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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和6年5月28日(火)

 今朝の閣議では、法務省案件はありませんでした。
 私から2件御報告があります。
 1件目は、令和6年能登半島地震からの復旧・復興に向けた公費解体や登記に関する取組です。
 現在、被災地域では損壊家屋等の公費解体・撤去が進められていますけれども、地震によって倒壊した建物でも、その手続には、所有者等の全員の同意が必要とされ、がれきの解体・撤去が進まない、それがネックになっているという指摘が現地で強く行われています。
 法務省では、復旧・復興の迅速化に向けて、民事基本法制を所管する立場から、環境省の公費解体の円滑化の取組に協力するとともに、法務局において、職権滅失登記の取組を本格化させることといたします。
 具体的には、環境省との連名で被災県に本日付けで事務連絡を発出し、被災により建物性が失われた場合には、建物所有権等が消滅し、それらの権利者の同意なく、公費解体・撤去を行い得るということを明記しました。
 また、被害が特に甚大であった「輪島朝市」での公費解体・撤去を加速化させるために、輪島市の協力を得て、6月初旬の完了を目指して職権滅失登記、すなわち、建物所有者からの申請なく、職権により登記官が滅失登記を行う取組を先行して進めています。
 法務省としては、被災地に寄り添い、一日も早い復旧・復興につながるよう、引き続き、必要な取組を全力で進めてまいりたいと思います。
 2件目は、先週金曜日(5月24日(金))に行った、カオ・キムホンASEAN事務総長との会談です。30分くらいだったと思いますが、面会させていただきました。
 昨年7月の日ASEAN特別法務大臣会合で採択されました「共同声明」及び「ワークプラン」に記載された取組の着実な実施が今、我々に課されている一番重要な課題ですけれども、そういった問題とともに、来月に、東京で初回会合が予定されています「ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラム」における協力について、意見交換を行いました。
 ASEAN事務局とは今後も緊密に連携していこうと考えております。
 また、このASEANにシンクタンク機能として政策提言を行うERIAという組織がありますが、そこにも、法務省から職員を派遣しようという準備を進めているところです。
 ASEANの地盤の中核である、事務総長とお会いできたことは大変意義深いことであるというふうに感じました。

改正出入国管理・難民認定法に関する質疑について

【記者】
 来月に施行される改正出入国管理・難民認定法についてお伺いします。
 難民申請を行うたびに送還が停止される規定を見直し、3回目以降の申請者を原則として送還可能とすることや、支援者などを付ければ施設外での生活を認める監理措置制度の導入を盛り込んだ改正入管法が6月10日に施行となります。
 改めて、この改正法の狙いと、どのような姿勢で運用にあたるのかお聞かせください。

【大臣】
 いよいよ、昨年成立した改正入管法の全面施行の6月10日が迫ってまいりました。
 鋭意準備を進めているところですが、改正入管法は、保護すべき者を確実に保護した上で、在留が認められない者については迅速に送還を可能とする、また、長期収容を解消し、収容する場合であっても適正な処遇を実施するという考え方に基づいて、様々な方策を組み合わせ、パッケージで課題を一体的に解決しようとするものです。
 外国人の人権を尊重しつつ、保護すべき者を確実に保護し、ルールに違反した者に対しては厳正に対処することで、日本人と外国人が互いに尊重し合う、バランスのとれた共生社会の基盤を作っていこうという考え方によって成り立っています。
 この改正入管法の趣旨に従って、運用面でまた様々な課題が出てくるかもしれませんけれども、適切にそういった課題をとらえて、課題を乗り越えていくといった運用をしていきたいと思っています。

同性カップルの住民票及び同性婚に関する質疑について

【記者】
 長崎県の大村市が、同性カップルに対してですね、住民票に夫(未届)の記載をすることを認めました。
 こうした判断について、大臣の所感と同性婚に関する議論を開始するお考えがあるかどうかお聞かせください。

【大臣】
 御指摘の事案の報道は承知しております。
 これは住民票の記載の在り方についてですので、直接的には法務省が所管していない問題であり、住民基本台帳事務に関する事項ですので、法務大臣としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、こうした同性婚に関わる様々な社会全体の動き、地方自治体、訴訟、国会、国民各層・各界の動き、そういったものを、積極的に注視していくというスタンスは、今後も続けていきたいと思います。
 注視するというのは、よりそうした動きをしっかりと見極め、把握していこうという意思を込めて、私は受け身だけではなく、積極的に情報に触れていく、そういった積み重ねをしていくという時期だろうというふうに思っております。
 また、国全体が、今申し上げたようなところそれぞれが、大きなコンセンサスに向かって動いていくということを、やはり見極めていくべき時期に、今はいるのだろうというふうに感じます。
(以上)