参加罪を選択しなかった理由
○ 条約第5条は、参加罪について、組織的な犯罪集団の犯罪活動に参加する行為を犯罪とするだけではなく、犯罪活動以外の「その他の活動」に参加する行為についても、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っている場合には、これを犯罪とすることを義務付けています。
○ しかし、我が国においては、このように、必ずしも特定の犯罪との結び付きのない活動に参加する行為自体を直接処罰する規定の例がありませんので、そのような法整備を行うことについては、慎重な検討が必要であると考えられます。
○ これに対して、条約第5条の定める共謀罪は、「重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意すること」を犯罪とするものですが、このように特定の犯罪を実行することの共謀を処罰の対象とすることについては、刑法第78条の内乱陰謀罪や、爆発物取締罰則第4条の爆発物使用の共謀の罪など、現行法にもその例がありますので、我が国の法制にもなじむと考えられます。
○ このようなことから、政府としては、条約第5条の義務を充たすための法整備を行うに当たり、参加罪ではなく、もう一方の選択肢である重大な犯罪の共謀を犯罪とする法整備を行うことが適当であると考え、組織的な犯罪集団の関与する重大な犯罪の共謀に限って処罰する「組織的な犯罪の共謀罪」を設けることとしました。
○ しかし、我が国においては、このように、必ずしも特定の犯罪との結び付きのない活動に参加する行為自体を直接処罰する規定の例がありませんので、そのような法整備を行うことについては、慎重な検討が必要であると考えられます。
○ これに対して、条約第5条の定める共謀罪は、「重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意すること」を犯罪とするものですが、このように特定の犯罪を実行することの共謀を処罰の対象とすることについては、刑法第78条の内乱陰謀罪や、爆発物取締罰則第4条の爆発物使用の共謀の罪など、現行法にもその例がありますので、我が国の法制にもなじむと考えられます。
○ このようなことから、政府としては、条約第5条の義務を充たすための法整備を行うに当たり、参加罪ではなく、もう一方の選択肢である重大な犯罪の共謀を犯罪とする法整備を行うことが適当であると考え、組織的な犯罪集団の関与する重大な犯罪の共謀に限って処罰する「組織的な犯罪の共謀罪」を設けることとしました。