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トップページ > 省議・審議会等 > その他会議 > 行刑改革会議 第5回会議

行刑改革会議 第5回会議

日時: 平成15年9月8日(月)
14時06分~15時30分
場所: 法務省第1会議室



午後2時06分 開会


○宮澤(弘)座長 ただいまから,行刑改革会議第5回会議を開催いたします。なお,政務官は本日,都合により欠席しております。
 今回は,全体会議の後に各分科会を開催する予定になっております。全体会議におきましては,森山法務大臣がこの夏,アメリカを訪問され,その際,刑務所を視察されましたので,その報告をしていただくことになっております。
 その後,PFI,つまり刑務所における民間資金等の活用について矯正局から説明をしてもらいます。
 更に,過日,法務省の行刑運営に関する調査検討委員会が,国会審議における指摘を踏まえて「行刑運営をめぐる問題点の整理」を作成いたしましたので,それについて報告していただくことになっております。
 全体会につきましては,可能な限り早く終わらせまして,分科会に時間を取りたいと考えておりますので,委員の皆様方には格別の議事進行についての御協力をいただきたいと思っております。
 なお,刑務官,受刑者アンケートについては,寄せられた回答の自由回答欄の記載が思いのほか多く参りました。その集計が終わっておりませんので,今回は実施状況を報告するにとどめまして,結果の報告は次回の全体会議に行うことにしたいと思います。そういう事情ですので御了承をいただきたいと思います。
 それでは議事に入ります。

1.法務大臣の米国行刑施設視察結果について

○宮澤(弘)座長 それでは,まず,森山法務大臣からアメリカの刑務所の視察結果のお話を伺いまして,その詳細について矯正局の林総務課長から説明を伺うことにいたしたいと思います。
○森山法務大臣 それでは御報告,また御挨拶を申し上げます。
 本日はお忙しいところ,行刑改革会議にお集まりいただきまして誠にありがとうございました。本日で,この会議も第5回を迎えるということになりまして,委員の皆様方には,今までの4回の会合で熱心に御議論をいただきまして,誠にありがとうございました。そのほか,名古屋その他の刑務所の視察をしていただいたり,あるいは受刑者や刑務官のアンケートを実施されるなどしたと伺っておりまして,大変積極的な御協力に厚く御礼申し上げます。
 全体会議の後で三つの分科会が開かれて,それぞれ熱心にまた続けて専門的な議論をしていただくことになっておりますが,私が最初に申し上げましたとおり,国民に理解される,支えられる刑務所をつくるということが目標でございまして,是非このようなことについて一切の聖域なしに御議論を続けていただきたい,重ねてお願い申し上げる次第でございます。
 そのようなことで,私も先日日米刑事共助条約というのがようやくできましたので,それの署名に行ってまいりました。そのときあわせて,行刑施設の視察もしてまいりました。詳しくは後ほど林課長から申し上げますけれども,概略申し上げますと,ワシントンDCの郊外にありますPFI手法によります中警備民営刑務所。それから,長期受刑者や処遇が困難な受刑者を収容しているカリフォルニア州のサクラメントにあります重警備刑務所。それぞれ一つずつを視察してまいりました。
 そのほかにカリフォルニア州の青少年・成人矯正庁のロバート・プレスリー長官と会談もいたしまして,行刑に関する様々な問題を話し合ったわけでございます。
 こういう視察や会談を通じまして,PFIの手法による民営刑務所の実情や精神障害等のために処遇が困難な受刑者に対するアメリカの取組なども知ることができまして,大変参考になったと思っております。
 また,私が視察しました,いわゆる民営の刑務所はとても明るい雰囲気でございまして,教育プログラムも充実しており,なかなかいい印象を受けたわけでございますが,かつて公立刑務所の刑務官として勤務した経験のある,この民営刑務所のある職員は,民営刑務所の方が公立刑務所よりも良質のサービスを提供できるし,警備も万全であるというふうに自信をもって答えておりました。
 しかし,そういう意見がある一方で,カリフォルニア州の矯正当局では,民営刑務所は低コストで,かつ質の高いサービスを行うことが期待されているのだけれども,必ずしも現状は満足すべきものではないということも言っておりまして,PFIにしましても,またそのほかの面につきましても,それなりに問題があるということを承知したわけでございます。
 また,いずれの刑務所におきましても,麻薬中毒者や精神障害を有する受刑者の処遇に問題を抱えておりまして,医療費が多額に上る一方で,受刑者に対する医療サービスの水準をどこまでにすべきかということに悩んでいるようでございまして,アメリカにおいても処遇困難者の問題や刑務所医療の問題が行刑行政の最大の課題の一つであるということが分かったわけでございます。
 今回の視察につきましては,お手元にお配りしましたかと思いますが,報告書をきちんとまとめておりますので,詳しくはそれを御覧いただくといたしまして,視察に随行いたしました林課長から,やや詳しく御報告申し上げることにいたします。ありがとうございました。
○宮澤(弘)座長 どうもありがとうございました。視察結果の詳細については林総務課長からお話を聞くことになっております。報道関係の方が退室されますので,しばらくお待ちいただきたいと思います。
 それでは,林総務課長,どうぞ。
○林総務課長 それでは,お手元の報告書に基づきまして御報告申し上げます。
 何分,視察自体の時間が非常に短うございましたので,資料等に書かれたことについて,我々自身がまだ理解がこなれていない部分がございます。その点につきましては今後,必要に応じて調査を続けていきたいと思います。
 それではまず1ページをお開きください。これは,8月6日に訪問いたしました,コロンビア特別区にあります民営刑務所でございます。CTFという略称がついております。ここの刑務所は,1992年にコロンビア特別区矯正局の特別中警備刑務所として建設されました。ですから建設自体は特別区ということになります。その後,1997年に至りましてCCAという会社に維持管理が委託されまして,現在の姿となったとのことであります。このCCAという会社でございますが,全米最大の刑務所運営会社で,この会社が運営する刑務所だけでも全米で,2001年現在の数字で6万2,000ほどの収容者を持っているということでございます。
 2ページをお開きください。このCTFの人数ですが,職員数で,これはCCAの職員,処遇とか教育,その他一般事務を担当しておるのですが,338名ほど。その他,医療は別になっておりまして,医療の会社の職員が52名。また食事も別になっておりまして,これが約20名。こういった数字でございました。
 被収容者数は,収容現員,視察当日では797人でございました。職員負担率でいきますと2.36となっておりますが,これは全米に比べると職員数が被収容者に対してやや多い方の施設だということでございます。これは,聞いてみますと,どうもこの施設のつくり方がやや非効率で,どうしても職員の数が必要になっているということのようでした。
 以下,聴取した結果について御説明申し上げます。この聴取は,CTFの幹部職員から伺ったわけでございますが,その場には,コロンビア特別区の矯正局の担当官も同席しておりました。
 まず,施設の運営につきまして,運営委託料でございます。これは一人一日につきまして日割りで51.4ドル,6,000円ぐらいでしょうか,その計算でCCA社に払われているということでございます。ただ,先ほど申し上げましたように,医療と食事は別でございますので,この51.4ドルというのは医療費とか食費は入っておりません。
 矯正当局との関係でございますが,施設に2名の契約監督官が常駐しています。このうち1名についてはCCAとの契約を監督いたしまして,残りの1名は医療を担当する会社,それから食事を担当する会社との契約履行状況を監督しているということでございます。
 3ページに至りまして,PFIの刑務所ですと,刑務作業からの収益又は,いろいろなほかの収益施設を合築して収益を上げることも許されている場合があるようですけれども,訪れたCTFにつきましては,刑務作業のプログラムがないということでございましたし,収益施設などは合築されていないということでございました。ですから純粋に刑務施設だけであるということでございます。
 4ページに至りまして,様々な問題が起きた場合の責任でございますけれども,すべての損害,刑務所運営によって他人に損害が与えられた場合の責任は,まずCCA社が全部負うということでございます。ただし,被害者の方は当然CCAでなくてコロンビア特別区の方も訴えることができるということでございます。
 4ページの4にいきまして,民営の刑務所の職員に武器の携行が認められているのかということにつきましては,基本的には民営の職員であっても武器の携帯を許されているということでございました。保安区域内では携帯できないわけでございますが,保安区域外の巡回の際とか,外に移送する際,また,外部病院等へ治療に行くときの担当職員などは武器を携帯しているということでございます。
 では,戒具の使用ですとか保護房的な場所への収容,懲罰の執行等につきまして,これを民営職員が独自にできるのかというところにつきましては,全く民営職員の独自の判断で行われて,先ほど言いました常駐しております契約監督官等の事前の許可などは要らないということでございます。
 5ページにいきまして,職員組合は存在するのか,スト権はあるのかという問いに対しましては,組合は存在するが,スト権はコロンビア特別区の法令により禁じられているということでございました。
 被収容者の処遇でございますが,これについては必ずしも公立の刑務所と異なるわけではないということでございます。この刑務所,CTFはかなり教育プログラムが充実しているような印象が深かったです。
 医療体制でございますが,5ページの一番下の方に書いてございますが,CTFにおける医療というのは,CCHPS社という別の会社に委託されております。CTF自体は民営なのでございますが,隣接したところにコロンビア特別区の拘置所があり,そちらの方の医療もまとめて提供しているということでございました。
 6ページの上の方でございますが,CTFの職員幹部によりますと,実際の問題として,一般社会では医療を受けられないような者もCTFでは受けられるという事態が生じている。必然的に医療費が多額に上る結果となるわけであるけれども,ここの点については,被収容者が十分と考える医療を与えない場合には,しばしば裁判に訴えられることがあるために,現場としては医療サービスを削るというような選択肢は事実上ないと。これはややアメリカに特異な現象であろうというコメントがございました。
 他方,食事につきましては,ARAMARK社という別の会社が提供しております。このARAMARK社というのも,コロンビア特別区周辺で,刑務所に限らず様々な施設にこういう食事を提供する会社と聞きました。
 信書や電話の検閲は,どのように行われているかという6ページの真ん中あたりでございますが,これにつきましては,被収容者あての通常の手紙というものは,そこに禁制品などが混入されていないかという観点からすべて検査されているということでございます。電話の通話につきましては2種類ございまして,弁護士との通話については録音ができない。一方でそれ以外のものについてはすべて録音がされているということでございます。
 最後に,民営刑務所と公立刑務所との比較について質問したわけでございますが,ここでの職員はサービスの質に違いがあるかどうかということにつきましては,先ほど大臣の話にありましたように,前に刑務官をしていたという職員でございましたが,サービスの質については民営の方が充実している。特に教育プログラムなどは民営の方が充実しているということを言っておりました。では,重警備の刑務所というのは民営でできるのかという質問に対しては,これは問題なく可能である。なぜならば,CTFの中にも最高セキュリティーレベルの特別の管理区域というものが実際にあって,それを管理する上で,民営であることの問題は一切生じていないからである。これは我々が調べたところでも全米でもマキシマムの警備度の民営刑務所が実際に存在すると聞いております。三つほどあると聞いております。
 経営の問題からサービスの質が落ちることはないかということにつきましては,そのようなことはないということでございました。それでは,なぜ民営刑務所ばかりにならないのかという問いにつきましては,民営刑務所が徐々に増えてはおるのだけれども,すべてが民営刑務所にならないのは政治の問題であるということでございました。
 以上が,民営刑務所でございます。
 続きまして,8ページでございます。これはカリフォルニア州の青少年・成人矯正庁を訪問した結果でございます。プレスリー長官はカリフォルニア州知事の官房のメンバーでございまして,矯正案件について知事に助言する権能を持っております。この矯正庁のもとにカリフォルニア州矯正局というものがあって,その局が33の刑務所を監督していると,こういう関係になるようでございます
 以下,聴取結果でございますが,まず8ページの下でございます。カリフォルニア州はもう80年代から非常に過剰収容で,現在の平均収容率は約180%に上っているということでございます。
 9ページの中ほどで,「地域に開かれた刑務所の在り方」という観点については,地域との関係は非常に重要であるということで,カリフォルニア州には市民からなる「アドバイザリーコミッティー」があって,月例ミーティングを行う。そこにその所長らも出ていって,地域から見た刑務所運営に対する懸念事項等について話し合っているとのことでございます。
 外部からの施設への統制につきましては四つほど挙げられております。一つは議会や裁判所からの統制,二つは受刑者人権保護団体からの統制,三つは被害者保護支援団体グループからの統制。受刑者人権保護団体と被害者保護支援団体とは全く違う方向から刑務所運営に対して関心を有しているとのことでございます。四つはマスメディアということでございます。
 9ページの下のところ,刑務所医療につきまして,プレスリー長官によりますと,刑務所医療問題というのは組織犯罪問題と並ぶ最大の課題の一つであるということでございます。この分野については裁判所の統制が非常に強い。しばしば裁判所から刑務所の医療措置についての命令が発出される。そしてまたしばしばその内容は施設外の一般のレベルよりも進んだ医療サービスの提供を命じてくるということでございます。これについては,犯罪者が一般の人が受けられないような医療サービスを無料で受けていることがフェアと言えるのかという議論が実際には生じているが,施設にとってはそれは哲学的な議論であって,裁判所の命令である以上,行刑当局としてはこれに従うほかはないということでございました。
 10ページに,麻薬関係でございますが,カリフォルニア州には麻薬中毒者の処遇に特化した専門施設があると。また一般の施設でも麻薬中毒者に対する処遇プログラムを持っているとのことでございます。
 最後に,PFIについて聞いたところ,PFIはカリフォルニア州には11あると。PFIを導入する意味は,サービスの質がベターであるか,もしくはコストがチーパーか,いずれかでなければ意味はないのだけれども,現状については余り満足はしていないということをプレスリー長官は言っておりました。
 11ページ,12ページにつきましては,その際,いただきましたカリフォルニア州の矯正局の50年誌の抄訳でございます。これについては詳しくは述べませんが,一つだけ。1984年から94年,94年という年が矯正局50年に当たる年だったようですが,この84年から94年のところで非常に収容人員が増えているということでございます。その若干の説明は12ページの(6)にあります。特別な法律ができまして,収容者が爆発的に増えていったということが記載されております。
 13ページ以降は,サクラメントにありますカリフォルニア州立刑務所の視察結果でございます。13ページのところで,まず施設の性質でございますが,この州立刑務所は1986年10月に開設されました。カリフォルニア州の中でも最高警備度の重警備刑務所でございます。被収容者は犯罪組織のメンバー,仮釈放のない終身刑を受けた者,暴力や逃走を起こしやすい傾向の者でありました。ここには精神障害を持っている者とか処遇が困難な者が非常にたくさんいるという説明でございました。
 14ページに至りまして,ここの所長は女性でございまして,カリフォルニア州の重警備刑務所としては初めての女性所長だと言っておりました。現職に就いて5年目ということでございました。
 職員数は1,369名,収容人員は3,025名ということでございました,ほぼ府中刑務所ぐらいの規模のような刑務所でございます。ここも,当然独居房は一人で使うのだけれども,最近では,そこに二段ベッドを入れまして二人収容というのが結構常態化しているとの説明でありました。
 この施設だけの年間運営経費は1億2,500万ドル,これは120円で換算いたしますと150億円に上ります。厳密な比較はできませんが,府中刑務所の3倍ぐらいのお金を使っているようなイメージだと思います。
 以下,聴取した結果について御説明申し上げますが,先ほど処遇困難者が多いということを申し上げましたが,隔離措置としての昼夜独居拘禁に付されている者が168名ほどおりました。この措置といいますのは,一般の受刑者と一緒に収容した場合に,その他の者であるとか,もしくは受刑者本人の安全にとって好ましくない,また,施設を壊すなどの行為に出るなどの理由のある場合には,その受刑者は直ちに一般の受刑者から分離されて収容される,より制限された環境の下に収容されるというものでございます。
 15ページでございますが,精神障害者の処遇について,(2)に書いております。様々なレベルで精神障害のある者の処遇が行われておりまして,ここでは(1)から(3)まで三段階ほどの処遇があるというふうに説明を受けました。(3)のところに書いておりますのは精神衛生危機用ベッド,この訳は全くの直訳でございますが,いわゆる医務室における24時間入院看護が必要な精神障害を有する受刑者のためのもので,こういった者を収容する設備,施設,収容場所が,この刑務所の中の矯正治療センターという区域の中に設置されております。ここの収容は10日間に限定されているということで,より長期間の集中的な治療が必要な者は,別のところに所在する医療施設に移送されるとのことでございました。
 16ページでございます。一番上に,ここでは一部作業があるわけでございますが,作業に従事した場合の報酬は月20ドルから50ドルとのことでございました。ただ,これは,どの程度の時間に従事した報酬かは定かではございません。結果として月20ドルから50ドルぐらいの範囲で報酬をもらっている者がいるということでございます。
 17ページでございますが,戒具の使用についての質問でございます。(4)で戒具の使用の要件等を書いておきました。戒具は重警備区とか昼夜独居拘禁区,精神治療区などにおいて使用されるということで,その要件というのはカリフォルニア州規則によって決まっているということでございます。
 18ページの上ほどに様々な要件が記載されております。(c)のところにありますように,手錠というのが通常の拘束の手段であるけれども,状況が他の拘束具の拘束のレベルが必要と見られるときには足錠,補助の鎖,鎮静衣,革手錠,その他の拘束具を使用することができるとのことです。
 武器等の使用についてが18ページの真ん中ほどにございます。武器につきましては,すべてのカリフォルニア州の重警備の刑務所におきましては,受刑者が接近できない場所に銃などを備えた配置場所があるとのことであり,我々も一部見せていただきました。160度ぐらいを見渡せる扇状の区域の中の要のあたりの2階部分に銃器が備え付けられた場所がございました。何かあればそこから銃器を使う。逆に,そこ以外では銃器を使わないようにしているということでございます。接近できる場所で銃器を使うと相手に奪われてしまうおそれがあるので,その場所が決まっているということでございました。ただし,過去1年間に,死に至るおそれのあるような武器の行使をした実例はないということでございました。
 19ページでございます。受刑者が所有できる物品について書いておきました。これらは施設長が定めておるわけですけれども,現実にこの刑務所では総量としては6立方フィートを超えてはいけないと。受刑者は自費でテレビ,楽器,ラジオ,ディスクプレーヤー,タイプライターのうちの2品を所持することを許すことができる,こういう規則になっているようでございます。もちろん,保護房のようないろいろな制限された環境の下に収容されている受刑者は,当然物品の所持が制限されるとのことでありました。
 懲罰の関係が19ページ以下にございます。懲罰の関係につきましては,重大な規律違反と,重大でないもの等について手続が別途に定められております。細かい懲罰の種類を19ページから20ページにかけて掲げておりますが,若干時間の関係で割愛いたします。
 21ページ,不服申立て関係でございます。まず,不服申立ての前に非公式な解決への試みがなされることが必要ということでございます。そして,施設長は不服調整官というものを指名いたしまして,第一段階は不服調整官が行うと。そして21ページの一番下の方にありますように,第2段階の判断は施設長,第3段階の判断は矯正局長の判断によるというふうに3段階ほどに分かれております。
 22ページ,外部交通の関係でございます。ここにつきましては,まず面会についてでございますが,受刑者に面会できる人数に制限はないとのことでございます。ただ,混雑でありますとか面会時間の不公平,その他の理由で,そういった場合には時間,回数等を制限できるということでございます。この面会にも,受刑者と面会者を隔てる設備があるものと,そうではない,身体的な接触を許す面会と二種類ございまして,身体的接触を許す面会,要するに隔てがない面会の場合には,持込が許された物品等を交換したり飲食したりすることができるということのようであります。
 電話につきましては,真ん中から下に記載させていただいておりますが,一般の受刑者は電話を利用できる。一方で,保護房等に入っているような受刑者については緊急時の電話若しくは弁護士の要請による電話のみを利用できるということでございます。では一般の受刑者はどういう形で電話を使用するかというと,原則コレクトコールでやると。そして指定された時間,指定された電話機によって電話をすることができる。したがって,ダイヤル直通で自分でかけることはできないということでございます。
 一般の受刑者の場合は,電話の相手方には制限はないとのことです。
 この電話についてはすべて常時モニターされて記録されているとのことでございます。
 一方で,23ページでございますが,秘密通話という電話がございます。これは弁護士との電話でございます。これにつきましては,モニターしたり記録してはいけないということです。(6)に,その秘密通話を行う場合のことを記載させていただいておりますが,受刑者の弁護士から,弁護士事務所のレターヘッドのある書面で要請があった場合に施設長が許可をすることになっております。
 外部交通の最後に信書でございますが,23ページの真ん中あたり,信書の検閲につきましては,すべての信書は開封されて検査される。これは危険物,禁制品などが入っていないことを確かめるためであると。一方で,内容の閲読までできるのは法律文書以外の文書である。したがって,弁護士等とやりとりする法律文書などについては閲読はできないということでございます。開封して検査することは可能ですが,そのような,検査と閲読に区別をつけているということでございます。
 最後に医療でございますが,23ページのところで,医療の実施はこの施設そのものの責任であるとして,医療スタッフとして監督者たる医師2名のもとに,フルタイムの医師が6名,正規の登録看護士が27名いるとのことでありました。24時間体制で救急医療措置を施して,必要に応じては,契約した地域の外部病院へ搬送するということでございました。実際,私どもの視察日の前日にも,被収容者同士の傷害事件で11カ所の傷を負った者が医務室で手当てを受けた上で外部に搬送されたとのことでございます。
 以上,駆け足で大変恐縮でございますが,御報告申し上げました。
○宮澤(弘)座長 森山大臣,林課長,どうもありがとうございました。アメリカの刑務所視察について,皆様方,御質問等がございましたら御発言をお願いいたします。
○高久委員 最初のCTFのところで,一日に51ドル40セント,これは医療費と食費が含まれているのですか,いないのですか。
○林総務課長 含まれておりません。
○久保井委員 コロンビアの方のことでお尋ねしますが,6ページの真ん中よりちょっと上に電話の検閲のことが(8)に書いてありますが,受刑者から外に対する電話はどうなっていたのでしょうか。検閲ではなくて,受刑者がコレクトコールで外部に電話をかけることができるかどうか。
○林総務課長 PFIのところでは,そこについて詳しくは聞いておりませんでした。ただ,カリフォルニア州の重警備のところは,先ほど申し上げましたようにコレクトコールでかけることができるということでございました。
○菊田委員 どの刑務所でもいいのですが,医療の点でアメリカの場合,保険が非常に複雑ですけれども,受刑者の場合は刑務所内では保険は適用されているのかどうか,いかがでしょうか。印象では適用になっていないように思えるのですが。
○林総務課長 私も印象ではなっていないように思います。医療費の負担につきましては,24ページの一番上のところにサクラメントの刑務所について,このような回答がありました。
○菊田委員 24ページのどこですか。
○林総務課長 一番上の(3)です。基本的なものについては矯正局の予算から支出されるということでございますので,厳密なお答えはちょっとできませんけれども,保険の適用はないのかもしれません。
○瀬川委員 2点あるのですけれども,まずCTF,民営刑務所に関して,受刑者あるいは法律家,研究者も含めてなのですけれども,民営化に対する原理的な批判というのはアメリカでは現在ないというふうに考えていいのか,なお,あるのかということが1点。
 それから,刑務所人口が増えていることはこれでよく分かると思うのですけれども,逃走とか,かつて問題になった暴動は同時に増加しているのかどうか。
○林総務課長 最初の御質問の,原理的な批判があるかということにつきましては,少なくともコロンビア特別区におきましては,私どもが聴取したときにも矯正当局が一緒におりました。結局は,民営刑務所がいかに質の高いサービスができるかどうかは,すべて契約次第であると。どのようなサービスを設定して,どのぐらいのコストを与えるかということの最初の契約の段階で,その民営刑務所がうまくいかどうかはほぼ決まってしまうと言っておりましたので,その点からいきますと,原理的な批判とか論争があるようには伺われませんでした。要は,実際レベルでどちらが,どういう,施設ごとにサービスができるかということだというふうに,私は印象を持ちました。
 逃走関係の推移につきましては,数字を持っておりません。申し訳ございません。
○滝鼻委員 サクラメントの刑務所について2点ばかりお聞きしますけれども,一つは,職業訓練プログラムがケースによってはあるという話ですが,これは単なる職業訓練,サービスとしての職業訓練なのか,あるいは日本のように役務というか,刑罰の一種であるのか,それはどちらなのでしょうか。
 もう一つ,先ほどの説明だと,報酬というお話でしたけれども,月20ドルから50ドルというのは非常に微妙な額だと思うのだけれども,労働に対する対価なのでしょうか,それとも単なる報奨金みたいな制度なのでしょうか。
○林総務課長 まず,職業訓練自体は必ずしも義務ではないということでございまして,むしろ,9ページのプレスリー長官の言葉等にもありましたが,様々そういったプログラムへ参加を奨励するためのインセンティブをむしろ与えるようなシステムがあるということでございました。
 それから,20ドルから50ドルというものの法的な性質についてカリフォルニア州がどうなのかというのは,まだ調べができておりません。
○滝鼻委員 額から言うとどうなんでしょうか。労働の対価なのでしょうか,それとも単なる報奨金なのでしょうか。
○林総務課長 額からすると20ドルから50ドルというのは非常に少ないですよね。そんなに日本と変わらないような形でございます。実は,この点については我々ももう少し調べたいのですけれども,20ドルから50ドルもらっている人がいるという,これが答えだと思いますが,では,その50ドルもらった人が当該月にどのぐらい作業に従事したかというのを聞いてみないと判断がつきかねると思いまして,今の段階では数字がございませんので。
○南委員 6ページの一番終わりの方ですが,「民営刑務所は徐々に増えているが,すべてが民営刑務所にならないのは「政治」の問題である」となっていますが,この政治の問題というのは何ですか。もう少し具体的に御説明いただけませんか。
○林総務課長 報告書に書くべき言葉ではなかったかもしれないのですが,要するにここでの,CTFで応対していただいた幹部職員,またそれに同席した矯正当局は民営刑務所に非常に積極的な評価をしておりました。その意味では,サービスの質についても,また警備の面でも十分民営でやっていけると。それから,コストの面でも大丈夫だと。であるならば,どんどん民営刑務所が増えていってもいいのだけれども,それが増えないのは政治がそのように増やしていないのだというふうに言っていた言葉でございまして,余り厳密な回答ではございませんでした。
○南委員 民営かどうかを決めるのは州議会が決めるのですか。それで政治の問題ということになるわけですか。
○林総務課長 ここの「政治」というのは,行政の責任者たる政治家ということではなかろうかと,私は理解したのですけれども。
○江川委員 民営の刑務所というのはコストの面でも前よりも安くなって,しかも,サービスがよくなったということなのですか。
○林総務課長 その点も,6ページの(4)で,矯正当局は民営刑務所の方が安上がりという認識を持っているのかということについては,これはもう契約次第であると。
○江川委員 では,よりよく,より安くすることができる。実際できているということを,この人は言いたいわけですか。
○林総務課長 当局も,基本的にはここのCTFについてはきちんと最初の段階で,サービスを厳密に吟味した上で契約をしているので非常にうまくいっていると,こういうふうに言っておりました。
○江川委員 安くしたら質が落ちるというふうに考えるのが普通だと思うのですけれども,にもかかわらず,コストは安く,サービスをよくするにはどういう工夫があるのかというような話はしていましたか。
○林総務課長 直接的な答えで若干言っておりましたのは,CCAというのは全米で展開していて,ノウハウもあって,規模の利益もあると。一方で,ARAMARK社というのも同じように,食事につきましては,この刑務所だけではなくて様々なところに食事を提供している。そういったことからの規模の利益もあると。医療についても医療に特化した会社があると。こういったところから厳密にコストはどちらが安いかということの回答はなかったのですが,サービスの質はそういった経験があるのでうまくいっているのだといいう話でございます。
○大平委員 二つあります。
 まず一つは,10ページの麻薬中毒者に関してですけれども,仮釈放委員会というのはどういう活動をしているのか,もし調査をされていれば,ペーパーがありましたら,それをいただきたい。
 二つ目は,15ページの,24時間入院看護が必要な精神障害を有する者というのは,前提知識を欠いていてお恥ずかしいのですけれども,カリフォルニア州というのは日本と同じように精神耗弱とか心神喪失の場合には減刑とか無罪規定というものがあるのでしょうか。
○林総務課長 まず,10ページのところの麻薬犯罪者を対象とした特別の仮釈放委員会の性質につきましては,その場での質問は,例えば仮釈放委員会に医師が入っているとか,そういう構成メンバーに違いがあるのですかという質問はしましたが,構成メンバーは同じだと言っておりました。ではこれが特別だという意味については,これは2年前に法律ができたものについての説明だったのですけれども,十分に調査ができておりません。
 カリフォルニア州における責任能力の点についても,厳密には今お答えはできません。
○大平委員 24時間の入院看護が必要な精神障害者というもののイメージがなかなかしにくかったものですから,24時間,そういう精神障害があるのだったら,心神耗弱ではないかというふうに感じましたので,前提知識がなくて,どうやってケアなどやっているのかイメージができなかったものですから,お伺いしました。
○菊田委員 アメリカの場合は責任主義というのはないですから,最終的には医療刑務所に行くのですね。
○宮澤(弘)座長 それでは,アメリカの刑務所視察等についての御質問はこれで終わりにいたしたいと思います。森山大臣,林課長,御苦労様でございました。

2.PFIについて

○宮澤(弘)座長 次に,矯正局の柴田官房参事官からPFIについて説明をしてもらうことになっております。
○柴田官房参事官 それでは,先ほどの説明を受けまして,我が国のPFIはどういうふうに進んでいるかということを,かいつまんで,時間の関係もございますので駆け足になろうかと思いますが御説明申し上げたいと思います。
 説明をさせていただく資料は2枚物のペーパーになっておりまして,一つは,私がこれから説明する項目を並べたものでございます。2枚目は,今からお話しいたしますことを一枚の絵にまとめたイメージでございます。適宜,見比べながらお聞きいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 まず我が国のPFIと申しますのは,平成11年にできました,いわゆるPFI促進法に基づきまして推進されている制度でございます。内容的には公共施設等の建設,維持管理,運営等において民間の資金,経営能力及び技術能力を活用するという手法でございます。今年の8月末現在の運用状況を見ますと,国,地方公共団体及び独立行政法人合わせまして108ほどその計画が進められているというふうに聞き及んでおりまして,このうち国の事業としましては,中央合同庁舎の第7号館の整備等の事業,公務員宿舎の整備事業,衆議院の赤坂議員宿舎整備等の事業などが代表的なもので,都合23ほどあるというふうに聞いております。
 先ほどアメリカの民営の刑務所の実情について御説明申し上げましたけれども,諸外国では,いろいろその国が抱える様々な問題を解決する方策として,この手法が用いられているというふうに聞いております。先ほど話にありましたがアメリカ合衆国,そのほかにイギリス,カナダ,オーストラリア,ニュージーランド,南アフリカ共和国,こういった国々は包括的な民間委託を行う,いわゆる民営刑務所という形で整備,運営がなされていると聞いております。近く,お隣の大韓民国においても,こういった刑務所が整備されるというふうに伺っております。
 これに対しまして,大陸法系の国々,フランス,オランダなどでは,受刑者処遇や施設警備などの保安業務を除き,部分的な民間委託を行う,いわば混合運営施設の運営,整備というものが行われているようでございます。近くドイツ連邦共和国におきましても整備される予定があるというふうに聞き及んでおります。
 法務省といたしましても,これら諸外国の導入の経緯,運営の実情などについて直接あるいは間接に調査をいたしました。その結果,過剰収容対策として刑務所の整備が喫緊の課題となっております現在の我が国の現状を考えますと,PFIの手法も活用する。これも視野に入れて整備の促進を図るという結論に立ち至りました。本年度予算で調査委託費の査定を受けまして,現在この事務を進めているところでございます。
 加えまして,先般の名古屋刑務所における一連の事件を受けまして,今後は行刑施設職員が外部の目を意識せざるを得ないような,また施設運営が国民と協働して行われるような改革が必要であると考えましたので,この点からもPFI手法の活用に着目したところでございます。
 こういった背景を踏まえまして,ポンチ絵に書いてございますけれども,男女の初犯受刑者をそれぞれ500,都合1,000人規模のPFI施設を整備するという基本構想を策定いたしました。この内容について概略申し上げますと,一番特徴的なのは,官民の協働による治安インフラの整備ということになろうかと思います。これが実現いたしますと,初めての公権力の行使の業務を分野にしたPFIの事業が実現することになろうかと思います。現在,このPFI促進法に基づいていろいろな整備事業の計画が進められておりますけれども,大体施設の整備や維持管理といったことがPFI事業の内容となりがちな中で,この事業は内容も立ち入った計画であると言うことができるのではないかと思っております。
 次に,収容対象でございますが,先ほど初犯の男女の受刑者というふうに申し上げました。この結論に至った理由は,受刑者が最近非常に増えておりまして,最近の実績をとってみますと,ここ5年ぐらいの累犯受刑者は大体17%ぐらいの増加にとどまっているのに対しまして,男子受刑者は52%,女子受刑者に至っては65%と,非常に初犯受刑者の増加が著しい。ここに着目いたしまして,この人たちを対象にした収容施設をつくって運営することで,有効な過剰収容の緩和策にしようというふうに考えた次第でございます。後で述べますけれども,これは1,000人規模で過剰収容対策という,そういった物理的な対策だけではなくて,実際の運営で刑事政策的な意味といいますか,処遇にも少し焦点を当てたいというふうに考えているところでございます。初犯と申しますと,非常に可塑性に富むというような意識を我々は持っておりまして,対応で柔軟な処遇を施すことができるならば,早期に社会内処遇へ移行させるということで,収容を効率的に回転させまして,実質的には1,000人を超える緩和策を期待するというようなイメージを持っております。
 そのほか,最近非常に問題化しておりますけれども覚せい剤の事案でございます。初犯受刑者には覚せい剤事犯者というのが非常に多く含まれておりますので,こういった人たちに焦点を当てまして,効果的な離脱教育を施すことによって有効な再犯防止策にしたいと考えております。
 それから,運営について若干申し上げますと,刑務所の運営というのは侵害行政の代表的なものになるわけでございますけれども,こういった侵害行政のうち戒具の使用,懲罰の執行,こういった物理的な強制力を行使する行為や優越的な地位に基づき行う処分は,明らかに公務員が行うべき業務だろうというふうに考えまして,そういった業務を除いた公権力の部分について民間の力を導入することが可能なものがあれば,積極的に取り入れていきたいと考えているところでございます。この点は,今年の3月に規制改革推進3ヵ年計画というのが打ち出されましたが,この中で,官製市場の見直し,規制緩和ということが強くうたわれておりまして,この中にも含まれております。これを行うことによりまして,新たな雇用の創出と,それからこれは間接的な効果ではありますけれども,その地域に対する相当な経済効果をもたらすことができるのではないかというふうに考えております。
 それから,これまで矯正行政は運営目標を設定いたしまして,これを公表するということを行っておりませんでしたけれども,PFI構想では運営目標を設定いたしまして,積極的な政策評価を試みてみたいというふうに考えています。そうすることによりまして,矯正行政の説明責任の向上にもつながるのではないかと思います。
 もう一つ付け加えますと,男女の初犯の刑務所というふうに申し上げました。当然,職員も男女の職員が入ってくるわけでございます。我々の施設は男子職員,女子職員あるいはどちらかに偏った職場になっているわけでございますけれども,混合施設では,男女の職員が一緒に勤務する場面ができますので,男女共同参画にも貢献するのではないかというふうに考えております。
 それから,施設の構造でございますが,従来,国がつくっていた施設ではない,イメージ図の写真も載せておりますけれども,民間事業者のノウハウを生かしまして,PFIの施設として効率的に運営ができるような,場合によっては先端のIT技術を入れまして,運営コストの削減を図るというようなことも目指していきたいと考えております。
 地元対策の一環といたしまして,地域に開かれた矯正施設とするために,公益施設や収益施設もあわせて作ることができればよいと考えております。
 処遇の内容について若干触れておきたいと思いますが,初犯受刑者ということでございますので,一日も早く社会に役立つ人材として戻すことができるようにしたいと考えております。どのような処遇が可能かというのは,この会議での受刑者処遇に関する御議論や御提言を踏まえつつ,またアドバイザリー業者や民間事業者のアイデアも大いに参考にいたしまして進めてまいりたいと考えております。
 また,医療につきましても,事後的な治療を重視しているという,これまでの体制から,予防重視の体制に変えてみたい。十分な内容の健康診断を実施いたしまして,その後の健康管理も徹底するということで,健康な体で受刑者を社会に還元したいと考えております。
 最後になりましたが,どこにつくるかという問題でございます。全国,約50を超す自治体から誘致がございました。その中からいろいろ選別をさせていただきまして,一つには過剰収容対策という非常に喫緊な課題でございますので,極めて,より早くできるという観点。もう一つは,多数の被収容者を抱えますので,何かあったときに医療の助けを借りることができる,そういう総合病院が近隣にある。他にもいろいろ理由はございますが,この大きな二つの理由から,推薦していただいた土地を3ヵ所ほど選びまして,それに国有地を1ヵ所入れまして,4ヵ所を目下の候補地といたしました。今後はこの候補地につきまして,民間のアドバイザリー業者の方に委ねまして,果たしてその土地で施設を運営することについて,いわゆるバリューフォーマネーが出るかどうか。それから事業者として投資意欲が湧く土地であるかどうか,こういった観点から検討していき,客観的な評価を経て決定したいと考えております。
 今後の予定でございますけれども,本年度中に最終的な場所を決めまして,それからPFI促進法に基づく実施方針の策定と公表を行いまして,17年度中には契約を済ませまして,遅くとも18年度から19年度にかけて新しい刑務所づくりを目指したいと考えております。
 以上,法務省といたしましては,民間事業者の創意,工夫を生かしながら,国民や地域と共生する新しい刑務所の整備を実現することを目指しておりまして,各委員の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げまして,簡単でございますが説明を終わらせていただきます。
○宮澤(弘)座長 何か御質問はございますか。
○瀬川委員 少し触れられたのですけれども,官民協働の中身をもう少し詳しく教えていただけますか。
○柴田官房参事官 現在でも民間の方の力を借りている業務というのはあります。例えば施設周辺の警備,総務系統の事務,車の運転業務などはこれまでもやっておるのですが,今私どもが考えておりますのは,もう少し突っ込んで,受刑者の処遇に直接とまではいかなくても,間接的に関わるような業務,例えば寝静まった舎房に職員ではない人を勤務させることができるかどうか。それから日々運動をさせるのですけれども,そういった運動のときに勤務する人を刑務官でなくて外の人の力を借りたりすることができれば,これこそ官民協働といいますか,今まで目に触れることのなかったところで民間の方に勤務していただくわけですから,そういったようなことを考えています。
 この官民協働は,実際にアドバイザリーの業者あるいは事業者がどれだけ提供していただけるかというところにかかっておりますので,今,私たちが考えているのはそういったところでございます。
○菊田委員 行刑改革の委員の一人として,私は民営刑務所には絶対反対しますね。そもそも,5年間に初犯が増えたというけれども,なぜ増えたかという基礎的なことについても,私の理解する限りでは,例えば最近,仮釈放の期間が短くなっているとか,執行率が低くなっているとか,いろいろな物理的な事情もあります。したがって,いずれにしても,今早急に民間刑務所を実行するという計画を立てるには,余りにも拙速過ぎると思いますね。5年間でどれだけ増えたというけれども,戦後から今日まで,日本の刑務所人口というのは急激には増えていないのです。そういう長い間隔で,今増えている状況というのはどういうものなのかということの科学的な調査をしてもらいたいということと,もう一つは,最終的にはアメリカでも民間経営は失敗しています。そういう点で過剰を緩和する方向にはならない。キャパシティーを増やせば収容者を入れるというのは国の政策です。そういうものには私個人としては賛成できない。申し上げておきます。
○江川委員 質問です。初犯刑務所とありますけれども,初犯の人はみんなこちらにということですか。一言で初犯と言っても,覚せい剤事件もあれば,殺人事件でかなりの人数を殺したのでも初めてという人もいると思うのです。だから,そういう罪名とか組織犯罪の関係者とかいう点も考慮されるのですか。
○柴田官房参事官 初犯と言いましても,今,江川委員がおっしゃったように,たくさんの種類の罪を犯した人がいるわけですので,その中から500人ずつという選び方をしているわけでございますけれども,実際には初犯はもっとたくさんおりますから,どうしても官民協働の施設をつくるとなりますと,どこの国でも最初はそうだったのですけれども,小さな施設で運営しやすいといいますか,失敗しないような施設づくりというのが一番の基本になるわけでございますので,入れる身柄も,初犯でも凶悪な初犯という,言葉はよくないですけれども,そういった人たちはオミットするといいますか,そういうことにしたいなと考えています。
○宮澤(弘)座長 まだあるかもしれませんが,PFIについての御質問は今日はこの程度にいたしたいと思います。

3.「行刑運営をめぐる問題点の整理」について

○宮澤(弘)座長 次に,行刑運営に関する調査検討委員会において,国会審議における指摘を踏まえて,「行刑運営をめぐる問題点の整理」という書面が作成されておりますので,倉吉秘書課長から説明をしてもらいます。
○倉吉秘書課長 時間の関係がございますので簡単に御説明させていただきます。今座長から御紹介がありましたとおりでして,お手元の「行刑運営をめぐる問題点の整理」は本年7月28日に取りまとめたものでございます。ここの副題にもありますように,国会審議における指摘を踏まえて,その後明らかになったこと等も踏まえて出したというものでございます。
 まず簡単に目次のところを見ていただきたいと思いますが,1ページ目の裏に目次がございます。第2といたしまして,まず「名古屋刑務所の3事案」。これは既に御承知のとおり,本年3月末に中間報告というものを出しました。この中間報告の記述等も含めて,それぞれ国会で様々な審議がなされた。そのことについてのその後の調査結果等も含めて取りまとめたものでございます。
 第3の「過去10年間の被収容者死亡事案」,第4の「医療上の問題」,第5の「その他の行刑運営上の問題点」,ここらあたりは大体この会議でもおおむね報告をさせていただいたところでありますが,時間があれば若干補足して付け加えて御説明したいと思います。
 そこでまず,第2の「名古屋刑務所の3事案」というところでございますが,1ページ目の第2の1をごらんください。まず12月事件と言われるものでございます。これは消防用ホースの事案でございますけれども,国会審議においては,これは正に確信的な犯行ではないのかとか,公判請求された3名の刑務官以外にも刑事責任を負うべき者がいるのでないかといった強い指摘がなされました。そしてその一方で,放水が死亡の原因ではないのではないかと,こういった観点からの質疑もなされ,法務省としてもっと調査を行うべきではないか,こういう質疑がなされたところでございます。
 3ページの中ほどを御覧いただきたいのですが,3番目の段落ですが,法務委員会に小泉総理が出席されまして,委員からの質問を受けて,こういう答弁をされたと。こういう経緯もございました。
 法務省といたしましては,現在継続中の公判の推移を見守りながら,状況に応じて必要な対応を図らなければならないと考えております。ただ,いずれにいたしましても,もう皆様御承知のとおり,犯罪の成否は裁判所による審理の結果を待たなければならないというところでございます。
 次に,すぐその下の3ページの2,5月事件及び9月事件。これは革手錠の事案でございますが,検察官による冒頭陳述によりますと,受刑者の胴回りよりも約20センチメートル小さく締め付けたと,こういうことが記述されておりまして,これを受けて,これは極めてむごい事案ではないかという質疑がございました。しかしその一方で,20センチも締め付けるなんてことはできないのではないか,そういう観点からの質疑もあったわけでございます。この点についても,行政調査の範囲内で,対応すべきところは対応しておりますけれども,いずれにしても,繰り返しになりますが,犯罪の成否は裁判所による審理の結果を待たなければならないところでございます。
 なお,4ページの下の方ですが,ここをちょっと御覧いただきますと,いわゆる9月事件についてでございますが,この点については受刑者に対する革手錠を用いたときの状況がビデオテープに録画されております。このビデオテープにつきまして,冒頭部分が一部消去されていないかという御指摘が国会でございました。この点については矯正局の方で取り急ぎ調査をしたわけでございますけれども,結局,欠落していることは間違いないようなのですが,その欠落原因を解明するには至らなかった。ただ,行政の面では,いずれにいたしましても,保護房収容などの状況を録画したビデオテープをどのように管理するかという宿題は残ったということになりまして,この管理方法について今後,その管理の在り方を含めて改めていこうと,矯正局の方で検討しているところでございます。
 次に,6ページの3で「いわゆる12月事件についての名古屋刑務所の報告など」という見出しがございます。これまた12月事件に戻りまして,例の放水がされたということが最初きちんと出ないでいろいろな報告がされてきたという経緯がございました。その経緯についての調査の仕方が不十分なのではないかという御指摘がございました。それから,当時の名古屋刑務所の所長は,受刑者が放水によって受傷したということを知っていたのではないかという質疑もされました。
 更に,12月事件の被害者がたまたま情願を出そうとしていたのだけれども,それが職員の強制行為によって取り下げられたのではないかという御指摘もございました。この点についても,それぞれ,9ページから16ページにわたりまして調査結果としてまとめているところでございますが,特に先ほどの情願の点でございますけれども,強制的に取り下げさせたとか,威圧行為とか,そのようなものは認められなかったわけでありますけれども,当時の名古屋刑務所の幹部は,被収容者が情願を申し立てたい,こういう意向を有していることがわかりますと,その者から不平や不満,それからどういう希望があるのだということを聞き出して,処遇の現場で解決できるのなら解決していこう,こういう考え方で臨んでいたということが分かりました。それで全体の運営がうまくいくということもあるでしょうし,受刑者の希望が早く実現されるということもあろうかと思いますけれども,これは情願制度の趣旨に照らしますと,いささかやり過ぎではないかと思われます。
 そこで,16ページでございますが,上の方,「対処措置」と書いてあるところを御覧いただきたいと思います。矯正局の方で,特に名古屋刑務所では情願などの不服申立ての出願があった場合には,淡々と受付処理を行うことにしよう,こういうふうな所長指示が出ているところであります。
 第3以下は,先ほど申し上げましたとおり,ほぼ御報告しているところでございますけれども,2点ほど補足いたしますと,22ページを御覧いただきたいと思います。「被収容者死亡の際の対処の在り方」ということであります。ここは国会審議を通じまして,これまでの対処の在り方が透明性を欠くのではないかという強い指摘がございました。そこで矯正局では,一定の者についてはその概要を公表することといたしまして,その上で,行刑施設の長による行政検視,検察官等に対する施設からの通知などですが,その在り方についても検討する必要があると考えております。
 最後にもう一点だけ,38ページです。ここら辺は新聞報道もされたのですが,一番下の「公判請求された刑務官に対する行政処分」のところでございます。名古屋の一連の事案で公判請求された刑務官8名につきましては,起訴に伴い,起訴休職の処分を行いました。事案の重大性等にかんがみ,休職給は支給しないこととしていたわけでありますが,国会審議ではこの点についても指摘がございました。また人事院から,休職者の生活保障のため休職給を支給すべきであるという決定がなされたということもございましたので,先般,起訴休職処分の時点までさかのぼりまして,法律の範囲内で休職給を支給すると,こういう対処をしたところでございます。
 いろいろ話が飛びましたが,説明は以上のとおりです。
○宮澤(弘)座長 今報告を聞いていただいたわけでございますが,議論をし出すといろいろな問題がございます。本日は,この報告を聞いていただいたということにとどめたいと思います。

4.その他

○宮澤(弘)座長 引き続いて,なお事務当局から,一,二,お話を申し上げることがございます。
○杉山次長 最初に座長の方からお話がございましたように,まずアンケートについてでございますけれども,今回の会議で御報告する予定だったのですけれども,大変申し訳ございません。まだ集計が終わっておりませんので,御報告は次回の会議ということにさせていただきまして,アンケートを実施した報告だけ簡単に御説明させていただこうということで,お手元に資料をお配りしております。
 「受刑者アンケートの実施について」という紙,裏が「刑務官アンケートの実施について」ということになっておりまして,本日,時間の都合もありますので,正に書いてあるとおりでございます。受刑者と刑務官につきまして,ここに記載したとおりアンケートを実施いたしました。この会議での議論を踏まえまして,いずれもいわゆる萎縮効果がないように,忌憚のない意見が書けるようにということで,事務局職員が説明に行ったりするなどいたしまして,多数のアンケートを,すべて封がなされた状態で事務局が受け取っております。受刑者につきまして2,648通,刑務官につきまして534通を回収いたしました。
 今回,自由記載欄を多くとりましたこともございまして,またその自由記載欄に非常に多くの方に多くの内容を記載していただいており,まだ整理がつかないというのが現在の状況でございます。次回までには結果を御報告できるようにしたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。
 それから,その次の紙でございますが,次は,この後開いていただく分科会の構成メンバーでございます。
 その次に,「行刑改革会議海外視察について」という紙がございます。これにつきましては,今までの会議で海外視察を行うべきだという御意見等を踏まえまして,ここに書いてありますとおり調整をさせていただきました。皆様の御都合なども考慮いたしまして,英仏組,仏独組という2組で,英独仏を見てくるということになっております。視察先や細かい日程等については現在調整中でございますけれども,視察に参加されない方の中で,このようなところを見てきてほしいとか,あるいは聞いてくるべきだというようなことがございましたら,事務局の方に御連絡いただきたいと思います。参加される委員の方とか随行者の方にお伝えいたしまして,こうした希望を考慮して視察を行いたいと思っております。
 事務局からは以上でございます。
○宮澤(弘)座長 大分急いで恐縮でございましたが,全体会議についての本日の予定は終了いたしました。本日はこの程度にいたしたいと思います。
 次回はアンケート調査の結果報告のほか,各分科会の検討結果等について報告をしていただきまして意見交換をしたいと考えておりますので,よろしくお願いをいたします。
 それでは本日の全体会議はこれで終了させていただきまして,引き続き分科会を開催していただくことにいたします。


午後3時30分 閉会
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