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保護局


法務省保護局付
経歴
 平成18年に任官後,東京,千葉,和歌山,岐阜の各地方検察庁で勤務。
 その他,預金保険機構,法務省保護局で勤務。
 また,アメリカで在外研究を経験。

保護局付検事の職務

法務省保護局とは

 皆さんは,「更生保護」という言葉を聞いたことがありますか。
 罪を犯した人や非行のある少年が,罪を償い,社会の一員として立ち直ることを助けるために,社会の中で生活を営ませながら,適切に指導や援助を行うなどする制度や活動のことをいいます。
 皆さんが関心を抱いている検事は,刑事事件について捜査や公判を行うことを主な職務内容としています。それでは,捜査・公判の対象となった人は,その後どうなるのでしょうか。捜査の結果,罪を犯したと認められても起訴されない人もいますし,起訴されて裁判で有罪判決を受けても,執行猶予が付いて刑務所に入らない人もいます。刑務所に入ることになっても,刑期が満了したり,仮釈放になったりすれば,社会に戻ってきます。
 そのような人たちが,再び罪を犯すことのないように立ち直ることは,社会の治安を維持する上ではとても重要なことです。そのような立ち直りを助けるための業務を所管しているのが法務省保護局です。

局付検事の役割

 私は,保護局の職員と一緒に,保護局が所管する法令や施策の立案・検討等の業務に携わっています。保護局の職員のほとんどは,更生保護に関する事務に従事している保護観察官であり,社会内処遇のプロフェッショナルです。それに加えて検事が保護局の業務に関わる意義について,実際に働いて感じている点は以下の2点です。
 一つ目は,法律家としての視点をいかせることです。保護局の職員も,法令に精通している方は多いのですが,厳格な文言解釈や他の法令との整合的な解釈,法律上の問題点の発見・把握,裁判例の射程の捉え方など,法律の専門家として検事が寄与できることは多いと思います。
 二つ目は,検事としての視点をいかせることです。更生保護という刑事手続の最終段階に関する施策について,捜査という刑事手続の開始段階を担当する者の目から,刑事司法全体を通して見たときに整合的なものとなっているかなどを検討するのは,よりよい制度を実現するために有益なことだろうと思います。

保護局付検事を経験して得られるもの

 検察の現場で捜査・公判を担当しているときには,犯罪を抑止したり,被害者の処罰感情を満たすために,罪を犯した者に対して適正な刑罰を科すことを重視してきました。しかし,保護局で勤務してからは,罪を犯した者が円滑に社会復帰し,再犯に及ばないよう改善更生することが,社会の安全のために重要だということを強く感じます。また,保護司を始めとする民間協力者が更生保護を支えており,その存在が大きなものであることも知ることができました。このように検察以外の業務を経験することを通じて得た新たな知見は,検察の業務を行う際にも,幅広い観点で物事を考えることを可能にしてくれます。
 様々な分野で自らの知識や経験をいかして所属する組織等に貢献できるだけでなく,自らも成長する機会を得ることができるのは,検事という職業の魅力の一つであると思います。