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行刑改革会議(第1回)における法務大臣挨拶

平成15年4月14日
1 本日,「行刑改革会議」の第1回を開催することとなりました。
 まず,委員の皆様方には,無理を申し上げて委員にご就任いただき,また,後藤田先生におかれては,相談役をお引き受けいただき,誠にありがとうございました。

2 私は,一連の名古屋刑務所事件を深刻に受けとめており,この事件を契機に顕わとなった様々な諸問題を解決し,国民の矯正行政への信頼を回復するためには,行刑運営の在り方を徹底的に見直し,抜本的な改革を行わなければならないと決意いたしました。
 そこで,まず省内に「行刑運営に関する調査検討委員会」を設け,所要の調査,及び抜本的な再発防止策の検討・策定に省を挙げて取り組んでまいりました。
 その中間報告が,後ほど事務局から報告させます「行刑運営の実情に関する中間報告」ですが,その報告において,改革の実現のために検討しなければならない諸点として,「職員と被収容者との新しい関係の在り方」,「被収容者の法的地位及びその救済申立制度の在り方」,「職員の人権意識の改革の方策」,「過剰収容下における行刑処遇の在り方」,「職員の執務環境の改善」,「人的物的体制の整備」などが取り上げられました。
 また,そのほかにも,国会等でも御指摘をいただいた「行刑施設における医療体制の在り方」なども検討しなければならない課題だと考えております。

3 この行刑運営の抜本的な改革を行うに当たっての私自身の思いは,「国民に理解され,支えられる刑務所を作ること」にあります。
 そのためには,できるだけオープンで外からもわかりやすいこと,人権が尊重されつつ必要な規律は保たれること,改善更生が適正に行われること等が重要であると考えています。
 これらの事が順調に行われている刑務所もたくさんあります。しかし,とかく刑務所は閉ざされた所と言われ,一般とは異なる面が強調されがちです。そこで働く刑務所職員も,特別な仕事をする人と見られ,自分たちもそう思いこんで,仲間だけの社会を作ってしまいかねないのです。そうした仲間うちの常識が,世の中の一般常識からかけはなれてしまっていないか,もし,そうだとすれば,これを正していくための意識改革を遂げなければならない。そうした意識改革を可能にするようなオープンなシステムを考えなければならないのではないでしょうか。
 それと同時に,犯罪情勢が悪化している中で,国民が安心して暮らし,平和な生活が守られるよう,罪を犯した人を改善更生させて社会に送り返すことは,日本の刑務所の大きな使命であり,誇りでもあります。これを,限られた物的,人的資源の中で,効果的に行えるようなシステムにしなければなりません。
 そして,新しい人権意識を持った刑務所職員が,誇り高く,生き生きと日々の職務に精励することにより,国民に支持される行刑運営の改革が達成できるのだと思っています。

4 こうした行刑の改革を行うためには,何よりも,広く国民の御理解と御支持の下で推し進めることが不可欠であり,そのためには,民間の叡知を結集し,国民の視点に立って幅広い観点からさらに検討することが是非とも必要であると考え,「行刑改革会議」を立ち上げ,本日,皆様にお集まりいただいた次第です。
 皆様方におかれては,それぞれのお立場から,先ほど申し上げた中間報告を議論の素材としつつ,それにとらわれることなく,行刑の改革のために必要不可欠であるとお考えになられる問題を一切の聖域なしに御議論御提言いただければと思っております。

5 法務省といたしましては,この会議において充実した深い議論が行われるよう,行刑改革会議の御要望に従い,必要な検討,調査及びこれらに基づく情報提供を行いたいと考えております。
 そして,できる限り早期に,少なくとも年内には改革の方向性をいただければありがたいと考えております。
 その御提言をいただき,これを最大限尊重して,具体的な行刑改革の実現に向けて省を挙げて取り組んでまいります。
 私自身もその先頭にたってこれを推し進める決意でございますので,よろしくお願いいたします。