第１８回法整備支援連絡会を開催しました。

１　法整備支援連絡会とは？

法務総合研究所は，アジア諸国に対して，各国が進める法制度の整備を支援する法制度整備支援活動を進めていますが，平成１２年からおよそ年１回，独立行政法人国際協力機構（ＪＩＣＡ）との共催で，同活動に関わる関係者間の情報共有・意見交換の場として，法整備支援連絡会を開催しています。

第１８回を迎えた本年の法整備支援連絡会は，平成２９年１月２０日（金）に，大阪の国際会議室をメイン会場に，東京のＪＩＣＡ本部会議室をテレビ会議システムで接続したサテライト会場にして開催しましたが，メイン会場に約１２０名，サテライト会場に約５０名の参加者が集う盛況な会合となりました。

２　第１８回法整備支援連絡会の内容は？

第１８回法整備支援連絡会のテーマは，「法整備支援の回顧と展望～ベトナム法整備支援プロジェクト開始２０年を機に～」でした。

日本による法制度整備支援は，これまで，基本法の起草及び改正支援，法を適正に運用するための実務改善支援，法律家の人材育成支援等を中心に取り組んできておりますが，いずれも短期間で成果が現われるものではありませんので，中・長期的な視点からこれまでの支援による具体的な成果や課題を検証する必要があります。また，近時は，日本企業の海外展開のための環境整備という観点からも法制度整備支援の重要性が高まっており，支援の対象分野も広がっているため，これまでの成果や課題を踏まえて，より効果的・効率的な支援を実施する必要もあります。

そこで，第１８回法整備支援連絡会では，本年が法制度整備支援分野におけるＪＩＣＡプロジェクトが最初にベトナムで始まってから２０年の節目の年であることから，同国における法制度整備支援を中心に，これまでの同支援の歴史，成果等を回顧するとともに，時代の変化等に応じて変わりゆく同支援の今後の展望，関係機関同士の連携の在り方等について報告，議論することとしました。

プログラムは，第一部で，ベトナムのハー・フン・クオン前司法大臣及び同国等における法制度整備支援に多大な貢献をされてきた森嶌昭夫名古屋大学名誉教授からそれぞれ基調講演をしていただいたほか，森嶌名誉教授，同国のディン・チュン・トゥン前司法省次官，三浦有史日本総研調査部上席主任研究員，武藤司郎弁護士による対談を実施しました。

続く第二部では，松尾弘慶應義塾大学大学院教授をモデレーターとし，かつて現地に駐在して法制度整備支援に従事していた元ＪＩＣＡ長期派遣専門家による座談会を実施し，第三部では，同支援の関係機関である，ＪＩＣＡ，独立行政法人日本貿易振興機構（ジェトロ）アジア経済研究所，日本弁護士連合会，特許庁及び法務総合研究所国際協力部から，関係機関同士の連携を中心に活動報告がそれぞれなされました。

全体を通じて活発に議論が行われ，第１８回法整備支援連絡会も盛況のうちに幕を閉じましたが，その詳しいプログラム内容等は，法務省ホームページ（国際協力部のページ）に掲載されていますので，御覧ください。

３　法制度整備支援に興味のある方へ

法制度整備支援はなじみの薄い分野かもしれませんが，日本の国際貢献としてその重要性が高まっています。毎年１月頃に開催しております法整備支援連絡会にご参加いただければ，その活動の概要をお分かりいただけますので，興味のある方は是非ご参加ください。毎年１２月頃から国際協力部のホームページから参加申込みを行えます。