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東南アジアにおける2国間支援
カンボジア、東ティモール、フィリピン、ベトナム、マレーシア

アジ研は、正式には「国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)」といい、昭和37年に国際連合(国連)と日本政府の協定に基づいて設立された機関です。法務省法務総合研究所が運営しています。主な業務は世界の刑事司法の実務家を対象とした国際研修及びセミナーですが、特定の地域を対象とした地域研修や、特定の国を対象とした2国間支援も実施しています。今回は、令和5年度に日本とASEANが友好協力50周年を迎えることを記念して、東南アジアにおけるアジ研の2国間支援を紹介します。

1 カンボジア社会内処遇制度構築・実施支援

カンボジア政府は、犯罪者に対する非拘禁措置を促進するため、保護観察などの社会内処遇制度の実施体制整備に取り組んでいます。アジ研は、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)バンコク事務所の協力の下、カンボジアの内務省及び司法省の職員を対象に、社会内処遇制度実施に向けた研修を行っています。

カンボジア(カンボジア内務省との協議)

カンボジア内務省との協議

2 東ティモール刑務所改革支援

アジ研は、UNODCバンコク事務所や法務総合研究所国際協力部(ICD)と連携・協力しながら、東ティモール司法省矯正・社会復帰局職員や刑務所職員等を対象に、矯正施設の機能を強化するための支援を実施しています。これまでに、刑務所で使用されているアセスメント・フォーマットの改良や、改善指導プログラムの導入の支援を行ってきました。

東ティモール刑務所職員等による多摩少年院の見学

東ティモール刑務所職員等による多摩少年院の見学

3 フィリピン犯罪者処遇に係る技術支援

アジ研は、UNODCバンコク事務所と共催で、フィリピンの施設内及び社会内の犯罪者処遇を担う職員を対象に支援を実施しています。機関同士の連携の強化や理解を深めることを目的としており、再犯防止に効果的なアセスメント、処遇及び早期釈放のあり方等について検討しています。

4 ベトナム法制度整備支援研修及び共同研究

アジ研は、ベトナムに対する法制度整備支援の一環として、検察実務家の能力向上を目的に、研修及び共同研究を行ってきました。日・ベトナムの法務・検察実務家が相互に行き来し、訪問先で幹部や現場の実務家と意見交換をしています。

5 マレーシアの社会内処遇実施支援

マレーシアの矯正局は、刑務所人口を削減するために社会内処遇制度の一層の充実を目指しているところです。アジ研は、UNODCとの共同プロジェクトの一環として、本年6月に社会内処遇制度の充実を目指すフィリピン・マレーシア合同研修を実施予定で、令和4年度にはそのための現地調査を実施しました。

 

各研修やセミナーの詳しい情報は、アジ研ウェブサイトにも掲載しています。随時新着情報をお届けしていますので、是非御覧ください。