先輩職員からのメッセージ (本省職員)
係長級
民事局

河本 哲志
河本哲志(平成18年入省・法律)
(1)今の仕事はどのような内容ですか。
現在,私が所属している民事第二課は,不動産登記及び司法書士・土地家屋調査士に関する制度を所管していますが,法規係は,その中でも,主に不動産登記関係法令の改正や不動産登記に関する訴訟についての仕事を担当しています。現在の仕事としては,行政不服審査法の改正に伴う不動産登記法,司法書士法及び土地家屋調査士法の改正を担当しており,改正法案を立案し,内閣法制局による審査を受けるとともに,行政不服審査制度を所管する総務省との連絡・調整を行っています。
(2)登庁から退庁までの平均的な一日の流れを教えてください。
9:20 出勤,メールのチェック,一日のスケジュールの確認
10:00 総務省と法令協議
11:30 法務局からの訴訟進行についての問合せに対応
12:00 昼休み
13:00 午前中に法務局から問合せのあった訴訟に係る準備書面の内容を精査
15:30 不動産登記法等の改正に関する内閣法制局の審査対応
16:30 帰庁後,内閣法制局の審査で明らかになった課題について局内各課室と調整
21:00 残務整理の後,帰宅
(3)入省後,一番思い出に残っている出来事を教えてください。
今まで一番印象に残っているのは,租税訟務課に在籍していた時に,私が国の代理人となって担当していた事件が最高裁判所で判決が出されることになり,最高裁判所に出廷したことです。もちろん最高裁判所に入るのは初めてでしたので,その重厚な雰囲気に圧倒されたことを今でも覚えています。このように,国民全体の利益と個人の権利・利益との間に正しい調和を図るべく,訴訟活動を行ったことにやりがいを感じました。
(4)休日はどのように過ごしていますか。
もともと運動が好きなのですが,平日は帰宅が遅くなることもあって思うように体を動かせないため,休日は,出来るだけ体を動かすように心がけています。現在は,自宅のある川崎から青梅駅付近まで多摩川沿いを愛車のロードレーサーで気ままに走っています。距離にすると往復約120キロ程度ですが,景色の素晴らしさもあり,心身ともにリフレッシュすることができています。
(5)職場の雰囲気を教えてください。
現在私が所属している民事第二課は,その業務量が比較的多い課であり,仕事に対する姿勢については厳しいところもありますが,課の雰囲気はとても良く,どんなクラスの職員でも自分の意見を言うことができる非常に明るく,かつ,賑やかな風通しの良い職場です。そのため,私は毎週決まった曜日になるべく早く退庁することを心掛けているのですが,上司がまだ仕事をしていても気兼ねなく退庁することができます。
矯正局
平原 長英
平原 長英 (平成16年入省・法律)
(1)今の仕事はどのような内容ですか。
官民協働企画係において,刑事施設の運営業務における民間委託に係る企画・立案を担当しています。現在は,刑事施設における総務業務や被収容者に対する給食業務の民間委託を進める準備をしています。その他,民間委託を実施している施設の国職員や民間企業からの相談に応じたり,内閣府や財務省などの関係省庁との折衝に当たっています。
(2)登庁から退庁までの平均的な一日の流れを教えてください。
9:00 出勤,メールのチェック
10:00 関係省庁からの照会に対する回答案の作成及び上司への報告
12:00 昼食
13:00 議員事務所からの照会に対する説明
14:00 新たな民間委託に関する資料作成及び報告
16:00 民間事業者との運営業務に関する協議
17:00 係内打ち合わせ
21:00 退庁
(3)入省後,一番思い出に残っている出来事を教えてください。
一番を決めがたいほど,いろいろ経験させていただいています。
現在は被収容者に対する給食業務等の民間委託を担当し,昨年はPFI刑務所(喜連川社会復帰促進センター)において,高齢受刑者や障害を有する受刑者の処遇を担当し,環境省出向時は,海岸に流れ着いたごみ等を処理する「海岸漂着物処理推進法」策定に従事しました。
それぞれの勤務地で,その時々の最先端の事案に関わりましたが,そうした機会に恵まれているのも法務省の魅力かと思います。
(4)休日はどのように過ごしていますか。
平日は家事・子育てを妻にまかせっきりですので,休みの日は育児や掃除にいそしんでいます。子供はやんちゃざかりで,平日よりむしろ大変かもしれません(笑)
(5)職場の雰囲気を教えてください。
入省時,所管する業務柄,まじめな省庁だろうなと思っていましたが,事実そのとおりでした。かといって堅苦しいということもなく,和気あいあいとした雰囲気です。
また,本省でも刑事施設でも,様々な案件がありますが,全体で協力して取り組む職場であり,何度も上司や周囲の方に助けらています。
保護局

谷 真如
谷 真如(平成15入省・人間科学1)
(1)今の仕事はどのような内容ですか。
私の担当する主な業務は,仮釈放制度が円滑かつ適正に運用されるように,施策の立案や検証を行うことです。
例えば,地方更生保護委員会(仮釈放等を許すか否かに関する審理等を行う機関)の調査をより効果的なものにするため,受刑者の釈放後の住居の確保や再犯防止に必要なアセスメント機能を強化する仕組みを検討したり,行政の適正な運営を確保するための行政不服審査に係る事務を行ったりしています。
(2)登庁から退庁までの平均的な一日の流れを教えてください。
9:15 出勤,スケジュール確認,現場等からのメールのチェック・返信
10:00 仮釈放取消に係る審査請求事案について,中央更生保護審査会に報告・協議
11:00 現場や他部局等からの照会への回答案を作成
12:00 昼休み(気分転換のため外出,昼食後,日比谷公園を散策)
13:00 受刑者に対するアセスメント等について,矯正局の担当者と打ち合わせ
14:30 法改正や現場職員へのヒアリング結果を踏まえた新たな業務の仕組みの検討
17:30 仮釈放関連の統計に係る分析メモの作成
20:15 残務整理の後,帰宅
(3)入省後,一番思い出に残っている出来事を教えてください。
保護観察官として,少年の生活の中に飛び込み,本気で助けを求める手を掴めたときや,ぎりぎりの真剣勝負で新たな被害者を生まずに再犯を防げたときなど,現場の第一線では時に心が震えるような状況に出会います。そして,これらを「個人的な経験」で終わらせず,本省へ来て,仲間達の声も集め「新しい仕組み」(アセスメントや処遇プログラムなど)を作るのです。何度か本省と現場を行き来しましたが,どれも思い出深い仕事です。
(4)休日はどのように過ごしていますか。
ワーク・ライフバランスを取ることはとても大事だと感じています。私の場合,週末は1歳になる長男と遊ぶ時間が何よりの楽しみとなっています。こうしたスローな時間があってこそ,活力をもって業務に取り組めるのです。
一方で,人間科学区分採用職員として,継続的に専門性を高めることも重要ですから,専門領域(認知行動療法,政策評価等)に関連する学会やワークショップにもできる限り参加するようにしています。
(5)職場の雰囲気を教えてください。
本省といっても,保護局はそれほど大所帯ではありませんので,課長から係員まで,何でも言い合えるような風通しの良さがあります。また,課室をまたいだイベントなどもあり,職員同士,和気あいあいとしています。もちろん,犯罪や非行に関わる職場ですから,時には緊張感のある雰囲気になることもありますが,メリハリはしっかりしています。これは,本省だけでなく,現場の保護観察所でも同じであったように感じます。
入国管理局

浦上 三四
浦上 三四(平成21年入省・法律)
(1)今の仕事はどのような内容ですか。
給与係という名前のとおり,本省入国管理局所属職員の毎月の給与の支給,昇給・昇格に関する業務を行っています。
また,特に給与係長の仕事としては,職員の待遇改善を図る目的で,級別定数改定要求というものがあります。国家公務員の各ポストに設定されている級(給与の格付けみたいなもの)は,人事院によって管理されていますので,例えば「うちの○○課長というポストはこんなに忙しくて,年々職務の責任も大きくなっているから,7級から8級に上げてください。」というような要求を人事院に対して行い,約半年をかけて各種要求資料の作成や折衝を行っています。
(2)登庁から退庁までの平均的な一日の流れを教えてください。
9:20 出勤,一日の業務の確認
10:00 級別定数改定要求に関する人事院ヒアリングの事前打ち合わせ
11:00 人事院へ出向き,ヒアリングを実施
12:00 昼休み
13:00 本年度から導入された早期退職募集制度について官房人事課と打ち合わせ
15:00 地方局からの給与制度に関する照会事項について検討し,回答
17:30 翌年1月1日付けの昇給に関する留意事項を作成し,各地方局に伝達
20:00 翌日のスケジュールを確認し,残務整理の後,帰宅
(3)入省後,一番思い出に残っている出来事を教えてください。
入省3年目に,入国管理局関連の行政訴訟を担当する部署に配属された時の経験がとても印象に残っています。例えば,退去強制令書を発付された不法滞在者が処分の取消しを求めて国を提訴するケースがありますが,基本的に1つの訴訟案件を1人で担当し,答弁書の作成,被告として一緒に出廷していただく検察官の方との打ち合わせ,尋問案の作成,最終答弁書の作成など,一歩対応を誤れば敗訴につながるかもしれないという緊張感と隣り合わせの状況で仕事を進める中で,裁判所に国側の主張が認められたときは大きなやりがいを感じました。
(4)休日はどのように過ごしていますか。
休日には,1週間分の洗濯や掃除をしたり,読書をしながらのんびりと過ごしています。また,学生時代から始めた韓国語を引き続き勉強しているので,週末は語学学校に通ってスキルアップを図っています。最近は,ようやく少しずつ話せるようになってきたことに加えて,格安航空会社(LCC)の参入で韓国への航空運賃がどんどん安くなっているので,年に1回程度,連休などを利用して韓国へ旅行に行っています。
(5)職場の雰囲気を教えてください。
一言で言うと,非常に風通しが良いです。給与事務は人事事務と相互に連絡を密にしながらそれぞれの業務を進めていく必要があり,また,財務省や人事院など他省庁から当局の業務内容について照会されることがあるので,警備課などいわゆる原課の職員の方々とのコミュニケーションは,活発になされており,同僚や上司に気兼ねなく相談できる雰囲気が作られていると感じます。
※ 執筆者の役職は,平成26年1月30日現在です。