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トップページ > 政策・施策 > 国を当事者とする訴訟などの統一的・一元的処理 > 「国に関する訴訟情報」 > 係属中の主な訴訟の概要 > 諫早湾干拓関係訴訟

諫早湾干拓関係訴訟

訴訟の概要

1  開門請求訴訟
  諫早湾干拓事業をめぐって,諫早湾近傍の漁業者の方々が,諌早湾干拓事業のために国が設置した潮受堤防により漁業被害が生じたなどとして,国に対し,同堤防に設置された排水門の開門等を求める訴訟を提起しています。

2  開門差止請求訴訟
  諫早湾干拓地の営農者及び諫早湾近傍の漁業者らの方々が,潮受堤防に設置された排水門を開門すれば被害が生じるなどとして,国に対し,同排水門の開門の差止めを求める訴訟を提起しています。

訴訟の現状及び国側の主張

 開門派漁業者らが,潮受堤防の締切りによる漁業被害を訴えた佐賀開門訴訟において,福岡高等裁判所は,平成22年12月6日,国に対し,潮受堤防に設置された排水門の開門を命じました(「判決確定日から3年以内に,防災上やむを得ない場合を除き,5年間にわたって開門せよ」という旨の主文)。この判決に対し,国が上告をしなかったため,この判決が確定することとなりました。
 そして,開門派漁業者らは,この福岡高等裁判所確定判決に基づき,平成25年12月,強制執行(間接強制)の申立てをしました。これに対し,国は,対策工事ができていない状況では,開門すれば営農者らや住民らに被害が生じるため,開門を強制することはできないなどと主張して争いましたが,平成27年1月22日,最高裁判所は,国による抗告を棄却し,「開門しない場合,1日45万円(1人につき1日当たり1万円)を支払え」という間接強制決定が確定しました(その後,1日90万円(1人につき1日当たり2万円)に増額変更がされ,この判断も最高裁判所で確定しています。)。
 他方,開門反対派営農者らは,国に対し,開門した場合には被害が生じるなどとして,開門の差止めを求める訴えを提起し,長崎地裁は,平成25年11月12日,国に対し,開門の差止めを命じる仮処分決定をしました。
これにより,国は,福岡高等裁判所確定判決に基づく開門義務と,長崎地裁仮処分決定に基づく開門禁止義務の相反する義務を負うことになりました。
 さらに,開門反対派営農者らは,長崎地裁仮処分決定に基づき,保全執行の申立てをし,平成27年1月22日,「開門した場合,1日49万円を支払え」という間接強制決定が最高裁判所で確定しました(これについても,現在,長崎地裁に対し,間接強制金の増額変更の申立てがされています。)。
 このように,現在,国としては,開門してもしなくても間接強制金の支払を強制されるという状況に置かれています。
 国としては,このような状況を打開すべく,平成26年1月9日,福岡高等裁判所確定判決後の事情の変更等により,同判決に基づく強制執行は許さない旨の判決を求めて,請求異議訴訟を提起しました(請求異議訴訟で勝訴した場合,福岡高等裁判所確定判決の執行力が失われ,強制執行をすることができなくなります。)。これについて,佐賀地裁は,平成26年12月12日,国の請求を棄却する判決をしたため,国は,これを不服として即日控訴し,現在,請求異議訴訟は,福岡高等裁判所に係属中です。
 国は,請求異議訴訟において,(1)福岡高等裁判所確定判決後に,開門を求める漁業者らの権利の基礎となっている共同漁業権が10年の存続期間の経過により既に消滅しており,漁業者らは,開門請求権を行使し得ない,(2)そもそも福岡高等裁判所確定判決は,いかなる法律要件からその効果が導かれるか不明な債務名義というべきであり,このような債務名義に基づく強制執行は許されない,などの主張を追加しています。
 また,開門派漁業者らが,長崎地裁に提起した長崎一次開門訴訟において,福岡高等裁判所は,平成27年9月7日,漁業者らによる開門請求及び損害賠償請求をいずれも棄却する旨の判決を言い渡しました(国全部勝訴)。この訴訟は,現在,最高裁判所に係属しています。
そこで,今後,国としては,これらの訴訟について,最高裁判所の統一的な判断を求めていくこととなります。
 なお,福岡高等裁判所は,請求異議訴訟において,平成27年10月,国及び漁業者に対し,和解勧告をし,長崎地裁も,開門差止訴訟において,平成28年1月18日,国が開門に代替する措置を執ることを前提に,開門によることなく全体の解決を図るよう求める和解勧告をしました。国としては,裁判所の和解勧告を重く受け止め,長崎地裁において,平成28年5月23日に,開門に代替する措置として,有明海の漁業環境を改善するための基金の造成を提案しました。今後も,裁判所の訴訟指揮に従いつつ,問題の解決に向け真摯に努力していきます。

係属裁判所

   最高裁判所,福岡高等裁判所,長崎地方裁判所(平成28年8月31日現在)
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