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山下法務大臣初登庁後記者会見の概要


初登庁後の記者会見の様子

令和8年9月18日(金)

 皆様、こんにちは。法務大臣、内閣府特命担当大臣、これは男女共同参画担当ということになります。そして女性活躍担当大臣、法制度検証・改革担当大臣を拝命いたしました山下貴司です。
 私は、平成30年10月から令和元年9月まで法務大臣を務めましたので、今回は2度目ですが、初心に戻って、しっかりと国民の胸に落ちる法務行政を担ってまいりたいと思っております。
 法務省は、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護、出入国及び外国人の在留の公正な管理などの任務を遂行することを通じて、国民の安全・安心や国民生活の基盤を守ることが求められています。
 このような重要な使命を担う法務行政を再び預かることとなり、感慨無量です。
 また、今回は、内閣府特命担当大臣、女性活躍担当大臣、法制度検証・改革担当大臣にも任命されました。
 内閣府特命担当大臣、女性活躍担当大臣は、性別にかかわらず個性と能力を発揮できる社会をつくるため、政府全体で取組を進めていくことを任務としています。
 今般、このような重責を担うこととなり、身の引き締まる思いです。
 まず、高市総理大臣からは、法務行政等の課題について11点の御指示をいただきました。
 1点目は、「国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けた取組を推進する。」。
 2点目は、「差別や虐待のない社会の実現を目指し、個別法によるきめ細やかな人権救済を推進する。」。
 3点目は、「国家公安委員会委員長を始め関係大臣と協力して、「世界一安全な日本」をつくるため、刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援、犯罪被害者の支援、組織犯罪対策など、社会を明るくするための施策を総合的に推進する。」。
 4点目は、「冤罪被害の救済を徹底するため、再審制度の見直しのために改正された刑事訴訟法の適正な運用を着実に推進する。」。
 5点目は、「我が国の領土・領海・領空の警戒監視について、関係大臣と緊密に連携し、緊張感を持って、情報収集を行うとともに、事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する。」。
 6点目は、「関係大臣と協力して、一定の専門性、技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに、在留管理を徹底する。あわせて、文部科学大臣を始め関係大臣と協力して、外国人が日本語や我が国の制度等を学習するプログラムの創設に取り組む。観光立国に相応しい入国管理の実現を図るとともに、長期収容・送還忌避の課題解消及び難民に準じて庇護すべき者に対する適切な支援に取り組む。」。
 7点目は、「外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣と協力して、不法滞在対策の強化、出入国の管理の徹底、外国人の受入れの基本的な在り方の検討等、共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める。」。
 8点目は、「女性が活躍し、すべての女性が輝く国づくりを進めるため、また、支援を必要とする女性が誰一人残されることのないよう、厚生労働大臣をはじめ関係大臣と協力して、男女共同参画基本計画で掲げられた目標の達成や女性の経済的自立の実現等に向けて取り組む。社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民共通の目標とし、国としてその環境を整備する。」。
 9点目は、「関係大臣と協力して、旧氏の使用の拡大・周知を一層推し進めるとともに、旧氏の単記も可能とする基盤整備を進める。」。
 10点目は、「関係大臣と連携して、我が国の法制度全体の総点検を実施し、時代の変化に適応した法制度への改革を推進する。」。
 最後に、「あらゆる機会を捉えて、日本の製品・サービス・インフラの同志国への輸出を増やすための交流を行い、内閣全体で情報を共有するとともに、産業界に情報を提供する。」です。
 これらは、いずれも国民生活に密接に関わる重要な課題であると考えています。
 私は、これらの課題に全力で対処してまいります。
 総理からの御指示を胸に、関係大臣と十分連携しつつ、副大臣、大臣政務官及び職員と一丸となって、我が国のために、大臣としての重責を果たしてまいります。
 なお、先ほどの閣議において、特に御報告すべき案件はありませんでした。

検察に対する指揮権に関する質疑について

【記者】
 最初に指揮権についてお伺いします。
法務大臣は検察に対する指揮権を有しておりますが、指揮権の適切な行使についてどのようにお考えかお聞かせください。
 
【大臣】
 指揮権というのは、二つの面がありまして、一つは、検察権が行政権であるということで、行政の責任者である法務大臣が責任を持つという面があります。
 ただ反面、検察というのは準司法機関でもあり、そうした検察権の独立性の確保も必要だという両面があります。
 これら両面の調和を図るという観点から、検察庁法14条が規定されていますが、その趣旨に鑑みて、検察権の不当な制約とならないよう、極めて慎重に対応する必要があると考えています。

死刑制度に関する質疑について

【記者】
 法務大臣の重大な職務の1つである死刑制度について伺います。
 以前、法務大臣でいらっしゃった期間には、4名の死刑が執行されました。
 存廃も含め、死刑制度の在り方について、大臣のお考えを伺います。
 また、現在の死刑囚の中には再審請求中の方もいますが、再審請求中の方に対する死刑執行の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
 
【大臣】
 まず、死刑制度の存廃についてですが、これは国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題です。
 これは、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等種々の観点から慎重に検討すべき課題であると考えています。
 現在、国民世論の多数が極めて悪質重大な凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないものと考えています。
 したがって、死刑を廃止することは適当ではないと考えています。
 一般論として申し上げれば、法律上は、再審請求中であることが刑事訴訟法上の死刑の執行停止事由とはされていません。
 一方で、死刑の執行に関しては、個々の事案について関係記録を十分に精査し、刑の執行停止、あるいは再審事由の有無等について、慎重に検討しています。
 その検討をした上で、その是非を判断すべきものだと考えています。

検察の不祥事に関する質疑について

【記者】
 いわゆる検察の不祥事についてお伺いします。検察の不祥事が相次いでおり、国民の検察への信頼を揺るがしかねない状況だと思いますが、一連の不祥事について大臣はどのように受け止めていますか。
 また、検察の組織的、構造的な問題があるとお考えでしょうか。信頼回復に向けて、法務省としてどのような対応が必要だと考えているか、併せてお聞かせください。
 
【大臣】
 私も元検察官でした。まず、そういう経験からすると、近時、例えば東京地検の検事が事件関係者との不適切な交遊等によって、懲戒免職処分に付されるなどの事案があったことは承知していますし、そのことに関しては、一国民としても、検事経験者としても、また、法務大臣に就任した者としても、いずれの立場でも本当に残念極まりないことだと思っています。
 申すまでもなく、検察の活動は国民の信頼の上に成り立っており、そうした検察権行使の適正さに疑いを生じさせる事案は、検察活動の基盤を揺るがしかねない、ひいては国民の刑事司法に対する信頼を揺るがしかねないものであり、誠に残念です。
 一方で、ほとんどの検察職員を始め、刑事司法に携わる者は、高い倫理意識を持って職務を行っています。また、こうした事案は、基本的には、個人の倫理意識の欠如に起因するものであると考えていますが、こうした事案が生じた場合には、組織的に対応・対処することにより、同様の事案が繰り返されることがないように全力を上げていくことが重要であると考えています。
 私も法務大臣として、担当部局から、現在の検察を取り巻く状況等について、随時報告を受けることとしています。
 検察の活動、元検察官の経験も踏まえ、注意深く、そして厳しく見守るとともに、法務大臣としてのリーダーシップを発揮してまいりたいと思います。また、例えば検察官の会同等の機会をとらえて、綱紀保持の重要性を厳正に説く等必要な対応をしてまいりたいと考えています。

旧姓使用の拡大や夫婦別姓の導入などに関する質疑について

【記者】
 夫婦別姓の関係でお尋ねします。高市政権は旧姓単記使用を可能にする法整備に意欲を示していますが、法案の内容や国会提出時期を含め、関連する具体的な指示はありましたか。
 また、旧姓使用の拡大や夫婦別姓の導入などについて、大臣御自身のお考えをお聞かせください。あわせて、秋の臨時国会に関連法案を提出する御意向があるかもお聞かせください。
 
【大臣】
 先ほど御紹介したとおり、高市総理からは、関係大臣と協力して、旧氏の使用の拡大・周知を一層推し進めるとともに、旧氏の単記も可能とする基盤整備を進めるとの御指示をいただいたところです。
 今、内閣府及び法務省においては、婚姻による氏の変更により社会生活で不便や不利益を感じる方を減らすことができるよう、旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備を含め、旧氏使用の拡大について、関係省庁とも連携して、必要な取組を進めているところです。
 私もその取組をしっかりと進めてまいりたいと考えています。
 お尋ねの法案についてですが、鋭意検討中と聞いており、提出時期などについて、現時点で具体的にお答えすることは困難です。
 これ以上の個人的見解については、私は今大臣としてお答えしております。私も最近結婚して姓を変えた娘もいますが、そうした個人的な見解というのは差し控えさせていただき、大臣として責務を全うしたいと考えています。

同性婚に関する質疑について

【記者】
 同性婚について伺います。同性婚については6件の訴訟が提起されて、高裁で違憲が5件、合憲1件っていう判断が出ていまして、年内にも早ければ最高裁が統一見解を出すのではないかと言われております。
 高市首相は総裁選含め同性婚について反対の立場である一方、連立含む日本維新の会は容認する立場をとっています。以上を踏まえまして、大臣の政治家個人としての同性婚についての御見解、そして法務大臣としての御所見を伺えればと思います。
 
【大臣】
 まずは、同性婚を含めて婚姻に関わる制度は、例えば法律的に言えば親族の範囲とか、親族間の権利、義務関係をどういうふうに考えるのか、といった国民生活の基本に関わるものでもあります。国民一人一人の家族観に関わるものです。そういう認識を持っています。
 その上で、法的なことを申し上げると、御指摘の訴訟は、いずれも現時点で判決確定前ということで、御指摘のとおり最高裁大法廷による統一的な憲法判断がなされるという見込みであり、それを見守りたいと思っています。と申しますのは、やはり高裁判断は、様々な理由で民法等の規定が憲法に反するとしたものが複数ありますが、その根拠とする条文は区々に分かれているわけです。
 また一方で、例えば同性婚について、裁判所によっては、憲法上の「婚姻」に含まれず、民法、戸籍法の規定が直ちに合理性を欠いて国会の立法裁量の範囲を超えるような場合に当たるとは言えないと示したものもあります。
 そうした憲法をめぐる司法判断が分かれているという状況にある以上、法務大臣としては、引き続き、国民各層の意見、国会における議論の状況、そして同性婚に関する訴訟の動向等を、しっかりと注視していく必要があると考えています。
 ただ、それ以上の政治家個人としての考えについては、やはり法務大臣としてお答えさせていただきますので、この場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと考えています。

今後の外国人政策の方針及び外国人との秩序ある共生社会の実現に関する質疑について

【記者】
 外国人政策について伺います。近年、外国人施策について国民の関心度が高くなっております。大臣の外国人の受け入れについてどのようなお考えをお持ちなのかお聞かせください。
 また、入管庁では27年4月から育成就労制度が始まるほか、在留外国人の日本語・生活学習プログラムの中身の検討を進めています。今後の外国人政策の方針や注力したいところを伺いたいです。
 また、政府が年度内に取りまとめる方針の人口戦略について、外国人の部分をどのようにしていく方針なのかも併せて聞きたいです。よろしくお願いします。
 
【大臣】
 外国人については、我が国の人口減少に伴う人手不足の状況において、外国人材を必要とする分野があるということで日本がそういう社会になりつつあることは事実です。
 ただ一方で、本当に一部であると思いますが、外国人による違法行為やルールから逸脱した行為に対して、国民の皆様が不安や不公平感を感じる状況が生じていることはあります。
 やはりこういった外国人の方々については、我が国の法やルールの下で、国民と外国人の方々の双方が、互いに尊重し、安全・安心に生活し、共に繁栄する社会の実現を目指す必要があると考えています。これはルールを守って日本で活躍していただいている外国の方々のためでもあります。
 そうしたことから、私は自民党で外国人政策本部の座長として、提言を取りまとめさせていただきました。それを受けた「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」、これにかなり詳細に記載していますので、まずはこの政策を着実に進めたいと考えています。
 御指摘の特定技能や育成就労制度は来年4月を待っているところですが、こうした一定の専門性、技能を有する外国人材について、円滑に受け入れるとともに、在留管理をしっかり徹底する。それが国民の信頼と理解を醸成するものであろうと考えています。
 また、先ほど御指摘のありました外国人が日本語や我が国の制度を学習するプログラムの創設というのは、これも、私が提言させていただきまして、やはり受け入れるというのは単に受け入れて終わりではなく、我々の社会の仲間として日本語を学んでいただき、あるいは関心も違いますので、そういったこともしっかり共有しながらというプログラムが要るのではないかということで、それを新たに作ってもらったところです。
 元々、法務大臣のときに、在留外国人向けの生活中のガイドブックを作って、今ではそれが20か国語まで数えるようになっていますが、更にそれを進めて本当に日本に来られて力を発揮していただいている方に、そういったルール、あるいは日本語を学んでいただいて、我が国の社会を日本の方々と一緒に支えていただきたいと思っています。
 あとは、大量な入国時代になっています。そういったことから、電子渡航認証制度(JESTA)ですが、これについてしっかり導入し、今はもう4,200万人ぐらいですかね。非常に多くの入国者がおられる中で、そういった入国管理もしっかりと実現する。一方で、残念ながら我が国のルールに従われなかった方に対しては、やはり厳正に対応しなければならないということです。ただ、それは例えば難民や難民に準じて庇護すべき方々などについても適切な支援をやっていくということが含まれています。
 また、鈴木大臣が打ち出されました「不法滞在者ゼロプラン」についてもしっかりと対応していきたい。これが国民の理解をいただくためでもありますし、もう1つはやはり適正なルールを守って日本で活躍していただいている外国人の方のためでもあると考えています。そうしたこともしっかり注力させていただきたいと考えています。
 御指摘のあった外国人の受入れの基本的な在り方は今後検討を深めるということになっていますが、これは総合的対応策に基づいて、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣である小野田大臣ですね、省庁横断的に具体的な調査・検討、将来推計等を行って、政府全体で検討することとされています。

​【記者】
 今もお話ししましたけど、大臣は以前ですね、入管庁の設置、それから技能実習法の改正などに携わっておられました。
 それで入管主要施設の長期収容とかですね、死亡事件も顕在化して、そのことも国会審議で大きく取り上げられました。今も来年4月から育成就労制度が施行されるというお話があったんですけれども、これも技能実習制度の人権侵害がですね、非常に問題となり、そこからこの育成就労制度っていうのが、特定技能のことを前提としてできるわけです。そういう意味でこの間の外国人労働者の経営について大臣、当初からいろいろ深く関わっておられるわけですが、この育成就労がですね、制度が導入されると、家族の呼び戻しが可能となったり、それから永住資格をですね、取得する可能性も出てくるということがありまして、永住資格のですね、取り消し制度を創設したり、それから定住者、永住者のですね、取得条件を非常に厳しくして、それで在留資格の更新とかですね、その更新、在留資格の更新の手続で料金をですね、何倍にも引き上げたり、その在留外国人の定住とか永住をですね、非常に厳しくするといったような状況も出てきています。
 特に日本に長くいて、その不法滞在のうち、不法滞在といいますが不正規滞在状況でおられる方もいて特別許可も求めたりしているわけですが、なかなかそれも今非常に厳しくなっているっていう状況があります。それでお子さんが日本の学校で学んだお子さんなんかも護送官付でですね、家族全員で強制送還されるといったような、非常に厳しい退去強制手続もこの間続いております。
 そういう状況、今不法滞在者ゼロプランの話も出ましたし、それから難民認定制度のお話もちょっと触れておられましたが、こういったですね、今秩序ある共生社会のお話が出てきましたけれども、そういった規制強化ということで出入国在留管理の規制・管理ということだけではなく、やはりきちっとした人道的なですね、政策をきちっと立てるべきだと思うんですが、これについては、大臣はどのように考えてらっしゃるか。
 特に法制度ですね、今の見直しとか検討の担当の大臣もされてるということで、この間急激に変わりつつあるその外国人の受入れについても、もう1回きちっとその再検証する必要があるんではないかと思うんですけども、それについてお考えがありましたらお聞かせください。
 
【大臣】
 今様々御指摘いただいたような厳しい御意見があるということは承知しています。
 ただ、こういった反面ですね、一部の外国人による我が国の法やルールを逸脱する行為や制度の不適正な利用があるということ、そして国民の皆様が不安や不公平感を感じる状況が生じていること、それがひいては外国人に対する政策に悪影響を与えていることについては、やはりこうした問題ある行為に毅然として対応することが、外国人との秩序ある共生社会の実現のために必要と考えています。
 それは、日本人のためだけではなく、ルールを守って日本で活躍していただいている外国人の方やルールを守って日本で活躍されようと考えておられる外国人のためでもあると思います。
 その上で、我が国に在留する多くの外国人は、御指摘の法や社会規範等を理解されて地域や産業を支えておられ、日本社会に貢献している存在だと認識しています。
 ルールを守って暮らしている外国人が、そうした一部の方のルール逸脱行為によって住みづらくなることはあってはならないのではないかと考えています。
 そうした外国人でルールを守って日本で活躍していただいている方が正当に評価され、社会の一員として尊厳を持って生きられる社会を構築することは必要でありますし、我が国の法やルールの中で、日本人であろうが外国人であろうが、お互いに尊重してルールを守って安全・安心に生活して一緒に繁栄するという社会の実現を目指す必要があると考えています。
 自民党時代の提言も踏まえてまとめられた総合的対応策、これはこうした基本的考え方の下に取りまとめられたものであり、法務省としては引き続き総合的対応策に基づいて関係省庁と連携し、秩序ある共生社会の実現に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えています。

法制度検証・改革担当大臣に任命されたことに関する質疑について

【記者】
 1点お伺いさせていただきたいんですけども、大臣はこの度、法制度検証・改革担当に任命されましたが、この任務内容と、どういったことを進めていきたいかお考えをお聞かせください。
 
【大臣】
 これは、古くからある法律の内容が、明治や昭和の初期、あるいは戦後間もなくといったそうしたものが当時は妥当とされていた。しかしながら、例えばデジタル化が進むであるとか、権利関係が複雑になっているであるとか、様々な理由から、今の時代に妥当するものであるかということをやはり改めて検証する時期が来ているのではないかと考えています。
 このためですね、関係大臣と連携して、我が国の法制度全体の総点検をやはり実施する、そして時代の変化に適用した法制度への改革を推進すること、これは先ほど御紹介したように高市総理から指示を受けたところですので、これについてはしっかりと進めてまいりたいと考えています。
 
【記者】
 前の質問に関わるんですけれども、法制度の総点検の部分なんですが、デジタル化とその権利関係が複雑なもので、過去に法務大臣をやられている中で、これは変えたほうがいいよねっていうふうに考えているもの。具体的にございますでしょうか。
 
【大臣】
 先ほどの例に当たるかどうかというのはこれから検証しなければなりませんが、所有者不明土地問題です。
 所有者不明土地問題というのは、要するに相続で、所有権は絶対だということで、1人の所有者不明があったら、これ全員の同意がいるので、処分できないということで、日本のサンプリング調査では登記されている土地の4分の1が所有者不明土地なんですね。その土地が動かないと。日本の土地は総額で1,500兆円ぐらいありますから、失われることはとんでもないものです。それを所有者不明土地問題というのを、政務官、法務大臣と当時からやってきましたが、今かなり変わって、ある程度完成形に近づいており、それがマンション建替法に繋がった。空き家対策もそうです。これは議員立法をさせていただきました。そういうことから、やはり我々が所与のものとしている制度というのが、実は今の時代に合ってないのではないかということに関して、やはり真摯に検証していく営みが必要なのではないかと思っていますので、それをしっかり取り組んでいきたいと思います。

民事訴訟法における証拠の目的外使用の禁止に関する質疑について

【記者】
 民事訴訟法を改正して、取調べの録画データを「証拠の目的外使用禁止」の対象に含めるべきか否かというのが議論になっております。
 現状、規定のない現状ですと、重要なプライバシー情報や企業の秘密情報が含まれていることにより、当事者が証拠の提出をためらうという事例が問題化している一方で、逆に秘密の範囲を拡大しすぎると、本来開示されるべきデータが外に出づらくなって、これまでの例えば検察の取調べに違法性がないかといったことを第三者が検証することが難しくなってしまうという側面もございます。
 非常にバランス感覚が問われる議論だと思うんですけども、大臣としてどのように取り組んでいかれるかお願いします。
 
【大臣】
 そうですね。この民事訴訟での提出された証拠の目的外使用については、まず前提として、民事訴訟で、証拠収集手続の差があるので、それを適正なものにするために、証拠収集手続を作った方がよいのではないかというのが前提になっています。これは今までなかった制度です。
 他方で、そうやって集められた証拠や自ら集めた証拠が法廷で使われるといったときに、これが無限定に裁判手続外でどんどん公にされるということは、先ほどおっしゃったようなプライバシーの問題はあると思うんですね。というのは、御指摘の取調べの適正化の問題で民事訴訟になった、これはやっぱり甚だ遺憾なことではありますが、民事訴訟の全体からすると、極めてわずかな部分ではあると。だとすれば、民事訴訟全体の証拠手続の問題としてとらえるのか、それとも取調べの適正化の問題としてストレートに取り組んでいくのかということは、やっぱり慎重に考えなければなりません。というのは、一定の取調べの開示だけは入れていますが、例えば、不法行為に基づく損害賠償請求や、性犯罪被害、極めて機微な夫婦間の争いであったり、そうしたプライバシーあるいは会社情報、そういったものが全部含まれます。それが無限定に公開されることになると、逆に訴訟の利用を控えることになりはしないか。
 そういうことを考えると、証拠の目的外利用について、本来目的は訴訟で裁判官に見てもらってそれで判断してもらうのが趣旨ですから、どのように考えるべきかということは、今後ですね、法制審議会の議論も待ちながら、その結果を見ていきたいと考えているところであります。充実した調査審議がなされることを期待しています。

外国人に対するヘイトスピーチに関する質疑について

【記者】
 先ほどちょっと高市総理からの指示11項目のことで、ちょっと聞き間違えてたらあれなんですけど、2番目は差別のない社会などそういうものでしたか。
 
【大臣】
 「差別や虐待のない社会の実現を目指し、個別法によるきめ細やかな人権救済を推進する」でした。
 
【記者】
 差別の関係なんですけれども、先ほどルールを守らない外国人への不満とかって話もありましたが、その一部の問題ある人を原因に外国人全体に不満を持って差別してしまうのは、日本人側の問題のようにも見えるんですけれども、そうした外国人への差別、最近いろいろ話題になってますが、差別とかヘイトスピーチの現状っていうのはどのようにとらえているかと総理の指示のある差別のない社会ということについてどのように取り組みたいと思っておられますか。
 
【大臣】
 まず、外国人政策についてお話をさせていただくと、これはもう絶対、排外主義というのは、厳にしてはならないと思っています。
 ルールを守っておられる方は、本当に一緒に活躍し、ルールを守らない方は、そのルールを守らないものに応じた適切な対応をすることが厳正にされるということが国民の信頼をもたらすものであり、ルールを守っておられる外国人に対する不当な差別を防ぐものではないかということは考えられるんだろうと思います。
 私自身海外に4年いました。やはり不当な差別だと思うような対応を受けたこともあります。
 だからこそ、そうしたルールを守っている外国人の方々に対しては、しっかりと排外主義であるとか差別から守らなければならないと思っています。
 そしてまた、ヘイトスピーチというのは、名誉毀損や侮辱罪といったものが尽きないようにネット上でもかなり見られ、こうした現状を本当に深刻に憂いているところです。だからこそ、こうしたきめ細やかな人権救済、人権擁護局もありますから、そして兼務である、例えば男女共同参画、後はセクハラパワハラという部分もあり得る。そういったものをとにかく取り組んで対応していきたいと思っております。

法務大臣就任に当たっての抱負に関する質疑について

【記者】
 法務大臣就任に当たっての抱負についてお尋ねいたします。
 法務大臣として指揮される分野は幅広いと思いますが、これまでの御経験から、今後特に力を入れていきたい政策があれば教えてください。
 また、大臣の座右の銘や、大切にされている価値観についても併せてお伺いいたします。
 
【大臣】
 法務大臣として進めてまいりたいというのは、やはり総理から指示のあった11項目ですね。国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けた取組を推進する、刑事も民事もそうですけれども、それを始めですね、11項目すべて、これを全力で取り組んでまいりたいと思っています。
 また、女性活躍推進や男女共同参画も担当しているということですし、また、先ほど申し上げた法制度の検証や改革も担当しているということで、担当大臣として、法務省でまず、そういったことをしっかりやっていきたいと思っています。そういう法務行政、非常に重たい国民に身近なところですから、全力でやっていきたいと思っています。
 そういった中で、座右の銘というのは、私も岡山出身なので、岡山の大政治家である、犬養毅元首相の「話せば分かる」ですね。我々、2月に勝利した総選挙があった後は圧倒的多数を占めています。ただその前は衆参ともに少数与党でした。そういった中で内閣委員長の職務を務めさせていただいて、やはり与党野党という切り分けというよりも、話して、そして折り合っていくというのが国会の姿だろうと思ってます。「話せば分かる」ということをしっかり大事にしていきたいというふうに思っています。
 あとは様々な困難な課題があります。その中で、私のテーマであるのですが、「突破力」というのをやっています。「突破力」で、様々な困難を乗り越えてまいりたいと思っています。

(以上)