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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和5年5月23日(火)

 今朝の閣議において、法務省案件はありませんでした。
 続いて、私から、「令和5年度こどもの人権SOSミニレター」について、御報告があります。
 本日から、全国の小中学校などの全児童・生徒約950万人を対象に、「こどもの人権SOSミニレター」の配布を開始いたします。
 このミニレターは、親や学校の先生など身近な人に相談できないこどもたちの悩みごとを的確に把握し、問題の解決に当たるためのものです。
 こどもたちがミニレターに悩みごとを書いてポストに投函すると、人権擁護委員や法務局の職員がその全てに目を通し、一通一通丁寧に返事をします。
 これまでもミニレターをきっかけに、いじめや虐待などから救われたというこどもたちが多くいます。
 報道機関の皆様方には、一人でも多くのこどもたちを救うことができるよう、ミニレターの周知・広報への御協力をお願いできればと思います。
 皆さんにお配りしていると思いますが、これは私が法務大臣になって、法務省の仕事の中で感心したものの一つであり、(ミニレターには)小学生バージョンと中学生バージョンがありますが、これを全生徒・全児童に配っているということで、これをきっかけに、こどもたちが一人でも多く救われると良いと思っています。

「こどもの人権SOSミニレター」に関する質疑について

【記者】
 冒頭発言のSOSミニレターについてお伺いします。今回の小中学生いずれも、親の宗教のことで悩んでいるとか、宗教の悩みその他あれば書いてくださいと明記されて、いわゆる宗教二世の方々に対してのメッセージになるかなと感じております。宗教二世の方々は、今までまさに誰にも悩みを打ち明けられないというので、非常に苦しんでおられる児童・生徒さんもいらっしゃったということだと思うんですけど、改めて大臣のほうから、そういった悩みをきちんと受け止めるんだよというメッセージがあればお願いします。

【大臣】
 もちろん、この悩みは、宗教二世の方の悩みも含まれますし、私の千葉県野田市の地元では、虐待で亡くなった子もいるということですので、是非何でもいいから書いてほしいというふうに心から思います。

入管法改正法案に関する質疑について

【記者】
 法務省入管庁が「送還忌避者」とされている外国人のうち、未成年のこどもたちへの在留特別許可をめぐるこれまでの大臣の国会答弁を受けて、当事者や支援者から、子とその親・家族を含めて、即時、許可を出すべきだという声が高まっております。大臣は、先日の参院法務委員会の国会答弁でも、こどもの在特許可については「今、真摯に検討している。」とおっしゃいましたけれども、目下審議中の入管法改正案が成立前、若しくは成立施行前でも、つまり現行法下でも、真摯に検討された結果を具体化させ、積極的にこどもたちやその親に在留特別許可を出すお考えがあるのかどうか。飽くまでも、検討した結果を具体化させるのは、法案を成立若しくは改正法を施行させてからなのか。検討結果を具体化させるのはいつ頃なのか。具体的にお聞かせいただきたいと思います。

【大臣】
 まず、御指摘のこどもや親の問題につきましては、かねがね御答弁申し上げていますように、現在、真摯に検討していますが、やはり色々なケースがあるものですから、一刀両断でこうだという簡単に結論が出せる問題ではないと実感しています。
 ただ、いずれにしても、私としては、今、真剣に検討していますので、その検討の結果が出たら、また御質問いただければ、お答え申し上げることができるのではないかと思っています。一刀両断にはなかなかいかない、色々な事情があると思っていますので、真剣に検討を進めたいと思います。

【記者】
 柳瀬さん(難民審査参与員)のことですけれども、2019年の専門部会の議事録でも、ほぼ同時期に、対面の審査を1,000件と言ってみたり、あるいは1,500件と言ってみたり、非常にぶれが大きいんですよね。こういった柳瀬さんの審査件数に関して、基礎的な事実の確認を、やはり法務省入管として怠っていたのではないかというようなことがあるかと思います。それについて大臣のお考えをお聞きしたいのと、せっかくですので、「こどもの人権SOSミニレター」についてお伺いしたいんですが、先ほどから問題になっています難民認定申請者の仮放免のこどもたちからSOSミニレターが大臣のほうに来たら、どのようにお答えしますか。

【大臣】
 柳瀬さんの件についての御質問ですが、結論を申し上げますと、入管庁として、特定の難民審査参与員の事件処理数については、統計を取っていないということが、まず一つあります。
 その上で、これも何度も御答弁させていただいていますけれども、柳瀬氏が、参与員制度が始まった平成17年から現在に至るまで、長年にわたり熱心に参与員を務めていただいており、他の参与員の代わりに審理に入ったりしながら御協力いただいていますし、また、昭和50年代から難民を支援するNPO団体の設立にも関わり、その運営も務めてきた方で、その方が、難民認定に対する知識及び経験が豊富かつ長年にわたって難民の支援に真摯に取り組んできていると。そういう方が、御自身の豊富な知識及び経験に照らして、入管庁が見落としている難民を探して認定したいと思っているのに、ほとんど見つけることができない旨や申請者の中に難民がほとんどいない旨を述べられているという、そちらの定性的な部分、この発言は、私どもは重く受け止める必要があるだろうと思っています。
 したがって、今、その(審査の)結果を調査することは考えていませんが、我々はそういう認識をしているということです。
 それから、ミニレターの場合は、もちろん当然、学校だけではなくて、児童相談所とか、いくつかの図書館、児童館、児童センター、そういうところにも、全部ではないかもしれませんが、備え付けてもらうことにしていますので、そういうところでこれに気付くことがあるだろうと思っています。(SOSミニレターが私のほうに)来た場合には、私は一通一通、そういう方からのレターであれば精読して対応したいというふうに思っています。

【記者】
 柳瀬さんの件で続いた質問になります。今、調査は考えていないという発言があったかと思いますが、こちらは柳瀬氏の審査の詳細については調べるつもりはないということでしょうか。また、柳瀬氏の参考人招致ということも立法事実に関して必要になってくるのではないかと思われますが、こちらはいかがお考えでしょうか。

【大臣】
 まず、柳瀬さんの発言に関する、あるいはいくつか参議院の審議の過程においてもデータを出すべきであるというお話は頂いておりますので、それについては、出せるものは出すのだろうと思いますが、今、真剣に検討しているという状況です。
 それから、参考人招致の話につきましては、大変申し訳ありませんが、私は政府の人間ですので、国会のほうで判断される問題だろうというふうに考えていますので、コメントはできないかと思っています。

参議院議員の発言等に関する質疑について

【記者】
 日本維新の会の梅村みずほ参議院議員が法務委員会などでウィシュマさんの訴えが詐病だった可能性があると述べたり、死亡した責任が支援者にあるような主張をしました。日本維新の会は梅村議員を法務委員から外し、処分する考えを示しましたが、梅村議員の主張や維新の対応についてどのように受け止められたか伺います。

【大臣】
 今、私は政府の立場ですので、国会の場における個々の議員の質疑内容の評価や、その所属政党の対応について、法務大臣としてコメントするということは適切ではないと思いますので、控えさせていただけたらと思います。
(以上)