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ミャンマービジネスロー講演会を実施しました!

皆さんは「ミャンマー」という国にどんなイメージを持っていますか?

かつては軍部が政権を握っていたミャンマーでしたが,一昨年3月に民主化に向けた大改革を行い,それ以降,テレビや新聞では,ミャンマーに関連するニュースを連日のように目にするようになりました。

それでも,皆さんは,ミャンマーの法律や法制度がどうなっているのか,すぐにイメージできるでしょうか?

今回,法務総合研究所では,財団法人国際民商事法センター(ICCLC)との共催で,ミャンマーから2名の専門家をお招きし,日本とミャンマーそれぞれの法制度について意見を交換したほか,2名の専門家による講演会を昨年7月27日(大阪:法務総合研究所国際会議室)と8月1日(東京:オリンピックセンター国際会議室)に実施しました。

◎ どんな内容だったの?

講演会では,元ヤンゴン大学法学部長のタン・ヌエさんと元ミャンマー最高裁判所国際関係部長のティン・ゾーさんから,ミャンマーの法律や法制度の実情,日本企業がミャンマーに進出する際に参考となる法律情報などについてお話しいただきました。

大阪,東京の講演会には,民間企業,大学関係者,弁護士などから多数参加いただき,質疑応答も盛り上がって,とても実りある講演会になりました。

法律を切り口として,ミャンマーの実情を知ることのできるよい機会になったのではないでしょうか。

(今回の講演の内容については,法務総合研究所国際協力部やICCLCのHPで,議事録等を公開予定です。)

◎ 今後のミャンマーとの関係は?

今回,法務総合研究所の国際協力部で,ミャンマーから法律専門家を招きましたが,同じ法務総合研究所の国際連合研修協力部(通称アジ研)で毎年実施している国際研修(アジ研ホームページ)には,ミャンマーからの参加者が多数いらっしゃいますし,また,以前から,ミャンマーの裁判官や検事が留学生として名古屋大学や横浜国立大学などで学んでいます。

このようにして,日本とミャンマーは,以前から,少しずつ信頼関係を築き上げてきました。

法務省としては,今後,その信頼関係を前提にして,ミャンマーの改革を後押しするため,国民生活を支える基本的な法分野を含めて,関係機関と連携しながら,幅広い分野で支援・協力していきたいと思っています。

(法務総合研究所国際協力部)

大阪講演の様子

大阪講演の様子

東京講演の様子1東京講演の様子2

東京講演の様子

アジ研は,第6回GGセミナーと創立50周年記念式典を行いました

国連アジア極東犯罪防止研修所(略して「アジ研」または「UNAFEI(ユナフェイ)」といいます。アジ研の活動については,「あかれんが39号」をご覧下さい。)は,創立50周年事業として,昨年12月12日から14日までの3日間,「第6回GGセミナー」を開催し,初日の12日午後に創立50周年記念式典を行いました。

◎ 「GGセミナー」とは?

GGセミナーとは,アジ研が,東南アジア諸国を対象に,2007年から毎年1回開催しているセミナーです。「GG」とは,「良い国家統治」を意味する「Good Governance(グッド・ガバナンス)」の頭文字であり,東南アジア諸国の「法の支配」と「良い統治」を確立することを目的として行われています。毎回,東南アジア8か国(カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,タイ,フィリピン,ベトナム)の刑事実務家らを招へいし,異なるテーマを取り上げて,腐敗対策について議論しています。第1回,第2回はバンコク(タイ),第3回,第4回はマニラ(フィリピン)で開催し,第5回は法務省大会議室(日本)で開催しました。

腐敗対策は,各国が総力を挙げて取り組んでいる世界的な課題であり,これに国際的な議論の場を提供するGGセミナーは,世界各国及び国連関係者から高い評価を得ています。

第6回GGセミナー集合写真

第6回GGセミナー集合写真

同セミナーの開催風景

同セミナーの開催風景

◎ 「第6回GGセミナー」の内容は?

本年も,昨年に引き続き,法務省大会議室において開催しました。今回のテーマは,「国際協力(捜査共助,犯罪人引渡し)」です。社会・経済の国際化に伴い,汚職も国際化が進んでおり,腐敗対策の面でも緊密な国際協力が必要不可欠となっています。そこで,今回は,上記8か国の刑事実務家に加え,我が国や韓国,シンガポールの専門家らを招へいし,汚職対策のための国際協力をより促進させるための方策について議論しました。

◎ 創立50周年記念式典を行いました

アジ研は,1962年に国連と日本政府の協定によって創立され,以後,世界各国から刑事実務家を受け入れて研修を行ってきました。昨年はアジ研創立50周年に当たり,アジ研のこれまでの活動に多大なる貢献をしていただいた国連関係者や世界各国の刑事司法関係者を招き,記念式典を実施しました。

滝法務大臣(当時)による50周年祝辞

滝法務大臣(当時)による50周年祝辞

(法務総合研究所国際連合研修協力部)