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訟務局


法務省訟務局付(筆者は右端)
経歴
 平成18年に任官後,東京,さいたま,宇都宮,名古屋,長野の各地方検察庁で勤務。
 その他,法務省刑事局,法務省訟務局で勤務。
 また,アメリカで在外研究を経験。

訟務局における仕事内容

訟務検事とは

 皆さんは,「訟務検事」という言葉を聞いて,どんな人を思い浮かべますか?
 国が当事者となる民事・行政訴訟(当然ながら法務省が関連する案件にとどまらず,様々な省庁の案件に関わっています。)で,国の代理人として活動する法曹が,訟務検事です。
 訟務検事は,法務省訟務局,全国8か所の法務局に配置されており,訴えがあれば,争点となる処分・行為の法適合性について適切な主張をするため,訴えの相手方となった行政庁の担当者から,事実関係や行政実務の実情を十分に聞き取るとともに,裁判所に提出する書面や証人尋問の準備等を行って,訴訟に臨んでいます。
 訟務検事は,活躍の求められる法分野こそ異なりますが,刑事事件の捜査・公判に従事する検察官同様,訴訟の準備から裁判所における主張・立証の場面に至るまで,日々,法曹としての知識・経験をフル活用して,活躍しています。
 私も,こうした訟務検事の一員として,文献や資料に乏しいことも多い法律の解釈等を前提とした主張立証の組立てに,四苦八苦することが少なくありません。
 しかし,関連する裁判例や資料をとことん調べ,同僚・上司(中には裁判官・弁護士出身者もいます。)と議論を尽くし,行政庁の胸にもすとんと落ちる主張を組み立て,これを受け入れる判決が言い渡されたときの達成感は,何物にも代えがたく,法曹として頑張ってよかったなと思える瞬間です。

広がる活躍のフィールド

 訟務検事の活躍の場は,近時,更なる広がりを見せています。
 訴訟となれば,解決をみるまで,その準備等に多くの時間と人的資源が費やされます。
 また,ある行政施策・活動を違法とする司法判断が下され,それが確定した場合,関係行政機関において,行政施策を是正する,あるいは,新たな行政施策を打ち出す必要が生じることがありますが,その際,司法判断の適切な分析を基にした適切な措置が講じられることが望ましいことは,言うまでもありません。
 こうしたことを背景に,訟務検事には,訴訟に発展する前の場面(事前)や訴訟で司法判断が下された後の場面(事後)で紛争を予防する役割(予防・事後司法)も,求められています。
 予防・事後司法の場面では,訴訟代理人の立場で求められる事実調査能力や法的思考力を発揮するだけでなく,関係する行政庁の政策課題を十分に理解した上で,国民の権利や公共の利益の観点から法の支配を貫徹する解決策を導き出すことが求められます。
 大変レベルの高い仕事が求められますが,その分,洞察力とバランス感覚が養われ,法の支配貫徹の「要」として,大いにやりがいを感じられます。
 また,国の政策の動きを,リアルタイムかつ横断的にふかん・実感することができ,検事・行政官としての視野も広がります。

検事を志す皆さんへ

 検事に任官すると,法曹として,刑事に関連する場でしか活躍の場を与えられないのではないか,と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし,ここまで述べてきたように,検事は,民事・行政訴訟に関わる場面でも,法曹として大いに力を発揮することができ,かつ,それを期待されています。
 そして,いわば「政府の顧問弁護士」「法の支配貫徹の要」としての訟務検事の存在感は,ますます増しています。
 皆さんも是非,幅広い分野で活躍する検事を目指してみませんか。