矯正職員として採用されると、刑務官は初等科に、法務教官と法務技官(心理)は基礎科に入所し、矯正職員としての心構えや根拠法令等の基礎知識について学びます。
その後、選抜試験等を経るなどして、上位の研修に進むと、刑務所や少年院等の課長や部長、施設長などの上級幹部へ登用されていきます。
その他、海外・国内留学の機会も設けられています。
矯正研修所で実施される主な研修科・目的・対象者は以下のとおりです。
研修では、仕事に必要な各種法令や教育学・社会学・心理学などについての知識を学ぶ講義形式の授業のほか、ゼミ形式の演習、矯正護身術等の術科訓練、体験実習など多種多様な方法により矯正職員として必要な職務能力の向上を図っています。
また、矯正研修所教官に加えて、大学教授などの各分野の専門家を講師として招いたり、コーチングやファシリテーション等、広く民間企業でも採用されている研修内容・方法を導入したりしています。
その他、様々な専門技術を高めるための研修があります。
現在は、感染防止対策のため通信形式の研修を実施していますが、今後は入所する研修生のワークライフバランス等を考慮し、各種研修について通信形式と
集合形式を組み合わせたハイブリッドな研修の実施方法を検討しています。
次に、採用から幹部職員になるまでの具体的な研修内容を御紹介します。
職員としての基礎・基本を学ぶため、採用1年目に新規採用職員を対象とした研修(刑務官の場合は初等科、法務教官・法務技官(心理)の場合は基礎科)を、矯正研修所・矯正研修所支所と所属施設(OJT)で行っています。
【初等科履修科目】(主な科目の抜粋)
憲法 | 12時間 |
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法学概論 | 10時間 |
国家公務員法 | 8時間 |
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外観
職員点検
※マスクを着用していない写真はコロナ前の写真です(以下同様)。
研修寮
通信研修
施設の初級幹部育成のため、刑務官の場合は選抜試験に合格した職員を対象とした、中等科研修を、法務教官・法務技官(心理)の場合は採用後5年目の職員を対象とした、応用科研修を、矯正研修所又は矯正研修所支所で行っています。
【中等科履修科目】(主な科目の抜粋)
成人矯正法 | 40時間 |
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少年法規 | 14時間 |
矯正心理学 | 10時間 |
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グループミーティング
講義風景
機器に触れて学ぶ
入浴場
さらに上位の幹部となるため、選抜試験に合格した職員や、国家公務員総合職試験を経て採用された職員を対象とした高等科研修を矯正研修所で行っています。
高等科研修においては、将来の幹部候補生として、通常の座学に加え、介護施設実習やディベートなど、様々な研修を実施しています。
【高等科履修科目】(主な科目の抜粋)
矯正と人権 | 22時間 |
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リスクマネジメント | 15時間 |
プレゼンテーション | 16時間 |
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指揮者となるための訓練①
救急訓練
指揮者となるための訓練②
通信研修
外国人処遇や矯正施設における医療に関するものなど、各業務の専門性を高めるため、各種の研修を矯正研修所・矯正研修所支所で行っています。
医療に関する知識を学ぶ
医療に関する質疑応答
矯正研修所では、矯正職員を対象として職務上必要な知識、技能の付与・向上のため、様々な手法で研修を実施しており、講師や教官は、矯正職員の知識や技能を更に向上させるため、研修内容の改善に尽力しています。また、矯正職員として職務を遂行していくに当たり、突発的な事案に対し、自身又は相手の身を守るための「矯正護身術」をはじめとした各種実技訓練も実施しています。
それ以外にも、研修を受ける職員は研修寮で宿泊することも多く、研修期間中に寝食を共にする中で、矯正職員としての一体感の醸成や今後の職務への励みとなる研修同期同士の絆を深めていくこともできます。
矯正職員に興味・関心をお持ちの皆さんは是非、第一歩を踏み出してみてください。
体育館
講堂