法務大臣閣議後記者会見の概要
令和7年7月8日(火)
今朝の閣議において、法務省請議案件はありませんでした。
続いて、私から2件御報告があります。
まず、侮辱罪の施行状況の検証について申し上げます。
令和4年に成立した刑法等一部改正法により、侮辱罪の法定刑が「拘留又は科料」から「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に引き上げられました。
なお、その後の同改正法における拘禁刑の創設に係る規定が施行(令和7年6月1日施行)されたことにより、現在では、侮辱罪の法定刑は「1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」となっています。
改正法が施行されてから3年になりましたが、その附則においては、施行後3年を経過したときは、施行状況について検証を行うことが定められています。
そこで、今般、法務省において、外部有識者の方々を交えて、「侮辱罪の施行状況に関する刑事検討会」を開催し、侮辱罪の施行状況について所要の検証を行うとともに、更なる刑事上の措置の要否等について御議論いただくこととしています。
本年9月にも第1回会議を開催する方向で、必要な準備を進めてまいります。
2件目に、「全国中学生人権作文コンテスト」について申し上げます。
法務省ウェブサイトでもお知らせしているように、本年度も「全国中学生人権作文コンテスト」を実施します。
本コンテストは、次世代を担う中学生を対象に、人権問題についての作文を書くことを通じて、人権尊重の重要性及び必要性についての理解を深めるとともに、豊かな人権感覚を身に付けることを目的として、昭和56年度(1981年度)から実施しているところです。今回で第44回目の開催です。
昨年度の大会においては、全国6,400校を超える中学校から、全国の中学生の約4人に1人に当たる約74万名もの方々から応募をいただいたところです。本年度も、御応募いただいた作品の中から、内閣総理大臣賞、法務大臣賞などが選出される予定です。
私自身も昨年度、入賞作品を拝読しましたが、いずれの作品も、身近にある様々な人権問題について、これまでの体験等に基づいて真剣に考え抜いたことが、素直に、かつ、丁寧に表現されており、作品に表れた中学生の皆様方の豊かな感性、あるいは純粋な感覚に心を動かされました。
お住まいの地域により応募期限は異なりますが、おおむね9月頃を期限としています。今回も多くの中学生の皆様方に夏休みの機会を利用するなどして、本コンテストに応募いただくことを期待しています。
報道機関の皆様方におかれましても、積極的な周知・広報への御協力を是非お願い申し上げたいと思います。
なお、法務省としては、中学生の皆様方から寄せられた素晴らしい作品を一人でも多くの方々にお読みいただきたいと考えており、毎年、入賞作文集を刊行し、法務省ウェブサイトにも掲載しているところです。
多くの方々に作品をお読みいただき、お互いの人権や尊厳を尊重し合うことの大切さについて、改めて考えるきっかけにしていただければと考えています。
続いて、私から2件御報告があります。
まず、侮辱罪の施行状況の検証について申し上げます。
令和4年に成立した刑法等一部改正法により、侮辱罪の法定刑が「拘留又は科料」から「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に引き上げられました。
なお、その後の同改正法における拘禁刑の創設に係る規定が施行(令和7年6月1日施行)されたことにより、現在では、侮辱罪の法定刑は「1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」となっています。
改正法が施行されてから3年になりましたが、その附則においては、施行後3年を経過したときは、施行状況について検証を行うことが定められています。
そこで、今般、法務省において、外部有識者の方々を交えて、「侮辱罪の施行状況に関する刑事検討会」を開催し、侮辱罪の施行状況について所要の検証を行うとともに、更なる刑事上の措置の要否等について御議論いただくこととしています。
本年9月にも第1回会議を開催する方向で、必要な準備を進めてまいります。
2件目に、「全国中学生人権作文コンテスト」について申し上げます。
法務省ウェブサイトでもお知らせしているように、本年度も「全国中学生人権作文コンテスト」を実施します。
本コンテストは、次世代を担う中学生を対象に、人権問題についての作文を書くことを通じて、人権尊重の重要性及び必要性についての理解を深めるとともに、豊かな人権感覚を身に付けることを目的として、昭和56年度(1981年度)から実施しているところです。今回で第44回目の開催です。
昨年度の大会においては、全国6,400校を超える中学校から、全国の中学生の約4人に1人に当たる約74万名もの方々から応募をいただいたところです。本年度も、御応募いただいた作品の中から、内閣総理大臣賞、法務大臣賞などが選出される予定です。
私自身も昨年度、入賞作品を拝読しましたが、いずれの作品も、身近にある様々な人権問題について、これまでの体験等に基づいて真剣に考え抜いたことが、素直に、かつ、丁寧に表現されており、作品に表れた中学生の皆様方の豊かな感性、あるいは純粋な感覚に心を動かされました。
お住まいの地域により応募期限は異なりますが、おおむね9月頃を期限としています。今回も多くの中学生の皆様方に夏休みの機会を利用するなどして、本コンテストに応募いただくことを期待しています。
報道機関の皆様方におかれましても、積極的な周知・広報への御協力を是非お願い申し上げたいと思います。
なお、法務省としては、中学生の皆様方から寄せられた素晴らしい作品を一人でも多くの方々にお読みいただきたいと考えており、毎年、入賞作文集を刊行し、法務省ウェブサイトにも掲載しているところです。
多くの方々に作品をお読みいただき、お互いの人権や尊厳を尊重し合うことの大切さについて、改めて考えるきっかけにしていただければと考えています。
侮辱罪の法定刑の引上げに関する質疑について
【記者】
冒頭御発言のあった侮辱罪法定刑引上げ3年に関連してお尋ねします。インターネット上での誹謗中傷などは、近年も話題になることがありますが、こうした現状の受け止めや、厳罰化の意義や効果について、大臣のお考えを教えてください。
また、侮辱罪や名誉毀損罪は表現の自由との兼ね合いが議論になることがあります。刑事罰の適用と表現の自由とのバランスの在り方についても、考え方を教えてください。
【大臣】
侮辱罪の法定刑の引上げ、これはインターネット上の誹謗中傷が社会問題化していることなどを踏まえて行われたものです。この問題については、現在においても、社会的な関心が極めて高いものと我々としても考えています。
侮辱罪の法定刑の引上げの意義や効果については、改正法の施行後、実際に、侮辱罪についての罰金以上の刑が科された事案があるものと承知しており、法改正には、悪質な侮辱行為、これに厳正に対処する観点からも一定の効果があったものと私どもとしては認識しているところです。
いずれにしても、今般、開催することとした「侮辱罪の施行状況に関する刑事検討会」においては、刑法等一部改正法の附則に規定されているとおり、侮辱罪の施行状況について、インターネット上の誹謗中傷に適切に対処することができているかどうか、さらには、先ほど御指摘もありましたが、表現の自由その他の自由に対する不当な制約になっていないかどうか、こうした観点から御議論いただけるものと考えており、私どもとしても、検討会において、充実した議論が円滑に行われるように尽力してまいりたいと考えています。
【記者】
侮辱罪の検討のところで、大臣の最初の冒頭発言のところで、刑事検討会を開催して、侮辱罪の施行状況について、所要の検討を行うということと、あと更なる刑事上の措置の要否みたいなお話だったと思うんですけれども、これは意味合いとしては更なる厳罰化も視野に入れているということでしょうか。
【大臣】
当然、これは検討会でこれから議論をお願いすることですので、あらかじめこうこうしてほしいとか、そういう予断をもって私から申し上げることは控えさせていただきたいと思っていますが、今の現状を踏まえた上で、この検討会において様々な意味での充実した議論を行っていただきたい、そういった趣旨です。
【記者】
更なる刑事上の措置の要否みたいなことまで踏み込んでおっしゃっていましたけれども、ここは中身としては検討会の議論の行方にはなるんでしょうけれども、そういったことも、更なる厳罰化もあり得るという理解でよろしいでしょうか。
【大臣】
私の方でそういった要否ということで申し上げました。当然のことながら、可能性としてそういった議論が行われて、その要否について検討いただくことになろうかと思います。
冒頭御発言のあった侮辱罪法定刑引上げ3年に関連してお尋ねします。インターネット上での誹謗中傷などは、近年も話題になることがありますが、こうした現状の受け止めや、厳罰化の意義や効果について、大臣のお考えを教えてください。
また、侮辱罪や名誉毀損罪は表現の自由との兼ね合いが議論になることがあります。刑事罰の適用と表現の自由とのバランスの在り方についても、考え方を教えてください。
【大臣】
侮辱罪の法定刑の引上げ、これはインターネット上の誹謗中傷が社会問題化していることなどを踏まえて行われたものです。この問題については、現在においても、社会的な関心が極めて高いものと我々としても考えています。
侮辱罪の法定刑の引上げの意義や効果については、改正法の施行後、実際に、侮辱罪についての罰金以上の刑が科された事案があるものと承知しており、法改正には、悪質な侮辱行為、これに厳正に対処する観点からも一定の効果があったものと私どもとしては認識しているところです。
いずれにしても、今般、開催することとした「侮辱罪の施行状況に関する刑事検討会」においては、刑法等一部改正法の附則に規定されているとおり、侮辱罪の施行状況について、インターネット上の誹謗中傷に適切に対処することができているかどうか、さらには、先ほど御指摘もありましたが、表現の自由その他の自由に対する不当な制約になっていないかどうか、こうした観点から御議論いただけるものと考えており、私どもとしても、検討会において、充実した議論が円滑に行われるように尽力してまいりたいと考えています。
【記者】
侮辱罪の検討のところで、大臣の最初の冒頭発言のところで、刑事検討会を開催して、侮辱罪の施行状況について、所要の検討を行うということと、あと更なる刑事上の措置の要否みたいなお話だったと思うんですけれども、これは意味合いとしては更なる厳罰化も視野に入れているということでしょうか。
【大臣】
当然、これは検討会でこれから議論をお願いすることですので、あらかじめこうこうしてほしいとか、そういう予断をもって私から申し上げることは控えさせていただきたいと思っていますが、今の現状を踏まえた上で、この検討会において様々な意味での充実した議論を行っていただきたい、そういった趣旨です。
【記者】
更なる刑事上の措置の要否みたいなことまで踏み込んでおっしゃっていましたけれども、ここは中身としては検討会の議論の行方にはなるんでしょうけれども、そういったことも、更なる厳罰化もあり得るという理解でよろしいでしょうか。
【大臣】
私の方でそういった要否ということで申し上げました。当然のことながら、可能性としてそういった議論が行われて、その要否について検討いただくことになろうかと思います。
外国人の受入れの在り方に関する質疑について
【記者】
政府はですね、訪日外国人や在留外国人をめぐる問題に対応を強化するためにですね、司令塔となる事務局組織を来週にも新設する方針です。こうした司令塔組織の必要性や期待することについて大臣のお考えを伺います。
またですね、今回の参院選では、外国人の政策に関して与野党がですね、こぞって政策を打ち出している状況でして、一つの争点になっています。中には日本人ファーストというものを掲げる政党もある状況です。大臣これまで私的勉強会も実施されてきたかと思いますが、日本として外国人の受入れにどのような姿勢で臨むべきかお考えをお願いします。
【大臣】
今御指摘がありました司令塔組織について、まずその点を申し上げますが、本日の閣僚懇談会において、石破総理から、来週の初めに内閣官房に外国人施策の司令塔となる事務局組織を設置するとの方針が示されたところです。
我が国の成長型経済への移行、これを確実なものにするためには、海外活力の取り込みが不可欠ですが、他方で一部の外国人による犯罪や迷惑行為、各種制度の不適切な利用など、国民の皆様方が不安を感じている、そういった状況も生じています。
そうした中で、ルールを守らない方々への厳格な対応や、あるいはこうした状況に対応するための制度・施策の見直しが必要です。こうしたことを踏まえ、来週の初めに、先ほどの繰り返しとなりますが、内閣官房に外国人政策の司令塔となる事務局組織を設置し、この司令塔を中心に外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた様々な施策を総合的に推進するとの方針が総理から示されるとともに、関係閣僚において一層の御協力をお願いしますと、そういった協力を求める旨の指示があったところです。
私どもとしても、これまで法務省として、今年の5月に公表した「国民への安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」に基づいて、ルールを守らない外国人を速やかに我が国から退去させるための対応策を実施してきています。
また、先ほど御指摘もありましたが、今年の2月からは法務大臣の下で、有識者の皆様方をお招きして、外国人の受入れに関して、中長期的な観点から検討すべき課題についての勉強会を行っています。
各種在留資格についても、様々な要件の適正化に向けた検討を行っているところです。
総理におかれましても、こうした状況を踏まえて、この課題における政府の取組状況の発信をするとともに、具体的な取組の加速に向けて、関係閣僚の一層の協力を求めるべく、閣僚懇談会での発言をされたものと承知しています。まさにこれは政府として、あるいは法務省として、当然のことながら、日本の経済を考えれば、彼らの活動の取り込みは極めて大事ですが、同時に国民の皆様方の安全・安心をしっかりと守っていくことも極めて重要です。これは当然の前提であると考えています。
そのために、私どもとして万全を期すために、こうした様々な取組をこれまでも進めていく中で、出入国在留管理適正化の取組を進めていますが、今回、総理の指示も踏まえながら、そうしたところに引き続き万全を尽くしてまいりたいと考えています。
【記者】
関連で伺います。今ルールを守らない外国人への言及もありましたけれども、参院選の街頭演説などではより過激な形で外国人を一括りにして、犯罪と結びつけるような主張も聞かれて、排外主義の高まりが懸念されています。
法務省としては、出入国在留管理とともに人権擁護も所管されているわけですけれども、こういった今現在の状況について、その双方を所管する大臣として、お考えをお聞かせください。
【大臣】
繰り返し申し上げていますが、ルールを守らない外国人が不法に滞在をしている、そういった外国人の方々については、しっかりと日本から退去いただく、これは当然のことではないかと思っています。
ただ、同時に私どもとしても、外国人との秩序ある共生社会、これは極めて重要だと思っており、そうした中で、排外主義といったようなことには当然なってはならないと考えています。まさにそうしたメリハリをきちんとつけた形での出入国管理・在留管理行政を行っていく、そうしたことに私どもとしては尽きると考えています。
【記者】
関連してなんですけれども、大臣、結構その「ルールを守らない外国人」というワードを使われると思うんですけれども、大臣がおっしゃる「ルールを守らない外国人」っていうのは、例えばどういったことを指しているのか教えてもらえますか。
【大臣】
まず、在留資格という意味で、まさに不法滞在と言われるような状況になっていることも、一つ当然あろうかと思います。あるいは、当然のことながら、日本は法治国家ですので、様々な法令に反する行為を行うことが、そうしたルールを守らないということに該当すると、私としては考えています。
【記者】
基本的にはルールとおっしゃっていますけれども、法律を守らないという理解でいいのでしょうか。
【大臣】
当然のことながら、法令ということもあります。どうしてもこれは、ルールを守らないという定義は若干微妙なところもあるかと思いますが、共生社会ということを考えたときに、日本社会との共生ということは外国人において、あるいは日本社会においても、共生を行っていくためのいろいろな取組や啓発等に我々も取り組んでいますが、そうしたことを通じて共生を図っていくことも、もう一つの面としてはあります。
ただ、ルールを守らない外国人にこの国から退去いただくという意味においては当然のことながら、これは法令ということになろうかと思います。
【記者】
先ほどルールを守らない外国人について御説明いただいたんですけれども、様々な事情から非正規滞在の状況になっていらっしゃる方たちと、刑法犯とかですね、犯罪を犯した人たちっていうのを一括りにはできないところがあると思います。
そうしたものをルールを守らない外国人っていう形で、一括りにしてですね、政府が発信することによって、外国人がルールを守っていないというイメージを広げることに繋がる懸念もあるのではないかと思うんですけれども、それは政府の発信の仕方が、先ほど大臣があってはならないとおっしゃったその排外主義をですね、広げるようなことに繋がってはいけないと思うんですけれども、その点については、その発信の仕方に問題がないかどうか、そこは大臣どうお考えでしょうか。
【大臣】
当然のことながら、私どもとしても、そうした排外主義ということ、これはあってはならないことですので、適切な発信を行ってきていると考えていますし、そういった意味での誤解が広がっているような状況ではないと私としては考えています。政府の発信によってそういった誤解を招いている状況ではないと考えています。
【記者】
今、盛んにおっしゃっている、そのルールを守らない外国人への対応という発信の仕方には問題はないという、今の認識だという理解でよろしかったでしょうか。
【大臣】
ルールを守らない外国人の方がいる。これは事実でありますので、そうしたことを事実として申し上げることに問題はないと考えています。
政府はですね、訪日外国人や在留外国人をめぐる問題に対応を強化するためにですね、司令塔となる事務局組織を来週にも新設する方針です。こうした司令塔組織の必要性や期待することについて大臣のお考えを伺います。
またですね、今回の参院選では、外国人の政策に関して与野党がですね、こぞって政策を打ち出している状況でして、一つの争点になっています。中には日本人ファーストというものを掲げる政党もある状況です。大臣これまで私的勉強会も実施されてきたかと思いますが、日本として外国人の受入れにどのような姿勢で臨むべきかお考えをお願いします。
【大臣】
今御指摘がありました司令塔組織について、まずその点を申し上げますが、本日の閣僚懇談会において、石破総理から、来週の初めに内閣官房に外国人施策の司令塔となる事務局組織を設置するとの方針が示されたところです。
我が国の成長型経済への移行、これを確実なものにするためには、海外活力の取り込みが不可欠ですが、他方で一部の外国人による犯罪や迷惑行為、各種制度の不適切な利用など、国民の皆様方が不安を感じている、そういった状況も生じています。
そうした中で、ルールを守らない方々への厳格な対応や、あるいはこうした状況に対応するための制度・施策の見直しが必要です。こうしたことを踏まえ、来週の初めに、先ほどの繰り返しとなりますが、内閣官房に外国人政策の司令塔となる事務局組織を設置し、この司令塔を中心に外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた様々な施策を総合的に推進するとの方針が総理から示されるとともに、関係閣僚において一層の御協力をお願いしますと、そういった協力を求める旨の指示があったところです。
私どもとしても、これまで法務省として、今年の5月に公表した「国民への安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」に基づいて、ルールを守らない外国人を速やかに我が国から退去させるための対応策を実施してきています。
また、先ほど御指摘もありましたが、今年の2月からは法務大臣の下で、有識者の皆様方をお招きして、外国人の受入れに関して、中長期的な観点から検討すべき課題についての勉強会を行っています。
各種在留資格についても、様々な要件の適正化に向けた検討を行っているところです。
総理におかれましても、こうした状況を踏まえて、この課題における政府の取組状況の発信をするとともに、具体的な取組の加速に向けて、関係閣僚の一層の協力を求めるべく、閣僚懇談会での発言をされたものと承知しています。まさにこれは政府として、あるいは法務省として、当然のことながら、日本の経済を考えれば、彼らの活動の取り込みは極めて大事ですが、同時に国民の皆様方の安全・安心をしっかりと守っていくことも極めて重要です。これは当然の前提であると考えています。
そのために、私どもとして万全を期すために、こうした様々な取組をこれまでも進めていく中で、出入国在留管理適正化の取組を進めていますが、今回、総理の指示も踏まえながら、そうしたところに引き続き万全を尽くしてまいりたいと考えています。
【記者】
関連で伺います。今ルールを守らない外国人への言及もありましたけれども、参院選の街頭演説などではより過激な形で外国人を一括りにして、犯罪と結びつけるような主張も聞かれて、排外主義の高まりが懸念されています。
法務省としては、出入国在留管理とともに人権擁護も所管されているわけですけれども、こういった今現在の状況について、その双方を所管する大臣として、お考えをお聞かせください。
【大臣】
繰り返し申し上げていますが、ルールを守らない外国人が不法に滞在をしている、そういった外国人の方々については、しっかりと日本から退去いただく、これは当然のことではないかと思っています。
ただ、同時に私どもとしても、外国人との秩序ある共生社会、これは極めて重要だと思っており、そうした中で、排外主義といったようなことには当然なってはならないと考えています。まさにそうしたメリハリをきちんとつけた形での出入国管理・在留管理行政を行っていく、そうしたことに私どもとしては尽きると考えています。
【記者】
関連してなんですけれども、大臣、結構その「ルールを守らない外国人」というワードを使われると思うんですけれども、大臣がおっしゃる「ルールを守らない外国人」っていうのは、例えばどういったことを指しているのか教えてもらえますか。
【大臣】
まず、在留資格という意味で、まさに不法滞在と言われるような状況になっていることも、一つ当然あろうかと思います。あるいは、当然のことながら、日本は法治国家ですので、様々な法令に反する行為を行うことが、そうしたルールを守らないということに該当すると、私としては考えています。
【記者】
基本的にはルールとおっしゃっていますけれども、法律を守らないという理解でいいのでしょうか。
【大臣】
当然のことながら、法令ということもあります。どうしてもこれは、ルールを守らないという定義は若干微妙なところもあるかと思いますが、共生社会ということを考えたときに、日本社会との共生ということは外国人において、あるいは日本社会においても、共生を行っていくためのいろいろな取組や啓発等に我々も取り組んでいますが、そうしたことを通じて共生を図っていくことも、もう一つの面としてはあります。
ただ、ルールを守らない外国人にこの国から退去いただくという意味においては当然のことながら、これは法令ということになろうかと思います。
【記者】
先ほどルールを守らない外国人について御説明いただいたんですけれども、様々な事情から非正規滞在の状況になっていらっしゃる方たちと、刑法犯とかですね、犯罪を犯した人たちっていうのを一括りにはできないところがあると思います。
そうしたものをルールを守らない外国人っていう形で、一括りにしてですね、政府が発信することによって、外国人がルールを守っていないというイメージを広げることに繋がる懸念もあるのではないかと思うんですけれども、それは政府の発信の仕方が、先ほど大臣があってはならないとおっしゃったその排外主義をですね、広げるようなことに繋がってはいけないと思うんですけれども、その点については、その発信の仕方に問題がないかどうか、そこは大臣どうお考えでしょうか。
【大臣】
当然のことながら、私どもとしても、そうした排外主義ということ、これはあってはならないことですので、適切な発信を行ってきていると考えていますし、そういった意味での誤解が広がっているような状況ではないと私としては考えています。政府の発信によってそういった誤解を招いている状況ではないと考えています。
【記者】
今、盛んにおっしゃっている、そのルールを守らない外国人への対応という発信の仕方には問題はないという、今の認識だという理解でよろしかったでしょうか。
【大臣】
ルールを守らない外国人の方がいる。これは事実でありますので、そうしたことを事実として申し上げることに問題はないと考えています。
(以上)