大臣就任に当たっての山下法務大臣訓示

大臣就任に当たっての山下法務大臣訓示の様子
令和8年9月18日(金)
この度、法務大臣を拝命いたしました山下貴司でございます。
二度目、政務官時代を含めると三度目です。この中にも一緒に、本当に熱い日々を過ごした仲間がおられます。そうした皆様と一緒に法務行政を担ってきた、そういった経験もあります。ただ、初心に戻ってしっかりと取り組みたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
法務省は、国民に最も身近な民法や刑法をはじめ、各法令の基礎となる基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護などを任務としております。これらはいずれも国民生活の安全安心を守るための基盤となるものであり、我が国にとって極めて大切な任務であります。
私は、平成4年に検事に任官し、以後、平成22年に退官するまでの間、検事、刑事局付、国際刑事企画官、また、在外勤務の法務アタッシェとして、現場である検察庁や法務本省、在米日本大使館に勤務し、司法や法務行政等の職務に関わってまいりました。
また、国会議員に2012年になって以降、多くの議員立法や政策形成に携わってまいりましたけれども、思い返せば、そうした中において、ここにおられる方々を含め、法務省の先輩・後輩を含めた多くの仲間や先人に支えられてきました。改めて皆様に敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。そしてその感謝と敬意を持って、この法務大臣という職務に取り組んでまいりたいと思います。
今般、高市総理大臣からは11点、まず1つ目、「国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けた取組を推進する。」。
2、「差別や虐待のない社会の実現を目指し、個別法によるきめ細やかな人権救済を推進する。」。
3、「国家公安委員会委員長をはじめ関係大臣と協力して、「世界一安全な日本」をつくるため、刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援、犯罪被害者の支援、組織犯罪対策など、社会を明るくするための施策を総合的に推進する。」。
4、「冤罪被害の救済を徹底するため、再審制度見直しのために改正された刑事訴訟法の適正な運用を着実に推進する。」。
5、「我が国の領土・領海・領空の警戒監視について、関係大臣と緊密に連携し、緊張感を持って、情報収集を行うとともに、事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する。」。
6、「関係大臣と協力して、一定の専門性、技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに、在留管理を徹底する。あわせて、文部科学大臣をはじめ関係大臣と協力して、外国人が日本語や我が国の制度等を学習するプログラムの創設に取り組む。観光立国に相応しい入国管理の実現を図るとともに、長期収容・送還忌避の課題解消及び難民に準じて庇護すべき者に対する適切な支援に取り組む。」。
7、「外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣と協力して、不法滞在対策の強化、出入国の管理の徹底、外国人の受入れの基本的な在り方の検討等、共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める。」。
8、「女性が活躍し、すべての女性が輝く国づくりを進めるため、また、支援を必要とする女性が誰一人残されることのないよう、厚生労働大臣をはじめ関係大臣と協力して、男女共同参画基本計画で掲げられた目標の達成や女性の経済的自立の実現等に向けて取り組む。社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民共通の目標とし、国としてその環境を整備する。」。
9、「関係大臣と協力して、旧氏の使用の拡大・周知を一層推し進めるとともに、旧氏の単記も可能とする基盤整備を進める。」。
10、「関係大臣と連携して、我が国の法制度全体の総点検を実施し、時代の変化に適応した法制度への改革を推進する。」。
11、「あらゆる機会を捉えて、日本の製品・サービス・インフラの同志国への輸出を増やすための交流を行い、内閣全体で情報を共有するとともに、産業界に情報を提供する。」という、以上11点についてしっかりと取り組むよう御指示をいただきました。
これらはいずれも国民生活の安全・安心を確保する上で重要な課題であり、私としても、これらの課題に着実に取り組んでまいりたいと考えております。
これらの課題については、当然のことながら、私一人では対処することはできず、全国約5万5,000人の法務省職員の皆様と一致団結して取り組む必要があります。
そうした取組に際して、私の考え方を4点申し上げたいと思います。
1点目は、平口前法務大臣をはじめとする先人によって築き上げられ、国民に信頼されてきた法務行政をしっかりと引き継いでいくということでございます。
私事ではありますが、私は法務省を一度離れた人間であります。そしてまた、同期で一緒に任官した仲間にも法務省を離れた人間がたくさんおります。また、先輩たちもたくさんおられます。そうした離れた経験を持つ身からすると、例えて言うなら、宇宙から見た地球が美しいように、法務省が持っている責務、職務が本当に国民のために、そして日本のために必要であるということ、かけがえのない仕事であること、それは本当にそういった経験から自覚しているところでございます。
皆さんはまさに法務省を支える方々として、先人たちによって築き上げられ、国民に信頼されてきた法務行政をしっかりと引き継いでいただいておりますし、今後も引き継いでいただかなければならないと思っております。
私も職員の皆様と議論しながら、国民の皆様に寄り添うとともに、国民目線で分かりやすく国民の胸に落ちる法務行政の実現に取り組んでいきたいと考えております。
2点目は、法務省は霞が関の各省庁の中で特に人と向き合い、そして正義と向き合う省庁であるということであります。
まず、人と向き合うという点においては、犯罪やいじめ、虐待、ヘイトスピーチ等の被害者や加害者、それらの御家族の皆様など、傷つかれた方々や社会的弱者に寄り添い、手を差し伸べていくことが法務省に期待されている役割であります。
そのためにも、そうした方々の声に真摯に耳を傾け、どのようなことができるか、自ら考え、寄り添い、そして手を差し伸べていく、そうした法務行政を心がけていきたいと思っております。
そして先ほど申し上げたように、正義の省庁である、つまり法務省はMinistry of Justiceであります。それは正義の省庁ということでもあります。正義を実現する、数ある省庁の中で正義、法の支配を実現する省庁としてかけがえのない存在であるということであります。
そのような立場から、法務省は国民の生命、自由、財産をしっかりと守る基盤をつくる、そして守る省庁であり、こうしたものが失われたときには、正義・公正を取り戻す官庁であります。
そのことに思いを致したとき、昨今の様々な法務省に寄せられる厳しい御批判、これは法の支配、法務省の信頼を揺るがしかねないものであること。これを私とともに自覚していただき、厳正に対応していただきたいと思っております。
私が検事時代に先人から教わったのは、国民の胸に落ちる検察、国民を支える司法、国民のための検察ということを教えていただきました。これは法務行政全般にも、国民の胸に落ちる法務行政、国民を支える法務行政、国民のための法務行政、ということで通じる考え方だと考えております。これをぜひ皆さんと共有させていただきたいと思っております。
また、私の担務として、男女共同参画、女性活躍、そして新たに加わった法制度検証・改革という担務がございます。法務行政を司る法務大臣として職責を全うする以上、これらの担務、これは内閣全般に関わるものではありますけれども、法務省に先頭に立って取り組んでいただきたいと考えております。
最後に私の経験も踏まえて申し上げますと、今、皆様は様々な重要な任務をお持ちであります。様々な重要なポストを、役割を果たしてこられております。しかしながら、人生の中で皆様がそのポストにおられること、これは当たり前ですが、最後であります。同じポストを2度やることは人生においてありません。だとすれば、このポストで自分はこのようなことをやった、やり切った、そうした思い出に残る仕事をぜひやっていただきたいと思っております。一人ひとりがそのような思いで取り組んでいただければ、法務行政は必ず輝かしいものになると考えておりますし、私もこの一期一会の思いで、法務大臣としての職務に取り組んでいきたいと思います。
時代の変化の中で、法務行政を取り巻く困難な課題は日々生起しております。そのことに取り組んでおられる皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
私は全国約5万5,000人の法務省職員の皆様に、お支えいただきながら、様々な課題にしっかりと取り組み、皆様と一緒にこの重い任務を果たしてまいりたいと思います。
ぜひ一緒に、力を出していただきたいと思っております。
以上をもちまして、私の訓示とさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
二度目、政務官時代を含めると三度目です。この中にも一緒に、本当に熱い日々を過ごした仲間がおられます。そうした皆様と一緒に法務行政を担ってきた、そういった経験もあります。ただ、初心に戻ってしっかりと取り組みたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
法務省は、国民に最も身近な民法や刑法をはじめ、各法令の基礎となる基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護などを任務としております。これらはいずれも国民生活の安全安心を守るための基盤となるものであり、我が国にとって極めて大切な任務であります。
私は、平成4年に検事に任官し、以後、平成22年に退官するまでの間、検事、刑事局付、国際刑事企画官、また、在外勤務の法務アタッシェとして、現場である検察庁や法務本省、在米日本大使館に勤務し、司法や法務行政等の職務に関わってまいりました。
また、国会議員に2012年になって以降、多くの議員立法や政策形成に携わってまいりましたけれども、思い返せば、そうした中において、ここにおられる方々を含め、法務省の先輩・後輩を含めた多くの仲間や先人に支えられてきました。改めて皆様に敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。そしてその感謝と敬意を持って、この法務大臣という職務に取り組んでまいりたいと思います。
今般、高市総理大臣からは11点、まず1つ目、「国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けた取組を推進する。」。
2、「差別や虐待のない社会の実現を目指し、個別法によるきめ細やかな人権救済を推進する。」。
3、「国家公安委員会委員長をはじめ関係大臣と協力して、「世界一安全な日本」をつくるため、刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援、犯罪被害者の支援、組織犯罪対策など、社会を明るくするための施策を総合的に推進する。」。
4、「冤罪被害の救済を徹底するため、再審制度見直しのために改正された刑事訴訟法の適正な運用を着実に推進する。」。
5、「我が国の領土・領海・領空の警戒監視について、関係大臣と緊密に連携し、緊張感を持って、情報収集を行うとともに、事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する。」。
6、「関係大臣と協力して、一定の専門性、技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに、在留管理を徹底する。あわせて、文部科学大臣をはじめ関係大臣と協力して、外国人が日本語や我が国の制度等を学習するプログラムの創設に取り組む。観光立国に相応しい入国管理の実現を図るとともに、長期収容・送還忌避の課題解消及び難民に準じて庇護すべき者に対する適切な支援に取り組む。」。
7、「外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣と協力して、不法滞在対策の強化、出入国の管理の徹底、外国人の受入れの基本的な在り方の検討等、共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める。」。
8、「女性が活躍し、すべての女性が輝く国づくりを進めるため、また、支援を必要とする女性が誰一人残されることのないよう、厚生労働大臣をはじめ関係大臣と協力して、男女共同参画基本計画で掲げられた目標の達成や女性の経済的自立の実現等に向けて取り組む。社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民共通の目標とし、国としてその環境を整備する。」。
9、「関係大臣と協力して、旧氏の使用の拡大・周知を一層推し進めるとともに、旧氏の単記も可能とする基盤整備を進める。」。
10、「関係大臣と連携して、我が国の法制度全体の総点検を実施し、時代の変化に適応した法制度への改革を推進する。」。
11、「あらゆる機会を捉えて、日本の製品・サービス・インフラの同志国への輸出を増やすための交流を行い、内閣全体で情報を共有するとともに、産業界に情報を提供する。」という、以上11点についてしっかりと取り組むよう御指示をいただきました。
これらはいずれも国民生活の安全・安心を確保する上で重要な課題であり、私としても、これらの課題に着実に取り組んでまいりたいと考えております。
これらの課題については、当然のことながら、私一人では対処することはできず、全国約5万5,000人の法務省職員の皆様と一致団結して取り組む必要があります。
そうした取組に際して、私の考え方を4点申し上げたいと思います。
1点目は、平口前法務大臣をはじめとする先人によって築き上げられ、国民に信頼されてきた法務行政をしっかりと引き継いでいくということでございます。
私事ではありますが、私は法務省を一度離れた人間であります。そしてまた、同期で一緒に任官した仲間にも法務省を離れた人間がたくさんおります。また、先輩たちもたくさんおられます。そうした離れた経験を持つ身からすると、例えて言うなら、宇宙から見た地球が美しいように、法務省が持っている責務、職務が本当に国民のために、そして日本のために必要であるということ、かけがえのない仕事であること、それは本当にそういった経験から自覚しているところでございます。
皆さんはまさに法務省を支える方々として、先人たちによって築き上げられ、国民に信頼されてきた法務行政をしっかりと引き継いでいただいておりますし、今後も引き継いでいただかなければならないと思っております。
私も職員の皆様と議論しながら、国民の皆様に寄り添うとともに、国民目線で分かりやすく国民の胸に落ちる法務行政の実現に取り組んでいきたいと考えております。
2点目は、法務省は霞が関の各省庁の中で特に人と向き合い、そして正義と向き合う省庁であるということであります。
まず、人と向き合うという点においては、犯罪やいじめ、虐待、ヘイトスピーチ等の被害者や加害者、それらの御家族の皆様など、傷つかれた方々や社会的弱者に寄り添い、手を差し伸べていくことが法務省に期待されている役割であります。
そのためにも、そうした方々の声に真摯に耳を傾け、どのようなことができるか、自ら考え、寄り添い、そして手を差し伸べていく、そうした法務行政を心がけていきたいと思っております。
そして先ほど申し上げたように、正義の省庁である、つまり法務省はMinistry of Justiceであります。それは正義の省庁ということでもあります。正義を実現する、数ある省庁の中で正義、法の支配を実現する省庁としてかけがえのない存在であるということであります。
そのような立場から、法務省は国民の生命、自由、財産をしっかりと守る基盤をつくる、そして守る省庁であり、こうしたものが失われたときには、正義・公正を取り戻す官庁であります。
そのことに思いを致したとき、昨今の様々な法務省に寄せられる厳しい御批判、これは法の支配、法務省の信頼を揺るがしかねないものであること。これを私とともに自覚していただき、厳正に対応していただきたいと思っております。
私が検事時代に先人から教わったのは、国民の胸に落ちる検察、国民を支える司法、国民のための検察ということを教えていただきました。これは法務行政全般にも、国民の胸に落ちる法務行政、国民を支える法務行政、国民のための法務行政、ということで通じる考え方だと考えております。これをぜひ皆さんと共有させていただきたいと思っております。
また、私の担務として、男女共同参画、女性活躍、そして新たに加わった法制度検証・改革という担務がございます。法務行政を司る法務大臣として職責を全うする以上、これらの担務、これは内閣全般に関わるものではありますけれども、法務省に先頭に立って取り組んでいただきたいと考えております。
最後に私の経験も踏まえて申し上げますと、今、皆様は様々な重要な任務をお持ちであります。様々な重要なポストを、役割を果たしてこられております。しかしながら、人生の中で皆様がそのポストにおられること、これは当たり前ですが、最後であります。同じポストを2度やることは人生においてありません。だとすれば、このポストで自分はこのようなことをやった、やり切った、そうした思い出に残る仕事をぜひやっていただきたいと思っております。一人ひとりがそのような思いで取り組んでいただければ、法務行政は必ず輝かしいものになると考えておりますし、私もこの一期一会の思いで、法務大臣としての職務に取り組んでいきたいと思います。
時代の変化の中で、法務行政を取り巻く困難な課題は日々生起しております。そのことに取り組んでおられる皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
私は全国約5万5,000人の法務省職員の皆様に、お支えいただきながら、様々な課題にしっかりと取り組み、皆様と一緒にこの重い任務を果たしてまいりたいと思います。
ぜひ一緒に、力を出していただきたいと思っております。
以上をもちまして、私の訓示とさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
(以上)

