刑務所では、24時間365日にわたり、受刑者が逃走するなど不測の事態が発生しないよう、つぶさに所内を巡回して異状の有無を確認しています。また、受刑者にルールを守る意識を徹底させ、健全な社会人としての模範を示すことによって、その更生を支える必要があり、そのために、処遇部門の職員は日常生活全般にわたり受刑者の処遇に関わります。
処遇部門職員の仕事は幅広く、工場担当職員は、作業に限らず、受刑者の生活上の指導や悩み事の相談など、生活全般について指導・監督を行い、警備担当職員は、受刑者のルール違反や非常事態発生時に対応し、訟務担当職員は、受刑者の訴訟等に対応し、外部交通担当職員は、受刑者の発受信する手紙の検査等を行い、夜勤担当職員は、夜間帯において居室棟の巡回に当たります。
工場担当職員による職場紹介を見る
工場は受刑者が作業をするところであり、働くことの大切さを教えることはもちろんですが、対人関係の持ち方など、社会人としての生活につながるような指導をすることも重要です。受刑者には一人の人として接するように心掛けています。
刑務所のことを知らない人には、刑務所の中で工場は受刑者にとって「職場」であり、自分はその担当者であると説明しています。工場は受刑者が日中の大半を過ごす場所であり、作業に関する指導以外にも生活全般にわたる指導を行っています。
学校の先生で言うと、副担任の先生と言えます。受刑者に教えたり、注意・指導したりするに当たって、担当(担任の先生)に教えてもらいながら、やっているという感じです。
警備担当職員による職場紹介を見る
「刑務所の中のお巡りさん」のようなものです。工場や居室を巡回して、何か問題が起きていないか確認したり、受刑者のルール違反について審査会を開催するほか、暴れている者の制圧にも当たります。
訟務担当職員による職場紹介を見る
受刑者が「不服申立て」や「訴訟」、「人権救済の申立て」等をしたときに、私たちの仕事が正当であることを証明等するため、関係職員から事実を聞き取った上で書面を作成したり、どのような根拠に基づき処遇を行ったかについて説明する仕事です。
外部交通担当職員による職場紹介を見る
受刑者と外部の社会との間のやり取り(外部交通)を担当しています。具体的には、受刑者の手紙の発受の際の検査や、面会の可否の判断などです。
夜勤担当職員による職場紹介を見る
夜勤班に所属しています。4日に1回は夜勤があり、昼間の勤務の時は工場担当の休憩時の交代のほか、受刑者の入浴や運動の立会いなどをしています。
私も夜勤班に所属し、昼間の勤務の時は工場担当の休憩時の交代のほか、受刑者の入浴や運動の立会いなどをしています。
夜勤班の中で「雑務」という仕事をしていますが、臨機応変な対応が求められます。例えば、急に受刑者を外部の病院に通院させる場合の準備や、場合によっては救急車の手配なども行います。その他、決裁書類の持ち運びなどもあり、上司からの指導事項を起案者に説明するようなこともあり、勉強になります。