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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和3年12月14日(火)

 今朝の閣議において,法務省案件として,「民法等一部改正法」,「相続土地国庫帰属法」及び「会社法一部改正法」の施行日を定める政令が閣議決定されました。
 これらの閣議決定に関連して私から報告があります。
 まず,「民法等一部改正法」及び「相続土地国庫帰属法」の施行日を定める政令に関する閣議決定についてです。
 所有者不明土地問題は,我が国における土地の適切な管理・利用を妨げる極めて重大な問題であり,抜本的な解決を図らなければなりません。
 この問題の解決に向けて,本年4月に民法・不動産登記法の改正法,相続土地国庫帰属法が成立しました。
 本日,閣議決定された政令において,具体的な施行日については,制度ごとの準備期間等を考慮し,令和5年4月又は令和6年4月に設定しています。
 詳細は,民事局にお尋ねいただきたいと思いますが,国民の皆様への影響も大きい相続登記の義務化については,令和6年4月1日の施行としております。
 なお,住所等の変更登記の義務化については,今後,改めて施行日を定めることとしています。
 これらの新制度の円滑な実施には,その内容や意義について,広く国民の皆様の御理解が必要です。
 法務省では,新制度を紹介するポスター・パンフレットを新たに作成するとともに,職員手作りのキャラクター「トウキツネ」が登場するマンガ形式のQ&Aなども使い,周知・広報に努めており,これらの資料は,法務省ホームページでも公表しています。
 次に,会社法一部改正法の施行日を定める政令に関する閣議決定についてです。
 この政令は,令和元年12月に成立した会社法一部改正法のうち,現時点で未施行となっている株主総会資料の電子提供制度の創設等について施行日を令和4年9月とするものです。
 この制度により,株主に対して早期に充実した内容の資料が提供されるとともに,株式会社における時間とコストが削減されることを期待しています。
 法務省としては,これらの法律の円滑な施行に向けて,周知・広報に努めてまいります。

所有者不明土地問題に関する質疑について

【記者】
 所有者不明土地問題に関連してお尋ねします。冒頭の御発言でもありましたけれども,相続登記の義務化等が始まる日程が決まりました。
 これらの新制度の周知には,法務省だけの取組にとどまらず,全国の自治体や経済界との連携が必要だと思いますけれども,大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 先ほども申し上げましたように,所有者不明土地問題は,土地の適切な利用や管理を妨げ,我が国の国土の保全にも関わる,先送りが許されない重大な課題だと考えています。
 今般の改正法は,相続登記の義務化など,国民の皆様の生活にも大きく影響するため,その周知・広報は,極めて重要だと考えています。
 御指摘のように,自治体,専門資格を持った関係団体,経済団体等とも連携を密にして,十分な周知・広報活動をしていかなければならないと考えています。
 先月,都城市において市長と対談をさせていただきましたが,都城市では,死亡届を受理するときに,「おくやみハンドブック」というガイドブックを市民の皆様に提供しており,その中に,相続登記についての情報も盛り込んでいただいています。
 このように,自治体や,専門資格を持っている方々の団体,あるいは経済団体等との連携が非常に大事だと思っており,今後とも先頭に立って,取組を進めていきたいと思っています。

会社法一部改正法に関する質疑について

【記者】
 冒頭に発言もありましたように,会社法を改正する法律の一部の施行期日が決まりました。内容の意義や受け止めについて,より詳しくお伺いできる点があればお願いしたいと思います。

【大臣】
 令和元年12月に成立した会社法一部改正法のうち,現時点で未施行となっている株主総会資料の電子提供制度の創設等について,本日の閣議決定をもって,その施行日が令和4年9月1日と定められました。
 この制度により,株主に対して早期に充実した内容の資料が提供されるとともに,株式会社における時間とコストの削減という効果が期待されると思っています。
 これで,改正会社法の全ての規定について施行日が定められたことになり,改正会社法が,コーポレート・ガバナンスの一層の向上につながっていくことを期待しています。
(以上)