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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和7年5月27日(火)

 今朝の閣議において、法務省請議案件はありませんでした。
 続いて、私から2件御報告があります。
 まず、京都モデルストラテジーの決議案の採択について申し上げます。
 令和3年に開催された京都コングレスの成果の一つとして、法務省が外務省と連携して策定を主導してきた再犯防止に関する国連準則、すなわち京都モデルストラテジーに係る決議案が、国連犯罪防止刑事司法委員会(CCPCJ)において採択されました。
 このCCPCJですけれども、先週の5月19日から23日までの間ウィーンで開催され、神田法務大臣政務官も出席して、決議案の採択を力強く後押ししてきたところです。
 本準則には、保護司制度等の我が国の官民連携やマルチステークホルダー・パートナーシップ、すなわち多機関連携による再犯防止の知見が盛り込まれており、その通称は今回の決議において「京都モデルストラテジー」とすることとされたところです。
 本準則が正式に策定されるためには、今後、国連経済社会理事会(ECOSOC)及び国連総会での手続を経ることとなります。
 法務省としては、司法外交の一環として、開発途上国における本準則の活用を支援すること等を通じ、各国における再犯防止施策の充実に向け、国際社会におけるリーダーシップを発揮してまいります。
 2件目に、保護司の安全確保について申し上げます。
 令和6年5月に滋賀県大津市で熱心に活動をいただいておりました保護司の方が自宅で殺害され、その担当していた保護観察対象者が殺人容疑で逮捕・起訴されるという事案が発生してから1年が経過したところです。
 改めまして、熱心に活動されていた保護司の方がお亡くなりになられましたこと、私を始め関係者一同、大変心を痛めておりますし、改めて故人そして御遺族に哀悼の誠をささげたいと思っております。
 また、全国の保護司の方々やその御家族の方々におかれましても、この事案の発生を受けて、大変不安な気持ちを抱えられている、そういった状況であろうと考えています。
 本事案の発生以降、法務省としては、保護司等の皆様方の不安解消や安全確保に向けた取組として、保護司の複数指名の積極活用、保護観察官の直接処遇等の直接関与の強化、さらには自宅以外の面接場所の確保を行っていく、こうした対策を講じているところです。
 また、昨年10月に取りまとめられた「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」の報告書に今後講じていく施策等として掲げられた事項を踏まえて、保護司法の改正に向けた検討を含めた各種の取組を着実に進めることとしています。
 今後も、保護司の皆様方の声に耳を傾けながら、保護司の皆様方の安全の確保、さらにはその活動環境の整備に取り組んでまいりたいと考えています。

改正戸籍法における氏名の振り仮名の在り方に関する質疑について

【記者】
 昨日施行された改正戸籍法について伺います。改正法は氏名の読み方について「一般に認められているものでなければならない」と規定し、いわゆるキラキラネームに一定の制約を設けました。命名者の創意工夫や文化への影響を危惧する声もありますが、名付けに新たなルールを設けたことの意義について、大臣の御認識をお伺いします。

【大臣】
 今お話もありましたように、昨日から戸籍への氏名の振り仮名記載の制度が始まったところです。
 本籍地の市区町村から国民の皆様方に順次送付される通知書を必ず御確認いただくよう、改めてお願い申し上げます。
 その上で、御指摘のように改正戸籍法においては、氏名の読み方について「一般に認められているものでなければならない」と規定されています。
 これは社会の混乱防止の観点から、法制審議会戸籍法部会での議論や、国民の皆様方からいただいた御意見を踏まえて設けられたものです。
 なお、氏名の読み方として一般に認められているものかどうかは、社会において受容され、慣用されているかという観点から判断されることになります。
 この際、幅広い名乗り訓を許容してきた我が国の命名文化、これを尊重する観点から、疑義がある場合には、届出人の方に個別に説明を聞いた上で判断するものとしています。そのため、私どもとしては、この規定が命名者の創意工夫、あるいは我が国の文化、こういったものに不当な制約や影響を与えるものではないと認識しています。
 法務省としては、引き続き、国民の皆様方への新制度の周知・広報に一層努めてまいりたいと思っておりますし、関係省庁や市区町村とも十分に連携を図って、円滑な運用に万全を期してまいりたいと考えております。
(以上)