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個人債務者の民事再生手続に関する要綱

(注)原文は縦書きです



          個人債務者の民事再生手続に関する要綱



  (前注) この案において「法」とは、民事再生法をいう。



第一  小規模個人再生(仮称)に関する特則
   小規模個人再生の手続開始の要件等
     個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額(第三の一3に規定する住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び再生手続開始前の罰金等の額を除く。)が三千万円を超えないものは、小規模個人再生による再生手続を求めることができるものとする。
     小規模個人再生による再生手続を求める旨の申述は、再生手続開始の申立ての際(再生債権者が再生手続開始の申立てをした場合にあっては、再生手続開始の決定があるまで)にしなければならないものとする。
     小規模個人再生による再生手続を求める旨の申述をするには、次に掲げる事項を記載した書面(以下「債権者一覧表」という。)を提出しなければならないものとする。
       再生債権者の氏名又は名称並びに各再生債権の額及び原因
       別除権を有することとなる再生債権者については、その別除権の目的及び別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる再生債権の額(以下「担保不足見込額」という。)
       第三の一3に規定する住宅資金貸付債権については、その旨
       その他最高裁判所規則で定める事項
     再生債務者は、債権者一覧表に各再生債権についての再生債権の額及び担保不足見込額を記載するに当たっては、当該額の全部又は一部につき異議を述べることがある旨をも記載することができるものとする。
     再生債務者が再生手続開始の申立ての際に小規模個人再生による再生手続を求める旨の申述をするときは、当該申述が1又は3に規定する要件に該当しないことが明らかになった場合においても再生手続の開始を求める意思があるか否かを明らかにしなければならないものとする。
     裁判所は、小規模個人再生による再生手続を求める旨の申述があった場合において、当該申述が1又は3に規定する要件に該当しないことが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を通常の再生手続により行う旨の決定をするものとする。ただし、再生債務者が5の規定により再生手続の開始を求める意思がない旨をあらかじめ明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならないものとする。


   再生手続の開始に関する特則
     小規模個人再生においては、裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、再生債権の届出をすべき期間及び届出があった再生債権に対して異議を述べることができる期間を定めなければならないものとする。
     裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、再生手続開始の決定の主文及び1の規定により定めた期間を公告しなければならないものとする。
     再生債務者及び知れている再生債権者には、前項に規定する事項を記載した書面を送達しなければならないものとする。
     知れている再生債権者には、債権者一覧表をも送達しなければならないものとする。この場合においては、法第百二条第四項及び第五項の規定を準用するものとする。
     2及び3の規定は、1の規定により定めた期間に変更を生じた場合について準用するものとする。ただし、届出があった再生債権に対して異議を述べることができる期間の変更については、公告することを要しないものとする。
     法第三十四条、第三十五条及び第四十条の規定は、小規模個人再生には適用しないものとする。


   再生手続の機関に関する特則
     裁判所は、小規模個人再生による再生手続を求める旨の申述があった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、個人再生委員(仮称)による調査等を命ずる処分をすることができるものとする。ただし、四6に規定する再生債権の評価の申立てがあったときは、当該申立てを不適法として却下する場合を除き、当該処分をしなければならないものとする。
     裁判所は、前項の処分をする場合には、当該処分において、一人又は数人の個人再生委員を選任し、かつ、次に掲げる権限の中から個人再生委員に付与するものを指定しなければならないものとする。
       再生債務者の財産及び収入の状況を調査すること。
       再生債権の存否及び額並びに担保不足見込額を調査すること(四6に規定する再生債権の評価の申立てに係る再生債権に関する調査に限る。)。
       再生債務者が適正な再生計画案を作成するために必要な勧告をすること。
     裁判所は、1の処分において、2第一号に掲げる事項を個人再生委員の権限として指定する場合には、裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間をも定めなければならないものとする。
     裁判所は、1の処分を変更し、又は取り消すことができるものとする。
     1の処分及び4による決定に対しては、即時抗告をすることができるものとする。
     5の即時抗告は、執行停止の効力を有しないものとする。
     5に規定する裁判及び5の即時抗告についての裁判があった場合には、その決定書を当事者に送達しなければならないものとする。
     2第一号又は第三号に掲げる権限を付与された個人再生委員は、再生債務者又はその法定代理人に対し、再生債務者の財産及び収入の状況につき報告を求め、再生債務者の帳簿、書類その他の物件を検査することができるものとする。
     法第五十四条第三項、第五十七条、第五十八条、第六十条及び第六十一条の規定は、個人再生委員について準用するものとする。
    10  9において準用する法第六十一条第一項の規定により支払うべき費用及び報酬の請求権は、共益債権とするものとする。
    11  法第三章第一節及び第二節の規定は、小規模個人再生には適用しないものとする。


   再生債権に関する特則
     次に掲げる事項に関しては、法第八十七条第一項第一号から第三号までに掲げる再生債権は、当該各号に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額の債権として取り扱うものとする。
       一1に規定する再生債権の総額の算定
       債権者一覧表への再生債権の額の記載
       再生債権の届出
       個人再生委員による再生債権の評価の申立てに係る再生債権の額又は担保不足見込額の調査
       四12の規定により裁判所がする再生債権の額又は担保不足見込額の決定
     債権者一覧表に記載されている再生債権者は、債権者一覧表に記載されている再生債権については、二1の規定により定められた再生債権の届出をすべき期間内に裁判所に当該再生債権の届出又は当該再生債権を有しない旨の届出をした場合を除き、当該期間の初日に、債権者一覧表の記載内容と同一の内容で再生債権の届出をしたものとみなすものとする。
     再生債務者及び届出再生債権者は、二1に規定する届出があった再生債権に対して異議を述べることができる期間(以下「一般異議申述期間」という。)内に、裁判所に対し、届出があった再生債権の額又は担保不足見込額について、書面で、異議を述べることができるものとする。ただし、再生債務者は、債権者一覧表に記載した再生債権の額及び担保不足見込額であって一4の規定により異議を述べることがある旨を債権者一覧表に記載していないものについては、異議を述べることができないものとする。
     法第九十五条の規定による届出又は届出事項の変更があった場合には、裁判所は、その再生債権に対して異議を述べることができる期間(以下「特別異議申述期間」という。)を定めなければならないものとする。
       再生債務者及び届出再生債権者は、特別異議申述期間内に、裁判所に対し、特別異議申述期間に係る再生債権の額又は担保不足見込額について、書面で、異議を述べることができるものとする。
     法第百二条第三項から第五項までの規定は特別異議申述期間を定める決定又は一般異議申述期間若しくは特別異議申述期間を変更する決定をした場合における決定書の送達について、法第百三条第二項の規定は4aの場合について準用するものとする。
     3又は4bの規定により再生債務者又は届出再生債権者が異議を述べた場合には、当該再生債権を有する再生債権者は、裁判所に対し、異議申述期間の末日から三週間の不変期間内に、再生債権の評価の申立てをすることができるものとする。ただし、当該再生債権が執行力ある債務名義又は終局判決のあるものである場合には、当該異議を述べた者が当該申立てをしなければならないものとする。
     前項ただし書の場合において、前項の不変期間内に再生債権の評価の申立てがなかったとき又は当該申立てが却下されたときは、3又は4bの異議はなかったものとみなすものとする。
     再生債権の評価の申立てをする者は、その申立てに係る手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならないものとする。
     前項に規定する費用の予納がないときは、裁判所は、再生債権の評価の申立てを却下しなければならないものとする。
    10  裁判所は、三1の処分において、三2第二号に掲げる事項を個人再生委員の権限として指定する場合には、裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間をも定めなければならないものとする。
    11  三2第二号に掲げる権限を付与された個人再生委員は、再生債務者若しくはその法定代理人又は再生債権者に対し、再生債権の存否及び額並びに担保不足見込額に関する資料の提出を求めることができるものとする。
    12  再生債権の評価においては、裁判所は、再生債権の評価の申立てに係る再生債権について、その債権の存否及び額又は担保不足見込額を定めるものとする。
    13  裁判所は、再生債権の評価をする場合には、三2第二号の権限を付与された個人再生委員の意見を聴かなければならないものとする。
    14  再生手続開始前の罰金等については、前各項の規定は、適用しないものとする。
    15  小規模個人再生においては、法第四章第三節(第百十三条第二項から第四項までを除く。)及び第四節の規定は、適用しないものとする。


   再生債務者の財産の調査及び確保に関する特則
     小規模個人再生においては、再生債務者は、貸借対照表を作成することを要しないものとする。
     小規模個人再生においては、法第百二十六条及び第六章第二節の規定は、適用しないものとする。


   再生計画の条項及び提出に関する特則
     小規模個人再生における再生計画による権利の変更の内容は、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権の弁済の時期若しくは法第八十四条第二項に掲げる請求権について別段の定めをする場合を除き、再生債権者の間では平等でなければならないものとする。
     再生債権者の権利を変更する条項における債務の期限の猶予については、1により別段の定めをする場合を除き、次に定めるところによらなければならないものとする。
       弁済期が三月に一回以上到来する分割払の方法によること。
       最終の弁済期を再生計画認可の決定の確定の日から三年後の日の属する月の日(特別の事情がある場合には、再生計画認可の決定の確定の日から五年を超えない範囲内で、三年後の日の属する月の翌月以降の日)とすること。
     小規模個人再生においては、法第百五十五条第一項及び第二項、第百五十七条から第百五十九条まで、第百六十三条第二項、第百六十四条第二項後段並びに第百六十五条第一項の規定は、適用しないものとする。


   再生計画案の決議に関する特則
     裁判所は、異議申述期間が経過し、かつ、法第百二十五条第一項の報告書の提出がされた後でなければ、再生計画案を決議に付することができないものとする。異議申述期間内に四3又は4bの規定による異議が述べられた場合には、四6の不変期間を経過するまでの間(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされるまでの間)も、同様とするものとする。
     裁判所は、再生計画案について法第百七十四条第二項各号(第三号を除く。)又は八2各号のいずれかに該当する事由があると認める場合には、その再生計画案を決議に付することができないものとする。
     再生計画案の提出があったときは、裁判所は、1及び2の場合を除き、再生計画案を書面による決議に付する旨の決定をするものとする。
     3の決定をした場合には、その旨を公告するとともに、議決権を行使することができる再生債権者(以下「議決権者」という。)に対して、再生計画案を記載した書面及び再生計画案に同意しない者は裁判所の定める期間(5及び十1において「回答期間」という。)内に書面でその旨を回答すべき旨を記載した書面を送達しなければならないものとする。この場合においては、法第百二条第四項及び第五項の規定を準用するものとする。
     回答期間内に再生計画案に同意しない旨を書面で回答した議決権者が議決権者総数の半数に満たず、かつ、その議決権の額が議決権者の議決権の総額の二分の一を超えないときは、再生計画案の可決があったものとみなすものとする。
     届出再生債権者は、異議申述期間内に異議が述べられなかった再生債権(以下「無異議債権」という。)についてはその額に応じて、四12の規定により裁判所が債権の額又は担保不足見込額を定めた再生債権(以下「評価済債権」という。)についてはその額に応じて、それぞれ議決権を行使することができるものとする。
     小規模個人再生においては、法第七章第三節の規定は、適用しないものとする。


   再生計画の認可等に関する特則
     小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には、裁判所は、法第百七十四条第二項又は2の場合を除き、再生計画認可の決定をするものとする。
     小規模個人再生においては、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合にも、再生計画不認可の決定をするものとする。
       再生債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき。
       無異議債権の額及び評価済債権の額の総額(第三の一3に規定する住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び法第八十四条第二項各号に掲げる請求権の額を除く。)が三千万円を超えているとき。
       無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び法第八十四条第二項各号に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が基準債権の総額の五分の一又は百万円のいずれか多い額(基準債権の総額が百万円を下回っているときは基準債権の総額、基準債権の総額の五分の一が三百万円を超えるときは三百万円)を下回っているとき。
     小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定したときは、法第八十七条第一項第一号から第三号までに掲げる債権は、それぞれ当該各号に定める金額の再生債権に変更されるものとする。
     小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定したときは、すべての再生債権者の権利(法第八十七条第一項第一号から第三号までに掲げる債権については3により変更された後の権利とし、再生手続開始前の罰金等を除く。)は、法第百五十六条の一般的基準に従い、変更されるものとする。
     無異議債権及び評価済債権以外の再生債権についての前項の規定により変更された後の権利については、再生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に、再生計画に基づく弁済が完了した場合又は再生計画が取り消された場合にあっては弁済が完了した時又は再生計画が取り消された時)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができないものとする。ただし、再生債権者がその責めに帰することができない事由により債権届出期間内に届出をすることができなかった再生債権でその事由が法第九十五条第四項に規定する決定前に消滅しなかったもの及び再生債権の評価の対象となった届出再生債権については、この限りでないものとする。
     4に規定する場合における法第百八十二条及び第百八十九条第三項の規定の適用については、第百八十二条中「認可された再生計画の定めによって認められた権利又は前条第一項の規定により変更された後の権利」とあり、及び第百八十九条第三項中「再生計画の定めによって認められた権利」とあるのは、「4の規定により変更された後の権利」とするものとする。
     小規模個人再生においては、法第百七十八条から第百八十条まで、第百八十一条第一項及び第二項並びに第百八十五条(第百八十九条第八項、第百九十条第二項、第百九十五条第七項及び第四の二6において準用する場合を含む。)の規定は、適用しないものとする。


   再生計画認可後の手続に関する特則
     再生手続の終結
       小規模個人再生においては、再生計画認可の決定の確定によって当然に再生手続が終結するものとする。
     再生計画の変更
       小規模個人再生においては、再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは、再生債務者の申立てにより、再生計画で定められた債務の期限を延長することができるものとする。この場合においては、変更後の債務の最終の期限は、再生計画で定められた債務の最終の期限から二年を超えない範囲で定めなければならないものとする。
       aの規定により再生計画の変更の申立てがあった場合には、再生計画案の提出があった場合の手続に関する規定を準用するものとする。
       法第百七十五条及び第百七十六条の規定は、再生計画の変更の決定があった場合について準用するものとする。
     計画遂行が極めて困難となった場合の免責
       再生債務者がその責めに帰することができない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり、かつ、次の各号のいずれにも該当する場合には、裁判所は、再生債務者の申立てにより、免責の決定(仮称)をすることができるものとする。
         八4の規定により変更された後の各基準債権に対してその四分の三以上の額の弁済を終えていること。
         免責の決定をすることが再生債権者の一般の利益に反するものでないこと。
         2の規定による再生計画の変更をすることが極めて困難であること。
       aの申立てがあったときは、裁判所は、届出再生債権者の意見を聴かなければならないものとする。
       免責の決定があったときは、再生債務者及び届出再生債権者に対して、その主文及び理由の要旨を記載した書面を送達しなければならないものとする。
       aの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができるものとする。
       免責の決定は、確定しなければその効力を生じないものとする。
       免責の決定が確定した場合には、再生債務者は、履行した部分を除き、再生債権者に対する債務(再生手続開始前の罰金等を除く。)の全部についてその責任を免れるものとする。
       免責の決定の確定は、別除権者が有する法第五十三条第一項に規定する担保権、再生債権者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び再生債務者以外の者が再生債権者のために提供した担保に影響を及ぼさないものとする。
     再生計画の取消し
       小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が、再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回ることが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができるものとする。この場合においては、法第百八十九条第二項の規定を準用するものとする。
     適用除外
       小規模個人再生においては、法第百八十六条第三項及び第四項、第百八十七条並びに第百八十八条の規定は、適用しないものとする。


   再生手続の廃止に関する特則
     小規模個人再生においては、回答期間内に再生計画案に同意しない旨を書面で回答した議決権者が、議決権者総数の半数以上となり、又はその議決権の額が議決権者の議決権の総額の二分の一を超えたときにも、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならないものとする。
     小規模個人再生において、再生債務者が財産目録に記載すべき財産を記載せず、又は不正の記載をした場合には、裁判所は、届出再生債権者若しくは個人再生委員の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができるものとする。


  十一  その他
     その他所要の規定を整備するものとする。




第二  給与所得者等再生(仮称)に関する特則
   給与所得者等再生の手続開始の要件等
     第一の一1に規定する債務者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、給与所得者等再生による再生手続を求めることができるものとする。
     債務者が再生手続開始の申立ての際に給与所得者等再生による再生手続を求める旨の申述をするときは、当該申述が第一の一1又は3に規定する要件に該当しないことが明らかになった場合に通常の再生手続による手続の開始を求める意思があるか否か及び4各号のいずれかに該当する事由があることが明らかになった場合に小規模個人再生による手続の開始を求める意思があるか否かを明らかにしなければならないものとする。
     裁判所は、給与所得者等再生による再生手続を求める旨の申述があった場合において、当該申述が第一の一1又は3に規定する要件に該当しないことが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を通常の再生手続により行う旨の決定をするものとする。ただし、再生債務者が2の規定により通常の再生手続による手続の開始を求める意思がない旨をあらかじめ明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならないものとする。
     前項に規定する場合のほか、裁判所は、給与所得者等再生による再生手続を求める旨の申述があった場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があることが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を小規模個人再生の手続により行う旨の決定をするものとする。ただし、再生債務者が2の規定により小規模個人再生による手続の開始を求める意思がない旨をあらかじめ明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならないものとする。
       再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者に該当しないか、又はその収入の額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないこと。
       再生債務者について次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれ当該各号に定める日から十年以内に当該申述がされたこと。
         給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日
         第一の九3a(四1において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
         破産法第三百六十六条ノ十一に規定する免責の決定が確定したこと 当該決定の確定の日
     第一の一2から4までの規定は、給与所得者等再生による再生手続を求める旨の申述について準用するものとする。


   再生手続の開始及び機関、再生債権並びに再生債務者の財産の調査及び確保に関する特則
     第一の二から五までの規定は、給与所得者等再生について準用するものとする。
     給与所得者等再生においては、法第八十七条の規定は、適用しないものとする。


   再生計画に関する特則
     第一の六の規定は、給与所得者等再生について準用するものとする。
     裁判所は、再生計画案の提出があった場合には、再生計画案について5各号のいずれかに該当する事由があると認めるときを除き、異議申述期間が経過し、かつ、法第百二十五条第一項の報告書の提出がされた後、再生計画案を認可すべきかどうかについて、届出再生債権者の意見を聴かなければならないものとする。ただし、異議申述期間内に二1において準用する第一の四3又は4bの規定による異議が述べられた場合には、二1において準用する第一の四6の不変期間を経過するまでの間(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされるまでの間)は、この限りでないものとする。
     裁判所は、再生計画案について届出再生債権者の意見を聴くときは、その旨を公告し、かつ、届出再生債権者に対して、再生計画案を記載した書面を送付するとともに、再生計画案について5各号のいずれかに該当する事由がある旨の意見がある者は裁判所の定める期間内にその旨及び当該事由を具体的に記載した書面を提出すべき旨を記載した書面を送付しなければならないものとする。
     3の規定により定められた期間が経過したときは、裁判所は、5の場合を除き、再生計画認可の決定をするものとする。
     裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定をするものとする。
       法第百七十四条第二項第一号又は第二号に規定する事由があるとき。
       再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき。
       再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者に該当しないか、又はその収入の額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき。
       第一の八2第二号又は第三号に規定する事由があるとき。
       一4第二号に規定する事由があるとき。
       計画弁済総額が、次のイからハまでの区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額から再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額を控除した額に二を乗じた額以上の額であると認めることができないとき。
         再生債務者の収入の額について、再生計画案の提出前二年間の途中で就業先の変更その他の年収について五分の一以上の変動を生ずべき事由が生じた場合 当該事由が生じた後の期間の収入の合計額からこれに対する所得税、住民税及び社会保険料(以下「所得税等」という。)に相当する額を控除した額を一年分に換算した額
         再生債務者が再生計画案の提出前二年間の途中で、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった場合 給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった時から再生計画案の提出までの間の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を一年分に換算した額
         イ及びロに掲げる場合以外の場合 再生計画案の提出前二年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を二で除した額
     5第六号の一年分の費用の額は、再生債務者及びその扶養を受けるべき者の年齢及び所在地域、当該扶養を受けるべき者の数、物価の状況その他一切の事情を勘案して政令で定めるものとする。
     第一の八3から6までの規定は、給与所得者等再生について準用するものとする。
     給与所得者等再生においては、法第七章第三節、第百七十四条第一項から第三項まで、第百七十八条から第百八十条まで、第百八十一条第一項及び第二項並びに第百八十五条(第百八十九条第八項、第百九十条第二項、第百九十五条第七項及び第四の二6において準用する場合を含む。)の規定は、適用しないものとする。


   再生計画認可後の手続に関する特則
     第一の九1から3まで及び5の規定は、給与所得者等再生について準用するものとする。
     給与所得者等再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額又は三5第六号に規定する額のいずれか多い額を下回ることが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができるものとする。この場合においては、法第百八十九条第二項の規定を準用するものとする。


   再生手続の廃止に関する特則
     給与所得者等再生において、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならないものとする。
       三5各号のいずれにも該当しない再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
       裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出された再生計画案に三5各号のいずれかに該当する事由があるとき。
     第一の十2の規定は、給与所得者等再生について準用するものとする。
     給与所得者等再生においては、法第百九十一条の規定は、適用しないものとする。


   その他
       その他所要の規定を整備するものとする。




第三  住宅資金貸付債権に関する特則
   定義
     第三において「住宅」とは、個人である再生債務者が所有し、自己の居住の用に供する建物(その床面積の二分の一以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されるものに限る。)をいうものとする。ただし、当該建物が二以上ある場合には、これらの建物のうち、再生債務者が主として居住の用に供すると認められる一の建物に限るものとする。
     第三において「住宅の敷地」とは、住宅の用に供されている土地又は当該土地に設定されている地上権をいうものとする。
     第三において「住宅資金貸付債権」とは、住宅の建設若しくは購入に必要な資金(当該住宅の用に供する土地又は借地権の取得に必要な資金を含む。)又は住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る分割払の定めのある再生債権であって、当該債権又は当該債権に係る債務の保証人(保証を業とする者に限る。以下「保証会社」という。)の求償権を担保するための抵当権が住宅に設定されているものをいうものとする。
     第三において「住宅資金特別条項」とは、再生債権者の有する住宅資金貸付債権の全部又は一部を変更する再生計画の条項をいうものとする。
     第三において「住宅資金貸付契約」とは、住宅資金貸付債権に係る資金の貸付契約をいうものとする。


   抵当権の実行としての競売手続の中止命令
     裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがあると認めるときは、再生債務者の申立てにより、相当の期間を定めて、住宅又は再生債務者が有する住宅の敷地に設定されている一3に規定する抵当権の実行としての競売の手続の中止を命ずることができるものとする。
     法第三十一条第二項から第六項までの規定は、1の規定による中止の命令について準用するものとする。


   住宅資金貸付債権に関する再生計画の条項
     再生債権のうちに住宅資金貸付債権を含む再生計画においては、再生債権者が住宅資金貸付債権を民法第五百条の規定により取得したものである場合を除き、住宅資金特別条項を定めることができるものとする。ただし、住宅の上に法第五十三条第一項に規定する担保権(一3に規定する抵当権を除く。)が存するとき、又は住宅以外の不動産にも一3に規定する抵当権が設定されている場合において当該不動産の上に法第五十三条第一項に規定する担保権で一3に規定する抵当権に後れるものが存するときは、この限りでないものとする。
     保証会社が保証債務を履行した場合には、当該履行をした日から六月を経過する日までの間に再生手続開始の申立てがされた場合に限り、六6本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなる者の権利について、住宅資金特別条項を定めることができるものとする。この場合においては、1ただし書の規定を準用するものとする。
     住宅資金特別条項を定める場合において、住宅資金貸付債権を有する再生債権者(民法第五百条の規定により住宅資金貸付債権を有する者に代位した再生債権者を除く。四4及び六2において同じ。)又は2に規定する住宅資金貸付債権を有することとなる者が数人あるときは、これらの者のすべてを対象として当該条項を定めなければならないものとする。
     住宅資金特別条項においては、5又は6に規定する場合を除き、次の各号に掲げる債権について、それぞれ当該各号に定める内容を定めるものとする。
       再生計画認可の決定の確定時までに弁済期が到来する住宅資金貸付債権の元本(再生債務者が期限の利益を喪失しなかったとすれば弁済期が到来しないものを除く。)及びこれに対する再生計画認可の決定の確定後の住宅約定利息(住宅資金貸付契約において定められた約定利率による利息をいう。以下同じ。)並びに再生計画認可の決定の確定時までに生ずる住宅資金貸付債権の利息及び不履行による損害賠償 その全額を、住宅資金貸付債権以外の再生債権について再生計画で定める弁済期間(当該期間が五年を超える場合にあっては、再生計画認可の決定の確定から五年。以下「一般弁済期間」という。)内に支払うこと。
       再生計画認可の決定の確定時までに弁済期が到来しない住宅資金貸付債権の元本(再生債務者が期限の利益を喪失しなかったとすれば弁済期が到来しないものを含む。)及びこれに対する再生計画認可の決定の確定後の住宅約定利息 住宅資金貸付契約における債務の不履行がない場合についての弁済の時期及び額に関する約定に従って支払うこと。
     4の規定による住宅資金特別条項を定めた再生計画を遂行することが著しく困難である場合には、住宅資金特別条項において、住宅資金貸付債権に係る債務の弁済期を住宅資金貸付契約において定められた最終の弁済期(以下「約定最終弁済期」という。)から後の日に定めることができるものとする。この場合における権利の変更の内容は、次に掲げる要件のすべてを具備するものでなければならないものとする。
       住宅資金貸付債権の元本及びこれに対する再生計画認可の決定の確定後の住宅約定利息並びに再生計画認可の決定の確定時までに生ずる住宅資金貸付債権の利息及び不履行による損害賠償の全額を支払うものであること。
       住宅資金特別条項による変更後の最終の弁済期が約定最終弁済期から十年を超えず、かつ、住宅資金特別条項による変更後の最終の弁済期における再生債務者の年齢が七十歳を超えないものであること。
       一定の基準により住宅資金貸付契約における弁済期と弁済期との間隔及び各弁済期における弁済額が定められている場合には、当該基準におおむね沿うものであること。
     5の規定による住宅資金特別条項を定めた再生計画を遂行することが著しく困難である場合には、住宅資金特別条項において、次に掲げる要件のすべてを具備する内容の権利の変更をすることができるものとする。
       住宅資金貸付債権の元本及びこれに対する再生計画認可の決定の確定後の住宅約定利息並びに再生計画認可の決定の確定時までに生ずる住宅資金貸付債権の利息及び不履行による損害賠償の全額を支払うものであること。
       住宅資金特別条項による変更後の最終の弁済期が約定最終弁済期から十年を超えず、かつ、住宅資金特別条項による変更後の最終の弁済期における再生債務者の年齢が七十歳を超えないものであること。
       一般弁済期間の範囲内で定める期間(以下「元本猶予期間」という。)中は、住宅資金貸付債権の元本の一部及び住宅資金貸付債権の元本に対する元本猶予期間中の住宅約定利息を支払うものであること。
       元本猶予期間を経過した後においては、一定の基準により住宅資金貸付契約における弁済期と弁済期との間隔及び各弁済期における弁済額が定められている場合には、当該基準におおむね沿うものであること。
     住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者の同意がある場合には、4から6までの規定にかかわらず、約定最終弁済期から十年を超えて住宅資金貸付債権に係る債務の期限を猶予することその他4から6までに規定する変更以外の変更をすることを内容とする住宅資金特別条項を定めることができるものとする。
     住宅資金特別条項については、住宅資金貸付債権についての法第百五条第一項に規定する査定の申立てが同条第二項に規定する期間内にされなかった場合(法第百七条及び第百九条の場合を除く。)、四2の規定により四2の異議が効力を失った場合及び保証会社が保証債務を履行した場合には、法第百五十七条、第百五十九条、第百六十四条第二項後段及び第百七十九条の規定は、適用しないものとする。


   住宅資金特別条項を定めた再生計画案の提出に関する特則
     住宅資金特別条項を定めた再生計画案は、再生債務者のみが提出することができるものとする。
     再生債務者により住宅資金特別条項を定めた再生計画案が提出され、かつ、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める時までに届出再生債権者が再生債権の調査において住宅資金貸付債権の内容について述べた異議は、それぞれその時においてその効力を失うものとする。ただし、これらの時までに、当該異議に係る再生債権の確定手続が終了していない場合に限るものとする。
       裁判所の定めた期間又はその伸長した期間内にいずれの届出再生債権者も住宅資金特別条項の定めのない再生計画案を提出しなかったとき 当該期間が満了した時
       届出再生債権者が提出した住宅資金特別条項の定めのない再生計画案が決議に付されず、住宅資金特別条項を定めた再生計画案のみが決議に付されたとき 法第百六十七条ただし書に規定する決定がされた時
       住宅資金特別条項を定めた再生計画案及び届出再生債権者が提出した住宅資金特別条項の定めのない再生計画案が共に決議に付され、住宅資金特別条項を定めた再生計画案が可決されたとき 当該可決がされた時
     2の規定により2の異議が効力を失った場合には、住宅資金貸付債権については、法第百四条第一項及び第三項の規定は、適用しないものとする。
     再生債務者により住宅資金特別条項を定めた再生計画案が提出され、かつ、2の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める時までに住宅資金貸付債権を有する再生債権者であって住宅資金貸付債権以外に再生債権を有しないもの又は住宅資金貸付債権に係る債務の保証に基づく求償権を有する保証会社であって当該求償権以外に再生債権を有しないものが再生債権の調査において述べた異議についても、2と同様とするものとする。この場合においては、当該異議を述べた者には、法第百四条第三項及び第百八十条第二項の規定による確定判決と同一の効力は及ばないものとする。


   住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者の意見聴取等
     住宅資金特別条項を定めた再生計画案が提出されたときは、裁判所は、当該住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者の意見を聴かなければならないものとする。法第百六十七条の規定による修正(その修正が、住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者に不利な影響を及ぼさないことが明らかな場合を除く。)があった場合における修正後の住宅資金特別条項を定めた再生計画案についても、同様とするものとする。
     住宅資金特別条項を定めた再生計画案については、当該住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者及び保証会社は、住宅資金貸付債権又は住宅資金貸付債権に係る債務の保証に基づく求償権である再生債権については、議決権を有しないものとする。


   再生計画の認可等に関する特則
     住宅資金特別条項を定めた再生計画については、裁判所は、当該計画が遂行可能であると認めることができないとき、又は再生債務者が住宅の所有権若しくは住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれるときにおいても、再生計画不認可の決定をするものとする。
     住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定したときは、住宅資金貸付債権についての法第百五条第一項に規定する査定の申立てが同条第二項に規定する期間内にされなかった場合(法第百七条及び第百九条の場合を除く。)及び四2の規定により四2の異議が効力を失った場合における当該住宅資金貸付債権を有する再生債権者の権利並びに6本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなる者の権利は、住宅資金特別条項における法第百五十六条の一般的基準に従い、変更されるものとする。
     住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定したときは、法第百八十一条第二項の規定は、住宅資金特別条項によって変更された後の権利については、適用しないものとする。
     住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定したときは、住宅資金特別条項により変更された後の権利については、住宅資金特別条項において、不履行による損害賠償についての定め、期限の利益の喪失についての定めその他の住宅資金貸付契約における定めと同一の定めがされたものとみなすものとする。ただし、三7の同意を得て別段の定めをすることを妨げないものとする。
     住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定したときは、法第百七十七条第二項の規定は、住宅及び住宅の敷地に設定されている一3に規定する抵当権並びに住宅資金特別条項によって権利の変更を受けた者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利については、適用しないものとする。この場合において、再生債務者が連帯債務者の一人であるときは、住宅資金特別条項による期限の猶予は、他の連帯債務者に対しても効力を有するものとする。
     住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定した場合において、保証会社がすでに保証債務を履行していたときは、当該保証債務は、初めから履行されなかったものとみなすものとする。ただし、保証会社が保証債務を履行したことにより取得した権利に基づき再生債権者としてした行為に影響を及ぼさないものとする。
     6本文の場合において、当該認可の決定の確定前に再生債務者が保証会社に対して6の保証債務に係る求償権についての弁済をしていたときは、再生債務者は、6本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなった者に対して、当該弁済をした額につき当該住宅資金貸付債権についての弁済をすることを要せず、また、保証会社は、当該弁済を受けた額を6本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなった者に対して交付しなければならないものとする。


   再生計画の取消しに関する特則
     住宅資金特別条項を定めた再生計画についての法第百八十九条第一項第二号に掲げる事由を理由とする再生計画取消しの申立ては、再生計画の定めによって認められた権利(住宅資金特別条項によって認められた権利を除く。)の全部(履行された部分を除く。)について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる権利を有する再生債権者であって、その有する履行期限が到来した当該権利の全部又は一部について履行を受けていないものに限り、することができるものとする。
     再生計画取消しの決定は、六6の規定によって生じた効力に影響を及ぼさないものとする。


   小規模個人再生及び給与所得者等再生における住宅資金貸付債権に関する特則
     小規模個人再生又は給与所得者等再生による再生手続において、住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出しようとするときは、あらかじめ、債権者一覧表にその旨を記載しなければならないものとする。
     1の規定による記載をした場合には、第一の一3第三号(第二の一5において準用する場合を含む。)の規定による記載がされた再生債権については、第一の四1から13まで(第二の二1において準用する場合を含む。)の規定は、適用しないものとする。
     1の規定による記載をした場合において、再生計画に住宅資金特別条項の定めがないときは、裁判所は、再生計画不認可の決定をするものとする。


   その他
     その他所要の規定を整備するものとする。




第四  その他
   管轄
     法第五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のいずれかについて再生事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げるその他の者についての再生手続開始の申立ては、当該再生事件が係属している地方裁判所にもすることができるものとする。
       連帯債務者の関係にある個人
       主債務者と保証人の関係にある個人
       夫婦
     法第七条の規定による再生事件の移送は、次に掲げる裁判所にすることもできるものとする。
       1に規定する地方裁判所
       1により前号の地方裁判所に再生事件が係属しているときは、法第五条第一項又は第二項に規定する地方裁判所


   履行完了前に新たな再生手続が開始された場合の取扱い等
     再生計画の履行完了前に、再生債務者について新たな再生手続開始の決定がされた場合には、当該再生計画によって変更された再生債権は、原状に復するものとする。ただし、再生債権者が当該再生計画によって得た権利に影響を及ぼさないものとする。
     前項の再生計画によって変更された再生債権を有する再生債権者は、当該再生債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の全部をもって新たな再生手続に参加することができるものとする。
     前項の再生債権者は、他の再生債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の弁済を受けるまでは、新たな再生手続により、弁済を受けることができないものとする。
     2の再生債権者は、弁済を受けた債権の部分については、議決権を行使することができないものとする。
     1本文に規定する場合には、共益債権は、新たな再生手続における共益債権とみなすものとする。
     法第百八十五条の規定は、1の場合について準用するものとする。
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