので,民間の立場からそう思ったということは言ってもいいのではないかと思うのですけれども。
○高久会長 ただ,週休日を完全に確保するためにというようなことを言うと,反発を買うでしょうね。実際にはそうなんでしょうけれども。
○江川委員 先ほどの職員の年次休暇取得とありますよね。5日とありますけれども,これは事務方も入れての数字でしょう。この間のアンケートを見ていると,3日以内しか取れていない人が6割以上いるわけですよね。だからこれはすごいショッキングなデータだと思うのですね。だから,やはり勤務状況を普通の公務員並みにするのはということで,そんなに法外な要求ではないと思うのですが。
○広瀬委員 例えば今後5年間ぐらいを頭に置いて,5年間で,まず刑務所の床面積をこの程度増やす必要がありますと。また,職員についてはこういう格好で何人まで持って行く必要がある。その場合に,純増はこれだけで,外注できるものはこれぐらいの数があるとか,そういうふうに示していければかなり具体的になると思うんですね。面積の方は言わずに,人だけえらく具体的ですねというような感じも与えたくないと思うんですよね。
○高久会長 両方出せれば一番いいことは良いですね。5年間ということで出すことはできますね。もっとも数が多くなりますね。
○柴田官房参事官 広瀬委員がおっしゃった床面積というのは,例えば入れ物をという,そういう趣旨ですね。
○広瀬委員 そうです。
○柴田官房参事官 収容定員が幾つで,先ほどの右肩上がりのグラフでいくと,5年後は何名ぐらいになるので,それをあがなうためには,あと何人分の建物といいますか,収容増を図る必要があると。これに伴って比例的に動かさなければいけない職員は計算上何人になると。
○広瀬委員 そのうちどれぐらいは外注できそうだと。
○柴田官房参事官 何人ぐらいはできそうだというのは,これから検討しなければいけないのもありますし。
○高久会長 外注分を含めて何人といっても良いのではないですか。
○野﨑委員 普通の予算の立て方は,これだけ人間が増えます。それについて物もやっていかないといけないわけだけれども,今までの計算でいくと何千人かかかるけれども,カバーできるものはカバーして,なるべく増員を抑えていっても,1,000人ぐらいは要りますよという立て方をするのだと思うんですよ。ただ,1,000を立てたときに,よその局や会計課と話はついているんですか。そういうことは,文書に挙げるときによく,そんなこと,勝手に挙げて何だなんて言われているのなら,もう非常に迷惑な話だから,数はそこら辺のところも踏まえた上できっちりした数字をお出しにならないといけないと思いますよ。
○柴田官房参事官 私からこういうことを申し上げるのは甚だ僣越ではございますが,今,広瀬委員のおっしゃった,何人増えるというのは計算上出てまいります。概算しますと何千人必要だというのは出るのですが,今明らかな数字は今日資料で御提出した1,000名というのが,ある程度明らかな数字になっていますので,これは当面必要な数字なんですね。今後,確実に伸びるのか,あるいは減るかどうかは非常に分からない不確定要素もございますので,将来増えるということがあるのだけれども,当面措置しなければいけないのは,例えば1,000名程度だというようなことだったら,ある程度確実といいますか。それで,民間委託の数字もある程度出ておりますので,これを更に推進するということが望ましいというような方向性を出していただければいかがかなと考えます。
○広瀬委員 今の施設だと,何平米ぐらい必要で,何人分ぐらい必要で,医者と刑務官は,この前の比率で言えば,これぐらいになりますと。ただし,新しい施設では効率をよくするだとか,総務だけに限らず会計分野も外出しにしますと。これぐらいの人数は外注でできそうですという,そういうわかりやすいのがいいんじゃないですかね。具体的にこれだけ必要だというのは,医者と刑務官を出しておいて。
○高久会長 あと心理技官やソーシャルワーカー,そういう人たちがどうしても必要になるのですね。特に中毒センターの事を考えると。しかし,この分科会で,そのような具体的な数を出す必要があるのですか。
○杉山次長 必要に応じて,出せる部分は出していただいてもいいことですし,それは非常に改革の後押しになるのではないかと思います。
○広瀬委員 現状の問題点というところで,過剰な人員,非常に勤務状況が厳しい,医者も足りないというそういう分析が出ると思うんですよね。そこではどう対応しますかということだから,今後5年間を見渡すならばというぐらいの具体的なものがあった方がいいのかもしれない。
○高久会長 報告としては,当面の対策よりも,長期的な対策の方が良いのではないのかな。来年どうしましょうというのだったら,わざわざ分科会を作る必要がない。事務的に検討していただければ良いわけですから。
○野﨑委員 中長期的なものを立てないといけないでしょうけれども,来年の要求にちゃんと出てこないと,頭を出してちゃんと取っておかないとだめなんですよ,これは。それができなかったら,もうあと,つまり制度が変わったその年に取れなかったら,あと取れないと思うけれどもね。制度改革をして,こういうふうに改革します,だから人間が要るんですよという取り方をしないと。そのときが一番勝負どころなんでね。そのときに取れれば,次年度からある程度のものは取れるというのが普通の常識だと思います。
○柴田官房参事官 タイミングから申し上げますと,この会議の答申をいただけるのが,今年の12月というふうに伺っています。実は平成16年度の予算要求はもう既に完了しておりまして。
○野﨑委員 来々国会の矯正関係の法規の改正と絡ませないとだめなんです,予算関係法案で。
○柴田官房参事官 先生方からちょうだいした方向性を具現化できる一番近いのは,平成17年度です。今年末にいただいて,それを具体的にいろいろ検討しまして。
○高久会長 両方書いても良いと私は思っているのですが。差し当たってということで。
○野﨑委員 ただ,来々国会にはこういう計画があります,こういうことで制度も変わります,法案も審議いただきますと。だから,制度を改変するなら,予算関係法案として審議してもらって,それで取ると。そうすると,次から入ってくるということなんだと思います。だから,勝負時を忘れたらもうだめだと思います。それが17年になるのか,18年になるのかは,国会情勢だと思いますけれどもね。
 あなた方の方で,もう少し,みんなが納得できるようなものを書いてみられたらどうですか。ただただ,1,000人ならかたいですということだけでは仕方がない。だから,トータルでこういうことが考えられるのだと。そうするといろいろなところから節約することはしていっても,最低これだけのものは,どれぐらいのスパンで要りますよというのをお出しにならないといけないでしょう。
○江川委員 そこまですると,ではどこまでを外注に出すのかというのも一応はある程度枠組みを決めておかないと,そちらとしては計算できなくて,例えば極端な話,処遇と医者以外は全部民間に任せてしまうという一番極端なところから,それは幾ら何でも無理だろうと。では,どこまでを民間にできるのかという,その線引きがないと,そちらも計算のしようがないのではないですか。
○柴田官房参事官 今の体制といいますか,今の刑務所の運営の在り様の仕組みを全く変えないで,今後増えた場合には何人必要で,民間委託も何人ぐらいという,ある程度の計算はできようかと思うのですが,今この会議で御議論いただいている中では,例えば医療体制の在り方はどうするかとか,そうすると医者の数は今の数でいいのか,あるいはコー・メディカルはどうするのかとか,そういう問題がありますし,それから,これから御議論いただくカウンセラーなどの問題につきましても,我々が考えております,例えば一つの施設に一人ないし二人で足りるのか,あるいはもっと入れないと,今の人格障害の受刑者に対して対応できないのではないかというような御議論が,多分これから出るのだと思うのですね。ですから,そういうことがある程度出た後でないと,将来の本当の姿というのは出せないのではないかという気がちょっと私しているのです。
○広瀬委員 会計などを外出しするというのは政府機関としては異例中の異例だから,そういうことを初めてやっていくということはいいと思うんですよね。ただ,よく分からないのは,賄いで,外注の方が被収容者にやらせるより安くなった場合には,そうさせますという,どうして外注の方が安くなるのですか。
○柴田官房参事官 安くなるというのは,先ほど西田の方から申し上げましたけれども,安くなるか,安くならないか,これからちょっとやってみないといけないのですが。
○広瀬委員 食事は外注した分がありますよね。
○柴田官房参事官 これは説明を省略しました。これは法律で一回当たりの給食数が500を越える事業所については管理栄養士を置かなければいけないという強行規定がございまして,刑務所はこういう資格を持った人が充足されていないものですから,外から来てもらうと,そのお金でございます。
○高久会長 この前の医療問題のときに一つの刑務所に最低二人はドクターがいないと困るとか,精神科の医師がそのうち一人であることが望ましいというような具体的な数は出しております。それから,コー・メディカルの方はまだ数は出していないのですけれども。今日御議論いただいております2のとるべき方策というのは,これは当たり前のことを書いている。女子職員の増というのは余り議論していないのですけれども,ほかのものについてはもう既に,被収容者が増えると増改築が必要であるし,そうすると増員をしなければけならないと。できない分は民間委託にするとか,あるいはソーシャルワーカーとか心理士とか臨床心理士を増やす必要がある,あるいは人権教育を積極化する。これはある意味では当たり前のことなんですね。具体的な数字を挙げるかどうかという問題で,今御議論願っているわけですけれども。
 それから次の女子職員の増ということも,これは今まで余り議論されていなかったような気がするのですが,やはり男子刑務所でも女子職員は多い方がいいのですか。女子刑務所は女子職員が多いと思いますけれどもね。
○野﨑委員 そういう考えがあるんですよね。日本では今まで男子刑務所に女の看守というのはいなかったんでしょう。だけど,ヨーロッパに行ってみると,女性の看守が随分いますね。それで,かなり和やかになったというのですけれども,僕はあれは開放度とも非常に関係してくると思いますよ。だから,一律に女性を入れれば常に和やかになるのか,和やかになっても何も起きないのかとか,そういうところは分からないところがあるのですけれども,確かに女性を入れていますね。相当数の女性が何の警戒心もなく入ってきているような状況はありますね。
○江川委員 あちらは,看守の人たちの武器の携行はどうですか。
○野﨑委員 ないです。受刑者も私服だし,刑務官も制服を着ていないみたいなときがあって,どれがどっちか分からないみたいな。うちの大臣が行って,刑務官と受刑者を間違えたというようなことを,だれか言っていたよ。
○高久会長 男子刑務所の刑務官は男子でなければならないという理由はないと思います。女子であっても,希望する人がいて,優秀な人ならば,構わないと思うのですが。もしも刑務官に手を挙げる人が少なくなるという状況が来れば,男女の区別はできないのではないですか。
○野﨑委員 やはり男性の方が多いですよ。
○高久会長 もちろん希望者としては多いと思いますが。
○野﨑委員 希望者が多いから看守を全部女性にしていいというものではないと思いますけれどもね。
○高久会長 男女の区別をする必要があるかどうかという事を,ここで議論するのですか。
○野﨑委員 ここは,女性を取り込むのはどうかという議論なんでしょう。違うのですか。
○高久会長 そうですか。女性を入れても悪くはないと思うのですが。自衛隊でも,でもというとおかしいのですが,結構いますし。
○江川委員 女性にとって,こういう職場が魅力的といいますか,どうしたらそうなるかということもあると思うのです。だからここに職員の幹部への登用とありますけれども,頑張れば自分たちも一定の評価がされるという,そのために男子のところに行く。幹部になるためには,いろいろな転勤を重ねていかなければいけないわけですよね。だから,そういう中で男子のところに行くというのはあると思うし,女性がもう少しきちんと評価をされるということが必要かなという感じはありますけれどもね。
○高久会長 女性の刑務所は幹部も女性でしたね。男子刑務所も女性が入ってくれば,当然幹部になる人が出てくると思います。余り男女の区別をする必要はない。要するに本人の能力と意欲の問題で。
○江川委員 男性の刑務所で,女性が幹部としているというところもあるのですか。
○柴田官房参事官 あります。そんなに多くはないですけれども。
○高久会長 それから,職員に対するメンタルヘルスは,先ほどの説明では超過負担状況ということですので,勤務職員を増員して超過負担状況ではなくなれば,メンタルヘルスの問題もある程度は解決するのでは。
○江川委員 心理技官等云々というのは,もう話は終わったんですか。
○高久会長 被被収容者に対するですね。
○江川委員 ではなくて,それはもう……。
○高久会長 まだまだ議論しておりませんが,当然,増配置ということで。
○江川委員 例えば現在どれぐらいの人数がいるのかというのは分かりますか。
○柴田官房参事官 心理技官は今刑務所に約90人います。
○高久会長 全国で。
○柴田官房参事官 はい。ですから,74庁を単純平均しますと,一人強。この人たちが配置されているポストは,いわゆる分類部門といいますか,この受刑者は例えばA級なのかB級なのかとか。
○江川委員 川越みたいなところにいるということですね。
○柴田官房参事官 そういったところには重点的にいます。
 それから,ソーシャルワーカーといいますか,そういう人はいないのですが,主として少年院などで勤務することが通例となっている法務教官の人は110人ぐらい,刑務所におります。この人たちの主な勤務箇所と申しますのは,主として少年刑務所の教育部門です。
○江川委員 社会福祉士とか精神保健福祉士とかという,そういう資格を持っている人を採用しているということは特には,今のところないわけですね。
○柴田官房参事官 はい,おりません。
○高久会長 11月3日は休み。次は11月10日になっています。11月10日は,今日の議論の続きということで良いですか。
○杉山次長 はい,今,心理技官の途中ですが,その後の人権教育以下のところと思っております。
○高久会長 そのときに,今日話が出た,具体的な数字を出していただけますか。5年後を見越してということができますか。
○杉山次長 先ほどおっしゃられたような収容増に伴って単純に計算するとというようなことであれば,恐らく数字は出るんでしょうけれども,多分,5,000とか6,000とか,ものすごい数字になってしまって。
○柴田官房参事官 これは権威ある数字かどうかは別としまして,現場は今どれだけの数字を求めているのだということで,例年希望をとっているのですが,特にことしまたとってみたのですが,5,000人ちょっとという数字が出てきたんですね。
○高久会長 それは何年までに。
○柴田官房参事官 今すぐ欲しいということです。それはもちろん休みを全部解消するとか,それからその施設としてやりたいことをやりたいと。処遇に力を入れるという施設,そういう要素を全部入れまして,どれぐらい欲しいのだということを聞きましたところ,5,000人という答えが出ました。この数字が正規なのか,もっと少ないのか,多いのかというのは分析が今できておりませんし,そういったようなことがございましたものですから,自動的に計算して当面は1,000人だということを今日資料化した次第でございます。ですので,難しいですね。5年後の……。
○高久会長 全部集めると,そういう数が出てくるでしょうね。
○江川委員 例えば現場からはこういう数が上がってきた,こういう仮定だとこうだという,何通りかそういうものを出していただければ,皆さん分かりやすいと思いますけれども。
○柴田官房参事官 今の段階でというような前提であれば,それは可能でありますけれども。
○高久会長 分かりました。

3.その他

○高久会長 そろそろ時間がきました。今日は,私のまとめ方がよくなくて,少しざわざわした会議になりましたが,次回も今日と同じテーマについて御意見を伺いたいと思います。事務局の方も,できるだけデータを出していただきたいと思います。
○杉山次長 今度は2週間ありますので,そのように準備させていただいて,途中で一度委員の方々とそれぞれまた個別に御要望などを伺いながら,資料を出していきたいと思っております。
○高久会長 どうもありがとうございました。


午後4時55分 閉会
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