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齋藤法務大臣初登庁後記者会見の概要


初登庁後の記者会見の様子

令和4年11月11日(金)

 法務大臣に就任いたしました、齋藤健です。
 以後どうぞよろしくお願いします。
 法務省は、皆様御案内のように、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護などの重大な使命を帯びています。
 この度、国民の皆様の安全・安心を守り、国民生活の基盤を担う法務行政に携わることとなりました。
 身の引き締まる思いというのはこういうものかというのを今経験しています。
 私は、この重責を果たし、国民から信頼される法務行政を目指して、全力を尽くす覚悟です。よろしくお願いいたします。
 岸田総理大臣からは、法務行政の課題について御指示をいただいていますので御紹介したいと思います。7点あります。
 1点目は、「国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けて、司法制度改革を推進する。」。
 2点目は、「差別や虐待のない社会の実現を目指し、個別法によるきめ細かな人権救済を推進する。」。
 3点目は、「関係大臣と協力し、『世界一安全な国、日本』をつくるため、犯罪被害者の支援、刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援、組織犯罪対策など、社会を明るくするための施策を総合的に推進する。」。
 4点目は、「我が国の領土・領海・領空の警戒監視について、関係大臣と緊密に連携し、緊張感を持って、情報収集を行うとともに、事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する。」。
 5点目は、「関係大臣と協力して、一定の専門性、技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに、在留管理を徹底し、技能実習生の失踪などの不適切事案を防止する。特定技能制度について、技能実習制度の在り方を含めて総合的な検討を行う。共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める。」。
 6点目は、「ポストコロナの時代を見据え、観光立国に相応しい入国管理を実現する。」。
 最後に、「旧統一教会問題について、関係大臣や関係機関と協力して、総合的支援体制を構築し、被害者に寄り添い、救済に万全を尽くす。」です。
 これらはいずれも大変重要な課題です。迅速かつ着実に取り組んでまいりたいと考えています。
 私は、こういった重大な使命を果たさなければならない法務省が、国民の皆様からの信頼が得られるものでなくてはならないと強く思っています。
 関係大臣等と連携するとともに、門山法務副大臣、高見法務大臣政務官の御協力も得ながら、法務省の全職員と一丸となり、私の持っているものを生かして、国民の皆様から信頼される法務行政の実現を目指していきたいと考えています。

法務大臣就任に際しての抱負等に関する質疑について

【記者】
 法務大臣就任に際しての抱負をお伺いします。特に、葉梨前大臣の失言での交代となりましたが、今後法務行政の信頼を獲得していくためにどのように臨みたいでしょうか。
 また、死刑制度に関する御自身のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 一番大事なことは、国民から信頼される法務行政の実現だと考えています。
 法務省は、先ほど申し上げたように、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護などの極めて重大な使命を帯びていると思いますので、法務省がその重大な使命をしっかりと果たすことによって、国民の皆様からの信頼をしっかり得ることができたらと考えています。
 死刑制度についてお話がありました。死刑制度の存廃は、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題です。国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等、様々な観点から慎重に検討すべき問題であると考えています。
 国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えています。多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みますと、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむを得ないのであり、死刑を廃止することは私は適当でないと考えています。

「旧統一教会」問題に関する質疑について

【記者】
 「旧統一教会」の関係でお尋ねします。被害者支援が重視されておりますが、法テラスへの対応部署の新設など、これから対応が本格化していきますが、どのような意気込みで臨まれるかお聞かせください。
 また、御自身と「旧統一教会」との関係について、これまで関連団体も含めて会合への出席やインタビューに応じられたことなど、何か接点があったかどうか、あった場合はどのような内容だったかお聞かせください。

【大臣】
 まず前段の御質問ですが、「旧統一教会」問題等の被害者の救済は極めて重要であると認識しています。
 総合法律支援を担う法テラスにおいて、問題の総合的解決を図るために、御案内だと思いますが、11月14日(月)、「旧統一教会」の問題等に関する相談に対応する窓口として、「霊感商法等対応ダイヤル」を開設することとしています。
 また、弁護士・心理専門職等を配置した対応部署を新設し、相談事例の分析や支援策の企画・立案等も行えるように早急に準備を進めていきたいと思います。
 法務省としても、法テラスの取組について、その実施や体制の整備を推進し、被害者の皆様の救済に全力を尽くしていきたいと考えています。
 私と「旧統一教会」との関係について御質問がありましたが、実は私は、この問題が起こった8月4日に、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係について」ということをホームページで公表しています。公表していますから、これを正確に御報告することが間違いないかなと思いますので御紹介します。「まず、16年にわたる政治活動において、私が、挨拶や演説、ビラや個別の面会において、同連合やその関係団体について言及したことは一切ありません。また、政治資金収支報告書を含む関係資料を確認したところ、寄付を受けたり、会費を払ったりしたこともありません。同連合やその関係団体の会合への参加につきましては、私本人はありませんでしたが、秘書が認識をせずに一度だけ関係団体の会合に顔を出したことがあることが判明いたしました。そのほか、選挙での応援につきましては、同連合やその関係団体から組織として支援を受けたことは一切ありません。これまで16年間で、数百人の方々にビラ配りや集会などのお手伝いをしていただいておりますが、その中に、おひとり御関係の方がおられ、個人としてお手伝いをいただいたのではないかということが分かりました。なお、事務所のスタッフとしてお手伝いをいただいたことはありません。以上、これまでに分かった範囲で御報告いたしました。短時間で調べた限りですので、漏れがある可能性もございますが、早く御報告した方がよいと判断し、御報告させていただきました。」。これが8月4日時点ですけれども、その後も現在に変わりはありません。

【記者】
 先ほど大臣から御発言のあった「旧統一教会」の関係で、分かる限り教えていただきたいのですが、秘書の方が関係団体の会合に顔を出したのはいつ頃で、どういった会合だったのでしょうか。また、お一人が個人としてビラ配りをされたということですが、その方が「旧統一教会」の関係者であって、自発的にやったものでしょうか。

【大臣】
 後者の質問から申し上げますと、「旧統一教会」の関係者というよりも信者の方だったと思います。一人一人確認はしていませんが、信者の方がどうやらいたようだという情報があったということですので、組織の役員だったとか、そういうことではないということだと思います。
 会合への名刺は、正確には調べなければなりませんが、関係団体の周年行事か何かに呼ばれ、名刺を置きに行ってしまったと聞いています。

【記者】
 御挨拶などはされていたのでしょうか。出席しただけでしょうか。

【大臣】
 一切していません。名刺を置きに行っただけです。

出入国在留管理行政に関する質疑について

【記者】
 現在廃案になっている入管法改正案についてお伺いします。政府は今国会でも提出を見送っていますが、入管法改正の必要性についてのお考えと、来年通常国会に再提出するかについてのお考えをお聞かせください。

【大臣】
 現行入管法下で生じている送還忌避・長期収容問題は、当然早期に解決すべき喫緊の課題であると思っています。
 他方で、人道上の危機に直面している真に庇護すべき方を確実に保護する制度の整備もまた、重要な課題だと思っています。
 入管制度全体を適正に機能させ、保護すべき者を確実に保護しつつ、ルールに違反した者には厳正に対処できる制度とするためには、こうした現行入管法下の課題を一体的に解決する法整備を行うことが必要不可欠だろうと思います。
 現在検討中の法案について、具体的な内容や国会への提出の見込みなどを現在お答えすることは困難ですが、私としても、必要な法改正を早期に実現できるように、着実に検討を進めていきたいと考えています。

【記者】
 外国人の技能実習制度について、古川元大臣が「目的と実態がかい離している。」と指摘し、年内にも関係閣僚会議の下に有識者会議を設け、制度の見直しに向けた議論を始める方針であると存じています。制度に対する大臣の今の御認識と、見直しに向けた議論が始まることについてどうお考えか、これまで法務省が進めてきた見直しの流れを踏襲するのかどうかお教えください。

【大臣】
 技能実習制度に関しては、古川元大臣が開催された勉強会でも様々な課題が把握されていることは承知しています。
 古川元大臣が、勉強会において問題点を整理されたことは、私としても、しっかりと受け止めていきたいと思っています。
 技能実習制度の在り方については、御案内のように、内閣官房長官と私が共同議長を務める「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」の下に有識者会議を設け、各界の有識者の方々に御議論いただこうと、会議の開催に向けて今準備を進めているところです。
 いずれにしても、今後開催されます有識者会議において、古川元大臣が勉強会において整理された問題点等を含め、問題意識を共有した上で御議論いただき、政府全体で丁寧に検討を進めていきたいと考えています。

検察庁法に基づく指揮権の行使に関する質疑について

【記者】
 検察庁法に基づく指揮権の行使について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 指揮権の行使については、検察権が行政権に属することによる法務大臣としての責任と、検察権の独立性確保の要請との両者の調和を図るという検察庁法第14条の趣旨に鑑み、検察権の不当な制約とならないよう、私は極めて慎重に対応する必要があるものと考えています。

葉梨前大臣の発言に関する質疑について

【記者】
 葉梨前大臣の辞任の経緯があり、今後齋藤大臣の発言は非常に注目を集めることになると思いますが、法務大臣として発言の在り方をどうあるべきだとお考えでしょうか。

【大臣】
 法務大臣としての発言の在り方というよりも、大臣であるということを考えますと、自分が果たさなければならない職責に影響が出るような発言は厳に慎まなければならないと思います。

【記者】
 率直に、葉梨前大臣の問題視されている発言について、どういうふうに受け止めていらっしゃるか、教えてください。

【大臣】
 私は、葉梨前大臣の発言について、葉梨前大臣自身がきちんと説明責任を果たすべきだと考えておりますので、「私自身がこうだ。」という考えは持ち合わせていませんが、私が死刑制度についてどう考えるかについては、先ほど申し上げたとおりです。

【記者】
 死刑制度の関連で、葉梨前大臣は死刑執行を命じる法務大臣の役職を「地味な役職」と発言されていました。今回、死刑執行を命じる法務大臣の役職をどのように考えられているか、改めて教えてください。

【大臣】
 先ほど申しましたとおり、葉梨前大臣の発言については、御本人がきちんと説明責任を果たされるということですので、私からは申し上げませんが、私は死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰であると考えていますので、その執行に際しては、慎重な態度で臨む必要があるのだろうと思っています。それと同時に、法治国家においては、確定した裁判の執行も厳正に行われなければならないということは言うまでもないことだと思います。特に、死刑の判決というのは、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対して、裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものですから、私としては、裁判所の判断を尊重しながら、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処していきたいと考えています。

総理からの指示等に関する質疑について

【記者】
 冒頭、総理から7点の指示があったということですけれども、葉梨前大臣の発言があり、例えば総理から注意すべき点などについての指示があったかという点と、現在国会開会中で、民法改正案などを抱えられ、準備期間が短い中で週明けからどのような姿勢で国会に臨まれるか、お伺いします。

【大臣】
 総理の言葉を一言一句覚えているわけではありませんが、大変厳しい時期の大臣交代となったので、私の持っているものを十分発揮して頑張ってほしいという趣旨の御発言があったと思っています。
 また、民法改正案については、国会で審議が行われるところですので、私としては速やかに法案が成立するように全力を尽くしていきたいと思います。
(以上)