総合職内定者からのメッセージ
令和5年3月23日
民事局内定者
総合職(行政)・男性
◆法務省を選んだ理由
大学院で法律を勉強していたため、それまでの知識を活かし、民事法制の整備や登記・戸籍など国民の生活に不可欠な基盤作りに貢献したいと思い、志望しました。また、民事局では、人権擁護局も含んだ採用を行っています。人権啓発を通じて人権救済が必要な場面を減らすことができるということに関心を持ち、人権擁護局の業務にも魅力を感じました。
◆1次試験の受験対策
試験勉強を始めた時期がかなり遅かったため、専門科目である法律科目にかなり重点を置いて試験対策を行いました。勉強方法としては、試験の傾向を掴むために、テキストを読むことよりも、問題を解くことに重点を置きました。教養科目は苦手な数的処理などよりも、得意であった知識系に絞って勉強しました。専門科目も教養科目も苦手な範囲でなく、得意な範囲に絞って勉強を行ったため、比較的楽しく勉強ができました。
◆2次試験の受験対策
記述試験の対策は、1次試験後に行いました。法律科目の最低限の知識は、1次試験対策の中で習得していましたが、記述試験の問題形式や書き方に不安を抱いてたため、過去問とその模範解答を見ることで試験の形式に慣れました。政策討議に関しては、普段から時事問題に関心を持つことで、どのようなテーマが出てもある程度は話すことができるようにしていました。
◆官庁訪問の対策
法務省の採用パンフレットを中心に対策を行いました。その中で、大きく取り上げられていた問題について官庁訪問前に一通り予習していきました。官庁訪問中は、その問題と自分の経験を結びつけて話ができるように心がけました。また、法務省が行っている政策などを調べていくうちに出てきた疑問は必ず質問するようにしていました。そして、何よりも自分が伝えたいことは漏らさず、伝えることを大切にしていました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
第2クールで初めて法務省を訪れた際の、赤れんが棟はとても印象に残っています。地方から東京に官庁訪問に行っていたので、それまで赤れんが棟を見たことがなかったこともあり、歴史を感じる建物に感動しました。その時に、法務省で働きたいと強く感じたことを今でも鮮明に覚えています。また、官庁訪問中にさまざまな質問をしたのですが、どの職員の方も丁寧に答えてくださったことが印象的でした。
◆受験期から内定までを振り返って
受験期に入ってからは、目の前の試験のことで周りも見えなくなるほど必死でした。官庁訪問の時期に入ってからは、面接などを通して、自分のやりたいことがより鮮明になったように思います。そして、この期間を通して、自分の人生について見つめ直すことで大きく成長できました。また、受験期から内定をいただくまで、家族、指導教員の先生、友人など多くの人に支えられていることを再認識できました。
◆法務省志望者へのメッセージ
筆記試験や官庁訪問においては、皆さんのこれまでの全ての経験が必ず武器になります。私も活かせると思っていなかった経験が意外と活かせたということが何度もありました。そのため、学生生活を通して、夢中になれることに全力で取り組んでみてください。また、試験勉強などで大変だと思いますが、体調に気を付け、無理せずに頑張ってください。皆さんと一緒に仕事ができる日を楽しみにしています。
総合職(行政)・女性
◆法務省を選んだ理由
法科大学院で行った法律相談において、登記申請書のひな型を作成した経験から、登記の記載が利害関係者に与える影響力の大きさを目の当たりにするとともに、リサーチを通して登記制度自体にも強く興味を抱くようになりました。また、大学時代に民法のゼミに所属していたこともあり、登記制度をはじめとして、国民の権利義務に大きく影響する民事法制度に貢献したいと思い、法務省の民事局を選びました。
◆1次試験の受験対策
私は当初法曹志望で、公務員試験の対策を開始したのが他の受験生よりも遅かったことから、筆記試験の対策時間をなるべく削り、限られた時間を遅れている面接の対策に充てようと決意しました。そのため、教養試験は足切りラインを狙い、判断推理・数的処理はほぼ捨てて、英語や国語など解けそうな問題を確実に得点するよう努めました。専門試験は法科大学院での学習や行政書士の資格の勉強経験などでカバーしました。
◆2次試験の受験対策
前述の通り、私は面接対策に時間を費やしたため、専門記述の対策は特に行わず、試験当日に法科大学院時代に解いた問題や論証を見直したくらいでした。面接対策は、予備校で行われていた面接カードの添削や模擬面接を利用しました。予備校の先生の厳しいアドバイスや、政策課題討議(院卒者試験のみですが)の模擬面接における他の受講者の討議の進め方を最大限に活用しようと心がけました。
◆官庁訪問の対策
自己分析や志望動機の推敲など、独力で出来ることは勿論必死でやりましたが、その上で様々なひとから客観的なアドバイスを求め、視野が狭くならないよう気をつけました。具体的には、他省の官庁訪問の待ち時間に、他省の受験生からみた法務省について意見を求めたり、ちょうど妹も公務員試験の受験中だったのでお互いに面接の練習をし合ったりしていました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
省庁によって職員の方の雰囲気も異なりましたが、法務省の職員は、事前の説明会等で感じた通り、真面目で落ち着いていて優しい方が多い印象でした。官庁訪問期間中に携帯会社の通信障害があり、私の連絡先を携帯電話から固定電話に変更していただくことになったのですが、その際も職員の方が突然のハプニングに同情し、温かい言葉をかけてくださり、迅速に対応していただいたのをよく覚えています。
◆受験期から内定までを振り返って
正解のない面接対策に苦しんだ受験期でした。とはいえ心に余裕がなくなるとかえって面接で実力を出せなくなると思い、面接の練習も兼ねて沢山の人と話すことで、自分を追い込み過ぎないようにしていました。面接カードに書いた趣味(家庭菜園)の話で、自宅で畑を作っているご近所さんに話し相手になっていただいたりもしました。
◆法務省志望者へのメッセージ
公務員試験は長丁場なので、適度に息抜きをしてオンオフのメリハリをつけることが大切だと感じました。特に官庁訪問は肉体的にも精神的にも疲弊しましたが、官庁訪問期間中に息抜きとして部活動まで行っている受験生もいましたし、私も友人と食事に行ったりしていました。面接の手応えで過度に一喜一憂せずに、反省点はとことん改善しながら、焦らず腐らず諦めずに乗り切っていただければと思います。
矯正局(事務系)内定者
総合職(法律)・男性
◆法務省を選んだ理由
罪を犯した人の立ち直りを、その出発点から支援したいと思い、志望しました。大学の授業や非行少年を支援する活動を通じて、非行や犯罪の多くは社会的な「生きづらさ」が表面化したものだと学び、制度面での支援が必要だと感じてきました。矯正局では、犯罪の根本的な原因の解決に正面から取り組むことで、再犯・再非行を防止する可能性を広げ、ひいては新たな犯罪加害者・被害者を生まない社会の構築にもつながると考えています。
◆1次試験の受験対策
1次試験の1年ほど前から、大学の講座で学習を始めました。年末までに各科目の基礎固めを行い、年明けから本格的に過去問演習に入りました。比重が高く、2次試験にもつながる憲法・民法・行政法の3科目を中心に学習を進め、過去問演習では、問われる知識とその言い回しを結び付けられるよう意識して取り組みました。教養試験については、文章理解・数的処理に比重を置き、試験当日の時間配分にも余裕を持たせました。
◆2次試験の受験対策
1次試験後から本格的に学習を始めました。限られた期間でしたので、各問に対して完璧な答案を作成するのではなく、模範解答を読み込み、論点と解答の流れのみを整理したノートを作成しました。試験当日までそのノートを活用し、演習回数を増やすことで知識の定着を図りました。面接試験対策については、講座の提供する模擬面接に積極的に参加して、面接の雰囲気に慣れるとともに、言語化する力を鍛えました。
◆官庁訪問の対策
自分の考えに「職員としての視点」を加えることを意識しました。説明会やパンフレット、白書等から現在の取組や課題について把握し、「自分が理想とする社会を法務省でどのように構築していくか」という問いに対して、実現可能性のある答えを出せるように準備しました。また、限られた時間で自分自身を表現するために、これまでの経験を様々な角度から掘り下げ、具体的なエピソードを持って伝えられるようにしました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
職員の方々が親身になって対応してくださり、リラックスして面接に臨めたことが印象に残っています。対面の面接では、面接前に採用担当の方が積極的に話しかけてくださり、落ち着いた状態でありのままの自分を表現することができました。また、私の意見や質問にも丁寧に対応していただき、新たな知識や視点を得ることができただけでなく、そこから感じた仕事への熱意にも惹かれ、ここで働きたいという思いが一層強くなりました。
◆受験期から内定までを振り返って
人との関わりが自己の成長につながることを、改めて実感することができた期間でした。多くの方々の経験や考えを伺うことで、「これからどのように生きていきたいか」という漠然とした問いに対して、様々な角度から自分なりの答えを探し出すことができたのではないかと思います。また、精神的に苦しい時でも、周囲の方々の支えがあって乗り越えることができたので、本当に1人では辿り着くことのできなかったものだと感じています。
◆法務省志望者へのメッセージ
就職活動は、人と関わる機会が多いものですが、最終的にその場で戦い、決めていくのは自分自身です。周りと比較して落ち込んだり、焦りや不安に押し潰されそうになったりすることもあるかと思います。しかし、真剣に自分と向き合い続けることで、自分にとって誇れる何かが発見でき、それが今後の人生にとっても大きな武器になると思います。大変なことも多いかと思いますが、体に気を付けて頑張ってください。
総合職(経済)・女性
◆法務省を選んだ理由
矯正局で社会復帰へのプログラムを充実させることによって、再犯防止を浸透させ、日本の治安維持に貢献したいと考えたからです。日本の再犯者率は相対的に増加しており、その原因として社会環境が犯罪を生み出している背景を知りました。矯正局が管轄する刑務所や青少年保護施設は、社会を縮図したような場所で、この職務に携わることで社会問題の改善に貢献できるのではないかと思ったからです。
◆1次試験の受験対策
基礎分野は解法を理解するほか、時間を意識して勉強していました。特に、数的処理や判断推理は大学生活で触れなかった分野であったため、できる限りたくさんの問題をトライするようにしました。専門分野については、過去問を解いて問題の出題の特長を把握しました。憲法や民法は誤答として出やすいものを抑えるまで勉強して試験に臨むようにしました。一方で、経済については主要部分を抑えて解き方を習得できるようにしました。
◆2次試験の受験対策
専門記述では経済学、財政学、公共政策を選択し、これらの勉強を集中して行ったのは1次試験後からでした。経済学と財政学は1次の専門試験の勉強で使っていたテキストを用いて、専門用語などを説明できるように復習しました。公共政策では出題者の専門分野を確認してどんな分野を研究されている方かチェックしました。そのことで、予め基礎情報を押さえるほか、文章の構成手順を確認しました。
◆官庁訪問の対策
なぜ法務省で働きたいのか、さらに法務省で何をしたいのかを自己分析と照らし合わせて考えるようにしました。そこでは、法にあまり関連してない学部から、どんなきっかけで志望するようになったのか深堀りしました。また緊張しすぎないことを意識して、自然体で話すようにしました。現役で働いている方の話を聞くことができる貴重な機会なので、その内容を吸収して自分の面接に活かせるように、振り返りを欠かさず行いました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
他の省庁にも訪問しましたが、一回の官庁訪問で面接した人数が多かったことが印象に残っています。一人一人の面接時間は短かったですが、幅広い職務の話を聞くことができました。そのため、自分が志望する省庁や局に入って希望する仕事に携わることができるか、そして他の職務に対しても目的意識を持って力を注げるか確認することができました。
◆受験期から内定までを振り返って
受験期を含めると、内定を頂くまでにかかった時間はとても長かったと思いますが、この期間で自分を見つめ直してさらに成長することができました。予備校に通っていなかったため、情報不足で臨みましたが、自分の思いを話すことを意識しました。官庁訪問では、現役で働いている方のお話を聞くことができるだけでなく、今まで気づかなかった視点から自分を観察する期間になったと思います。
◆法務省志望者へのメッセージ
私は法律が専門分野ではありませんが、自分がやりたいことにどの省庁がマッチングしているかを考え抜いた結果、法務省矯正局の内定にたどり着きました。自分の就職活動を振り返って、試験を通過することは官庁訪問をするために必要ですが、志望する省庁で何に取り組みたいか、目的意識は何かを考えていくことに時間をかけることも重要だと思いました。自分が納得する進路を見つけるために、この期間を大切に過ごしてほしいです。
矯正局(人間科学)内定者
総合職(人間科学(院卒))・男性
◆法務省を選んだ理由
再犯防止の取り組みに携わり、公共の安全を守ることに寄与したいと考えたため、法務省を志望しました。きっかけは、犯罪を犯した人には、その人の性格の影響等だけではなく、そうせざるを得なかった環境などの背景があったことを知ったことでした。私は、そのような人たちの更生に向けた支援や、再犯防止のための法施策の立案等の取り組みに携わることを通じて、社会を安全にする力になりたいと考えたため、法務省を選びました。
◆1次試験の受験対策
1次試験は、過去問を解いて問題のパターンをつかむことに注力しました。とくに、私の場合は、福祉学や社会学に関する知識が不足していたため、どのテーマの問題が出題されやすいかなどを分析し、そのテーマに関する部分を徹底的に理解するといった対策を行っておりました。また、テスト時間の都合も踏まえて、どの問題に時間をかけて取り組むかなどの優先順位などを決めておくといった対策も行っておりました。
◆2次試験の受験対策
2次試験は、政策課題討議と面接の対策に注力しました。とくに両者とも、自分の意見や考えを簡潔に伝えるということが重要になると考えたため、まずは自分の意見を結論から話して、その後に具体的な内容を説明するといった工夫を行いました。そのような話し方の工夫をすることによって、自分の考えを相手にわかりやすく伝える力がついたように感じました。
◆官庁訪問の対策
官庁訪問の対策としては、なぜ自分が法務省を志望したのかという経緯をまとめることと、毎回の官庁訪問で得たことを自分の中で整理することを行ってきました。とくに、官庁訪問で学んだことは、自分が法務省を志望した考えのうちのどこに位置づくのかといったように、その都度学んだことと自分自身の志望理由をつなぎ合わせて考えることによって、自分の考えをまとめることに役立ちました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
最も印象に残っているのは、多摩少年院の施設見学に参加させていただいたときのことです。法務教官の先生が、「法務省は、"生身の人を相手にする"という点に大きな魅力とやりがいがある。」とおっしゃられていたことがすごく記憶に残っています。さらに、そこでは、現場の先生方の少年たちの更生に向き合う思いなどを聞くことができ、私自身も、「絶対にここで働きたい!」という思いが込み上げたことを覚えています。
◆受験期から内定までを振り返って
法務省で働きたいと決心したときから、その目標に向かって全力で駆け抜けた期間だったと思います。振り返ると、受験に向けた対策だけではなく、法務省で行われている取り組みに関することを自主的に学んだりしていたことも功を奏した要因だったのかもしれないと思いました。試験の勉強だけではなく、法務省を志望するに至った自分の中の一つ一つの考えや思いをこれからも大事にしていきたいと思いました。
◆法務省志望者へのメッセージ
試験対策などに取り組んでいるうちに、本当にこのままで大丈夫なのだろうかといった不安などが込み上げてきてしまうときがくることもあると思います。そんなときは、ぜひ、なぜ自分が法務省を志望したのかなど、その思いを振り返ってみると良いと思います。目標に向かう意志があれば、必ずや、やり遂げられると思います。時には壁にぶつかることもあるかもしれませんが、その意志を胸に頑張っていってほしいと思います。
総合職(人間科学(院卒))・女性
◆法務省を選んだ理由
様々な背景を抱えて犯罪に至った人々が、再度社会に出ていくまでの手伝いをしたいと考え、志望いたしました。大学院にて鑑別所の職員の方にお話を聞く機会があり、鑑別所に来る非行少年たちが抱えている困難や、少年たちが更生できるよう注意深く行われる支援について知り、私も少年たちに寄り添い向き合うことで更生への支援を行いたいと考えるようになりました。
◆1次試験の受験対策
主に心理学の勉強を中心に行いました。公務員試験に受からなくとも心理学の知識は今後も自分にとって重要であると考え、領域を絞らずに知識を身に着けるようにしました。教養科目については、過去問を解き傾向を理解したうえで、得意な領域で確実に点が取れるよう解き方などを頭に入れることを意識し、それほど時間をかけないように注意しました。
◆2次試験の受験対策
専門記述に関しては、知識が足りなくては対応できないと考え、1次試験対策のような知識のインプットを重視しました。時々記述の練習を行い、どの知識が不足しがちなのかを知り、またインプットに励みました。面接に関しては、自分が学生時代に何を考えて行動し受験に至ったのかを振り返り、自分の考えをアピールできるような質問をされるであろう面接カードの作成を心がけました。
◆官庁訪問の対策
官庁訪問においては、自分がどのような人間であるかを伝えることを目指しました。何故法務省なのか、何故非行少年たちの更生を手伝いたいのか、社会に貢献する方法が多く存在する中でこの選択を行った理由は自身の内面にあると考え、自分と向き合う時間を大切にしました。また、犯罪白書やニュースから情報を集めることも意識しました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
官庁訪問を評価される場として捉えていたため、職員の方々から思った以上に多くのお話をうかがえたことが印象に残っています。実際に刑事施設等で働いている方々からお話をお聞きする機会は少ないため、不安に思っていることや興味のあることなど様々な質問をさせていただきました。お話をきいていく中で、より法務省で働きたいという気持ちが強まったり、自身を見つめなおすきっかけができたりと、多くを学ばせていただきました。
◆受験期から内定までを振り返って
国家総合職試験は私にとって高望みのようなものでした。そのため、試験勉強もいずれ役に立つものだからと自分に言い聞かせながらモチベーションを保って行っていました。大学院での生活もある中で時間を作って勉強をするのは大変ではありましたが、新しい知識を持った状態で実習や修士論文に取り組む体験も勉強になり、楽しい時間でもありました。
◆法務省志望者へのメッセージ
公務員試験の対策中はつらい思いをすることもあるかと思います。私は同じく公務員試験を受ける友人等色々な人に悩みを相談し支えてもらいながらなんとか乗り切ることができました。皆さんも、自分に合った息抜きの仕方やモチベーションの維持の仕方を見つけて心身を大切にしながら試験対策を行うのがいいのかなと思います。受験期が皆さんにとって実りのある時間になることをお祈りしております。
保護局(事務系)内定者
総合職(行政)・男性
◆法務省を選んだ理由
私は、犯罪をした人の再犯防止を図り人生の再スタートを切ることができる社会を実現したいと思い、法務省を志望しました。覚醒剤自己使用で未決勾留中の被告人に対する一般接見をする機会があり、その経験から薬物事犯の再犯が多い現実を知り、これを減少させるべきだと思いました。再犯防止に対する継続的な支援をすることで、安心安全な社会の実現が可能となると思います。微力ながら理想の社会の実現に尽力していきます。
◆1次試験の受験対策
私は法科大学院出身で、大学院2年在学中に1次試験を受験しました。普段から法律の学習を続けていたので、法律科目については特別な対策はしませんでした。一方、数的推理・判断推理については最低限の対策をしました。1年次終了後、春休みに入った2月頃から1日1時間くらいを確保して学習しました。数的推理は苦手だったので、毎日少しずつ学習することを意識していました。
◆2次試験の受験対策
2次試験の専門試験に関しては、特段の対策はしませんでした。法科大学院出身で、普段起案をしている方であれば問題ないと思います。一方、人事院面接と政策討議試験については筆記試験後から対策を始めました。独学だったため模擬面接を行うことはできませんでした。人物試験対策の書籍を参考に想定質問を作り、それに対する回答を用意しました。回答を暗記するというより、自己の考えを固めてうまく伝えるよう対策しました。
◆官庁訪問の対策
官庁訪問対策としては、自己分析を徹底し、作成した想定質問に対して「なぜ」を繰り返して回答内容を深めました。また、法務省の政策についての理解を深めるため、犯罪白書等に目を通し、逆質問の時間にしっかりと質問できるよう準備しました。法科大学院出身者は日々の講義で質疑応答を繰り返していると思います。質問に対して素早く答えるトレーニングを積んでおり、官庁訪問でもそれが役に立ちました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
職員の方々が、私の話を肯定的に受け取っていただいたことで、リラックスして官庁訪問に臨むことができました。面接では更生保護施策に対する私の考えを聞かれたことも印象的でした。また、他省庁の官庁訪問で良い評価が得られなかったため、保護局に私のどのような点が評価されたのかを不安に感じていました。この不安を職員の方に尋ねたところ、的確に、建前ではなく本音で答えてくださり、不安を解消することができました。
◆受験期から内定までを振り返って
私は、司法試験受験直後だったため、十分な対策をすることができないまま官庁訪問に臨みました。面接に不慣れだったため、最初は質疑に対する受け答えがうまくできなかったのですが、官庁訪問期間中に何度も面接を繰り返すことで、質問に対してうまく答えられるようになりました。官庁訪問には多くの不安があり、うまくいかないこともありましたが、期間中に反省を繰り返して成長することができました。
◆法務省志望者へのメッセージ
法科大学院出身者で国家公務員志望者が周りにおらず孤独な戦いでしたが、先に述べたように面接を担当してくださった職員の皆様がとても温かく、官庁訪問では自分をうまく伝えることができたと思います。私は他省庁も訪問しましたが、法務省の皆様が最も温かく接してくださり、人を大切にする組織なのだと感じました。志望者の皆様も法務省に訪問していただき、職員の方々の温かさに触れていただきたいです。
総合職(法律)・女性
◆法務省を選んだ理由
大学で刑事政策について学んだ際、更生保護活動や施設内処遇に関心を抱いたことが法務省を志したきっかけでした。安心・安全に暮らせる日本を構築するためには、再犯率の低下や立ち直り支援をはじめとする出所者処遇が1つの手段として有効であると感じています。そのため、これらの分野を所管しており取り組みを主導できる省庁である法務省が最も自分に合っていると考え、志望しました。
◆1次試験の受験対策
私が受験した法律区分では、専門試験の方が教養試験よりも配点比率が高かったので、専門科目を重点的に学習していました。また、過去問題集を過去10年分以上解いて傾向を分析したり、難易度や設問の文章量に慣れる練習を行いました。これに加え、誤肢については「どこが間違っていて、どう直せば正しい文章にできるか?」という細かい点まで意識しながら対策していました。
◆2次試験の受験対策
専門記述試験に関しては、講座のテキストを読んで正答例やテーマごとの論点を覚えることを中心に対策していました。特に、国家総合職は出題文が長く状況把握にも時間がかかるので、素早く要点を掴むために過去問を解いて感覚を養いました。また、政策論文に関しては一通り頻出テーマを把握し現状と課題を理解したうえで、過去問分析を通じて出題傾向を予測していました。
◆官庁訪問の対策
まずは志望局の業務を一通り把握し、特に関心のある分野については白書やHP、説明会などで情報収集を行いました。それを踏まえ、やってみたい仕事や現状の課題に対する自分なりの考えを面接カードに落とし込み、総合職内定者の方からアドバイスを頂きました。また、法務省職員の方とのお話を通じて志望動機をブラッシュアップしたり、官庁訪問期間中には知識不足の点があれば書籍を読むなどの対策を行っていました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
職員の方々が、いち学生の意見にも耳を傾けてアドバイスを積極的にして下さる姿が印象的でした。知識不足で現場感覚も薄い私の考えは指摘すべき点が多々あったと思いますが、否定するのではなく「どうすれば実現できそうか?」といった点を考えて質問を投げかけて下さる方が多く、皆様の前向きな姿勢が大変心に残りました。これまで抱いていた官僚像とは良い意味で異なっていたため、官庁訪問を通じてより志望度が高まりました。
◆受験期から内定までを振り返って
国家総合職を本格的に志した時期が遅かったため、焦りを感じていました。しかし、特に追い込まれていた直前期に法務省職員の方とお話しした際、志望動機や価値観に共感して下さり、後押しして頂けたことが大きなモチベーションに繋がりました。関西から一人で官庁訪問に赴いたので、知人もいない中手探り状態で日々の面接に挑んでいましたが、この短期間で多くの学びを得て成長できたと感じています。
◆法務省志望者へのメッセージ
モチベーションが下がった時は、法務省でやりたい仕事を思い浮かべてみて下さい。辛い時期もあるかと思いますが、何のために頑張っているのか、目的を常に見失わないことが大切だと思います。また、特に関西在住の方は1度対面で説明会に参加されることをおすすめします。リアルな法務省の雰囲気が知れたり、志を同じくする仲間にも出会えます。お体にお気をつけて、無理せず頑張って下さい!陰ながら応援しております。
保護局(人間科学)内定者
総合職(人間科学(大卒))・男性
◆法務省を選んだ理由
現場で実際に人と関わりながら、本省にてルールメイキングに携わることができる点に非常に惹かれたからです。もともと「人と関わる仕事がしたい」という想いで就職活動を始めましたが、自分の性格上、改善点があれば自ら是正していけるような職種がいいという想いも強くありました。そのような中、法務省では、実際に現場で得た知見に基づき法律作成ができるということを知り、志望を決意するに至りました。
◆1次試験の受験対策
本格的に対策を始められたのは本試験直前の秋口からでした。教養試験については、軸となる数的処理・文章理解の対策を早い段階からコンスタントに進めることを意識し、知識科目は浅く広く、スピード感をもって学習することを意識しました。専門択一試験については、専門知識がほぼ皆無な状況だったため、所属していた予備校のテキストを何度も読み、これまた何度も問題演習を重ねることで、知識の定着を図りました。
◆2次試験の受験対策
論述試験については、予備校のテキストや模試、市販のテキスト等を活用し、アウトプットの練習を重ねました。ポイントは、知識の定着を待たず、ガンガン問題演習を行うことだと思います。知識量の少なさに絶望するかもしれませんが、それを活力にまた覚え直していけば、次第に書けるようになります。人事院面接に関しては、予備校や友人に何度も面接カードの添削を依頼し、また模擬面接も複数回行うことで対策しました。
◆官庁訪問の対策
白書や法務省のHP、書籍等を活用して情報収集を行いました。特に、志望局が今最も力を入れている政策と、その分野の現状及び課題については、入念に調べました。また、人事院面接対策と同じ手法で自己PRと志望動機を固め、簡潔に答えられるようにしました。実際の官庁訪問期間には、「訪問を重ねるごとに成長する」ことを常に意識し、各クールで一つでも多くの知見を得られるように必ず逆質問を用意していました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
想像の何倍も、職員の方々が温かく接してくださったことです。採用担当の方々は、常にポジティブな言葉をかけてくださりましたし、時には面接時刻まで雑談をし、緊張をほぐしていただいたこともありました。面接官の方々も私の話に進んで共感を示し、和やかな雰囲気を作ってくださりました。しかしそれだけでなく、私自身の理解が足りていない点はやんわりと指摘してくださり、絶えず新たな視点も与えていただきました。
◆受験期から内定までを振り返って
受験期は、何度も心が折れそうになりました。嫌気が差してその日の勉強を投げ出し、どこに行くでもなくふらふらしていていたこともあります。しかし、時間を無駄にしていることへの罪悪感に耐え切れなくなると、必ずどこかで「将来を憂いても仕方ない」と開き直り、目の前のことに再び取り組み始めていたような気がします。今思えば、その小さなリスタートの積み重ねが、内定という結果につながったのだと思います。
◆法務省志望者へのメッセージ
受験生活は常に不安と焦りに苛まれる日々かもしれませんが、そんな不安や焦りは、皆様がご自身の将来と真摯に向き合われているからこそ生まれる感情なのだと思います。時には自分自身のことが心底嫌になってしまう日もあるでしょうが、いつかそんな日のことも愛おしく思える時がきっと来ます。何度も迷いながら、それでも少しずつやるべきことを積み重ねていくことで、皆様にとって最良の結果が訪れることを心より願っています。
総合職(人間科学(大卒))・女性
◆法務省を選んだ理由
大学で社会福祉を学び、制度の狭間の存在を強く実感していました。福祉的な課題がありながらも適切な支援に繋がらなかった人、様々な生きづらさを抱えた末に犯罪・非行の道に進んでしまった人がいるということを知り、そういった人たちも含めた「誰一人取り残さない社会」の実現が再犯防止のために重要だと考えるようになりました。また、地域の方々の力を借りながら、立ち直りを支える社会内処遇に魅力を感じ、志望しました。
◆1次試験の受験対策
常に逆算をしながら、スケジュール感を持って勉強をすることを心掛けていました。教養試験は、全てを網羅しようとするとキリがないので、数的処理、文章理解、自分の得意な知識系の科目、時事に絞って、時間を決めて取り組んでいました。専門択一試験は、国家試験用の参考書と過去問集を反復して、理解を深めていました。毎晩友人と1日の勉強の進捗状況を報告し合い、刺激を受けながら、支え合いながら試験期間を乗り越えました。
◆2次試験の受験対策
ほぼ独学だったので、過去問分析をするところから始めました。人間科学区分(教育・福祉・社会系)は現在の社会問題と結び付けた問題が多いように感じます。厚生労働白書を読み込み、現状と動向を把握した上で、一次試験対策として学んだ専門知識と結び付けて説明できるようにしていました。自分の言葉で要点を紙にまとめる、それを空で説明できるように、部屋の中で歩きながらブツブツ喋っていました。
◆官庁訪問の対策
「なぜ更生保護に携わりたいのか」という一番シンプルかつ大事な質問を、常に自分に問いかけ、様々な角度から自己分析をしていました。官庁訪問で職員の方とお話しする中で、思慮に及ばなかった新たな気づきや学びがあり、それを消化した上で次のクールに進むようにしていました。私は文字を書くことで頭がスッキリするタイプなので、ノートを持ち歩いて漠然とした自分の考えを言語化するようにしていました。
◆法務省の官庁訪問で印象に残っていること
お会いした職員の皆さんが、熱い想いを持ち、時には悩みながらも更生保護に向き合っている姿が印象的でした。面接官を担当していただいた職員の方々は、私の拙い言葉に真剣に応えてくれて、はっとするようなご指摘もいただきました。「面接」という場ではありましたが、自分の視野が広がった瞬間でした。正解のない問いに対して、保護局の一員として共に学び、考え続けていきたいと強く思いました。
◆受験期から内定までを振り返って
今振り返ってみれば、とても貴重で、有り難い時間でした。周りが就活を始めだしているのに、自分の「やりたいこと」が見えず、ただ焦っていた時もありました。そんな中で、様々な人や価値観に出会い、紆余曲折しながらも、最終的には法務省での仕事が私の「やりたいこと」だと胸を張って言えるようになりました。内定までの道のりは決して楽なものでは無かったですが、悔いのない選択ができたのではないかと思っています。
◆法務省志望者へのメッセージ
私自身も、この「内定者からのメッセージ」を読み、励まされていた一人です。憧れに近い気持ちだったので、まさか自分が内定をいただくことになるとは思っていませんでした。日々の試験勉強で心が折れそうになったり、自分の選んだ道が正しかったのか不安になることもあると思います。そんな時は、是非周りの人を頼ってください。就職活動を終えた時、皆さんが「全力でやりきった」と胸を張って言えるよう、応援しています。