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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和7年7月29日(火)

 今朝の閣議において、法務省請議案件はありませんでした。
 続いて、私から、遺言制度の見直しに係るパブリックコメントの手続について申し上げます。
 今月15日に法制審議会民法(遺言関係)部会において取りまとめられた中間試案について、本日7月29日火曜日、パブリックコメントの手続を開始しました。
 遺言制度は、国民生活上極めて重要な意義を有する相続制度を支える法制度であり、デジタル技術の進展等を踏まえた制度の在り方について検討する必要がある上、高齢化の進展という社会状況の下、遺言者が自らの意思を示し、円滑な財産の承継を実現するという観点からも、その重要性が増していると認識しています。
 中間試案は、デジタル技術を活用して作成することのできる新たな遺言の方式の案を複数提示しているほか、現行の自筆証書遺言の押印要件の在り方などの他の検討項目についても、複数の案を提示するものです。
 パブリックコメントでは、この中間試案について、今年の9月23日まで約2か月の期間を定めて意見を求めることとしており、国民の皆様方から幅広い御意見をお寄せいただけることを期待しています。

改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会に関する質疑について

【記者】
 改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会が24日に報告書をまとめました。自己負罪型合意制度や有罪答弁制度が、現行の課題への対処といった観点からアプローチできる可能性があるとの意見があったとしたほか、取調べの録音・録画については対象範囲の拡大に賛否両論が紹介されました。その上で、報告書は、録音・録画の対象拡大を含む制度改正や運用見直し、その他新制度の導入について、新たな検討の場を設けるなどして取組を推進することを強く期待したい、と記しています。
 報告書への受け止めとともに、「新たな検討の場」の設置という点について、現時点でどのようにお考えか教えてください。

【大臣】
 今御指摘のありました協議会ですが、令和4年の7月から21回にわたり開催され、先週7月24日木曜日に議論の取りまとめが行われたものと承知しています。
 構成員の皆様方には、約3年間にわたり、大変熱心に御協議いただいたこと、また様々な貴重な御意見をいただいたことに、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
 取りまとめ報告書においては、平成28年に成立した刑事訴訟法等一部改正法によって導入又は改正された規定については、全体として、運用それ自体には、おおむね問題はないと評価することができるとされた上で、政府において、取調べの録音・録画の対象範囲の拡大、これを含む制度改正や運用の見直し、その他刑事手続における新たな制度の導入について、新たな検討の場を設けて、具体的に検討を行うなど、所要の取組を推進することを強く期待したいと、そういったことを報告書の中で指摘されていると承知しています。
 私どもとしても、御指摘のありました、この新たな検討の場を設けること、その要否という点も含めて、取りまとめの成果を参考としながら、今後の対応をしっかりと検討していきたいと考えています。

個別の退去強制手続等に関する質疑について

【記者】
 ゼロプラン、不法滞在者ゼロプランですね。今本格化、この執行をですね、されていると思うんですけれども。その中でちょっといくつか気になる案件が、問題となるような案件が出ているんじゃないかという気がしましてですね。
 今日ですね、ネパールの退去強制令書が出ている男性についてですね、出頭しなさいと。送還するのでね、という通知が来ていて、今日出頭するんですけれども。この方はパニック障害でね、それで飛行機とか、電車なんかには乗れないという診断が出てる。で、いつも仮放免の更新は、そういう事情なので、入管庁も、奥さんが出頭することを認めているんですね。で、明らかに診断が出ている人をですね、実際に日本人の奥さんと結婚していると。退去強制令書が出ているとはいえね。そういう方を、送還今日しようとしているっていうことはどうなのかと。
 それから、送還についてはですね、先週クルド人の家族がですね、5人が、水曜日だと思うんですけれども、強制送還されていると。これは護送官付きで強制送還されたと。退去強制令書が出ていて。で、難民申請はしているんだけど、3回目以降になっていると。とはいえですね、法務省の見解だと、入管庁の見解は、3回目以降なら大丈夫だということなんですけれども。向こうに着いた途端にですね、警察に身柄を拘束されてしまったと。この人がね。
 ということで、いろんな人道上ですね、それから国際人権条約上ですね、やっぱりちょっと配慮がね、足りないんではないかと。前者の例にしても、ほかの私が申し上げた後者の例にしてもですね。もう少しやっぱりですね、こういう強引なやり方で、ゼロプランを執行しようとするあまりですね、非常に問題案件がね、出てきているんではないかというところが見受けられるんですけれども、この点についてまずいかがでしょうか。

【大臣】
 まず今御指摘をいただきました件ですけれども、それぞれの個別事案の具体的な内容ということですので、その点について私からお答えすることは、差し控えさせていただきたいと思っています。
 その上で、それぞれについて、これは双方ということですが、当然のことながら、入管庁においては、それぞれの個別の、個々の事案について、それぞれの状況に十分な配慮をしながら、入管法等の法令に基づいて、あるいは先ほどゼロプランの執行ということもありましたけれども、当然のことながら、これは法令に基づいて、適切に対応しているものと、私どもとしては承知しています。

【記者】
 それに関連してなんですけれどもね。ゼロプランの、今申し上げたのは出口のところなんですけれども。入口のところでもですね、こういう案件が。今月の6日にですね、ミャンマーからの親子がですね、来て、それで一時上陸許可申請をしたんだけれども、拒否されたと。それで今、大阪入管にですね、収容されていてですね。退去強制手続が始まっているかどうかわからないんですけれども、ずっと収容されたままだと。6日からですから、移管されたのが16日、実質的にいうと3週間にわたりですね、身柄が拘束されているという状況にあると。
 で、この人は未成年なんですよね。18歳未満なんですよ。入管は、未成年の自由を拘束するっていうのはね、こどもの自由を拘束するっていうのは、一般的に考えて非常に人道的に問題がある、いろんな傷を残すんですね、こどもの将来にですね。入管庁自体も、2007年にね、原則収容しないと、こどもについてはね。で、これは廃止されたんですが、今度は入管法改正に伴う警備業務関連要領、ここの中では、原則収容しないというのは削除して後退はさせているものの、必要最小限にするというふうにね、文言を定めている。必要最小限っていうのは、もう今3週間にわたるわけですよね。これ必要最小限といえるのか。必要最小限というにはちょっと恣意的なね、判断が入っていると。3週間ですからね。この辺ちょっと非常に問題なんじゃないかと。

【大臣】
 今の件について、まさにこれは個別案件なので、その具体的な内容ということでお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。その上で、先ほどの繰り返しに若干なりますが、それぞれの事案について、入管庁において、その状況も十分に配慮しながら、法令に基づいて適切に対応していると、我々としては承知しています。
 同時に、先ほど未成年者ということで、原則ということでお話されました。我々としては、この点については、例えば退去強制手続等のためにやむを得ず、ある未成年者を収容する際は、当然のことながら、先ほど必要最小限という御指摘もありましたが、必要最小限の収容にとどめる、そういった配慮は当然に私どもとしても、現場においてしていると考えており、そう承知しています。そういった意味においては、必要最小限の収容にとどめる、同時に例えば親と同室に収容する、あるいは、その収容施設の管理運営上可能な範囲で、他の被収容者と別の居室に収容する等々の配慮について、私どもとしてもしていると考えており、そういった意味において、今回の事案においても適切に対応しているものと考えています。

【記者】
 未成年であるっていうことは認識されているということですね。

【大臣】
 個別の事案ということなので、そこについてどうだということを、これは当然のことながら、プライバシーであったり、様々な行政執行上の判断もありますので、その点についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと、申し訳ありませんが思っています。
(以上)