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トップページ > 政策・施策 > 国を当事者とする訴訟などの統一的・一元的処理 > C型肝炎訴訟

C型肝炎訴訟

訴訟の概要

本件の原告は,後天性(獲得性)の傷病についてフィブリノゲン製剤又は第Ⅸ因子複合体製剤の投与を受け,これによってC型肝炎ウイルスに感染したとする方々です。

平成14年から19年にかけて,大阪,東京,福岡,名古屋及び仙台の5地裁に,総数200余名の原告から順次,国家賠償を求めて提訴がありましたが,平成18年から19年にかけて言い渡された5つの判決は,厚生大臣に,原告の主張する適応限定義務違反や指示・警告させる義務違反の違法があったかどうか,あったとしてその時期及び内容について,それぞれ異なる判断を下しました。

C型肝炎先行訴訟の経緯と概要 [PDF:161KB]

このように5地裁の判決が分かれる中,最も審理の進んでいた大阪高裁において試みられた和解が難航し,立法的解決が図られることになり,「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」(平成20年法律第2号)が制定,施行されました。

特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法全文 [PDF:31KB]

新法により,5地裁の判決で判断の分かれた違法性の有無についての審理をすることなく,各原告(又はその被相続人)について,(1)獲得性(後天性)の傷病について新法2条に定める各血液製剤の投与を受けたこと(投与の事実),(2)これによってC型肝炎ウイルスに感染したこと(因果関係),(3)症状という新法所要の事実が,司法手続により認められれば,その段階で紛争が解決できることになりました。

紛争解決イメージ [PDF:55KB]

これを受けて,平成20年1月15日,厚生労働大臣と薬害肝炎全国原告団・弁護団との間で,新法に基づく給付金の支給を受けることにより紛争を解決するための基本合意書が締結されました。

基本合意書 [PDF:139KB]

国は,同原告団・弁護団に属さない方であっても,所要の事実が認められる方から国家賠償請求訴訟が提起されれば,同様に基本合意書の記載内容に基づき,その事実を確認する裁判上の和解をし,その方が給付金の支給を受けられるようにすることで紛争を解決することとしています。そのため,現在,全国各地の裁判所に係属する同種訴訟では,まずは基本合意書に基づく和解の可否を検討するため,新法所要の事実,すなわち,(1)投与の事実,(2)因果関係,(3)症状に関する審理が行われています。

C型肝炎訴訟における国の基本的な対応方針についての上申書 [PDF:125KB]

新法施行後の訴訟手続について

1 訴えを提起する裁判所について

→東京,大阪,福岡,名古屋及び仙台の5地方裁判所以外は,法令上の管轄の定めによります。

基本合意書では,先行訴訟が係属していた東京,大阪,福岡,名古屋及び仙台の5地方裁判所に訴えが提起された場合には,国は,管轄の有無を問わず応訴することとされました(基本合意書5(4))。そのほかの裁判所については法令上の土地管轄,事物管轄の定めにしたがいます。

2 被告について

→国が含まれている必要があります。製薬会社も被告に含まれる例が多く,含まれない場合は訴訟告知をしています。

新法に基づく給付金の支給を受けるには,提出した和解調書等に係る訴え等の相手方に国が含まれている必要があります(新法4条かっこ書)。

なお,医薬品の安全性の確保及び副作用による被害の防止については,当該医薬品を製造,販売する者が第一次的な義務を負うとされており(最高裁平成7年6月23日第二小法廷判決・民集49号6巻1600ページ),これまでの同種訴訟の多くは製薬会社も被告とされています。給付金等の支給に要する費用についても製造業者等に拠出金の拠出を求めることとされていますので(新法17条),製薬会社が被告とされていない新法施行後の訴訟については,民事訴訟法53条1項に基づく訴訟告知を行っています。

おって,新法に基づく給付金の支給は,独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対し,所要の事実関係を証する確定判決等を提出して行わなければならないため(新法3条1項,4条),同機構を被告として新法所要の事実関係を確認するための訴えを提起することは,予定されていないと解されます。

3 同順位の相続人が複数いる場合について

→複数の相続人それぞれとの和解は,同時に一括して行う場合に限り可能です。

新法に基づく給付金は,特定C型肝炎ウイルス感染者の相続人も請求することができますが(新法3条1,2項),給付金の支給を受けることができる同順位の相続人が2人以上あるときは,その1人がした請求は,全員のためその全額についてしたものとみなし,その1人に対してした支給は,全員に対してしたものとみなされます(同条3項)。そのため,同順位の相続人が複数いる場合において,そのうちの1人との間で和解が成立し,その方が給付金の支給を受けたときは,他の相続人は,給付金の支給を受けることはできませんので,給付金の支給を受けることを目的とする和解に応じることもできません。ただし,同順位の複数の相続人と同時に一括して和解をすることは可能です。

4 訴訟費用について

→訴訟救助を付与されない限り,各自負担とされています。

基本合意書では,訴訟費用について,和解の場合の各自負担の原則(民事訴訟法68条)に従い,各自の負担とされています(基本合意書2(5)本文)。したがって,訴状には訴え提起手数料として,所要の印紙を貼付する必要があります(民事訴訟法137条1項,民事訴訟費用等に関する法律2条1号,3条1項,8条,別表第1・1項)。

ただし,訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がなく,又は,その支払により生活に著しい支障を生ずる方については,勝訴の見込みがないとはいえないときに限り,訴訟救助を受けることができます(民事訴訟法82条)。なお,この訴訟救助を受けた方が納付を猶予された訴え提起手数料(同法83条1項1号)については,国の負担とされています(基本合意書2(5)ただし書)。

5 訴訟類型について

→基本的には国家賠償請求訴訟が予定されていると解されます。

新法は,これまで提起された国家賠償請求訴訟を念頭に置き,5地裁の判決で判断の分かれた点(厚生大臣に適応限定義務違反や指示・警告させる義務違反の違法があったかどうか)まで審理することなく,各原告(又はその被相続人)について,(1)後天性の傷病について新法2条に定める各血液製剤の投与を受けたこと(投与事実),(2)これによってC型肝炎ウイルスに感染したこと(因果関係),(3)症状という新法所要の事実が,司法手続により認められれば,給付金を支給することとして,紛争の解決を図ったものですから,基本的には,国家賠償請求訴訟が想定されていると解されます。新法5条2号で,給付金の請求期限に関し,「損害賠償についての訴えの提起」が挙げられているのも,このことを示すものと解されます。

なお,新法に基づく給付金の支給は,独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対し,所要の事実関係を証する確定判決等を提出して行わなければならないため(新法3条1項,4条),それ以前に,給付金の支給を求める訴えを提起することは許されないと解されます。

6 新法2条1項2号,2項2号に記載されている「ウイルスを不活化するために加熱処理のみを行ったものに限る」との意味について

→不活化効果の高い他の処理が併せて行われていないという意味です。

新法2条1項,2項の各1号は非加熱製剤,各2号は加熱製剤に関する規定ですが,フィブリノゲン製剤についても,第Ⅸ因子複合体製剤(クリスマシン)についても,加熱製剤については,不活化効果の高いSD処理が可能になり,取り入れられました。このSD処理をした製剤は,フィブリノゲン製剤の場合は平成6年8月12日の製造方法の一部変更承認,クリスマシンの場合は平成5年3月に「クリスマシンM」への名称変更を伴う承認がされ,これらは新法の対象とはされていません。

7 新法2条3項の「獲得性」の意味について

→後天性と同義です。

新法の制定契機となった国家賠償請求訴訟は,フィブリノゲン製剤及び血液凝固第Ⅸ因子製剤が,後天性疾患に対する有効性,有用性を有しないのに,先天性疾患に適応を限定しなかったことの違法を争う訴訟でした。そのため,新法では,後天性の傷病についての投与が対象とされています。

8 必要となる証拠について

→(1)投与事実,(2)因果関係,(3)症状を立証し得る証拠が必要です。基本的な証拠として想定されるものはありますが,具体的な証拠評価は事件ごとに異なります。

新法所要の(1)投与事実,(2)因果関係,(3)症状の立証責任は原告が負うと解されます。また,これら事実は,基本的に個人の疾病に関する事実であり,これに関する資料は,個人情報としての保護を受けているため,その資料収集能力において患者に勝る者はありません。その上,新法施行後に提訴され国に訴状等が送達された同種事件は,既に患者数で平成22年11月1日現在1760名を超え(うち,和解等が成立した患者数は1410名超),係属裁判所も相当数に上っており,これら多数の事件について,迅速かつ統一性のある取扱いを行うためには,客観性,確実性,信用性の高い資料を,可能な限り,原告側から積極的に提出していただくことが有益です。カルテなど基本的な証拠として想定されるものはありますが,もちろん,具体的な証拠の評価は事件ごとに異なります。

なお,この点,衆議院厚生労働委員会において,平成20年1月8日,新法の法律案と同時に採択された決議第1項では,「投与の事実」,「因果関係」及び「症状」の認否に当たって考慮する証拠として,カルテ,手術記録,投薬指示書等の書面,医師,看護士,薬剤師等による投与事実の証明,本人,家族等による記録,証言等が挙げられています。

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