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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年5月27日(金)

 今朝の閣議において、法務省案件として、主意書に対する答弁書が1件ありました。
 続いて、私から報告があります。
 まず、ウクライナ避難民の方々に対する支援等について、3点申し上げます。
 1点目は、マッチングの成立についてです。
 昨日(5月26日)、一時滞在施設に滞在中のウクライナ避難民4世帯9名の方々について、新たに、神奈川県内の自治体による受入れ、東京都内、長崎県内及び福岡県内での企業による受入れが、それぞれ決定しました。
 引き続き、避難民の方々の希望・ニーズをきめ細かく酌み取り、最適なマッチングをスピード感を持って進めてまいります。
 2点目は、「ウクライナ避難民の入国者数等に関する情報」及び「生活就労ガイドブックのウクライナ語翻訳」のホームページでの公表についてです。
 ウクライナ避難民の方々に対しては、多くの自治体・企業等から支援の申出をいただくなど、高い関心が寄せられており、そうした状況も踏まえ、入国者数や各都道府県ごとの滞在人数等について、入管庁のホームページで公表することとしました。
 具体的には、累計の入国者数、都道府県別の在留者数、一時滞在施設の入所者数、住居支援等に係るマッチング成立人数、支援申出件数などを公表します。
 また、生活就労ガイドブックの全ての章のウクライナ語への翻訳が完了したため、これも入管庁ホームページに公表しました。
 このガイドブックを御活用いただくことによって、避難民の方々が日本のルールや制度の概要を把握することができます。
 3点目はウクライナ避難民の方々に対する案内資料の発送についてです。
 今般、就労が認められていない形態の飲食店において、避難民の方が働いていた事案が発生しました。これを受け、入管庁では関係機関と連携の上、必要な対応を行うとともに、昨日、避難民の方々に、日本で安全に生活していただくための案内資料を追加送付しました。
 この追加資料には、「特定活動」の在留資格で働く上での注意事項などを記載し、同種事案が再び起こることのないよう迅速に注意喚起しました。
 さらに、ウクライナ避難民の方々が人身取引の対象とされるリスクが世界的に懸念されていることを踏まえ、この資料には、人身取引の被害者とならないために注意すべきことも記載してあります。
 加えて、入管庁では、受入支援担当に対して、直接避難民の方々から聞き取りを行うなどして、トラブルや困り事の有無についても的確に把握するよう指示をしています。
 引き続き、政府一丸となって、避難民の方々が安全かつルールにのっとった生活を送ることができるように、しっかりと寄り添う支援に努めてまいります。
 次に、法制審議会戸籍法部会の中間試案に係るパブリックコメントの開始について申し上げます。
 法制審議会戸籍法部会では、令和3年11月から、戸籍に氏名の読み仮名を記載するなどの戸籍法令の見直しについて、調査審議が進められ、今月17日、中間試案が取りまとめられました。
 本日、この中間試案に係るパブリックコメントの手続を開始します。
 氏名の読み仮名の法制化については、行政手続における個人の識別が、より簡易・迅速に行えるなど、大きな意義を有するものと考えており、パブリックコメントの結果も踏まえ、引き続き充実した調査審議が行われることを期待しています。
 次に、面会交流に関する動画の公開について申し上げます。
 父母の別居や離婚後に、安全・安心な形で親子の交流が実施されることは、子の健やかな成長を図る観点から重要です。
 そこで、法務省では、その取決め方法、実施時の注意点などを分かりやすく説明する動画を制作し、昨日(5月26日)、動画配信サイトYouTubeの法務省公式チャンネルで公開しました。
 この動画では、離婚をする場面や実際に親子の交流を行う場面など、場面ごとに分かりやすい説明をしており、この問題に悩んでおられる皆様に広く御覧いただき、参考にしていただきたいと思います。
 最後に、公安調査庁による経済安全保障分野での取組について申し上げます。
 公安調査庁は、「経済安全保障の確保に向けて2022~技術・データ・製品等の流出防止~」を作成しました。このパンフレットは、技術・データ等の流出リスクやこれを防止するための同庁の取組について、広く国民の皆様に御理解を深めていただくことを目的とするもので、企業・大学等向けの相談・連絡窓口についても掲載しています。広く国民の皆様に御活用いただければと思っています。
 また、経済安全保障分野における官民連携の一環として、6月2日、日本経済団体連合会と公安調査庁の共催で、「経済安全保障をめぐる課題と対応~技術流出防止に向けて~」と題するシンポジウムを開催いたします。
 本シンポジウムには、企業・大学関係者に御参加いただき、公安調査庁の取組について御紹介するとともに、駐日米国大使館からも技術流出防止に向けた取組について御講演いただきつつ、意見交換等を行う予定です。本シンポジウムが、経済安全保障分野における官民、そして日米の更なる連携強化の一助となることを期待しています。

ウクライナ避難民の受入れに関する質疑について

【記者】
 ウクライナ避難民について、現時点での受入れの総数と、一時滞在施設に滞在している人数をそれぞれ教えてください。
 また、先ほど就労のお話もありましたが、各自治体等で本格的な受入れが進む中で、新たに生じている課題やその対応策があれば教えてください。

【大臣】
 避難を目的として本邦に入国した方は、3月2日以降、5月25日までの速報値で1,055名となっています。
 また、一時滞在施設には、5月25日24時現在、73名の避難民の方が滞在されています。
 避難民の方々に寄り添った適切な支援を提供していくために、支援ニーズを適時・適切に把握していくことが重要な課題だと考えています。
 そのため、入管庁では、一時滞在施設に滞在中の方々と受入れ先の自治体等とのマッチングに当たっては、希望する支援内容や居住環境などについてきめ細かく聴き取りを行うとともに、自治体等が対応可能な支援項目の詳細等についても聴き取りを行っているところです。
 また、地方入管官署には、都道府県単位でウクライナ避難民受入支援担当を配置し、必要に応じて同担当が対面で相談に応じたり、自治体等との情報共有を進めるなどすることとしています。
 さらに、日本国内で就労する避難民の方々も増えてきている中で、冒頭申し上げましたように、就労の認められない形態の飲食店での稼働事例も生じています。
 そうした事例を防ぐため、入管庁では、避難民の方々への適切な情報提供や就労実態の把握等に努め、仮に不適切な事例を把握した場合には、関係機関と連携し、速やかに対応していくこととしています。
(以上)