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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和6年10月4日(金)

 今朝の閣議において、法務省の請議案件はありませんでした。
 続いて、私から3件御報告があります。
 1件目は、「法の日フェスタ in 赤れんが」です。
 明日10月5日土曜日、法務省において、第63回「法の日」週間記念行事として、国民の皆様に、法の役割や重要性について考えていただき、法務行政を身近に感じていただくためのイベントである「法の日フェスタ in 赤れんが」を開催いたします。
 「法の日フェスタ in 赤れんが」では、一般の皆様に裁判員役で参加していただく「模擬裁判」、明治28年建築の国の重要文化財である赤れんが棟内にある法務史料展示室の休日公開、「法の日」にちなんだ「落語会」など、様々な企画を予定しているところです。
 私自身も、世界各国の法制度整備支援を紹介する「国際協力の最前線を体感してみよう~Think Globally,Act Locally~」などのイベントに参加し、御来場の皆様と国際協力の最前線を体感したいというふうに考えております。
 是非、多くの皆様に「法の日フェスタ in 赤れんが」に御来場いただき、法を身近に感じていただきたいと思っております。
 報道機関の皆様にも、このイベントの広報に御協力をお願いしたいと思います。
 2点目に、更生保護制度施行75周年記念全国大会についてです。
 10月2日水曜日、更生保護制度施行75周年記念全国大会が、東京国際フォーラムにおいて開催されました。
 本大会では、全国から保護司を始めとする更生保護関係者1,000人以上が参集し、更生保護活動に功績のあった方々に対する顕彰、更生保護を時代の変化に対応させつつ、しっかりと次世代に継承していくことなどを内容とする大会宣言が行われました。
 また、更生保護の活動を長年にわたり支援していただき、その発展に大きく寄与されました、故平山郁夫氏、故谷村新司氏への法務大臣特別感謝状も、私自身の手で贈呈させていただきました。
 さらに、「持続可能な発展」をテーマとして、更生保護ともゆかりの深い「トヨタ自動車株式会社の代表取締役副会長 早川茂氏」に記念講演を賜りました。
 我が国の安全な社会づくりに貢献してきた更生保護制度を未来へ継承するため、引き続き取組の充実に努めてまいります。
 最後に、「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」の報告書の提出を受けた件についてです。
 この検討会は、「第二次再犯防止推進計画」に基づき、令和5年5月から14回にわたり開催され、保護司の方々からの多様な意見も踏まえながら検討を重ねてこられました。
 そして、昨日(10月3日)の会議で報告書が取りまとめられ、谷垣禎一全国保護司連盟理事長同席のもと、倉吉敬座長から提出を受けました。報告書には、今後講じていく施策等として、78の取組が盛り込まれております。
 検討会構成員の方々には、長年にわたり積み重ねてこられた保護司の志を、未来に向けて、どのように継承し、発展させていくべきなのかという非常に難しいテーマについて、真摯かつ精力的に御議論いただきました。
 本報告書は、そのような御議論の積み重ねによって導かれた成果であると認識しており、報告書として取りまとめていただいた御労苦に、まず心より感謝申し上げたいというふうに思います。
 報告書には、令和6年5月に滋賀県大津市の保護司の方が亡くなられましたが、その事件の発生も受けて、保護司の安全確保に関する取組も盛り込まれているところです。
 今後も、全国の保護司の方々の御意見等に耳を傾けながら、法務省として、報告書に盛り込まれた内容を踏まえた施策を着実に進めてまいります。

「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」に関する質疑について

【記者】
 ちょっと先ほどと重複しますけれども、保護司の検討会に関して伺います。
 最終報告書が提出されましたけれども、改めて報告書の内容に対する所感、法務省として提言をどのように生かし、実行に移していくか、まず教えてください。
 また、大臣は衆院法務委員会や自民党再犯防止特別委員会などで更生保護に関するテーマと向き合ってこられたと思います。そうした経験を踏まえて、更生保護政策において、どのような観点を今後大切にしていきたいか、こちらも併せて教えてください。

【大臣】
 昨日、報告書を受けた後、谷垣理事長、そして倉吉座長ともお話させていただきましたけれども、本当にこの保護司という、日本にとって、世界にも誇れる制度について、御知見や御経験のある多くの方からの御意見を踏まえた報告書であるということについて、改めて私としては、心より敬意と感謝を感じたところです。
 この御意見に、本当になるべく、できれば早く、できるものは早く、そして私としては、予算が必要なものは、予算をできるだけ取って、しっかりと実現していきたいという思いです。それと同時に、これからも引き続き、全国の保護司の皆様の御意見にしっかりと耳を傾けていく姿勢を持ちながら、やっていきたいと思います。
 ちょうど今御報告したように、更生保護制度施行75周年記念全国大会というのが、私にとって法務大臣としての、最初の外での公的なイベントになりました。
 今御指摘いただいたように、私は更生保護の議連や、自民党の部会の事務局長を拝命して、これまで更生保護に非常に力を入れてきた議員だと自負もしておりますので、こうした法務大臣就任後の最初のイベントが、この記念イベントであった、そして最初に受け取った報告書が、この保護司のことだったというのは、何かすごく御縁も感じるところですので、全国津々浦々で御活躍されている民間協力者の皆様の活動を、しっかり後押しをしてまいりたいと思います。

【記者】
 今のお話でもありましたけれども、昨日、報告書の手交後に、倉吉座長や谷垣理事長とお話されていると思うんですが、御二方から具体的に何かこの報告書について、何か大臣の方にどういうお話があったか、可能であれば教えてもらえますか。

【大臣】
 まずは、やはり滋賀県で起きた痛ましい事件についてです。これは、再度安全性確保について議論していただいた上で、更に充実した内容が入りましたので、このことについては、改めて私からもしっかりやっていきますという話をいたしました。そして、全国の保護司の方やその御家族の方が心配されているという例もあると聞いておりますので、御家族の方も含めて、安心してこの大切な保護司という役割を果たしていただけるよう、後押しをしなければいけないという話をいたしました。
 それから、いわゆる報酬制の見送りについてです。これは私からもお聞きしたところ、座長からは、ここは大変な議論があったのだけれども、最後に、かつて自分が保護観察を受けた経験があって、今保護司をされている方が、むしろ報酬制ではないからこそ、自分はこの保護司の方の思いに感動し、そして自分も更生することができたのだという話があり、その方の一言というのが非常に大きかったという話をされておりました。
 私もその話に非常に感銘を受けまして、そうした全国の保護司の皆様が、普通に考えると、報酬を受け取った方がいいのではないかと思いますけれども、あえてそれを見送るという御報告をいただいた裏にある、熱い思いというものを感じて、感動したところです。

【記者】
 関連なんですけれども、今回の保護司をめぐっては、高齢化もかなり進んでいて、10年後には4割の方が引退をされる状況にあると。さらに数も定員をかなり大幅に下回っている状況であると。この制度を維持するために、大臣として、何をすべきか。これまで関わってきた中でのお考えを伺えればと思います。

【大臣】
 このことについては、もうかなり前から問題になっていて、その度ごとに、例えば定年を引き上げることや、今回についても、最初の段階での年齢制限等も無くすなど、色々な形でまず入口を広げるということは、大切なことだというふうに思います。
 そしてまた、法案をこれに基づいて提出するということも、まだ未定ではありますけれども、考えていかなければいけないと思います。その中で、より多くの方に、保護司という大切な仕事をまず知っていただくこと、そして、やってみたいと思っていただくこと、さらに、実際にやるというところまで後押しをして、やられた後には、その活動を後押しすること。こうした一連の流れを、ちゃんと作って、後押ししていきたいというふうに思っているところです。
(以上)