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財産犯等の犯罪収益のはく奪・被害回復関係の法整備

法整備の背景

(1)  組織的犯罪処罰法は,被害者の損害賠償請求権等を優先させるため,財産犯等の犯罪行為によりその被害者から得た財産(犯罪被害財産)の没収・追徴を禁止しているが,当該請求権が十分に行使されない場合もあり,その結果,犯人に犯罪被害財産を利得させかねない事態を招来している。
(2)  暴力団関係者によるヤミ金融事件の犯罪収益(約51億円)がスイスによって没収されており,スイス政府からその譲与を受けて被害者の被害回復に充てることを可能とする必要がある。

法整備の概要

1  組織的犯罪処罰法の一部改正

(1)  財産犯等の犯罪行為が組織的に行われた場合,犯罪被害財産の隠匿等が行われた場合などに,犯罪被害財産の没収・追徴の禁止を解除し,没収・追徴した財産を2(1)の給付金の支給に充てるものとする。
(2)  外国から要請された没収・追徴の確定裁判の執行の共助に係る財産を,当該要請国に譲与することができるものとする。

2  犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律の制定

(1)  以下の支給手続を定めるものとする。
a.  支給の対象者は,犯罪被害財産の没収・追徴の理由とされた事実に係る財産犯等の犯罪行為の被害者,これと一連の犯行として行われた財産犯等の犯罪行為の被害者等とする。
b.  検察官は,aの犯罪行為の範囲等を定めて公告し,被害者等の申請に基づき支給の当否等を裁定して,その裁定が確定した段階で支給を行う。
c.  支給をしてなお残余が生ずるときは,申請期間内に申請をしなかった者に対する特別支給手続を行う。
d.  支給手続終了後,剰余財産があれば一般会計の歳入に繰り入れる。
e.  支給手続の事務のうち一定のものを弁護士(被害回復事務管理人)に行わせることを可能とする。
(2)  外国から譲与された犯罪被害財産についても,(1)に準ずる手続により,被害者等への支給に充てることができるものとする。

3  施行期日

これらの法律は,平成18年12月1日から施行する。