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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年12月16日(金)

 今朝の閣議において、法務省案件として、主意書に対する答弁書が1件ありました。
 続いて、私から3件報告があります。
 1件目は、「第2回東京イミグレーション・フォーラム」についてです。
 先週金曜日の会見で御紹介いたしましたが、今週月曜日から水曜日(本月12日から14日)の3日間の日程で、第2回東京イミグレーション・フォーラムを開催いたしました。
 本フォーラムは、入管当局間における連携・協力の国際的なプラットフォームとして、我が国が提唱し立ち上げたものです。
 対面参加を中心に、オンラインを併用したハイブリッド方式で開催されました本フォーラムには、アジア・欧州・北米等から計18の国と地域の入管当局に参加していただき、活発な議論が行われました。
 IOM(国際移住機関)のアントニオ・ヴィトリーノ事務局長による基調講演に続き行われた全体会合では、コロナ禍から人流が回復する中で各入管当局が直面する課題とそれに対する取組に加え、外国人との共生社会の実現に向けた取組、特に情報伝達する際の言語の問題への取組について、情報共有や意見交換が行われました。
 また、分科会では、送還を巡る様々な問題への取組や、効果的な出入国在留管理に資する技術活用に係る取組についても、情報共有や意見交換が行われました。
 本フォーラムの開催は、入管当局間の国際的なプラットフォームとして、大変有意義であったと受け止めておりまして、参加国からも評価の声が寄せられ、今後の定期的な開催について、歓迎の意が示されたとの報告を受けています。
 本フォーラムにおける議論を通じて、各国・地域において、調和のとれた共生社会、ポストコロナの世界にふさわしい入管行政が実現していくことを期待しています。
 2件目は、「霊感商法等対応ダイヤル」の相談状況等についてです。
 窓口開設から11月30日までの相談状況等について、分析・検討を加え、本日、法務省のホームページに掲載いたします。
 その概要ですが、相談窓口に寄せられた相談は、累計428件ありまして、旧統一教会に関するとされた相談は全体の約4割、そのうち、御意見等を除きますと、約6割超が「金銭的トラブル」に関するもの、約4割弱が「心の悩み」や「親族関係」を含む「金銭的トラブル以外」に関するものであったと報告を受けています。
 詳細につきましては、法務省のホームページを御確認いただければと思います。
 法務省としては、先の国会で成立した法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律及び附帯決議の趣旨を踏まえ、関係機関・団体等との連携を強化するとともに、今回公表した法テラスの対応窓口における相談状況等や、その後の対応状況をしっかりと把握・分析するなどして、より一層支援の充実・強化を図り、被害者の実効的な救済に全力を尽くしてまいります。
 3件目は、法務省における司法外交の推進に係る取組についてです。
 本年9月20日、我が国の法整備支援研究の専門機関であります名古屋大学法政国際教育協力研究センター(通称CALE(ケール))の設立20周年記念式典に際し、同センターに対して特別感謝状を贈呈いたしました。
 その返礼として、今月13日、名古屋大学杉山直総長、村上正子CALEセンター長、松尾陽日本法教育研究センター長、同大の留学生4名らの表敬訪問を受けました。
 杉山総長から、特別感謝状に対する丁寧な御礼の言葉を頂くとともに、村上CALEセンター長から、CALEの活動内容について、松尾日本法教育研究センター長から、アジア各国の大学において日本語による日本法の教育等を行っている同センターの活動内容についてお話を伺うことができました。
 また、当日は、日本法教育研究センター出身の名古屋大学の留学生の方々ともお話しすることができ、将来、それぞれの国で法制度の運用を担っていくであろう若い世代の方々の母国の発展に対する強い想いや、その高い志に触れ、大変に感銘を受けました。明治時代の若い日本人も、こういう目と顔つきをしたのかななんていう感想を非常に強く持ちました。そして、名古屋大学が、我が国が行っている法制度整備支援の重要な要素の一つである「人材育成」に関して重要な役割を担ってこられたものと実感しました。
 今回の表敬訪問を通じ、司法制度を担う人材を育成することを柱の一つとする我が国の法制度整備支援の重要性、ひいては「法の支配」の浸透を目的とする司法外交の重要性を改めて実感することができました。私にとって大変有意義なものとなりました。
 今後も法務省としては司法外交を推進してまいりたいと考えています。

法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律に関する質疑について

【記者】
 「旧統一教会」問題を受けて成立した被害者救済法についてお尋ねします。同法11条には、「利用しやすい相談体制を整備する等必要な支援に関する施策を講ずるよう努める」とあります。法務省の所管というふうに読めますけれども、法務省としてはどのような施策を考えていらっしゃるのでしょうか。

【大臣】
 法テラスと関係機関等との連携を図り、相談体制の整備等の必要な支援策を講ずることは重要だというふうに認識しています。
 法テラスでは、問題の総合的解決を図るため、弁護士・心理専門職等の配置・活用に加え、日本弁護士連合会等の関係機関・団体等や、福祉専門職を始めとする各種専門職との更なる連携強化、これらの連携の枠組みをいかしたワンストップ型相談会等を行っていくことになるのだろうと承知しています。
 法務省としては、法テラスと関係機関・団体等との緊密な連携のもと、包括的な支援体制の整備・強化を図るとともに、様々なニーズ等を十分把握し、より一層充実した支援を行うなどして、被害者の実効的な救済に全力を尽くしていきたいと考えています。

霊感商法等対応ダイヤルに関する質疑について

【記者】
 先ほど公表された相談件数についてですけれども、率直に受け止めとして、多くの相談が寄せられているという印象なのか、もし分析みたいなものがあればお願いします。

【大臣】
 かなり積み上がってきた数字ですし、6割が金銭トラブル、それ以外が心の悩み等ということでしたので、今後もおそらく積み上がっていくと思いますので、しっかり分析をして適宜公表していきたいというのが、今の私の感想です。

【記者】
 今の質問に関連してですけれども、先ほどの大臣の御説明の中で、「旧統一教会」に関連するものが4割とおっしゃったかと思います。そうすると、残りの6割は他の宗教団体なり宗教法人なりに関するものなのかなと思うんですけれども、今回「旧統一教会」に限らず様々広く相談を受け付けますということで、色々な被害、御相談が寄せられたのかなと思うんですけれども、その点について、御所感があればお願いします。

【大臣】
 おっしゃったように、幅広く相談を受け付けたいということがありましたので、結果として幅広く御相談があったのではないかなというふうに思っているところです。ただ、相談の中身は様々ですので、濃淡もありますので、それはしっかり分析をしていかなければならないかなというふうに思っています。

名古屋刑務所職員による暴行・不適正処遇事案に関する質疑について

【記者】
 以前も出た質問に関係していますけれども、名古屋刑務所で3人の受刑者が20人以上の刑務官から繰り返し暴行を受けていた問題、これは、刑事施設視察委員会が3月に、受刑者の不満が相当見られると指摘していたのに、改善する姿勢が見られなかったと。こういった刑務所の暴力の、もしかしたら常態化している状況の背景に何があるとお考えなのか、改善はどうすべきかということを改めて教えていただけますでしょうか。

【大臣】
 前回も答弁申し上げましたけれども、本年3月に視察委員会から名古屋刑務所運営に関する意見が提出されまして、その内容については、刑務所職員の言動や対応等に対して不満を述べる被収容者からの意見が相当数見られると。名古屋刑務所内での調査では限界があるということで、客観的な第三者の調査等の対策を求めるという内容であったわけです。私は前回申し上げましたけど、このように貴重な御意見を頂きながらも、施設運営に適切に反映できていなかったと言わざるを得ないと思っておりまして、誠に遺憾だというふうに思っています。個々どうだったかということについては、これからしっかりと調査を続け検証するということですので、そこでの真摯な議論にまずは期待をしたいというふうに思っている現状です。
 いずれにしても、名古屋刑務所に限らず、全国の矯正施設において視察委員会の意見を真摯に受け止め、的確に施設運営に反映させるなど、視察委員会制度の適切な運用については徹底をするように指示をしたところです。

【記者】
 名古屋刑務所の関連ですけれども、先週大臣は、背景の解明や再発防止に向けて有識者による検討会の立ち上げを表明されました。現在の検討状況と今後の見通しを分かる範囲で教えてください。

【大臣】
 今の時点で私から申し上げることは、できるだけ早期に有識者会議を設置して第1回の会議を開催したいと思っておりまして、今ふさわしい人選を進めているところですので、とにかく可及的速やかに人選等を進めるように、繰り返し事務方には指示をしているところです。

技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議に関する質疑について

【記者】
 (本月)14日に開催された、技能実習と特定技能制度などの見直しの有識者会議に関してお伺いいたします。14日に第1回目が開催されましたが、議論のキックオフのような形になるかと思いますが、今後大臣が議論に対して期待したいこと、御所感をお願いいたします。

【大臣】
 まず、第1回の有識者会議を開催できて、委員をお引き受けいただいた有識者を始め、関係の皆様の御協力に感謝申し上げたいと思っております。
 有識者会議におきましては、様々な課題について、それぞれの立場や視点から活発に御議論いただいたという報告を受けております。
 これから精力的に実りある議論がなされるということですので、私が「こういうことを期待する。」とか、「こういうことがあってほしい。」というようなことは控えたほうが良いかなと思っていますので、それは御容赦いただきたいなと思っています。
(以上)