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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和7年8月5日(火)

 今朝の閣議において、法務省請議案件はありませんでした。
 続いて、私から、昨日、赤根智子国際刑事裁判所(ICC)所長と会談をしましたので、その点について申し上げます。
 会談においては、赤根所長に対し、国際社会における法の支配の維持・強化のため、ICCの所長として御尽力されておられることに敬意を表し、法務省としても、今後も引き続き外務省と連携しながら、ICCの活動を支援していくことをお伝えしたところです。
 また、ICCと法務省との協力、そして国際法務人材の育成の重要性についても意見交換させていただきました。
 法務省としては、ICCの活動は、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化という観点から、極めて重要と認識をしています。今後も引き続き、外務省と連携しながら、ICCの活動を支援してまいりたいと考えています。

福井女子中学生殺害事件に関する質疑について

【記者】
 39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件の再審やり直しの裁判で、先月、前川彰司さんに無罪が言い渡された判決について、検察は今月1日に上告しない手続を取り、前川さんの無罪が確定しました。
 長期間にわたり身柄を拘束されたこと、検察が上告しなかったことも含め、法務大臣としての受け止めと見解、今後の検証についてのお考えを伺います。

【大臣】
 御指摘の事件について、検察当局においては、判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、検討した結果、憲法違反、あるいは判例違反といった上告理由が見当たらないということで、上告を行わないとの判断に至ったということ、そして、事件が再審開始となり、再審公判において無罪が確定したことを厳粛に受け止めている、その旨を公表したものと承知しています。
 個別の事件における検察の判断、あるいは、この判決の受け止めについて、行政府の立場である法務大臣として、その所感を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
 検証についてですが、検察当局においては、無罪判決等があった場合には、当該事件における捜査・公判活動の問題点を検討し、必要に応じて、検察官の間で問題意識を共有して、反省すべき点は反省し、今後の捜査・公判活動の教訓としていると承知しています。当然のことながら、こうしたことについては、今御指摘の事件についても同様であり、これは検察当局の方で、別途特別の検証を考えていることはないと申し上げていると承知しているところですが、そうしたことも含めて、この再審判決における裁判所の指摘を重く受け止めながら、真摯に反省し教訓とすべきと考えているものと、私の方では承知しているところです。

国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランに関する質疑について

【記者】
 不法滞在者ゼロプランについてお伺いします。
 入管庁はプランに関して「ルールを守らない外国人に係る報道がなされるなど国民の間で不安が高まっている状況」があり、策定に至ったとホームページで説明しています。
 この点について「難民支援協会」などは、「曖昧かつ汎用性の高い『ルール』という表現は、プランが対象とする非正規状態にある方のみならず、外国人一般の差別意識の助長につながる」と批判をしています。
 大臣もこれまでプランの説明に伴い「ルールを守らない外国人は退去していただく」などと発言されていますけれども、こうした懸念に対するお考えをお聞かせください。
 また、なぜ入管法違反者などと呼ばず、ルールを守らないという表現をされているのかについても教えてください。

【大臣】
 まず、このいわゆる不法滞在者ゼロプランについてですが、この点については、その背景として、一部の外国人による犯罪、あるいは迷惑行為、各種制度の不適切な利用など、国民の皆様方が不安を感じている、そうした状況が生じていることも含めて、この7月8日の記者会見において、私からも御説明申し上げたところです。
 これは、こうした状況に関する認識ということで、必ずしも、入管法違反等々の法令違反には当然限られないということです。
 一方で、私から申し上げたことも度々ございますが、ルールを守らない外国人には退去していただく、そういった発言については、不法滞在者等々の入管法の退去強制事由に該当する外国人、まさにこれが対象ということであり、法令に従い手続を進めた結果、退去強制令書の発行を受けた者については、我が国から速やかに退去すべきである、そういった原則について、分かりやすく説明したものです。
 そうしたことから、この退去強制令書が発行された者を速やかに送還すること、これは当然のことながら、入管法の規定に定められた義務を遂行することであり、積極的に取り組むことは当然のことと、我々としては考えています。
 当然のことながら、排外主義ということはあってはいけませんが、そういったことが、外国人差別意識の助長につながるといった指摘は当たらないと、我々としては考えているところです。
(以上)