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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年5月31日(火)

 今朝の閣議において、法務省案件として、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況に関する報告」及び「令和3年団体規制状況の年次報告」が閣議決定されました。
 特に、団体規制法に関する報告では、被処分団体であるいわゆるオウム真理教に対する観察処分の7回目の期間更新が決定されたことを始め、観察処分の実施状況、「Aleph」に対する再発防止処分の請求・撤回状況等について報告しました。
 公安調査庁においては、引き続き、観察処分の適正かつ厳格な実施等を通じて被処分団体の実態を明らかにするとともに、地域住民を始め、国民の皆様方の不安感の解消・緩和に努めていくものと承知しています。
 続いて、私から4件報告があります。
 1件目は、「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」についてです。
 平成28年に成立した刑事訴訟法等一部改正法が施行されてから、明日(6月1日)で3年となります。
 そこで、同法の附則第9条による検討に資するものとして、刑事法研究者等の有識者、裁判官、弁護士、検察官、警察庁及び法務省の担当職員を構成員として、実務の運用状況を共有しながら意見交換を行い、制度・運用における検討すべき課題を整理するため、「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」を開催することとしました。
 刑事手続の在り方は、国民の生活の基盤となるものであり、構成員の方々には、その専門性、高い見識、広い視野をいかして、充実した協議を行っていただくことを期待しています。
 2件目は、外国人の受入れに関する取組についてです。
 先週5月27日、岸田総理大臣及びマレーシアのサブリ首相立ち会いの下、サラバナン人的資源大臣との間で、特定技能制度の円滑・適正な運用等を目的とする協力覚書の交換を行いました。
 協力覚書の作成に至った国は、マレーシアで14か国目となりました。
 法務省としては、これらの協力覚書による情報共有や協議の枠組みを活用し、引き続き関係省庁と連携して、特定技能制度の円滑・適正な運用に努めてまいります。
 3件目は、外国人技能実習制度における行政処分についてです。
 入管庁では、本日、岡山市の監理団体1者を含む実習実施者及び監理団体について、行政処分等を行います。
 本年2月には、岡山市の実習実施者1者について、技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行ったことにより、技能実習計画の認定の取消しを行ったところですが、先の岡山市の監理団体は、この実習実施者の実習監理を行っていた監理団体です。
 技能実習生に対する暴行等の人権侵害行為は決してあってはならないことであり、この監理団体については、監査を適切に行っていなかったことや技能実習生からの相談に適切に応じていなかったこと等から、監理団体の許可を取り消しました。
 今後とも、不適正な事案に対しては、監理団体等に対する指導、勧告や行政処分等を通じて厳格に対応し、技能実習制度の適正な実施を徹底してまいります。
 4件目は、新型コロナによる帰国困難者に対する特例措置の見直しについてです。
 入管庁では、これまで、本邦に在留する外国人のうち、新型コロナの感染拡大の影響により、本国等への帰国が困難と認められる者について、本邦での在留が可能となるよう、「特定活動」等の在留資格を許可してきました。
 昨今の新型コロナの国内外における感染状況や、外国人出入国者数が着実に増加している状況等を踏まえて、この措置を見直すこととしました。
 具体的には、帰国困難を理由とした在留許可の措置について、現に有する在留期限が本年6月30日以降に満了する方については、帰国準備に必要な在留期間を認めた上で、更なる更新は認めないなどの措置を新たにとることとします。
 対象となる外国人の方には、このような措置をとることを、あらかじめ丁寧に説明した上で、一定の時間的猶予の中で帰国準備を進めていただくように促していくこととしています。
 法務省としては、個々の外国人の置かれた状況に配慮しつつ、円滑な帰国が進むよう尽力してまいります。

外国人技能実習制度に関する質疑について

【記者】
 冒頭、岡山市での技能実習生暴行に関して、監理団体の認可の取消しについて御発言がありました。監理団体は技能実習生を保護する役割を担っていますが、そのチェック機能を高めるために、指導や行政処分以外にどのような取組を行っていくか、お考えをお聞かせください。

【大臣】
 監理団体が適正に機能せず、技能実習生に対する暴行や暴言を繰り返すという極めて悪質な人権侵害事案が発生したことは、制度そのものに内在する重大な問題だと認識しています。
 今回の事案を受けて、本年1月には入管庁等から監理団体に対して、実習実施者における不適正な対応の有無を確認し、人権侵害行為等を把握した場合には、速やかな技能実習生の保護と、技能実習機構への確実な報告・相談を行うことなどについて改めて注意喚起を実施しました。
 まずは、関係機関が一体となって迅速な情報共有に努め、指導や行政処分に当たることが肝要です。
 技能実習制度の在り方については、様々な立場から、賛否を含め多様な御意見・御指摘があるものと承知しています。
 現在、技能実習法の附則等において求められている検討の時期に、まさに差し掛かっており、特定技能と合わせて、その課題等を把握するため、法務大臣勉強会を開催しているところです。
 私としては、制度の適正化や技能実習生の保護の取組を徹底しつつ、虚心坦懐に様々な御意見を幅広く伺った上で、制度の良いところも悪いところも率直に認め、改めるべきは改めるという誠実さを旨として、厚生労働省などとも連携し、制度の在り方について検討を進めていきたいと考えています。

公証人による定款認証手続に関する質疑について

【記者】
 公証人の問題についてお尋ねします。株式会社などの定款認証の手続をめぐって、公証人が面前確認を怠った事例が複数発覚しました。この問題が起きたことに対する大臣の受け止めをお教えください。また、今後の実態調査を含めて法務省としてどのように対応するか、公証人に対する処分等についてはどのようにお考えかも、併せてお聞かせください。

【大臣】
 東京都内のある公証役場において、そのような事例があったとの指摘がされていることは、承知しています。
 現在、東京法務局において必要な調査を行っているところです。
 まずは、東京法務局において、事実関係をしっかりと調査する必要があると考えています。
 その調査結果も踏まえて、公証人に対する処分等の要否や更なる調査の要否について、検討していきたいと考えています。
(以上)