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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和7年11月28日(金)

 今朝の閣議で法務省請議案件として政令案が1件、その他について2件閣議決定されました。
 続いて、私から、養育費に関する法務省令について申し上げます。
 令和6年の民法等改正法によって、法定養育費の制度が設けられ、また、養育費請求権に先取特権が付与されることになりました。
 法定養育費の額等は、法務省令で定めることとされており、民事法の研究者や弁護士を構成員とする検討会を開催し、当事者の方々からのヒアリングも実施した上で、検討してまいりました。
 また、本年9月から10月までにかけて、省令案についてのパブリック・コメントの手続を実施し、363件の御意見を頂きました。
 御意見も踏まえて検討し、法定養育費の額は子一人につき月額2万円、先取特権が付与される額は子一人につき月額8万円と定めることとしました。
 もっとも、法定養育費は、取決めがされるまでの暫定的・補充的なものであり、適切な養育費の額は、個別の事情を踏まえて、父母の協議や裁判所の調停・審判により速やかに取り決めるべきものです。
 この省令は、準備ができ次第公布し、改正法の施行と合わせて令和8年4月1日に施行することを予定しています。
 子の利益の確保という改正法の趣旨を実現するため、引き続き、改正法の趣旨・内容の周知広報にしっかりと取り組んでまいります。

法定養育費と先取特権に関する質疑について

【記者】
 冒頭御説明のあった民法改正で創設する法定養育費と先取特権について、改めて意義と期待することをお伺いします。また、パブリックコメントでは、より高額にすべきとの意見も多かったとのことですが、今後どのように説明し理解を得ていくかお考えを併せて伺います。
 
【大臣】
 法定養育費制度の創設や、養育費債権への先取特権の付与は、いずれも養育費の支払を確保し、子の利益を確保しようとするものです。
 御指摘のとおり、パブリック・コメントにおいては、法定養育費の額に関して、物価高などを理由として、より高い額を提案する御意見も頂いたわけです。他方で、より低い額を提案する御意見もいただいたところです。
 法定養育費は取決めがされるまでの間、暫定的・補充的に養育費を請求することができるようにするものであり、養育費の標準的な額を定めるものではないわけです。この趣旨からすれば、子一人につき月額2万円という額は妥当なものであると考えています。
 適切な養育費の額は、個別の事情を踏まえて、協議等により速やかに取り決めていただきたいと思っています。
 法改正の目的である養育費の支払確保を実現するために、引き続き、関係府省庁とも連携して、制度の趣旨や内容の周知、あるいは広報に努めていきたいと考えています。
(以上)