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ご紹介します 法務省が取り組んでいる人権擁護活動

1 「第64回人権週間」における人権啓発活動について

法務省及び全国人権擁護委員連合会は,昭和24年から,国連で世界人権宣言が採択された12月10日(人権デー)を最終日とする1週間を「人権週間」と定め,全国各地で様々な啓発活動を実施しています。

人権週間PRポスター

人権週間PRポスター

◇ テレビ番組と協力した啓発活動

64回目を迎えた先月の人権週間では,従来からの活動に加え,テレビ番組「ネプ&イモトの世界番付」と協力したポスターや同番組のテーマソング「ボクラノセカイ」をPRソングとして活用した広報活動を,新たに実施したところです。

同番組との協力に関しては,昨年10月12日に番組内で発表されるとともに,人権週間中の12月7日の番組内でも,出演者による同週間の広報が行われました。また,11月1日にはニュース番組「NEWSZERO」において報道され,PRソングについても地方公共団体や学校から問合せがあるなどの大きな反響がありました。

◇ 第32回全国中学生人権作文コンテスト

法務省及び全国人権擁護委員連合会は,昭和56年度から,次世代を担う中学生が人権問題についての作文を書くことにより,人権尊重の重要性,必要性についての理解を深めるとともに,豊かな人権感覚を身に付けることを目的として「全国中学生人権作文コンテスト」を実施しています。

32回目を迎えた今回の大会では,昨年度より137校増加した6,819校(全国の中学校の58.0%),44,029名増加した937,287名(全中学生の25.5%)から人権作文が寄せられ,応募者数としては過去最高になりました。このうち「子どもに関する問題」をテーマとする作文が応募総数全体の48.4%(453,886編),中でも「いじめ」に関する作文が42.1%(394,963編)と最も多くなっています。

全国各地では,人権週間を中心に行われた啓発行事と併せて,地方大会の表彰式が行われました。

なお,中央大会での入賞作品については,法務省ホームページを御覧ください。

全国中学生作文コンテスト岡山県大会表彰式

全国中学生作文コンテスト岡山県大会表彰式

2 平成24年度「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」

平成18年6月に施行された「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」の第4条第1項では,国民の間に広く拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題についての関心と認識を深めるため,毎年12月10日から同月16日までの1週間を「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」とすると定められています。

今回の同週間においても,全国各地で,周知ポスターの掲出や同週間にふさわしい事業が行われました。

平成24年12月15日(土)には,東京都港区のニッショーホールにおいて,政府拉致問題対策本部及び法務省主催による「拉致問題シンポジウム~すべての拉致被害者の救出に向けて~」を開催し,有識者による講演やパネルディスカッションなどを実施しました。また,関連行事として,12月22日(土)には,東京都千代田区のイイノホールにおいて,「ふるさとの風コンサート」(<北朝鮮拉致被害者>救済を願う合唱の集い・・)を開催しました。

12月15日のシンポジウムでは,約250名の方々が参加する中,拉致被害者御家族から,一日も早い拉致問題の解決に向けての切実な思いが語られました。

拉致問題シンポジウム

拉致問題シンポジウム

ふるさとの風コンサート

ふるさとの風コンサート

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「支援のおかげで今の僕たちがある」
~カンボジア王立裁判官検察官養成校卒業生との再会~

今回は,2012年3月に終了した,カンボジアの裁判官や検察官の育成を支援するプロジェクトを振り返ります。

~支援の背景~

カンボジアは,1975年から1979年のクメール・ルージュ政権下で,多数の知識人が殺され,政権崩壊後に生き残った法律家は数人と言われています。その後,法制度の整備や法律家への教育は進まず,裁判官や検察官を育成するための王立裁判官検察官養成校が開校したのは2003年のことでした。しかし,養成校は,講師人材・教材・カリキュラム不足など数々の問題を抱え,支援を必要としていました。

~裁判官・検察官育成支援~

2005年,養成校支援が本格的に指導し,私は,プロジェクトの初代長期専門家としてカンボジアに派遣され,2年にわたって現地で支援に当たりました。暑い教室で汗だくになって講義に参加したこと,「自動車を運転中に牛をはねて殺してしまった場合の責任は?」とのカンボジアならではの設例に当惑したことなど,懐かしく思い出されます。困難もありましたが,「僕たちが司法を立て直す!」との使命に燃える生徒たちのきらきらした瞳にいつも励まされました。私の帰国後も日本の支援は継続し,その結果,養成校は当初の問題を克服し,2012年3月,プロジェクトは終了を迎えたのでした。

王立裁判官検察官養成校

王立裁判官検察官養成校

~再会~

2012年5月,私は久しぶりにカンボジアを訪れ,養成校の卒業生たちと再会しました。カンボジアで一番大きなプノンペン地方裁判所の副所長を務める者もいれば,カンボジアで唯一の高等裁判所の裁判官を務める者もいます。開校から9年。今や養成校卒業者は約340人にのぼり,裁判官・検察官全体の約8割を占め,実務の中核となって司法を支えています。立派な実務家に成長した卒業生たちは私にこう言ってくれました。「支援のおかげで今の僕たちがある。ありがとう。」

(法務総合研究所国際協力部教官 柴田紀子)

プノンペン地裁の裁判官

プノンペン地裁の裁判官

高等裁判所や地方裁判所の裁判官

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