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第2 背景

1 申請・届出等手続の電子化について

 申請・届出等手続の電子化については,政府全体の方針として,a各省庁等における行政手続のワンストップ・サービスへの移行,b世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成及びc行政の情報化・公共分野における情報通信技術の活用の推進等が示されていることから,法務省においても,従来から法務行政の情報化を推進してきているところである。さらに,世界最高水準の電子政府の実現を目指し,原則として,平成15年度までに国の申請手続のすべてについてオンライン化を図ることとされている(注)。
 また,申請・届出等手続のオンライン化に当たっては,利用者の負担軽減・利便性の向上及び事務の簡素化・効率化・迅速化を図るため,原則として,申請件数の多いものから早期に検討・実施するとともに,情報システムの安全性・信頼性対策の充実強化を進めることとされている。
      (注)
      1  行政情報化推進基本計画の改定について(平成9年12月20日閣議決定)
      2  ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)について(平成11年12月19日内閣総理大臣決定)
      3  「インターネットによる行政手続の実現のために」(平成12年3月共通課題研究会)
      4  「申請・届出等手続の電子化推進のための基本的枠組み」(平成12年3月31日行政情報システム各省庁連絡会議了承)
      5  「法務省申請・届出等手続の電子化推進アクション・プラン」(平成12年9月29日情報処理連絡会議承認)
      6  IT基本戦略(平成12年11月27日IT戦略会議)
      7  e-Japan戦略(平成13年1月22日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)
      8  e-Japan 重点計画(平成13年3月29日IT戦略本部)
     一方,法務省認証局及び総合的な受付・通知システムについては,平成13年度にシステム開発を行い,平成14年度から運用を開始することとされているが,商業登記に基づく電子認証制度については,既に平成12年度から運用を開始しており,また,総務省及び経済産業省とともに,電子署名及び認証業務に関する法律の運用も開始している。
 なお,本報告書において使用する以下の用語の定義は,次のとおりである。
    申請情報   登記申請書の記載内容に相当する情報(不動産登記法第36条,商業登記法第17条第2項各号及び第3項に掲げる事項に相当する。)
    添付書面情報   登記申請書の添付書面の記載内容に相当する情報
    申請情報等   申請情報及び添付書面情報を合わせた情報

2 個別手続のオンライン化実施計画について

 国の行政機関が処理する申請・届出等手続については,法務省が処理する申請・届出等手続のうち主要なものについて,平成15年度までにオンライン化を実施することとされており,その他の申請・届出等手続についても,問題点等の解決を図り早期にオンライン化を実施することとされている。
 ただし,不動産登記制度及び商業法人登記制度の現在のシステムは,日本語処理等のため大規模なシステムであり,かつ,情報処理技術が未発達な時代に作られたものであることから,効率的かつ抜本的な登記申請のオンライン化を実現するためには,その前提として大規模なシステムの再構築の必要があり,また,登記の申請は,申請書及び添付書面により登記の正確さを確保し,かつ,受付の順序に従って権利の優劣を決定するというものであり,不正・不当な申請がされることのないよう,オンライン化に当たっては,法制面,技術面にわたり登記制度全体の見直しを行うなど,より慎重な対応が必要なことなどから,前記「法務省申請・届出等手続の電子化推進アクション・プラン」においては,平成16年度中にオンライン化を実現することとされている。

3 法務省民事局の取組について

 以上のような要請及び制度化の推進により,より高度な付加価値サービスの提供を行い,電子政府の早期実現に努めなければならないこととされているが,法務省民事局がこれまでに取り組んできた主な事項(実績)は,次のとおりである。
    (1) 登記情報提供制度及び登記情報交換制度の導入
    (2) 商業登記に基づく電子認証制度の新設
    (3) 債権譲渡登記オンライン申請システムの提供
    (4) 電子署名及び認証業務に関する法律の制定