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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年6月12日(金)

 今朝の閣議においては,法務省案件として,「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況に関する報告」,「平成31年・令和元年団体規制状況の年次報告」についてが,それぞれ閣議決定されました。
 また,主意書に対する答弁書が3件ありました。
 続いて,私から4件報告がございます。
 まず1件目は,子どもの人権SOSミニレターについてです。
 今年度も,いじめや虐待といった子どもたちの悩みを的確に把握するため,「子どもの人権SOSミニレター」の配布を開始いたします。6月15日から,全国の小中学校などを通じて,約972万人の児童生徒を対象に配布予定です。
 ミニレターは,子どもたちが悩みごとを書いてポストに投函すると,人権擁護委員や法務局の職員が一通一通読んで,全てに返事をするものです。
 これまでもミニレターをきっかけに,子どもがいじめや虐待などから救われたという例がいくつもあります。
 特に今年度は,ミニレターによる取組を通じて,新型コロナウイルス感染症の影響で,長期間,学校に行けなかった子どもたちの不安や悩みに寄り添い,虐待やいじめなどの人権問題をしっかりと把握し,適切に対応していきたいと考えています。
 報道機関の皆様方には,一人でも多くの子どもたちを救うことができるよう,ミニレターの周知広報への御協力をお願いします。
 2件目は,外国人在留支援センターの開所についてです。
 来月6日,新宿区内のJR四ッ谷駅前に,外国人の在留を支援する国の機関を集約させた拠点を開所いたします。その名称は,「外国人在留支援センター」,英語名で"Foreign Residents Support Center",通称「FRESC(フレスク)」です。こちらが,センターのロゴマークです。
 本センターは,昨年12月に改訂された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に盛り込まれている施策の一環として,外国人の受入れ環境の整備を,一層総合的かつ効果的に進めていくことをねらいとしています。
 本センターには,法務省関連では,出入国在留管理庁,東京出入国在留管理局,東京法務局人権擁護部及び法テラスが入居し,外務省,厚生労働省,経済産業省の3省の機関も入居予定です。
 これらの機関が,1か所に集まった強みをいかして連携しながら,外国人からの相談対応,外国人を雇用したい企業の支援,外国人支援に取り組む地方公共団体の支援などの取組を行います。
 法務省としては,引き続き,関係省庁等と緊密に連携しながら,我が国の重要課題の一つである外国人の受入れ環境の整備について,積極的に取り組んでまいります
 3件目は,「不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース」の開催についてです。
 養育費不払い問題の解消に向けた新たな検討体制として,本日,法務省と厚労省の担当者を構成員とする「不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース」の第1回会議を開催いたします。
 このタスクフォースでは,養育費の立替払いや強制徴収等の新たな公的支援の在り方や,不払い養育費の解消に向けて実施可能な支援策等について,検討を進めてまいります。
 今後とも,厚労省を始めとする関係省庁等と連携して,養育費の不払い問題に,スピード感を持って,取り組んでまいります。
 最後に4件目は,矯正施設におけるシミュレーション訓練の実施についてです。
 矯正施設における新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の更なる徹底のため,本日,京都刑務所において,「法務省危機管理専門家会議」の専門家の方々の立会の下,感染者が発生したことを想定したシミュレーション訓練を行います。
 訓練では,ゾーニング,防護服着脱,消毒等の実技訓練を行い,専門家の方々から直接御指導をいただく予定です。
 また,この訓練の様子や,受刑者によるマスクや医療用ガウン等の製作などについて,マスコミの皆様に公開することとしております。
 6月15日にも,福岡刑務所において,同様のシミュレーション訓練を行う予定です。
 矯正施設では,本年4月16日以降,職員や被収容者に新たな感染が確認されていない状況が続いており,今後も引き続き,新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に万全を期してまいりたいと考えております。

「法務・検察行政刷新会議(仮称)」に関する質疑について

【記者】
 「法務・検察行政刷新会議(仮称)」について,現時点で決まっていることを教えてください。

【大臣】
 「法務・検察行政刷新会議(仮称)」について,鋭意準備中でございます。本日,新たにお知らせする事柄はございません。

性犯罪・性暴力対策強化に関する質疑について

【記者】
 昨日開かれた「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」で,性犯罪で有罪判決を受け仮釈放中の人たちにGPS装着を義務づける案などが示されましたが,法務省の今後の取り組み方針を教えてください。

【大臣】
 「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」には,仮釈放中の性犯罪者等にGPS機器の装着を義務付けることを含め,新たな再犯防止対策の検討も盛り込まれました。
 性犯罪者にGPS機器の装着を義務付けることについては,諸外国において,同様の制度を導入している例がある一方,プライバシー権などとの関係で課題を指摘する声もあると認識しています。
 法務省においては,「強化方針」を踏まえ,今後,どのような場面で,どのようにGPS機器を活用し得るかを含め,まずは,諸外国の法制度・運用や技術的な知見等を幅広く調査等をした上で,必要な検討を進めてまいりたいと思います。

「外国人在留支援センター」に関する質疑について

【記者】
 7月に設置される「外国人在留支援センター」について,期待される役割と,外国人の受入れ環境の整備に向けた今後の取組方針について教えてください。

【大臣】
 「外国人在留支援センター」では,単に外国人個人の支援のみならず,地方を含む外国人を雇用した企業の支援,外国人からの相談対応,外国人支援を担当する地方公共団体の職員への研修や情報の共有といった全国の地方公共団体への支援などの業務を行う予定です。
 本センターは,これらの業務を通じて,外国人の在留そのものを支援し,外国人の受入れ環境の整備を一層総合的かつ効果的に進めていくための拠点となると考えています。
 法務省としては,引き続き,関係省庁等と緊密に連携しながら,我が国の重要課題の一つである外国人の受入れ環境の整備について,積極的に取り組んでまいります。

「不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース」に関する質疑について

【記者】
 養育費タスクフォースについて,今回が初回ですが,それに向けた期待を一言お願いします。

【記者】
 養育費の不払い問題については,我が国における回収状況が諸外国の中でも少ない中で,私の下に大臣直轄の勉強会を設けて検討してまいりました。
 その結果として,法務省と厚労省のタスクフォース,それから,法務省内での検討会議の2つが生まれました。そのうちの1つであるタスクフォースが,今日初回を迎えます。
 タスクフォースでは,すぐやれることを厚労省と協力して取り組むことによって,不安を抱えているひとり親の家庭,そして,その家庭にいる子どもを支援していこうということで,私自身もこの取組に高い期待を寄せております。厚生労働大臣とも話し合っていますが,厚労省と連携しながら強力に取り組んでまいりたいですし,そして,また新たな制度等がその中で生まれてくる可能性もあると思っています。
(以上)