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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年10月27日(火)

 今朝の閣議におきまして,法務省案件はございませんでした。
 続きまして,私から1件御報告がございます。
 公安調査庁から,10月26日(月曜日),無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づき,観察処分に付されている,いわゆるオウム真理教に対する処分の期間更新請求を,公安審査委員会に対して行った旨の報告を受けました。
 平成12年の観察処分決定当初,同処分の期間は3年間と定められたところ,その後6回にわたり同期間の更新決定がなされ,今回7回目の更新請求になるとのことでございます。
 公安調査庁によれば,被請求団体には,今もなお,無差別大量殺人行為に及ぶ危険性が認められ,引き続き,その活動状況を継続して明らかにする必要があるとのことでございます。
 今後は,公安審査委員会において,迅速かつ適正な審査が行われるものと期待しております。

第203回臨時国会に関する質疑について

【記者】
 菅内閣として初めての国会となる臨時国会が昨日召集されましたが,大臣としてどのような姿勢で臨むのかについて,お願いいたします。

【大臣】
 菅内閣は,発足以来,「国民のために働く内閣」として,国民の目線に立ち,行うべき施策をスピード感を持って実行に移しているところでございます。
 私も,菅内閣の閣僚の一員として,「一筆書きキャラバン」などを通じて,法務行政の現場の実情,実務のニーズ,そして国民の声を把握しながら,法務省職員とワンチームになって,法務行政を進めてまいりました。
 法務行政を預かるに当たり,これまでと変わらず,「法の支配の貫徹」と「誰一人取り残さない社会」の実現を目指すという考えにのっとり,具体的な施策としては,新型コロナウイルス感染症対策,多文化共生社会の定着,様々な困難を抱えた方々への取組の推進,法務行政のデジタル化, 国際化の推進などを重点的な事項といたしまして,他の諸課題についても,一つ一つ丁寧に取組を進めているところでございます。
 私は,これらの取組に当たりましては,旧来の考え方ややり方に捕らわれることなく,しっかりとした現状分析と評価の上で,PDCAサイクルをしっかりと回しながら,法務行政のイノベーションを図ってまいりたいと考えております。
 臨時国会におきましては,このような取組や考え方につきまして,真摯かつ丁寧に御説明をさせていただきながら,国民の皆様に法務行政への御理解と信頼をいただくことができますよう,全力で取り組んでまいりたいと考えております。

「一筆書きキャラバン」に関する質疑について

【記者】
 今,「一筆書きキャラバン」のこともおっしゃいましたが,先日,名古屋入管や拘置所を回られたと思います。特に入管行政は,先日1人急にお亡くなりになった方もいらっしゃったということもあって,いろいろな意見交換をされたのではないかと思いますが,印象に残ったことですとか,改善点がございましたらお願いします。

【大臣】
 「一筆書きキャラバン」につきましては,特にコロナ禍におきまして,様々な現場の皆さんが,感染を防止するための施策や体制,また入管行政や刑事施設のマネジメントも含めて,大変緊張感を持って取り組んでいるということであります。それぞれ,国民の皆さんの安全・安心と命を守る最前線で頑張っていらっしゃる方々との意見交換は大変重要で,様々な現場の雰囲気,意識,行動などといったものも明らかになりつつ,意見交換等をさせていただくことができました。
 具体的な提案が数々出されてきているところですが,私といたしましては,現場の様々な提案についてしっかりと解決して,現場の実務がスムーズに動くことができるように,対応してまいりたいと思っております。

技能実習生等への支援に関する質疑について

【記者】
 もう少し具体的な話を聞きたかったのですが,また改めます。
 昨日の菅総理の臨時国会での所信表明演説の中では,コロナ災害で生活に困窮している方の生活支援対策といったようなことについて,具体的な言及はありませんでした。その中には技能実習生や外国人労働者の方ですとか,留学生といった方で,生活に困窮し帰国もできない方もたくさんいらっしゃると思うのですが,菅総理は10月下旬にベトナムとインドネシアを訪問されて,首脳会談をされたり,大学でスピーチを行ったりしているのですが,生活困窮に陥って帰国できない方,技能実習生とか特定技能の方や留学生,そういった方の支援について,外務省のホームページを見ますと,コロナ禍で生活に困窮している技能実習生や留学生などの在日ベトナム人への支援を行っていると日本側から述べて,それに対して感謝の言葉もあったというようなことも書いてあるのですが,現実問題として,在留期限が切れてしまって,仮放免状態で就労も許可されず,帰国もできない状態の元技能実習生や留学生などが,8月末時点では2万人以上いるという報道も数多くありました。そういった具体的な状況について,菅総理が各国首脳と話をされたのか,上川大臣と,訪問される前にいろいろな情報交換,首相に対して情報提供をしたり,あるいは帰国した後,そういったことについて話し合われたのかどうか,大臣がお分かりの範囲で教えていただきたいと思います。

【大臣】
 菅総理がベトナムを訪問されました。フック首相との詳細なやり取りについては,私は同席しておりませんので,承知をしていないところですが,御指摘のような内容につきましては,ホームページ等で外務省から発信していると存じ上げており,コロナ禍で生活に困っている技能実習生や留学生などの在日ベトナム人に対しまして,我が国が実際に行っている支援についてのやり取りがなされたと承知しているところです。
 また,10月16日の会見においてお話した,帰国困難な留学生に就労を認める取扱いの対象の拡大につきましては,ベトナム訪問に先立ちまして,法務省から,菅総理に御報告をしているところでございます。
 元技能実習生や留学生の皆さんに限らず,新型コロナウイルス感染症の影響によりまして,様々な困難を抱える在留外国人の方々がいらっしゃるということについて,どのような困難を抱えていらっしゃるのか,それに対してどういう対応をとるべきかということについては,日々心を砕いて動いている状況でございます。
 先ほど御指摘がありましたが,名古屋出入国在留管理局にも行かせていただきました。「一筆書きキャラバン」の趣旨は,「誰一人取り残さない」ということで行かせていただいているところですので,そうした在留外国人の方々と日頃から接している現場の皆さんの声をしっかりと把握した上で,出入国在留管理庁に対しまして,どのような対応が可能か,在留外国人の置かれた状況に十分な配慮をしながら,迅速な対応を検討するよう指示をしているところでございます。
(以上)