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令和4年4月26日(火)

法務大臣閣議後記者会見の概要

 今朝の閣議において、法務省案件として、「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針の一部変更について」、「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針の一部変更について」及び「借地借家法施行令」が、それぞれ閣議決定されました。
 続いて、私から、ウクライナ避難民の方々に対する案内資料の発送について報告があります。  
 本日、入管庁において、避難民の方々に、新たな内容を加えた支援等に関する案内資料を追加送付いたします。  
 具体的な追加内容は、ウクライナ避難民であることの証明書を発行・送付すること、地方公共団体に対して、その地域に所在するウクライナ避難民の方々の情報を提供すること、希望する方に、ウクライナ大使館の保有するAI翻訳機「ポケトーク」を同大使館から発送することなどについてお伝えするものです。  
 この追加資料の内容についても、事務連絡を通じて全国の自治体に情報共有いたします。   
 引き続き、政府一丸となって、避難民の方々にしっかりと寄り添った支援に努めてまいります。

侮辱罪の厳罰化に関する質疑について

【記者】
 国会審議入りした侮辱罪の厳罰化について伺います。
 厳罰化の改正案について、野党からは、政府による「言論弾圧」につながりかねないですとか、修正も含めて見直しを求める声が出ています。かつ、改正案について、「公共性がある場合は罰しない」などの規定がないことを問題視する声もあります。このような意見に対し、どのようにお考えでしょうか。また、修正に応じる可能性はあるのかについてもお聞かせください。

【大臣】
 表現の自由は、憲法で保障された極めて重要な権利です。これを不当に制限することがあってはならないのは当然のことだと考えています。
 今般の侮辱罪の法定刑の引上げは、悪質な侮辱行為に対して厳正な対処を可能とするものであって、構成要件に変更はなく、処罰の対象となる行為は変わらない上、当罰性の低い行為まで一律に重く処罰する趣旨ではありません。
 法制審議会の議論でも、侮辱罪の法定刑を引き上げても、正当な表現行為が処罰されないことには変わりがないこと、捜査当局においてもその趣旨を踏まえて表現の自由に配慮していくことが確認されています。
 国会審議においては、政府としての考え方などをしっかりと御説明していきたいと考えています。

特定技能の製造3分野の統合に関する質疑について

【記者】
 冒頭の発言で発表がありました特定技能1号の製造分野の統合についてお伺いします。
 製造分野の統合に至った要因について、また、その背景について詳しい説明をお願いいたします。

【大臣】
 本日の閣議において、製造3分野、すなわち、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3分野を統合して「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」とすることが決定されました。
 今後、関係省令等を改正した上で、新分野での受入れが開始する予定となっています。
 製造3分野の統合については、コロナ禍における特定技能外国人の受入れ状況等を踏まえ、分野を所管する経済産業省から要請されたものであり、その趣旨等の詳細については経済産業省にお尋ねいただきたいと思います。
 いずれにしても、引き続き、特定技能制度が制度趣旨に沿って適正に運用されていくよう、関係省庁とともに適切に対応してまいりたいと存じます。

ウクライナ避難民への案内資料の発送に関する質疑について

【記者】
 ウクライナ避難民への案内資料の発送についてですが、今回、避難民を証明するカードも作られたと思います。今後、更にどういった分野で、よりきめ細やかな支援が可能になるとお考えでしょうか。

【大臣】
 避難民の方々は、日本においでになって様々な不安を抱えていると思います。大事なことは、それぞれのニーズをきちんと把握して、そこに寄り添った支援に努めるということになろうかと思います。ですから、具体的にあらかじめ予断を持って、これとこれということではなく、絶えずニーズの把握に努めながら適宜対応していきたいと考えています。

補完的保護対象者の認定制度に関する質疑について

【記者】
 準難民の補完的保護の制度に関連してお伺いします。
 補完的保護の要件に、迫害を受けるおそれがあるという、十分理由もある恐怖を有しているということが、難民と同様に、条約上の項目として設けられています。この項目が、各支援者・連合団体に聞きますと、迫害を受けるおそれがある、十分に理由があることを、その難民が個別にしっかり説明しない限りは、なかなか現行法上裁判所でも難民認定はされていないと。つまり個人が必要にターゲットとなり、迫害のおそれだとか恐怖を有している状況を証明しないと、なかなか認定されないというのが、今の日本の裁判所及び入管側の主張の中で非常に壁となっていると聞いております。全くこれと同じ要件を今回補完的保護で救えるのだと言っているのですけど、全く同じ要件が今回の準難民の認定の要件も入り込んでいるのですね。ということは、難民でそもそも認定されていない人たちを、同じ要件を入れているのにもかかわらず、今度は救えるのだという主張は、条約上の解釈からしても、非常におかしいのではないのかと。これは再三担当者にも入管の人にも聞いているのですけど、最終的に大臣が繰り返し運用上できるんだと言っている限りできるのですよという主張なのですが、つまり法的な解釈から言えば、今まで認めてこなかった部分で今度は準難民の中では、この同じ要件で認められるのだという主張が、つまりその弁護団とか法的な解釈からいうと非常におかしなことになるのではないかと言っているのですね。この点について、大臣御説明できるでしょうか。

【大臣】
 補完的保護対象者の認定制度の創設については、具体的な内容を今この時点で詳細に御説明することは困難です。
 しかし、考え方として申し上げますと、先の通常国会に提出した入管法改正案の中に補完的保護対象者の認定制度が盛り込まれていましたが、これは、難民条約の適用を受ける「難民」には該当しないものの、同様に人道上の配慮を要する者を保護するための制度として創設を考え、入管法改正案に盛り込んでいたものです。例えば紛争避難民など、難民条約上の5つの理由以外の理由で迫害を受けるおそれがある者を保護できるように、そのような趣旨で定義を定めていたところです。法務省としては、この定義によって、難民同様に人道上の配慮を要する者を適切に保護できると考えており、必ずしもこの定義が狭すぎるとは考えていなかったところです。
 先ほど申しましたように、詳細については、今なお検討を更に加えていく途上です。やはり大事なことは、真に庇護を必要とする者を適切に保護することが可能になる法整備に努めたいと、その考えを持って、検討を進めていきたいと考えています。

ウクライナ以外の国の避難民等への支援策に関する質疑について

【記者】
 先週、アフガニスタン各地のモスクや学校で、少数民族のハザラ人を狙ったISIS(イスラム国)の爆破テロ事件が相次いで、多数の死傷者が出ました。国内外の新聞とかでも報道されています。シーア派のハザラ人は、ISからもタリバン政権からも迫害されていて、日本に来ている、既にいる難民の方たちもハザラ民族の方がたくさんいらっしゃいます。今回の爆破テロ事件の被害者の親族が日本にもいて、被害に遭った家族を日本に呼び寄せたいと考えていらっしゃいます。ただ、自力で来日して日本で難民申請するのは、受け入れられるハードルが高いと。それで、今現在、日本大使館やJICAの現地スタッフだったアフガニスタン人約500人が、タリバンのカブール制圧以降、日本に避難していると報道を通じて存じています。入管庁も「本国情勢を踏まえたアフガニスタンの方への対応」を公表されています。しかし、日本に受け入れられている人たちは500人と、非常に限定されている状況です。
 ウクライナ避難民は、冒頭でも説明がありましたが、様々なきめ細やかな受入体制を作っていらっしゃいます。身元保証人なしでも受け入れたり、在外公館でビザ発給手続を簡素化したり、渡航支援ですとか、渡日後の生活支援も様々ありますが、ウクライナ避難民以外、アフガン難民やミャンマー難民などに対しても、このような支援対策を今後政府全体で検討していくことは考えていらっしゃるのでしょうか。
 そして、なぜこのようにウクライナ避難民と、他の日本に難民庇護を求めている人たちに対する格差が生じているのか、もし政治的・外交的な背景があれば、ぜひ大臣の考えを伺いたいです。

【大臣】
 今回のロシアによるウクライナ軍事侵攻は、「法の支配」や「基本的人権の尊重」といった普遍的原理に基づく国際秩序を破壊する行為であり、断じて容認することはできません。
 UNHCRの発表によりますと、ウクライナから近隣国等に避難した方々は4月24日現在で約523万人に達しているとされています。
 このような未曾有の人道危機に直面しているウクライナとの更なる連帯を示すため、我が国は、ウクライナから第三国に避難された方々の受入れを進めているところです。
 ウクライナ避難民に対する現在の我が国の対応は、ウクライナが瀕する危機的状況を踏まえた緊急措置として、避難される方々にまずもって安心できる避難生活の場を提供するべく、政府全体として取り組んでいるものです。
 そのため、現在のウクライナの方々への対応と、それ以外の方々への対応は、一概に比較できるものではないと考えています。
 法務省では、難民条約上の5つの理由以外の理由により迫害を受けるおそれがある者を「補完的保護対象者」として認定し、保護する制度の導入を検討しています。
 いずれにせよ、海外から我が国に避難してきた方に対しては、本国情勢等を踏まえて、個々の置かれた状況等にも配慮しながら、政府全体として、適時・適切に対応していきたいと考えています。
(以上)