法務大臣閣議後記者会見の概要
令和7年5月23日(金)
今朝の閣議において、法務省案件として主意書に対する答弁書が1件閣議決定されました。
続いて、私から3件御報告いたします。
まず、こちらのパネル・資料にもありますが、「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」について申し上げます。
出入国在留管理庁では、これまでも、ルールを守る外国人を積極的に受け入れる一方で、我が国の安全・安心を脅かす外国人の入国・在留を阻止し、確実に我が国から退去させることにより、円滑かつ厳格な出入国在留管理を目指してまいりました。
しかしながら、昨今、ルールを守らない外国人に係る報道がなされるなど国民の皆様方の間で不安が高まっている状況があります。そうした状況を受け、そのような外国人への対応が強く求められるということを認識しています。そこで、私から本年3月、神田大臣政務官に対して、誤用・濫用的な難民認定申請を繰り返している者を含め、ルールを守らない外国人を速やかに我が国から退去させるための対応策をまとめるよう、指示したところです。
議論の結果として、こちらのパネル・資料にもありますように、「入国管理」、「在留管理・難民審査」、「出国・送還」の3つの段階に分けて、各段階における具体的な対応策を「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」としてまとめたところです。
プランの内容については資料にあるとおりですが、これらの施策の中で特に私からは、在留管理・難民審査の(3)、難民認定申請の審査の迅速化について御説明したいと思います。
難民認定手続のスピードアップについて、本年3月に出入国在留管理庁に指示していましたが、その対策の第一弾として、まずは、2点実施することとしました。
1点目ですが、いわゆるB案件、すなわち明らかに難民と認められない案件の処理の迅速化、そして在留制限の実施です。
これはB案件として処理するものを振り分けるために、最新の出身国情報等を踏まえて案件を類型化することで、従前の運用を抜本的に改善し、スピードアップを図るものです。
これまでは難民認定申請者用に安易に「特定活動」の在留資格を許可していた実態があり、在留制限のかかるB案件への振り分けは令和6年の実績で0.6パーセントと極めて少数に留まっているという運用上の課題がありました。
今回B案件を類型化したことで、誤用・濫用的な申請を確実にB案件に振り分けることができることとなります。その結果として、「特定活動」の在留資格を付与せず、在留を認めない件数が増加し、これを増やすことで、誤用・濫用的な申請の抑制効果が出ると考えています。
2点目ですが、令和5年の改正入管法の施行以前に申請をした複数回申請者に対する迅速処理の実施です。
改正法の施行以前に申請をした複数回申請者については、経過措置規定により、現在の審査中は、送還停止効の例外が適用されないこととなっており、速やかな送還が実施できていないという実態があります。
これを解消するために、複数回申請者に対する迅速処理を実施し、難民等と認められない者の迅速な送還につなげてまいります。
私としては、在留管理・難民審査の厳格化・迅速化について、今後も、出入国在留管理庁に適時・的確に指示し、ルールを守る外国人を積極的に受け入れる一方で、ルールを守らない外国人に対しては厳格な対応を徹底してまいります。そのことで国民の皆様方の安全・安心を守りつつ、外国人と安心して暮らせる共生社会の実現に全力を尽くしてまいりたいと考えています。
次に、資料にも記載のある電子渡航認証制度の正式な略称を決定しましたので申し上げます。
諸外国の例も参考に、これまで「日本版ESTA(エスタ)」と申し上げていましたが、英語の略称を「JESTA(ジェスタ)」に決定しましたので、申し上げます。
今後、この制度の開始に向けた広報の中でJESTA、この略称を用いて我が国に入国をしようとする外国人の方々に対して、本制度の周知に努めていきたいと考えています。
2件目ですが、「こどもの人権SOSミニレター」について申し上げます。
本日から、全国の小中学校の全児童・生徒約927万人を対象に、「こどもの人権SOSミニレター」の配布を開始します。
このミニレターは、親や学校の先生など身近な人にも相談できないこどもたちの悩みごとを的確に把握し、問題の解決に当たるためのものです。
こどもたちがミニレターに悩みごとを書いてポストに投函すると、法務局の職員や人権擁護委員がその全てに目を通し、一通一通、丁寧に返事をします。
今年度は、より気軽に相談ができることを目指して、試行として長崎県及び長野県の小・中学校を対象にはがき型のミニレターを配布することとしています。これまでもミニレターをきっかけに、いじめや虐待などから救われたというこどもたちが多くいます。
報道機関の皆様方には、一人でも多くのこどもたちを救うことができるように、ミニレターの周知・広報への御協力を是非お願いしたいと思います。
続いて3件目ですが、サウジアラビア王国司法省との間の協力覚書(MOC)について申し上げます。
21日水曜日、サウジアラビア王国のアルスマニ司法大臣とともに、サウジアラビア王国司法省と我が国日本の法務省との間の協力覚書に署名をしました。これに併せてアルスマニ司法大臣と会談し、有意義な意見交換を行うこともできました。この協力覚書で合意された専門知識の交換や情報共有などを通じ、法務・司法分野における両国の協力関係を深めてまいりたいと考えています。
続いて、私から3件御報告いたします。
まず、こちらのパネル・資料にもありますが、「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」について申し上げます。
出入国在留管理庁では、これまでも、ルールを守る外国人を積極的に受け入れる一方で、我が国の安全・安心を脅かす外国人の入国・在留を阻止し、確実に我が国から退去させることにより、円滑かつ厳格な出入国在留管理を目指してまいりました。
しかしながら、昨今、ルールを守らない外国人に係る報道がなされるなど国民の皆様方の間で不安が高まっている状況があります。そうした状況を受け、そのような外国人への対応が強く求められるということを認識しています。そこで、私から本年3月、神田大臣政務官に対して、誤用・濫用的な難民認定申請を繰り返している者を含め、ルールを守らない外国人を速やかに我が国から退去させるための対応策をまとめるよう、指示したところです。
議論の結果として、こちらのパネル・資料にもありますように、「入国管理」、「在留管理・難民審査」、「出国・送還」の3つの段階に分けて、各段階における具体的な対応策を「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」としてまとめたところです。
プランの内容については資料にあるとおりですが、これらの施策の中で特に私からは、在留管理・難民審査の(3)、難民認定申請の審査の迅速化について御説明したいと思います。
難民認定手続のスピードアップについて、本年3月に出入国在留管理庁に指示していましたが、その対策の第一弾として、まずは、2点実施することとしました。
1点目ですが、いわゆるB案件、すなわち明らかに難民と認められない案件の処理の迅速化、そして在留制限の実施です。
これはB案件として処理するものを振り分けるために、最新の出身国情報等を踏まえて案件を類型化することで、従前の運用を抜本的に改善し、スピードアップを図るものです。
これまでは難民認定申請者用に安易に「特定活動」の在留資格を許可していた実態があり、在留制限のかかるB案件への振り分けは令和6年の実績で0.6パーセントと極めて少数に留まっているという運用上の課題がありました。
今回B案件を類型化したことで、誤用・濫用的な申請を確実にB案件に振り分けることができることとなります。その結果として、「特定活動」の在留資格を付与せず、在留を認めない件数が増加し、これを増やすことで、誤用・濫用的な申請の抑制効果が出ると考えています。
2点目ですが、令和5年の改正入管法の施行以前に申請をした複数回申請者に対する迅速処理の実施です。
改正法の施行以前に申請をした複数回申請者については、経過措置規定により、現在の審査中は、送還停止効の例外が適用されないこととなっており、速やかな送還が実施できていないという実態があります。
これを解消するために、複数回申請者に対する迅速処理を実施し、難民等と認められない者の迅速な送還につなげてまいります。
私としては、在留管理・難民審査の厳格化・迅速化について、今後も、出入国在留管理庁に適時・的確に指示し、ルールを守る外国人を積極的に受け入れる一方で、ルールを守らない外国人に対しては厳格な対応を徹底してまいります。そのことで国民の皆様方の安全・安心を守りつつ、外国人と安心して暮らせる共生社会の実現に全力を尽くしてまいりたいと考えています。
次に、資料にも記載のある電子渡航認証制度の正式な略称を決定しましたので申し上げます。
諸外国の例も参考に、これまで「日本版ESTA(エスタ)」と申し上げていましたが、英語の略称を「JESTA(ジェスタ)」に決定しましたので、申し上げます。
今後、この制度の開始に向けた広報の中でJESTA、この略称を用いて我が国に入国をしようとする外国人の方々に対して、本制度の周知に努めていきたいと考えています。
2件目ですが、「こどもの人権SOSミニレター」について申し上げます。
本日から、全国の小中学校の全児童・生徒約927万人を対象に、「こどもの人権SOSミニレター」の配布を開始します。
このミニレターは、親や学校の先生など身近な人にも相談できないこどもたちの悩みごとを的確に把握し、問題の解決に当たるためのものです。
こどもたちがミニレターに悩みごとを書いてポストに投函すると、法務局の職員や人権擁護委員がその全てに目を通し、一通一通、丁寧に返事をします。
今年度は、より気軽に相談ができることを目指して、試行として長崎県及び長野県の小・中学校を対象にはがき型のミニレターを配布することとしています。これまでもミニレターをきっかけに、いじめや虐待などから救われたというこどもたちが多くいます。
報道機関の皆様方には、一人でも多くのこどもたちを救うことができるように、ミニレターの周知・広報への御協力を是非お願いしたいと思います。
続いて3件目ですが、サウジアラビア王国司法省との間の協力覚書(MOC)について申し上げます。
21日水曜日、サウジアラビア王国のアルスマニ司法大臣とともに、サウジアラビア王国司法省と我が国日本の法務省との間の協力覚書に署名をしました。これに併せてアルスマニ司法大臣と会談し、有意義な意見交換を行うこともできました。この協力覚書で合意された専門知識の交換や情報共有などを通じ、法務・司法分野における両国の協力関係を深めてまいりたいと考えています。
「国民の安全・安心のための不当滞在者ゼロプラン」に関する質疑について
【記者】
「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」についてお伺いします。不法残留者の数はですね、入管が発表している資料ですと7万人余りと近年減少が停滞している状況にあります。一方で政府が外国人材の活用を推進している以上、不法残留者ゼロを実現することは難しいように感じるのですが、今回このタイミングでですね、このプランを、先ほども大臣から説明ありましたが、このタイミングでこのプランを打ち出した意義と背景にある問題意識について改めてお伺いします。
【大臣】
まず申し上げたいのは、やはり「選ばれる国」と「入りやすい国」とは異なるという認識を申し上げたいと思います。
我が国の在留外国人の数は令和6年12月末に約377万人と過去最高を更新しており、在留外国人の皆様方は、我が国の社会を構成する一員となっていただいています。
また、外国人材の活用の推進は当然のことであると考えています。
その一方で、昨今、退去強制が確定した外国人に限らず、我が国の在留外国人による我が国のルールを守らない事件や事故等の報道がなされる等々、国民の皆様方の間で安全・安心への不安が高まっている、そうした社会情勢があると私どもとしては認識しています。
不法残留者については、令和7年1月1日時点で約7万5千人、先ほど御指摘もいただきましたが、今は大幅な減少も見られていない状況にあるということも同時に認識しています。そうした中で、我が国に入国、滞在する基本である入管制度を守らない外国人についても、ルールを守らない外国人ということで国民の皆様方の安全・安心に大きな不安を与えているということを私どもとしては認識していますので、そうしたことから、この制度を所管をしている法務省として、今回このゼロプランをこういった形で定め、発表することで、そこに焦点を当てて取組を強化していきたいと思っています。まず、退去強制が確定した外国人を速やかに送還するなど、毅然とした厳格な対応を示すこととしたところです。
こういった取組を推進することで、将来的には不法滞在者ゼロをしっかりと目指していくということで、そうした理念をここに掲げ、我々として厳格に対応を進めていきたい、そういったことで今回定めたところです。
「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」についてお伺いします。不法残留者の数はですね、入管が発表している資料ですと7万人余りと近年減少が停滞している状況にあります。一方で政府が外国人材の活用を推進している以上、不法残留者ゼロを実現することは難しいように感じるのですが、今回このタイミングでですね、このプランを、先ほども大臣から説明ありましたが、このタイミングでこのプランを打ち出した意義と背景にある問題意識について改めてお伺いします。
【大臣】
まず申し上げたいのは、やはり「選ばれる国」と「入りやすい国」とは異なるという認識を申し上げたいと思います。
我が国の在留外国人の数は令和6年12月末に約377万人と過去最高を更新しており、在留外国人の皆様方は、我が国の社会を構成する一員となっていただいています。
また、外国人材の活用の推進は当然のことであると考えています。
その一方で、昨今、退去強制が確定した外国人に限らず、我が国の在留外国人による我が国のルールを守らない事件や事故等の報道がなされる等々、国民の皆様方の間で安全・安心への不安が高まっている、そうした社会情勢があると私どもとしては認識しています。
不法残留者については、令和7年1月1日時点で約7万5千人、先ほど御指摘もいただきましたが、今は大幅な減少も見られていない状況にあるということも同時に認識しています。そうした中で、我が国に入国、滞在する基本である入管制度を守らない外国人についても、ルールを守らない外国人ということで国民の皆様方の安全・安心に大きな不安を与えているということを私どもとしては認識していますので、そうしたことから、この制度を所管をしている法務省として、今回このゼロプランをこういった形で定め、発表することで、そこに焦点を当てて取組を強化していきたいと思っています。まず、退去強制が確定した外国人を速やかに送還するなど、毅然とした厳格な対応を示すこととしたところです。
こういった取組を推進することで、将来的には不法滞在者ゼロをしっかりと目指していくということで、そうした理念をここに掲げ、我々として厳格に対応を進めていきたい、そういったことで今回定めたところです。
刑事施設内で被収容者が子の養育をしていることの事実関係及び所感に関する質疑について
【記者】
一部報道で、法務省は2024年度から妊娠中の女性受刑者の出産や育児を支援するモデル事業を始め、事業を利用した受刑者から初めて子供が生まれたことが判明したとの報道があります。当事業の継続や拡大の必要性についても今後検討していくとありますが、いずれも事実関係と御認識について伺います。
【大臣】
そのような報道があったことについては、私どもも承知しています。
刑事収容施設法の第66条においては、女性の被収容者から刑事施設内で子の養育をしたいとの申し出があった場合に最長で1歳半に達するまで一定の要件で、これを許すことができることとされています。今般、立川拘置所収容中の者が養育を希望したことから、同所の育児室において子の養育を行わせています。
子の養育に関する個別の事例については、本人及び子のプライバシーにも配慮する必要があることから、コメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、子の最善の利益の観点を始め、刑事収容施設法に子の養育に関する規定が設けられている趣旨も踏まえ、引き続き、私どもとしても適切に対応していきたいと考えています。
一部報道で、法務省は2024年度から妊娠中の女性受刑者の出産や育児を支援するモデル事業を始め、事業を利用した受刑者から初めて子供が生まれたことが判明したとの報道があります。当事業の継続や拡大の必要性についても今後検討していくとありますが、いずれも事実関係と御認識について伺います。
【大臣】
そのような報道があったことについては、私どもも承知しています。
刑事収容施設法の第66条においては、女性の被収容者から刑事施設内で子の養育をしたいとの申し出があった場合に最長で1歳半に達するまで一定の要件で、これを許すことができることとされています。今般、立川拘置所収容中の者が養育を希望したことから、同所の育児室において子の養育を行わせています。
子の養育に関する個別の事例については、本人及び子のプライバシーにも配慮する必要があることから、コメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、子の最善の利益の観点を始め、刑事収容施設法に子の養育に関する規定が設けられている趣旨も踏まえ、引き続き、私どもとしても適切に対応していきたいと考えています。
JESTA導入に向けたスケジュール感と導入の意義に関する質疑について
【記者】
改めてになりますけれども、JESTAの導入に向けたスケジュール感とJESTA導入の意義を大臣の方からお願いします。
【大臣】
まず、スケジュール感は先日国会でも御答弁を申し上げたところですが、2028年度中のJESTAの確実な導入に向けて、必要なことをしっかりとこれから進めてまいりたいと考えています。
そうした中で、このJESTAの意義ということですが、まさに出入国管理・在留管理の厳格化や出入国審査の迅速化を実現することが意義になります。
まず、これからインバウンドと言われるような方々、日本に来られる方々が増える中で、審査の迅速化が1つは急務です。同時に、先ほどゼロプランの方でも申し上げましたが、やはり今、出入国在留管理の中で、不法な滞在等の様々な問題点を指摘され、さらには国民の皆様方の不安も今非常に強まっている状況にあることも認識しています。そこへの対応ということで、この厳格化を行っていき、基本的には査証免除国が対象になると思いますが、そういった国についてこのJESTAを導入することで、出入国在留管理の厳格化にも資する、その2つが意義ということになろうかと思います。
改めてになりますけれども、JESTAの導入に向けたスケジュール感とJESTA導入の意義を大臣の方からお願いします。
【大臣】
まず、スケジュール感は先日国会でも御答弁を申し上げたところですが、2028年度中のJESTAの確実な導入に向けて、必要なことをしっかりとこれから進めてまいりたいと考えています。
そうした中で、このJESTAの意義ということですが、まさに出入国管理・在留管理の厳格化や出入国審査の迅速化を実現することが意義になります。
まず、これからインバウンドと言われるような方々、日本に来られる方々が増える中で、審査の迅速化が1つは急務です。同時に、先ほどゼロプランの方でも申し上げましたが、やはり今、出入国在留管理の中で、不法な滞在等の様々な問題点を指摘され、さらには国民の皆様方の不安も今非常に強まっている状況にあることも認識しています。そこへの対応ということで、この厳格化を行っていき、基本的には査証免除国が対象になると思いますが、そういった国についてこのJESTAを導入することで、出入国在留管理の厳格化にも資する、その2つが意義ということになろうかと思います。
(以上)