法務大臣閣議後記者会見の概要
令和7年8月1日(金)
今朝の閣議において、法務省請議案件はありませんでした。
続いて、私から、フィジー共和国法務省との間の協力覚書(MOC、Memorandum of Cooperation)の署名について申し上げます。
昨日7月31日、フィジー共和国のトゥランガ法務大臣とともに、同国法務省と我が国法務省との間での協力覚書に署名をしました。
これに併せて、トゥランガ法務大臣等と会談を実施し、大変有意義な意見交換を行うことができました。
「法の支配」等の価値を共有し、太平洋島しょ国の大国でもあるフィジーは「自由で開かれたインド太平洋」の観点から重要な国であると法務省としても認識しており、引き続き、相互理解と協力関係を更に深め、法務・司法分野における両国の関係を一層強固なものとしてまいりたいと考えています。
続いて、私から、フィジー共和国法務省との間の協力覚書(MOC、Memorandum of Cooperation)の署名について申し上げます。
昨日7月31日、フィジー共和国のトゥランガ法務大臣とともに、同国法務省と我が国法務省との間での協力覚書に署名をしました。
これに併せて、トゥランガ法務大臣等と会談を実施し、大変有意義な意見交換を行うことができました。
「法の支配」等の価値を共有し、太平洋島しょ国の大国でもあるフィジーは「自由で開かれたインド太平洋」の観点から重要な国であると法務省としても認識しており、引き続き、相互理解と協力関係を更に深め、法務・司法分野における両国の関係を一層強固なものとしてまいりたいと考えています。
外国人受入れに係る秩序と共生のバランスの在り方に関する質疑について
【記者】
大臣は一昨日、トルコの駐日大使と面会し、トルコの正規在留者と比較した不法残留者の数は、ほかの国と比べて多くなっているとして深刻な懸念を伝えられました。またその一方で、知事会からは共生社会の実現に向けた提言を受け取られています。
大臣は日本記者クラブの会見で、秩序ある共生社会の実現に向けた取組の必要性について言及されておられましたが、秩序と共生のバランスの在り方について、改めて大臣のお考えを伺います。
【大臣】
我が国において、日本人と外国人とが互いを尊重し、安全・安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の方々の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人の方々を受け入れ、適切な支援等を行っていくこと、同時に、ルールに違反する者に対しては、厳正に対応していくこと等が重要であると考えています。
先日の日本記者クラブの会見でも申し上げたところですが、やはり活力のある強い日本を実現していく、それをこの少子高齢化、あるいは人口減少という中で実現していくためには、やはり自由で開かれた日本、これが不可欠だと思います。
ただ同時に、その大前提ということですけれども、やはり国民の皆様方の御理解、そして御支持があるということ、まさにこれは不可欠なことだと思います。
その意味においては、国民の皆様方の安全・安心、そして、不公平感を持たれないことが、そういった日本を作っていく上での、大前提ではないかと考えています。
今、一部の外国人による犯罪あるいは迷惑行為等によって、不安等を感じている方々がおられる現状も考えれば、やはりその大前提としての、国民の皆様方の御理解と御支持をしっかりと得られるように、国民の皆様方の安全・安心、そして不公平感の問題、これをしっかりと死守していくことは大事ではないかと考えています。
そうした意味において、実態について的確に把握した上で、ルールを守らない者については、当然のことながら厳格に対応していく。そして、外国人をめぐる現下の情勢に十分に対応できていない制度・施策については見直しをしていくといった取組を、政府横断的に行っていくことが重要であると考えています。
私ども法務省としても、今年の5月23日になりますが、「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を公表して、ルールを守らない外国人を速やかに我が国から退去させるための対応策を既に実施しているところでもあり、また、各種在留資格においても、様々な要件の適正化に向けた検討を現在進めているところでもあります。
また、私の下での私的勉強会ということで、様々な有識者の方からも、様々な御意見を承りながら、今後の外国人政策の在り方について、これも近日中にまた報告できると思いますが、そういった取組を進めているところです。
こうしたことを通じて、先ほど秩序と共生のバランスというお話がありましたが、私どもとしては、やはり外国人との秩序ある共生社会の実現、これは先ほど私が申し上げたコンセプトの下で、引き続き関係省庁と連携しながら、必要な対応を着実に推進していきたいと思っています。
【記者】
毎年年初に入管庁が発表している不法残留者数の上位国籍地域別のデータがあると思いますが、そこの上位10か国について、正規在留者数と不法残留者数の比率を見ると、タイもトルコとほとんど同じぐらいの割合の不法残留者数の高さになっています。
そうした中で、先日あえて、タイも非常に高い比率がある中で、トルコ大使と面会されて直接懸念を伝えられた理由について、改めて教えていただければと思います。
【大臣】
当然のことながら、私どもとしては、先ほども申し上げたところですが、ルールを守らない外国人については厳格に対応していく、こうしたことは非常に大事です。まさに先ほど申し上げた、国民の皆様方の安全・安心、そうした観点からもこのことは極めて重要だと考えています。
これまでも関係の国々とは機会をとらえて、これは当然先方があることですから、詳細に立ち入ることはできませんが、当然のことながら必要な場合には必要に応じてそうした懸念も伝えてきたところです。
そうした中で、今回のトルコの大使の方も昨年着任され、就任の御挨拶をいただくという状況の中で、私どもとしても今回、こうした機会をとらえてお伝えさせていただいたということです。
大臣は一昨日、トルコの駐日大使と面会し、トルコの正規在留者と比較した不法残留者の数は、ほかの国と比べて多くなっているとして深刻な懸念を伝えられました。またその一方で、知事会からは共生社会の実現に向けた提言を受け取られています。
大臣は日本記者クラブの会見で、秩序ある共生社会の実現に向けた取組の必要性について言及されておられましたが、秩序と共生のバランスの在り方について、改めて大臣のお考えを伺います。
【大臣】
我が国において、日本人と外国人とが互いを尊重し、安全・安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の方々の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人の方々を受け入れ、適切な支援等を行っていくこと、同時に、ルールに違反する者に対しては、厳正に対応していくこと等が重要であると考えています。
先日の日本記者クラブの会見でも申し上げたところですが、やはり活力のある強い日本を実現していく、それをこの少子高齢化、あるいは人口減少という中で実現していくためには、やはり自由で開かれた日本、これが不可欠だと思います。
ただ同時に、その大前提ということですけれども、やはり国民の皆様方の御理解、そして御支持があるということ、まさにこれは不可欠なことだと思います。
その意味においては、国民の皆様方の安全・安心、そして、不公平感を持たれないことが、そういった日本を作っていく上での、大前提ではないかと考えています。
今、一部の外国人による犯罪あるいは迷惑行為等によって、不安等を感じている方々がおられる現状も考えれば、やはりその大前提としての、国民の皆様方の御理解と御支持をしっかりと得られるように、国民の皆様方の安全・安心、そして不公平感の問題、これをしっかりと死守していくことは大事ではないかと考えています。
そうした意味において、実態について的確に把握した上で、ルールを守らない者については、当然のことながら厳格に対応していく。そして、外国人をめぐる現下の情勢に十分に対応できていない制度・施策については見直しをしていくといった取組を、政府横断的に行っていくことが重要であると考えています。
私ども法務省としても、今年の5月23日になりますが、「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を公表して、ルールを守らない外国人を速やかに我が国から退去させるための対応策を既に実施しているところでもあり、また、各種在留資格においても、様々な要件の適正化に向けた検討を現在進めているところでもあります。
また、私の下での私的勉強会ということで、様々な有識者の方からも、様々な御意見を承りながら、今後の外国人政策の在り方について、これも近日中にまた報告できると思いますが、そういった取組を進めているところです。
こうしたことを通じて、先ほど秩序と共生のバランスというお話がありましたが、私どもとしては、やはり外国人との秩序ある共生社会の実現、これは先ほど私が申し上げたコンセプトの下で、引き続き関係省庁と連携しながら、必要な対応を着実に推進していきたいと思っています。
【記者】
毎年年初に入管庁が発表している不法残留者数の上位国籍地域別のデータがあると思いますが、そこの上位10か国について、正規在留者数と不法残留者数の比率を見ると、タイもトルコとほとんど同じぐらいの割合の不法残留者数の高さになっています。
そうした中で、先日あえて、タイも非常に高い比率がある中で、トルコ大使と面会されて直接懸念を伝えられた理由について、改めて教えていただければと思います。
【大臣】
当然のことながら、私どもとしては、先ほども申し上げたところですが、ルールを守らない外国人については厳格に対応していく、こうしたことは非常に大事です。まさに先ほど申し上げた、国民の皆様方の安全・安心、そうした観点からもこのことは極めて重要だと考えています。
これまでも関係の国々とは機会をとらえて、これは当然先方があることですから、詳細に立ち入ることはできませんが、当然のことながら必要な場合には必要に応じてそうした懸念も伝えてきたところです。
そうした中で、今回のトルコの大使の方も昨年着任され、就任の御挨拶をいただくという状況の中で、私どもとしても今回、こうした機会をとらえてお伝えさせていただいたということです。
フィジー共和国法務省との間の協力覚書の署名に関する質疑について
【記者】
冒頭の発言に関連しまして、フィジーとの協力覚書について伺います。
太平洋島しょ国と覚書を結ぶというのは初めてかと思います。法整備制度支援はですね、かつての途上国や新興国支援といった性格からですね、近年外交的な手段というか、役割が増しているかと思います。フィジーとの協力について、どのようなねらいがあるのか、改めてお願いいたします。
【大臣】
近年、日本の周辺においても、中国あるいはロシア等々による武力による現状変更、こういったある意味野心的な、挑発的な行動が目立っている状況の中にあって、私ども法務省としても、「法の支配」、あるいは「基本的人権の尊重」といった共通の価値を地域の安定のためということもありますが、この国際社会にしっかりと浸透させていくことができるように、司法外交を戦略的に位置付けをし、取組をしているところです。
昨日、そういった中で、フィジー共和国法務省との間での協力覚書を締結しました。
これはまさに、法務・司法分野における両国の協力関係の強化に向けた、非常に大きな、新たな第一歩であり、大変喜ばしいことでもありますし、極めて重要なことだと考えています。
先ほど申し上げたように、この太平洋島しょ国は、私どもとしても、ASEAN、中央アジアとともに注力をしている地域ですが、「法の支配」等の共通の価値を共有しているということ、さらには、太平洋島しょ国ということで申し上げれば、「自由で開かれたインド太平洋」の観点からも、極めて重要な地域であると、私どもとしても認識しているところです。
フィジー共和国は、この太平洋島しょ国の中でも、政治・経済と幅広い分野においてリーダーシップを発揮している、この地域の主要国の一つです。そうしたフィジー共和国との間で、法務・司法分野における協力関係を強化することで、太平洋島しょ国のエリアにおいて、「法の支配」等の共通の価値をより強固にし、地域の安定の確保に資する、まさにこの地域的な安定を確保した上で、共通の価値をしっかりと共有していく意味での司法外交を推進するに当たって、極めて戦略的に重要であると考えています。
引き続き、フィジーを始めとするこの太平洋島しょ国、これは先ほど申し上げたASEAN、中央アジアもまた同様ですが、我々としてもしっかりと、戦略的視点を持ちながら、法務・司法分野における協力関係をきちんと構築して、司法外交を進めてまいりたいと考えています。
冒頭の発言に関連しまして、フィジーとの協力覚書について伺います。
太平洋島しょ国と覚書を結ぶというのは初めてかと思います。法整備制度支援はですね、かつての途上国や新興国支援といった性格からですね、近年外交的な手段というか、役割が増しているかと思います。フィジーとの協力について、どのようなねらいがあるのか、改めてお願いいたします。
【大臣】
近年、日本の周辺においても、中国あるいはロシア等々による武力による現状変更、こういったある意味野心的な、挑発的な行動が目立っている状況の中にあって、私ども法務省としても、「法の支配」、あるいは「基本的人権の尊重」といった共通の価値を地域の安定のためということもありますが、この国際社会にしっかりと浸透させていくことができるように、司法外交を戦略的に位置付けをし、取組をしているところです。
昨日、そういった中で、フィジー共和国法務省との間での協力覚書を締結しました。
これはまさに、法務・司法分野における両国の協力関係の強化に向けた、非常に大きな、新たな第一歩であり、大変喜ばしいことでもありますし、極めて重要なことだと考えています。
先ほど申し上げたように、この太平洋島しょ国は、私どもとしても、ASEAN、中央アジアとともに注力をしている地域ですが、「法の支配」等の共通の価値を共有しているということ、さらには、太平洋島しょ国ということで申し上げれば、「自由で開かれたインド太平洋」の観点からも、極めて重要な地域であると、私どもとしても認識しているところです。
フィジー共和国は、この太平洋島しょ国の中でも、政治・経済と幅広い分野においてリーダーシップを発揮している、この地域の主要国の一つです。そうしたフィジー共和国との間で、法務・司法分野における協力関係を強化することで、太平洋島しょ国のエリアにおいて、「法の支配」等の共通の価値をより強固にし、地域の安定の確保に資する、まさにこの地域的な安定を確保した上で、共通の価値をしっかりと共有していく意味での司法外交を推進するに当たって、極めて戦略的に重要であると考えています。
引き続き、フィジーを始めとするこの太平洋島しょ国、これは先ほど申し上げたASEAN、中央アジアもまた同様ですが、我々としてもしっかりと、戦略的視点を持ちながら、法務・司法分野における協力関係をきちんと構築して、司法外交を進めてまいりたいと考えています。
公正証書悪用事案を受けた受け止めと今後の対応に関する質疑について
【記者】
公正証書の関連でお伺いします。
凍結口座から資金を引き出そうと、東京都のコンサルティング会社が不当な強制執行をかけていた問題では、逮捕者が出るなど刑事事件に発展しています。摘発された事件でも、虚偽の内容の公正証書が悪用されており、専門家からは契約書の確認の徹底など、運用の改善を求める声が出ています。
大臣の受け止め並びに公証人制度や警察との連携も含め、法務省としての今後の対応について教えてください。
【大臣】
以前の会見でも御質問いただいたことの関連と思いますが、個別の事件の捜査の具体的な内容に関わる事柄については、申し訳ありませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと考えています。
その上で、一般論として申し上げると、各公証人は公正証書が不正に利用されることをできる限り防ぐ観点から、不審な事案に関する情報をできる限り多く持っておくこと、これは極めて重要だと考えています。
そこで、これまでも公証人に対する周知や注意喚起を行ってまいりましたが、先月の7月11日付けで、日本公証人連合会から全国の公証人に宛てて、公正証書が不正に利用されるおそれがあるということにも留意をしつつ、契約の内容、あるいは、これを裏付ける客観的な資料の有無等を十分に確認する等、慎重な検討や対応を徹底するよう注意喚起をするとともに、不審な事案に接した場合には、速やかに情報提供するように改めて周知したところです。
私ども法務省としては、現在、日本公証人連合会とも連携して、引き続き調査を進めているところであり、今後とも、関係機関と連携して、適切に対応してまいりたいと考えています。
公正証書の関連でお伺いします。
凍結口座から資金を引き出そうと、東京都のコンサルティング会社が不当な強制執行をかけていた問題では、逮捕者が出るなど刑事事件に発展しています。摘発された事件でも、虚偽の内容の公正証書が悪用されており、専門家からは契約書の確認の徹底など、運用の改善を求める声が出ています。
大臣の受け止め並びに公証人制度や警察との連携も含め、法務省としての今後の対応について教えてください。
【大臣】
以前の会見でも御質問いただいたことの関連と思いますが、個別の事件の捜査の具体的な内容に関わる事柄については、申し訳ありませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと考えています。
その上で、一般論として申し上げると、各公証人は公正証書が不正に利用されることをできる限り防ぐ観点から、不審な事案に関する情報をできる限り多く持っておくこと、これは極めて重要だと考えています。
そこで、これまでも公証人に対する周知や注意喚起を行ってまいりましたが、先月の7月11日付けで、日本公証人連合会から全国の公証人に宛てて、公正証書が不正に利用されるおそれがあるということにも留意をしつつ、契約の内容、あるいは、これを裏付ける客観的な資料の有無等を十分に確認する等、慎重な検討や対応を徹底するよう注意喚起をするとともに、不審な事案に接した場合には、速やかに情報提供するように改めて周知したところです。
私ども法務省としては、現在、日本公証人連合会とも連携して、引き続き調査を進めているところであり、今後とも、関係機関と連携して、適切に対応してまいりたいと考えています。
(以上)