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次席検事

経歴
 
平成6年に任官後,大阪,京都,鳥取,東京の各地方検察庁で勤務。
 その他,大阪法務局,司法研修所で勤務。

次席検事の仕事

次席検事とは

 次席検事とは,属する庁の長(地方検察庁であれば検事正)に次ぐ立場にある検事のことです。私は,任官15年目に,非部制庁(刑事部などの「部」がない庁)である鳥取地方検察庁で初めての次席検事を経験し,任官26年目から,部制庁である京都地方検察庁で次席検事をしています。

次席検事の仕事

 次席検事は決裁官です。事件決裁の場面では,主任検察官からの捜査の進捗状況,証拠関係等について報告,相談を受けながら,問題点の指摘や補充捜査の助言をしたり,結論に誤りがないかを判断します。京都地方検察庁は中規模の部制庁であり,各部の副部長・部長がより身近な立場で決裁をしていますから,次席検事は,証拠関係が複雑で複数の目で処理方針を確認しておく必要があるといった一定程度難解な事件についての事件決裁をしています。
 各検察官は自ら検察権を行使する権限を持っていますが,経験値に差がありますから,各検察官の捜査・公判活動が適切に行われるよう,決裁をするのです。決裁制度は,自らが先輩検事に教えてもらったり,決裁官の指導を受けたりしながら身に付けた知識や経験を,今度は後輩に引き継ぐものとしても意味を持っています。
 また,次席検事の重要な仕事の1つに,円滑な庁務運営を行うという仕事があります。
次席検事のところには,人事,会計,企画,研修,検務事務(令状,証拠品,訴訟記録の保管や刑の執行など検察特有の事務)などに関して色々な報告,相談が上がってきますから,次席検事は,庁全体が見える立場にいます。ですから,「京都地検という船」の舵取りを大局的な見地から行う検事正を補佐して,職場内の風通しを良くし,事務の合理化・効率化やワークライフバランスの促進等に意を用いながら,職員みんなが,その所属する部署で,その持てる力を十分に発揮してもらえるように,庁全体に目を配って,船が円滑に進むよう調整しています。

皆さんへのメッセージ

 検事は,事件に関わる多くの人の人生を左右しかねない仕事をしているのですから,責任の重い大変な仕事です。それだけにやりがいがある仕事であり,「頑張った後の心地よい疲労感」に浸ることができます。
 私には3人の子供がいます。今はいずれも成人しましたが,子供が幼い時はもとより,中高生になったらなったで,親として鍛えられた時期もあり,家庭との両立に凹みそうな時もありましたが,それでも,周囲の方に助けてもらいながらもなんとか続けてこられたのは,検事の仕事が好きだったからです。
 皆さんが検事の仕事に魅力を感じていただけると,とても嬉しいです。